魚谷雅彦の名言 一覧

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魚谷雅彦のプロフィール

魚谷雅彦、うおたに・まさひこ。日本の経営者、マーケッター。「日本コカコーラ」会長、「資生堂」社長。奈良県出身。同志社大学卒業後、ライオンに入社。コロンビア大学でMBA取得。ヨーロッパの食品メーカーに移るも、買収されチーズメーカーのクラフトに転籍。その後、日本コカコーラに移り、数々のマーケティングキャンペーンを成功させヒット商品を生み出した。上級副社長を経て社長に就任。そのほか、資生堂社長などを務めた経営者。著書に『こころを動かすマーケティング―コカ・コーラのブランド価値はこうしてつくられる』『会社は変われる! ドコモ1000日の挑戦』ほか。

マーケティングは企業経営そのもの。


マーケティングはお客様のために行うもの。


経営陣も社員もお互い刺激し合わなきゃいけない。


このブランドが好き、このブランドと絆が強いということは、お客様がそのサービスや商品を使い続けたいと思う価値があるから。


予定調和的なものは絶対出さないでくれ。


将来もよほど大きな問題が起こらない限り、その会社の商品はいつも買う。そう思ってもらえることがブランド力の証。


ピンチのときこそ、仕事の本質が見える。


仕事で大事にしていることは、情熱を持って仕事をすることです。


「しゃべらせること」は、リーダーの大切な仕事。話しやすい環境をつくって、社員が日頃思っていることを引き出すように心がけている。


私は独自性のあるものを一番最初につくることがものすごく重要だと考えています。


モノが売れない時代にモノを売るには、新しい価値を持った商品の一番手になることが大切なのです。市場は奪うものではなく、創るものなんです。


幅広い層に受け入れられるものをつくろうと考えるのではなく、特定の人に支持されるモノをつくろうと発想することが大切です。


ブランド価値の確立ができていないと、どうしても価格勝負に行かざるを得ません。


理屈だけではなかなか共感は生まれません。それだけではなく、心に響くコミュニケーションをしなければいけません。


大切なのは無闇に品質の高いものをつくろうとすることではなく、まず誰に向かってどのような価値を提供するかを徹底的に考え抜くことです。そのうえで、その価値を実現するためにどのような技術を使い、どのようなサービスを提供すべきか考えるのです。


できるだけターゲットを絞り込んで、小さな器に入れるための商品をつくる。するとやがて、その器から溢れるように消費が拡大していきます。ターゲットの明確な商品の方が、結果的に大きなヒットにつながる場合が多いのです。


最初からマス(大勢)を狙うと、平均点を取る商品はつくれても、それ以上の商品はつくれません。


新商品の企画書を書くとき、みんな市場の背景から書きはじめるんです。でも、そんなもの必要ないんです。まったく新しい商品を世に送り出すのに、市場があるわけないじゃないですか。市場調査ができるということは、すでに市場があるということでしょう。それは二番煎じである証拠なのです。


昔はこんなことなかった、最近こんな人が増えてきたという現象の背後には、必ず大きな潮流の変化、価値観の変化が潜んでいるのです。それを見抜くことによって、マーケティングの仮説やアイデアが生まれてくる。大切なのはそういう目で常に人間を観察し続けることです。


ライオン時代、「電車に乗っているときも、吊革につかまってボンヤリ外なんか眺るな」とよく言われました。電車に乗るだけでたくさんの人間観察ができるのです。電車に乗るだけで実に様々なことに気づきます。


新卒でライオンに入社して、最年少でプロダクトマネージャーに抜擢されたのですが、そのとき上司から、「お前の仕事は24時間だ」と言われました。つまり、机に座って書類を書いている時間だけが仕事ではなく、世の中を眺めている時間すべてが仕事だということです。


コカ・コーラの中身は120年以上変わっていません。現在、世界一のブランド価値を持っていると評価されています。どうしてこんなに古い商品がいまだに高い価値を維持し続けることができるのかということです。それは、感性に訴える価値の鮮度を高める努力をし、継続し続けているからなのです。


「これカッコイイよね」とか「デザインが素晴らしいよね」というふうに、その商品が持っているブランド価値に共感していただく必要があります。そうやってお客様の心が動いて、「これだけの価値があるんだから、これだけのお金を払っても納得できる」と思っていただくことによって初めてモノが売れます。そこが、ブランドビジネスの妙だと私は思っています。


