黒川博昭の名言 一覧

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黒川博昭のプロフィール

黒川博昭、くろかわ・ひろあき。日本の経営者。富士通社長。埼玉県出身。東京大学法学部卒業後、富士通信機製造(のちの富士通)に入社。ソフト・サービス事業推進本部長代理、ソフト・サービス事業推進本部副本部長、取締役、ソフト・サービス事業推進本部本部長、常務取締役、常務執行役、経営執行役副社長などを経て社長に就任。

いまの時代、企業の事業内容は10年単位で変化をしていきます。だから、若いときからそうした変化に積極的に応じていくようにしないと、持っているものが遠からず陳腐化しています。


企業にとって必要なイノベーションとは、技術のイノベーションではなく、社会の変化に応じて事業内容を変えていくイノベーションなのです。


実際に付加価値が生まれるのは、設計・開発のところが一番大きいのです。そこに人の知恵を活かすという工夫を持ち込む必要があります。


パソコンでも家電製品でも、人間と機械の接点はアナログで、「何が欲しい」「何はいらない」という選択が大事です。


人間というのはアナログな存在で、デジタルなどではないという点です。たとえば、携帯電話自体はデジタル技術で動きますが、指で操作し、目や耳で確認するなど、やっていることは全部アナログです。だからこそ、ものづくりではアナログの世界をきちんと理解していないといけません。


これからの若者にはπ(パイ)型人間になることを意識してほしいですね。パイには二本の脚がありますが、一本は誰にも共通して必要な人間力で、必要なことをきちんと伝えるコミュニケーション能力も含まれます。もう一本が情報系の力で、問題を正確にとらえ、それを解決するために必要なICT(情報通信技術)の利用技術などの知識です。


社長を辞めてから大学院などで講義をする機会ができましたが、学生たちと話すと、みんなガッツはあるし、頭も悪くありません。でも、大学院で受けているカリキュラムは、企業が求めているものとかけ離れています。学生たちにも話していますが、いまのカリキュラムをこなすだけで、世界でどれだけ勝負できるようになるかは疑問です。


「匠の技」だけでなく、材料などに関するノウハウまで含めて、いわゆる「暗黙知」をどう「形式知」の形に変えるかが重要です。そういう仕組みづくりには富士通も取り組んでいますが、日本全体で考えるべきことでしょう。全国の中小企業が持つ秀でた技術やノウハウを、ひとつひとつ共通ソフトのもとでデータベースに蓄えていくことは大変意味があります。


製品開発期間の短縮ではコンカレント(並行的)がキーワードです。以前のように、企画がまとまってから設計・開発の部隊へ渡され、設計ができたら試作品で実証実験を重ね、合格したら生産部門でつくりはじめるという流れでは、大変な月日がかかってしまいます。でも、試作までICT(情報通信技術)によって並行して進め、部品開発部門も担当する部品がどういう空間に入り、どういう環境で使われるのまでわかるようになれば大きな差別化になるはずです。
【覚書き|富士通はコンカレントなものづくりの体制をつくり開発から量産までの時間を4年で半分に短縮させた】


一般的には、ひとつの会社で働く期間が長いという日本の特徴から、グループ間の交流つまり異動がさせやすく、相互に蓄えてきた強みを生かし合いやすいとはいえます。


自分の経験から言えば、これまでのものづくりに関する議論は、生産現場のみに焦点を絞った狭義のものづくりに集中しすぎていました。現場の知恵を集め、昨日より今日、今日より明日はよくしていく改善を重ねていくやり方では、製品の企画から販売までの流れの中のごく一部に対象がとどまってしまいます。


大学が変わらないなら、企業側が変わればいいのです。いまや企業活動のグローバル化に応じて英語力が不可欠となっていますが、TOEICで一定の高得点をとってくることを企業が要求するようになりました。ICT(情報通信技術)に関しても同様にすればいい。国家試験をもっと実戦的に強化し、採用の目安にすればいいでしょう。そうなれば、大学や大学院のカリキュラムも変えざるを得なくなります。学生たちは、大学にとってはお客様と同じ。顧客第一は企業だけに求められていることではありません。


『ブルドーザー』。社長として、ここ数年の自分の役割は何だったのか、それを考えたときに思いついたのがこの言葉でした。富士通が本来の強さを発揮して、成長できる体制をつくるための地ならし役です。


お客様の声を正しく、スピード感をもって製品に反映しなくてはなりません。お客様にとって魅力ある製品がなければ競争には勝てません。


富士通の社員は泥臭いというか、真面目に頑張る人が多いと個人的には思っています。これを生かすしかありません。当社の原点でもある、お客様ときちんとした関係を再構築して、社員が努力をすれば、会社は必ず良くなります。


社長就任当時、最大の課題は戦略的案件であるという理由から、収益管理がずさんなケースが目立っていたことです。将来的に同様のプロジェクトの受注につながる可能性が高かったり、人材の育成につながったりするという理由から、利益を厳密に考えずに受注することが珍しくありませんでした。こうした事例をひとつひとつ厳しく見直していきました。


社長就任後、失敗プロジェクトに学ぶ研修も始めました。上手くいかない案件にはどんな問題点があり、それを避けるにはどうすればいいのかを、営業とSE(システム技術者)の両方の社員が数千人単位で集まって勉強をします。私自身も参加し、社員たちが実際に現場で体験した事例を持ち寄って議論しました。


営業とSE(システム技術者)を一体化しました。営業は契約をとるのが仕事ですが、SEはその後もお客様と直に接する機会が続きます。つまりお客様や市場の変化を一人一人が感じています。従って、お客様との契約交渉をする際にも、現実的なコスト意識を持ち込めます。


私の役目は、仏像を彫る仏師のようなものかもしれません。仏師は、仏の形をつくろうとするのではなく、彫りだそうとするのです。つまり本来あるはずの富士通の強さを発揮できる形を取り戻すのが、私の最大の仕事だと思っています。


ライバルが「技術志向」や「マーケティング志向」だとするならば、富士通は「お客様志向」だと胸を張って言いたい。お客様についてはどこよりも私たちが一番よく知っている会社である必要があります。


米国はまだシェアが低く、競争力強化は道半ばですが、1兆から2兆円をかけて強引に先行企業を買収しても成功するとは思えません。力を入れる領域で買収は続けますが、尺取虫のように時間をかけて、人を育てながらきちんとやっていきます。


お客様が何を求めているのかをもっと理解しないと、収益力が高い台湾の半導体の製造受託大手と勝負できません。そこで、半導体を分社して責任を明確にし、富士通との関係も割り切って、自分たちのビジネスがきちんと見えるようにしました。
【覚書き|半導体事業を本社から独立させた理由について語った言葉】


トヨタ生産方式を全社に導入したとき、現場から「これまでの富士通流の改善では駄目なのか」といった反発もありましたが、結局は受け入れてくれました。異文化から学ぶことで、製造コストの低減、製造にかかる時間の短縮、品質の改善は相当に進みました。


様々な立て直し策を実行するために、まず掲げた旗印が「お客様起点」です。


社長就任当初から社員に言い続けてきたことがあります。「お客様のことを考えて行動しよう」ということです。当社は伝統的に通信、コンピュータ、半導体などあらゆる事業でお客様と一緒に様々なシステムをつくって発展してきました。


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