倉重英樹の名言・格言|感情を爆発させて怒ることが叱ることではない

リーダーになると、ときにはメンバーを叱らなくてはならない場面も出てきます。最近は部下を叱れない上司が増えたと聞きます。そういう人は、「感情を爆発させて怒ること=叱ること」と勘違いしていないでしょうか。叱るとは指導であり教育です。だからこそ、そのための技術が必要です。

倉重英樹 の経歴

倉重英樹、くらしげ・ひでき。日本の経営者。「シグマクシス」創業者、「IBMビジネスコンサルティングサービス」会長。山口県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本IBMに入社。取締役、副社長を務めたのち、プライスウォーターハウス・クーパース・コンサルタントに移籍し同社を大きく成長させた。その後、同社がIBMに買収され、IBMビジネスコンサルティングサービスとなり会長に就任。日本テレコム社長、イオン取締役、三菱商事特別顧問なども務めた経営者。シグマクシスを創設。

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40代になると、自分自身が成果を出すこと以外に、部下を育てることが求められるようになります。難しいのは叱り方です。ここでも女性によく見られるのが、溜めてしまうことです。「女性がしょっちゅう叱っていると、ヒステリーだと思われるのではないか」と考え、普段は見て見ぬふりをして、我慢できなくなったときに爆発させてしまうのです。叱るのは相手のためですから、溜めこまないでその都度言いましょう。

私は社員を「その場で叱る」「その場で褒める」よう心がけています。これがなされれば、社員は必ず伸びます。私はお客様の前であっても、他の部下の前であっても、その場で叱ります。あとで注意するのは駄目です。お客様がいるところで叱るのはお客様の迷惑になるという意見もあるでしょうが、叱っている内容がお客様目線であれば、お客様にも社員教育だと思ってもらえると信じています。

ミスやクレームが発生したとき、いかに早く報告させるか。そのためには、「早く報告して良かった」という実感を部下に持たせることが大事です。結果だけを評価して、頭ごなしに失敗をなじる。これは最悪の対処法です。ある部下が、トラブルを未然に防げなかったとします。でも、報告してもろくに経緯も聞かずに怒られるだけだと思い、しばらく取り繕って隠していた。そして、問題は日増しに大きくなって……。不祥事が生まれる典型的なパターンです。

最近は、上司が部下を叱るのを避ける風潮があるようです。しかし、叱ることができないのは、信念も思いも希薄な証拠です。リーダーが叱らざるをえないときに叱らないと、組織は弱体化します。

相手のことを考えて「叱る」つもりが、話しているうちに感情的になり、いつの間にか「怒る」になってしまう人も多い。つい感情的になって相手の人格を否定するような言葉が口から出てきて、部下はショックを受けてしまう。そうならないためにも、事前に頭を整理しておく方法は有効です。相手に逃げ道をつくっておくことも忘れないようにしましょう。

ミスを叱るときは、いったい何のために叱責するのかを考えましょう。それは相手を変えるためです。本人がその過ちをなぜ犯したかに気づき、これはやってはいけないと思い、自発的に変えたい、変わりたいという気持ちにさせていく。そのためには、主語を「自分」ではなく「相手」にしていくことが大事です。

部下が自分の役割として、すべきことをしていないとき、いい加減に取り組んで判断を間違えたときは、真剣に叱りました。チームとしていい方向に導き、目標を達成するという使命がありますから。当時の部下から「怖かった」と言われます。

選手を怒るときは、怒られる人間の性格や状況にもよります。1対1で言い聞かせた方が素直になれる相手ならそうしますし、「ここはチーム全体の気持ちを引き締めなくてはいけないな」というときなどは、あえてチームリーダーを全員の前で叱ることもあります。

人を叱るときは、言い方にも細心の注意を払いたいところです。相手の人格を否定するような言い方をする人がいますが、あれは良くありません。結果が出なかったのは考え方や行動が間違っていただけで、人格は関係ありません。あるいは、根本的に会社の仕組みにも原因があるかもしれません。それらを考慮したうえで、考えや行動の間違ったところだけを指摘して、次のチャンスを与えればいい。

叱ると一時的には効果がある。しかし、本質的な解決にはならない。むしろ相手は活力を奪われ、ますます言うことを聞かなくなるだろう。

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