お客様の心を動かすことが大切です。現代のようにモノが飽和している時代は、「足りないから」という動機でモノを買うことは少ないわけです。言い換えれば、お客様に「あえて買う」という意思決定をさせるだけの力が商品になければモノは売れません。


世の中の表面的な変化の裏側で、いったいどんな価値観の変化が起きているかを、僕らは常に気にしています。変化をキャッチすることがなぜ大切かといえば、人間の主観は外部からの情報によって非常に大きな影響を受けているからです。メディアによるインプットとか、クチコミの情報であるとか様々な外部情報によって主観は形成されていきます。ブランド価値というものは、こうした主観によって形づくられているのです。


卒業間近になったとき、非常に印象的な言葉を教わりました。相手をインスパイアするために有効なコミュニケーションの方法の第一は、まず相手の言葉を聞くこと。第二は、自分自身が情熱的に生きていることだと。自分に情熱がなかったら、相手がインスパイアされることなんてあり得ないのだと教わりました。
【覚書き|アメリカのコミュニケーション学校のデール・カーネギー・スクールに通った当時を振り返っての発言】


僕は、リーダーにとってエモーショナルな能力が最も大切だと思います。要するに、コミュニケーションをとりながら人をインスパイアする能力とでもいえばいいのかな。英語のIGNITE(火をつける)という言葉が一番ぴったりくるのですが、一緒に仕事をしている同僚や部下たちに、「やってやろうじゃん!」という気持ちを起こさせる能力といえばいいのでしょうか。そういう能力をリーダーが持っていると、組織は思いもよらない大きな力を発揮するものなのです。


コミュニケーションの上手い下手は、テクニックで決まるのではなく、気の持ちようで決まるのです。


「俺はこんなにすごいことを考えているのに、なんでみんなわかってくれないんだ」なんて歯ぎしりをしているビジネスマンが非常に多いと思います。彼らは、人の心に届くコミュニケーションができていないんです。


いまの時代、単に戦略を語るだけではリーダーにはなれません。たしかに昔は、「偉い人は細かいことがわからなくても、部下が持ってきた書類にハンコだけついていればいい」という時代がありました。しかしいまは、リーダーも実務を理解する必要があります。ビジネスの細部を知っていればこそ、深い議論ができるのです。


リーダーには優れた洞察力をもって、戦略を立てる能力が不可欠です。しかも、戦略を立てるだけではなく、それに基づいて意思決定を下す胆力も必要です。


僕が入社したタイミングは、ちょうど当時の広告の続編の撮影をスタートする時期だったんですが、みんな続編の内容に納得していないことがわかったので、撮影をすべてキャンセルしてしまいました。莫大なキャンセル料がかかりましたが、純粋におかしいと思ったからキャンセルしました。
【覚書き|コカ・コーラにマーケティング担当上級副社長として入社し、缶コーヒー「ジョージア」のブランド立て直しに着手した当時を振り返っての発言】


広告の制作において一番大切なのは、作り手側の納得感です。


いくら短期的に結果を出すことを求められても、「俺が、俺が」で一人の力でやろうとしても、組織は絶対に動いてはくれないものなのです。


「あ、これ面白いかも」と衝動買いをさせるだけでは、お客様をつくりだしたことにはなりません。お客様がブランドに共感し、継続的にリピートしてもらえるようなマーケティング発想が必要です。日本のビジネスマンはそこが疎かになっています。


物が売れない時代に、企業が生き残るためには、お客様との関係を深め、心を動かすマーケティングが必要です。


私は「管理」という言葉が好きではありません。部下を「インスパイア(鼓舞)する」、「ファシリテート(導く)する」という方がしっくりきます。


常日頃から部下たちにお題を与えておくこと、彼らの提案を信じてときには大胆に動いてみることが大切です。


マーケティングとは、お客様とのつながりをどうやって強めていくか、お客様の求めるものにどうやって応えていくかという価値創造のための仕組み、プロセス、企業文化のことです。まさに経営に直結する重要な柱なのです。


部下の不出来を愚痴る前に、自分は部下にとってどんな上司なのか、コミュニケーションは的確にできているのかどうか、部下が自発的にイキイキ働けるような環境作りを十分にやっているか、自問自答してみてください。


