鳥居勝幸の名言 一覧

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鳥居勝幸のプロフィール

鳥居勝幸、とりい・かつゆき。日本の営業コンサルタント。愛知県出身。西南学院大学商学部経営学科卒業後、富士ゼロックス、リクルートなどを経て独立し、コンサルティング会社ブレインズを設立。20年以上、経営者、営業マンにコンサルティングや研修指導を行っている。主な著書に『営業の仕事が面白いほどわかる本』『段取り八分の仕事術 頭のいいヤツは、段取りで差をつける』『社長が意図した売上計画を完全達成する6つのツボ』『いつでも結果が出せる営業―やり方を変えれば、売れる』『配属されたらはじめに読む本 営業企画部』『「営業部配属を命ず」売れる営業マンはここが違』など。

相手の予想より少し早めにレスポンスを返す。相手の予想以上の内容を提示する。そうやって常に期待を上回る対応を行っていくのが、顧客の信頼を得る近道です。企画書を提出する必要があれば、あらかじめ余裕を持った提出日を伝えておき、実際に早めに出して相手を喜ばせるといった駆け引きもあっていいと思います。


法人営業ならば、顧客企業が何を欲しがっているかを把握するのはもちろん。顧客の顧客、つまりエンドユーザーが何を求めているかを理解して、顧客企業とともに売り方を考えていけるような営業マンが歓迎されます。


トップセールスとそうでない人は、面談をするだけで判別できます。売上がかんばしくないときに「今後の対策をどう考えているか」と尋ねてみると、トップセールスは売り方の切り口を変えたり、客層や商品を変えるといった「質」の工夫をあげてきますが、そうでない人は、やり方を変えずに訪問回数を増やすというような「量」の話に終始します。


営業で相手へのヒアリングという段階を軽んじて、自社の説明と提案だけに力を入れる営業マンもまま見受けられますが、顧客に一方的な印象を与えるのでやめた方がいいでしょう。また、実際の提案を待つまでもなく、ヒアリングの段階で、すでに相手はこちらの力量を判断しているものです。


自社のアピールについては、たとえ実績のある会社でも、その内容を顧客目線から語るのを忘れないようにしましょう。「我が社は世界でもトップクラスです」ではただの自慢にしか聞こえませんが、「世界中に拠点がるので、海外進出の際にはきっとお役にたてるはずです」と、顧客にとっての利点を強調しながら伝えれば、相手もグッと身を乗り出してきます。


営業で自己と顧客、双方にベネフィット(利益)をもたらす仕組みを提案して顧客に喜んでもらうことができれば、その仕事は成功といえるでしょう。


営業の仕事は売ることだけではありません。顧客への営業支援と、業務改善が本質といっていいでしょう。自分が動くことで自社にも顧客にも貢献できるから、使命感が生まれてやりがいを感じることができる。そんな仕事の正体をつかみ取ることができれば、プロとして一歩も二歩も前進できるはずです。


営業で重要なのは、顧客が今後どのような戦略に基づいて業務展開を行っていくか、そのために自社が提供できるのは何かということです。そこで自分なりの仮説を立て、それを検証しながら顧客への理解を深めていくことが、歓迎される提案には欠かせません。


気づきやアイデアを成果につなげるには、考える時間もいります。私は過去に富士ゼロックス、リクルートと2社で営業を経験し、その後起業に至りましたが、休日の朝は平日と同じ時刻に起き、一人で今後の仕事に思いを巡らせるのが習慣になっています。休日は家族も遅く起きてくるので、中断されることもありませんし、朝のクリアな頭であれこれ考えるといいアイデアが浮かぶことも多いのです。自分にとって充実した時間になっています。


私どもで開催する営業セミナーの席上でも、会社から言われたから出席したというスタンスの人と、学べるものは何でも吸収してやろうと食らいつくような目で臨む人とでは、実際の営業成績を見てもその差は歴然です。何でも吸収しよう、アンテナに引っかかる方法があればとりあえず試してやろうと考える人は、やはり営業成績をあげていくものです。


自分がすべきことの答えの精度を上げるためには、知識や情報も必要です。といっても、やみくもに情報のインプットを増やせばいいのではなく、それをどのように活用すれば自分の仕事にプラスになるか、という視点が重要です。


プロのセールスは、一発屋では通用しません。一定のアベレージを保ち続けてこそ、力量が認められるものです。運や時勢に頼るのではなく、期末が近づいたら来期に向けて計画を立てる、計画に基づいて早め早めに行動を開始するといった流れをつくり、しっかりとビジネスの手綱を握っていく心構えが必要です。


