江上剛の名言・格言|優秀な部下を叱る

ときには、仕事のできる部下を叱ったりして、周囲に優秀な部下を特別扱いしていないと思わせないと同時に、他の部下に対しては「自分もしっかりしなければいけない」と思わせることも大切です。

江上剛 の経歴

江上剛、えがみ・ごう。日本の作家、コラムニスト、コメンテーター。兵庫県出身。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後、第一勧業銀行に入行。広報部次長、築地支店長などを経て退行。経済小説『非情銀行』で作家デビュー。小説家、テレビのキャスター、コラムニストなど幅広い分野で活躍している。

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私が部下を叱るときにいつも心がけていたのは、会社の制度を利用することでした。たとえば成績が悪いことを叱らなくてはいけない場合、「会社の評価制度がこうだから、評価はこうなる」と淡々と指摘します。客観的な基準を用いれば、個人的な好き嫌いと関係なく、不本意ながら叱らざるをえないということが伝わります。一方、褒めるときは、自分の言葉で評価したほうが部下も喜んでくれる。これを逆にする上司は、たとえ正しい評価をしていたとしても部下になかなか理解してもらえないでしょう。

褒めるも叱るも、簡単なことではありません。バランスも難しい。ただ、基準を明確に決めるのが最優先です。何のために叱るのか。それが大事です。

リーダーになるためには、叱り方も上手くなければなりません。私の場合は、部下を叱りつけているときに何を考えていたかというと、その部下の長所です。叱るときは部下の悪い部分一点のみと決め、叱ったあとは24時間以内にその部下の長所を、叱った倍の量で褒めるように心がけていました。

上司のぶつける感情が受け取る側のヒットゾーンに入るかどうかで、部下の受け止め方は変わってきます。従って、計算された演出として強く叱るのはアリだと思いますが、感情に流されるまま叱りつけることは、とくにデリケートな人が相手の場合大問題です。

部下に対するときの私のスタイルは一貫しています。叱るときは部下の親か兄のつもりで叱ります。場合によっては「いいか、お前の親の代わりで言うぞ!」と前置きしてからカミナリを落とします。「こいつには何とかわかってほしい」「よくなってほしい」という肉親同様の気持ちがベースです。ですから、きつく言えば言うほど迫力が出ます。「ようやったな。できるやんか!」と褒めるときは「千房社長」という肩書で褒めるのです。これを逆さにしたら効果はありません。

本来仕事とは、定めた目標に近づくための行動の積み重ねです。その際に褒めるというのは、目標達成のため望むべき行動を増やすための行為で、反対に叱るとは、目標達成のためにすべきではない行動を減らす行為を指します。

罰というのは、思いつきでいきなり与えるものではない。「このルールを破ったら徹底的に叩く」と、前もって明確化して伝えておき、実際に部下がそのルールから外れたなら罰すればいいのです。そうすれば、「部長は口だけじゃない」と率先してルールを守るし、罰せられても上司を恨むことはない。逆に「まあ、いいや」と叱ったり叱らなかったりすると部下は学習せず、間違いを繰り返します。さらに、明確化していないことを罰するのは、ただの理不尽。やめたほうが賢明です。

褒めるなら「も」を使い、叱るなら「もったいない」を使うというテクニックです。「も」は、ある意味、最強の助詞。「説明『も』上手だね」「声『も』良いね」と言うと、他にも多くの良い点があるような印象になり、褒める効果が倍増します。対して、「もったいない」は、叱りつつも可能性を認める言葉です。「(本当はできるのに)ここでミスをするなんてもったいない!」と言えば、高い評価に基づく親心を感じてもらえるでしょう。

「怒る」のではなく「叱る」ことが大切。具体的にできていないことを指摘するのが「叱る」です。それができず、ただ感情的に怒っている上司が世の中には多い。

部下を怒ることもあります。しかし、それは仕事の成績が悪いといった理由ではありません。そして、自分の感情に任せて声を荒げたこともありません。叱責するのは怠慢に対してです。何度も同じミスをしたり、約束を破ったり。実際、そのような部下は少ないですが、そういった場合は机をたたいて怒ります。

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