マーケティングを重視すると、企業と顧客の関係が様変わりします。一方的に企業が商品を売り込むプロモーションに代わり、顧客から企業への情報提供も含む双方向のコミュニケーションが非常に大切になるのです。


マーケティングも部下教育も本質は同じです。主人公はあなたや会社ではなく、顧客や部下です。会社の場合、「個客に恵まれない」と愚痴る会社があったら、笑われるだけでしょう。部下に関しても同じです。


あるとき、ある部下が福岡でテスト販売されていた茶系飲料が宣伝もゼロなのに、良い動きをしていると報告してきました。それが、その後大ヒットとなった爽健美茶です。そこで僕はその部下ともう一人に「自販機の横に立ち、買ってくれたお客様になぜ買うのか、どのくらいの頻度で買うのかという二つの質問をしてきなさい」と3日間の福岡出張を命じました。その結果、「購買者はほとんど女性」「1日3回も飲む人、飲料商品はこれしか飲まない人もいた」「購入理由は、キレイになれそうだから」といったことが判明しました。私は大きな可能性を秘めた新商品だと確信しました。


「部下に恵まれないなぁ」と思っている管理職がいたら、マーケティングの考え方を応用し、部下との関係を再考してみることをお勧めします。部下とのつながりをどうやって強めていくか、自分の求めているものと部下の求めているものをどうやって一致させていくか、ということです。


講演などをするときにユーモアから入るのは、別に笑わせることが目的ではありません。ユーモアでみんなの気持ちがオープンになると、本題に入りやすくなるのです。


コカ・コーラは120年間、中身は一切変わらないまま、その時代の消費者にブランドを浸透させてきました。コカ・コーラのマーケティング力を説明するとき「intrinsic value(基本的な機能やスペックの価値)」と「extrinsic value(付帯的な情緒や感性の価値)」というふたつの言葉を使います。コカ・コーラは味や機能面では120年間変わっていません。それでも120年間グローバルスタンダードとして認識されてきたのは、どこの国であろうと、どの時代であろうと、共感してもらえるように、感性の価値を追求してきたからです。


私は3年前からNTTドコモの特別顧問をしています。携帯電話も右肩上がりの時代が終わりました。地方の小さな町にもドコモショップをつくって、露出を増やして、売上を伸ばすというエクスポージャー(露出を増やす)戦略にも限界がきています。今後は契約台数の増減よりも、いかに携帯電話をもっと使ってもらうようにするかを考えなければなりません。


新規顧客による純増で企業が伸びる時代は終わっています。既存のお客様の心の中にどれだけ深く入っていって、ブランドを愛してもらい、ロイヤリティを高めていただくことができるか。お客様がそのブランドを自分のブランドと感じて使い、人にも勧めてくれるような、そういうロイヤリティを高めるようなお客様を築く。企業の基盤とサステナビリティ(持続可能性)を高めていく時代なのではないでしょうか。


コカコーラの場合は自動販売機を新しい場所に置けばどんどん売れたという時代もありました。しかし、いまでは国内の自販機は250万台とも言われて飽和状態です。最近では、週1回コカ・コーラを飲むというお客様に、週1.5から2回に増やしてもらって売上を伸ばすという考え方に変化してきました。


日本は戦後、どの業界もみんな右肩上がりで成長してきました。右肩上がりの時期は、新規顧客をとることに集中すれば業績はどんどん伸びます。1億人の潜在顧客に対して、商品をどのように浸透させるか、マーケティング用語でいえばペネトレーション(浸透)の勝負です。しかし、決して100%の1億人が顧客にはならないのです。それ以上の数量的上積みができませんから、既存のお客様に再度買ってもらうことを考えなければなりません。


一般に日本のビジネスマンは、技術力が高く「いいものをつくれば売れる」という発想が長く続いてきました。しかし、技術的優位による差別性のリードタイムがどんどん短くなっているうえに、技術力だけではモノが売れない時代になってきました。ですから、性能にプラスアルファして感性を磨かなくてはいけません。


ドラッカーの『マネジメント』には、「企業に取って本質的に重要な機能は2つあり、イノベーションとマーケティングである」と書かれています。そのふたつが、価値を創造し、顧客を生み出すものだということです。日本の経営者はこれまで、イノベーションに軸足を置いてきましたが、これからはマーケティング発想のできる人材を育てていく必要があります。