営業計画の内容は、どの顧客に何をどれだけセールスするかが主ですが、それに加えて起こりうるリスクを想定することが重要です。主なリスクとしては(1)顧客の要因(担当者の異動、倒産など)(2)競合他社の要因(新製品、ダンピングなど)(3)自社の要因(品切れ、不具合、人員態勢など)といったものがありますが、それを主要顧客別に紙にすべて書き出し、頭に入れておくことが大切です。売上の3割を占める顧客が倒産するようなことでもあれば、それは即自社の致命的なダメージとなりますので、リスクとしてあらかじめ考慮しておくのです。


業績をあげる営業マンは、えてしてスタートダッシュが早いものです。4月の新年度の始まりに合わせて動けるように、3月にはすでに次年度の営業戦略を立て始めています。4月に入ったら、積極的に顧客を訪問し、新年度で刷新された顧客の組織・人事を把握します。それに基づいて自分が3月に立てた営業戦略を微調整しながら進める。そんな行動パターンが定着しているので、顧客訪問件数は4月が最も多くなります。それに対し、平凡な営業マンは、4月に入っても「まだ1年もある」となかなかスタートを切ろうとしません。この遅れと危機意識の薄さが、1年を通じて営業成績に影を落とす原因になります。


以前の営業は顧客の要望を聞いて、それに沿ったモノなりサービスなりを調達すれば、とりあえずの合格点をもらえました。しかし、いまは顧客と一緒にニーズを考えられる人、ディスカッションしながら答えを探せる人でなくては務まらない仕事になりつつあります。


顧客を知ることとともに、自己の能力開示を行うことが重要です。自社だけではなく、自分自身の能力アピールもぜひ実践してください。キャリアや専門領域をわかってもらうために「異動前は技術部門にいたので、技術方面のご相談はお任せください」などといえば相手に響きますし、新人営業マンのファーストコンタクトなら、「野球部出身なので体力とフットワークには自信があります」でもいいのです。顧客は相手の開示した能力を見定めながら何を任せるか考えるので、このような個人の特徴や能力のアピールは極めて有効に機能するのです。


顧客理解の中には、もちろん担当者個人への理解もあっていいでしょう。その場合はやみくもに距離を縮めようとするのではなく、相手に合わせるのが鉄則です。雑談の好きな人ならプライベートに踏み込んだ話を展開してもいいし、ビジネスライクに事を運びたがる相手なら自分もそれに倣うべきです。「営業という職務を通じて、顧客満足を上げることが自分の仕事」という自覚をきちんと持っていれば、個人対個人の付き合いの中でも、おのずと相手に合わせた振る舞いが導き出されてくるのではないでしょうか。


顧客への提案が通らない、訪問が売上につながらない、といった悩みがあるなら、その原因を一度きちんと解明してみることをお勧めします。多くの営業マンに共通してみられる敗因には、(1)顧客への理解が浅い(2)ヒアリングの内容が浅い(3)提案書の品質が低いという3つがあげられます。


顧客の状況にもよりますが、商談に同じ1時間を費やすのでも、1か月に1回訪問で1時間使うより、1回20分に短縮して月3回訪問したほうが、顧客へのインパクトは強くなります。顧客の状況に合わせて、マメにやり取りをしながら情報提供を行ったり、聞かれたことに答えたり動いたりといったことを手間を惜しまず実行するのは、それだけで強い競争力になります。もし、ライバル企業の営業担当がそういうタイプなら、相当手ごわいと思った方がいいでしょう。


顧客にとって困るのは、「すぐできます」といいながら結論を引き延ばされることです。後手後手に回って顧客の催促を受けたり、催促を避けて没交渉になる営業マンもいますが、それでは信用されなくて当然でしょう。


最近の営業マンはおしなべて情報収集に熱心ですが、そのなかでデキる人は情報収集の量そのものよりも、気づきの多さが突出しているのが特徴です。本を読んだり映画を観たり、普通に街を歩いていても、目に入るものすべてが仕事のヒントになっていく。仕事のことがいつも頭の片隅にあるから、気づきも多くなるのでしょう。


セールスのやり方を変えるのはたしかに勇気がいります。野球選手の打法と同じで、フォームを変えれば一時的な不調に陥ることも覚悟しなくてはなりません。それを乗り越えて成功にたどり着くには「打率を計算する」、つまり現状の数字の分析をもとに対策を立てるのがいいでしょう。たとえば、過去3か月の顧客へのプレゼンテーションを振り返って、採用された率を計算してみるのです。採用率が3割と出たら、その数字が社内、あるいは同業者のなかでどのような水準にあるかを考えます。低ければ不採用の案を個別に振り返って、敗因を炙り出します。


悲劇的なシナリオを描くのは気が進まないものですが、たとえば顧客の担当者が異動するかもしれないとわかったら、早めにその人の部下や上司とも顔合わせを行っておくなどの対処法を思いつくためにも、ぜひ実践してほしいと思います。