ある外資系企業の日本法人に招かれ講演をした際、壇上でコカコーラを一気飲みしました。これだけでみんなが笑顔になり、笑い声が響きました。気持ちがオープンになり、スムーズに本題を吸収してくれました。実はその会社も、これからはマーケティングをしっかりやっていかなければいけないという課題を持っていました。だから僕のような広告プロモーションをいくつも考えている会社の人間を招いてくれたのです。


ユーモアは人の気持ちを動かすコミュニケーションツールだと思います。当社の行動規範を小冊子にして本社勤務の600から700人に配りました。ただ配るだけでは印象に残らないので、ボトル型の真っ赤なマウスパッドを人数分つくり、ある夜一斉に取り替えました。その横に、一人一人の名前を刻印した小冊子を置いたのです。翌朝はもう大騒ぎ。でも、それによって行動規範がより深く気持ちに入ったと思うのです。


単に英語を学ばせるだけでは、真に多様な組織にはなりません。日本人の強みは、どんな環境にも適応できる国民性です。異質な人材や意見を受け入れることで、企業の幅が広がるのではないでしょうか。


トップに必要なのは「異論を受け入れるマインド」です。スタート時点で反対意見が多かった商品こそ、成功するケースが多いものです。人は誰しも、自分に近い意見を受け入れがちですが、反対の意見を言われたことに対して「違う視点を与えてもらえてよかった」と思える懐の深さが重要です。


企業のリーダーが海外展開をするに際しても、必要なのは「グローバルなビジネスをやるんだ」という情熱を社員に伝えることです。10から20年後に我が社はこうなる、自分はこうコミット(確約)する、という夢や思いを発信し続けなければ人はついてきません。


(米国のプレゼンテーション専門学校の)最後の授業で講師に言われた一言は、いまでも忘れません。「本当に効果的なコミュニケーションをするのに一番大事なことは、自分自身が情熱を持って生きているかどうかです」。大事なのは英語の流暢さではなく、自分自身の志があって初めて、周りの人を動かせることに気づかされました。


日本企業の間で、英語を社内公用語にする動きが広がっています。グローバル企業になるうえで、言うまでもなく英語は重要なコミュニケーションツールであり、話せるに越したことはありません。ただ、英語はあくまで手段です。目的になってしまわないように気をつけなければいけません。


自分の意見をプレゼンする能力に長けていると思っていた米国人でも、自分の能力をさらに高めようと学校に通いスキルを磨いていることに驚きました。彼らのコミュニケーション能力は幼少時に培われたわけではなく、社会人になってからも日々研鑽を続けているのです。
【覚書き|米国留学時、プレゼンテーションの専門学校に通ったときを振り返っての発言】


確かに今の日本はモノを買うときの選択基準が価格だけになってきている面はあると思います。しかし、そういう時代だからこそ、値ごろ感が大切だと考えています。値ごろ感とはつまり、価格と価値の関係です。値ごろ感があるとは、これだけの価値があるものなら、この価格でも納得できるという意味です。反対にこの商品にはそれほど価値がないとお客様に思われてしまったら、価格を下げて売るしかありません。


日本の高度成長期には、「こんなにいい商品ができた。こんなにすごい技術がある。だからお客さんは喜んで買ってっくれるに違いない」という発想でやってきて、実際それでモノがよく売れました。しかしいまはモノが飽和している、誰もがほとんどのモノをすでに持っている時代です。メーカーがいくら品質の高いものをつくっても、それだけで売れるという時代ではなくなりました。


世界で戦っていくためには資金が必要。営業利益ベースで1000億円くらいは儲けられないと世界では生き残れない。


お店でサンプルの提供やイベントをやりたいといった時に、時間がかかるという問題点は取引先からも聞いている。これは、資生堂の社内で役割を分割しているのが原因だろう。ブランドマネジャーが一気通貫でブランドを見てPL(損益計算書)まで責任を持つ制度を導入していく。


国内事業立て直しのために、今後は組織から、商品パッケージなどの細かいことまで、すべて顧客視点で見直す。今の資生堂は、(同じトイレタリー商品を複数の組織で販売しているなど)組織がバラバラ。それが消費者にとって不便な要因になっているようであれば、これも変えていく必要があるだろう。包装などについても、対面でなくセルフで売る商品はもっとパッケージを分かりやすくしなくてはいけない。


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