理想を言えば、営業戦略は3年くらいの長期計画を立て、それを1年ごとの目標、1か月ごとの目標へと細分化し、達成に向けた日々の具体的な行動に落とし込んでいくことが望まれます。


営業とは本来、仕掛ける仕事です。狩猟のように自分から仕掛け、手にした収穫を持ち帰る。そのプロセスに面白さも楽しみもあるはずなのに、そこが忘れられているのは残念というしかありません。営業の仕事は知的ワークと仕掛けの工夫で成り立っている。そんな肉食系の営業マンがもっと増えてもいいのではないでしょうか。


営業マンに求められる資質は、一昔前と大きく変わりました。顧客を口説き落として実売につなげる販売のプロがもてはやされたのは過去の話です。いまは高いコンサルティング力を武器に、顧客のケアをしっかりと行う顧客満足のプロが実績をあげています。


私がよく言うのは、「交渉とは勝ち負けではない」ということです。売り切ってしまえばもう2度と会わない相手なら「勝ち逃げ」でもいいかもしれませんが、法人営業はそうではありません。お互いに安定した良好な関係を築き、長期にわたって利益を分かち合うのが法人と法人の付き合いです。私も会社を経営していますが、少しくらい値段が安くても、土壇場で手のひらを返すような企業とは怖くて取引できません。


交渉という行為は、テクニックに走りやすいところがあります。高めに吹っかけておいてから譲歩してみせるとか、弱みにつけこむといった駆け引きテクニックに頼りたくなるかもしれませんが、こと法人営業においては禁じ手だと思います。法人相手にきわどい交渉テクニックを行使するのはやめた方がいい。あくまでも誠実に信頼関係を壊さぬよう、辛抱強く交渉にあたるべきです。


値上げ交渉は断られてからが本当の始まりです。はねつけられることも想定して、どの段階でどのステップを踏むか、交渉プロセスを事前にプランニングしておくことが重要です。何と言われても諦めず「一緒に解決法を見つけたいので、ぜひ協力してほしい」という態度で交渉を続けてください。


担当者を飛び越してその上司に話を持ちかけたりすると、担当者の顔を潰すことになるからです。これが外資系企業であれば、トップダウンが徹底していますから、決定権を持っている人に直接話すのが手っ取り早いかもしれません。しかし、日本企業では担当者を敵に回すと恐ろしいことになります。


値上げ交渉は難しい仕事ですが、普通ならできない経験を積んで、自分自身を成長させるチャンスでもあります。業界全体を見渡し、組織的な視点を養うよい機会です。


値上げ交渉で一番よくないのが、何の準備もしないまま、「うちも厳しいので、なんとかお願いします」と情に訴えるだけの、いわゆる「お願い交渉」です。取引先も事情は重々承知のはずですが、だからといって、すんなり値上げを了承するわけがありません。購買担当者は1円でも安く買うのがミッションなのですから、ゴネるのが当たり前です。それなのに、一度や二度断られたくらいで、「あそこは駄目でした」と上司に報告してしまう。これでは子供の使いと変わりません。


値上げは言い出すほうも、言われるほうも嫌なことばかりのようですが、じつはビジネスチャンスでもあります。これを機に、いままでの取引の仕組みを見直すことで、コストを削減し、値上げ分を吸収できるような構造に作りかえることができるかもしれません。私たちはこれを創造的発展案と呼んでいます。できれば営業担当者は、このようなことまで想定した計画を立ててから、値上げの話を持っていくべきです。そのためにも早めに折衝を始め、交渉期間に余裕を持つことです。言い出しにくいからといって、先延ばしにするのは論外です。


値上げ交渉では、値上げの理由を論理的にきちんと説明できるようにしましょう。値上げの理由が原材料の高騰なら、データを用いた資料を用意し、誰が見ても「これなら値上げもやむを得ない」と面せるような説得材料を用意します。この程度の手間を惜しんでいては、値上げを飲んでもらうことはできません。


値上げ交渉は一度や二度、断られるのは当たり前だという認識を持ちましょう。一度の申し入れで決着をつけるという考えは捨てましょう。それどころか、5回や10回は面談を重ねる覚悟をしてください。値上げ交渉とは、それくらいの粘り強さが要求されます。


値上げ交渉は、一筋縄ではいかない難しい交渉です。成り行き任せの出たとこ勝負では失敗するのが目に見えています。値上げ交渉の成否は、一にも二にも、入念な準備にかかっていることを肝に銘じておきましょう。


いまは、「お願い営業」や、営業パーソンの個人技だけでは、高度化した企業間の取引には通用しなくなってきています。これからの営業パーソンに求められるのは、戦略的なシナリオを描く力に他なりません。


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