高野登の名言 一覧

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高野登のプロフィール

高野登、たかの・のぼる。日本の経営者。リッツ・カールトン日本支社長。長野県出身。プリンス・ホテルスクール(のちの日本ホテルスクール)卒業後、ニューヨークに渡りホテルキタノ、NYスタットラー・ヒルトン、NYプラザホテルに勤務。その後、LAボナベンチャー、SFフェアモントホテルなどで管理職を経験。ザ・リッツ・カールトンに移り、いくつかのホテルの開業に携わったのち日本支社長となった。著書に『サービスを超える瞬間』ほか。

強い組織をつくるために、経営者が社員に対してすべきことは、一人ひとりに生きがいと働きがいを与えることです。


おもてなしを追求することが、組織の変革と成長につながっていく。


あらゆる会社の存在意義は、哲学を世に問い続け、新たな価値を創造することにあると思います。


哲学というのは、大切な命の中で悩み、もがきながら、つかみとっていくもの。


ものが売れない原因は商品にあるのではありません。あなたから買う理由さえあれば、人はあなたを探して、「あなただから買いたいんだ」と言うはずなのです。


ものが売れないといわれる時代だからこそ、人と人との身近なつながりが大切だと思います。なぜなら、ものがあふれる現代社会では、「何を買うか」よりも、「誰から買うか」が重要視されているからです。


人はリラックスするとアイデアを出しやすくなるものです。本題に入る前に会議の場を温め、空気を和らげておくと縮こまっていたはずの人から、意外なほどいい意見が出てくることも多々あります。


失敗をそのまま放っておいてはいけません。必ず、次に活かすようにしてください。


対話は碁のようなものです。碁は、最初の黒石を置かなければ始まりません。絶対に正しい場所に黒石を置こうと考えれば考えるほど、置けなくなります。それでは何も始まらない。黒石を置けば、それに応じて相手が白石を置く。対話は、そのやり取りに似ています。


「相手についてのメモをする」ことをお勧めです。あるホテルマンは、手書きの似顔絵を一人一人描くことで、2000人ものお客様の顔と名前を覚えているそうです。手を動かすことは、脳の動きを活性化します。記憶力が刺激され、相手に対する思いも新たにすることができます。もちろん、似顔絵でなくてもかまいません。接した人について気づいたこと、対話してみて想像と違った点などをメモすればいいでしょう。


人と会うときには、「自らに課題を設定する」ことをお勧めします。目の前の人を漫然と見ているだけでは、興味の湧きようがありません。「この人の素敵なところを5つ見つけよう」などと目標を設定すると、俄然、集中力が増し、楽しくなってくるものです。


人は普通、他人の話を聞くよりも、自分の話をするほうが楽しく感じるものです。しかし、他者への興味に溢れ、「聞く欲求」でいっぱいの人もいるのです。生まれたときからそうだったはずはないので、きっとどこかで「スイッチ」が入ったのでしょう。私も、そのスイッチが入っています。スイッチが入ったのは、お客様の心からの「ありがとう」をいただいたときでした。つまり、「人と接して幸福を感じたとき」がスイッチの入るチャンスです。その機会を得るためには、できるだけ人と会うことです。


経験を重ねていくことで、頭のなかにお客様のパターンが十数種類できてきて、見ただけである程度は対応の仕方がわかるようになります。しかし、それに頼ってはいけないのです。たとえば、挙式の相談でこられたお客様がいたとしましょう。「挙式の場合は、こういうふうに対応すればいい」と、これまでの経験やノウハウにとらわれて行動してしまうと、目の前のお客様に特有の家庭の事情などに気がつかないかもしれません。相手の気持ちをイメージし、受け入れてこそ、期待を超えるサービスをすることもできるのです。


優れたホテルマンには、イマジネーションの力が備わっています。イマジネーションとは、相手の心のなかにあるものとできるかぎり同じイメージを、自分の心のなかにつくり出すこと。それによって、相手と同じ目線に立つことです。ホテルにいらっしゃるお客様は、年齢も、職業も、ホテルにいらっしゃった理由も千差万別です。ですから、お客様一人ひとりがどういう気持ちなのかをイメージして、対応しなければなりません。


ビジネスマンにはコミュニケーションの悩みが多いようです。たとえば、営業マンが訪問先の相手と話すときに、商品についてはしゃべれるし、プレゼン資料についても説明できるのだけれども、それ以上のことがうまくしゃべれない。また、相手のニーズを聞いたり、雑談をして打ち解けたりすることができない。それは、話をする基盤として、「聞く姿勢」ができていないからです。自分の立場で考えてしまっていて、相手の話を聞きながらも、頭のなかでは「次は何をしゃべろうか」と思っているのではないでしょうか。それでは相手とのダイアローグ(対話)ができません。


若いビジネスパーソンには「日本人らしさ」を大事にしてほしい。中村天風、森信三、安岡正篤といった日本の近現代を支えた思想家のことも知ってほしい。彼らは、スマートにスーツを着こなしたわけでもないし、英語が人一倍堪能でもなかったようですが、不思議なオーラを発していた。そういう日本人こそ、海外で一番高く評価されるのです。


海外で働くには「まず英語力」と思う人が多い。けれど、私自身が米国のホテル業界でサバイバルするうえで一番の武器になったものが何かといえば、「日本人的なコミュニケーション」です。米国人同士の議論は「私はこう思う」「こうしたい」という自己主張の応酬で、なかなか結論が出ません。そんな時、私はみんなの話にじっと耳を傾ける。そして、みんなが話し疲れた頃、「ジムの言いたいことは~で、ハンスの主張は~だろ。それなら、まず~を試してみたらどうだろう」と、落としどころを示す。そういう調整役ができる人は、米国人には少ないので、存在感が出せました。


教養を深めるのにも、目的意識が必要だと思います。自発的に何かに興味を持ち、そこにエネルギーを傾けていく力。それこそが教養の源ではないでしょうか。


東京のホテル専門学校を卒業した1973年、北野建設が米ニューヨークに開業した「ホテルキタノ」のオープニングスタッフとして渡米。それが、私のキャリアのスタートでした。20歳の若造が、海外で最初に痛感させられたのは、日本文化に対する自分の教養のなさ。日本オタクのような外国人から、歌舞伎や茶道について、矢のような質問が飛んでくる。慌てて本を読んでも、知識では彼らに到底、敵いません。そこで気づいたのは、自分が語るべきは、「日本人にしか分からない感覚だ」ということ。


それぞれの仕事に求められるスピードを意識して、効率よく仕事をすることは大切です。ただ、仕事というのは速さだけではありません。目の前のことをひとつひとつ丁寧にこなしていくなかで仕事の面白さを発見したり、自分の居場所がみえてくることもあるのではないでしょうか。


大切なのは性格が合っているかどうかということよりも、その仕事に面白さなり喜びを見つけられるかどうかではないでしょうか。


いまのような時代は、先が見えないから不安で、若い人があせる気持ちもわかりますが、先が見えないからこそ面白いともいえますよね。


リッツ・カールトンには、「従業員はみな紳士淑女たれ」というサービス哲学があります。しかし、それまで普通に育ってきた若者がリッツ・カールトンに入社して制服を着た瞬間に、紳士淑女になれるわけはありません。そこで重要なのが、我々はステージの上にいるという意識です。リッツ・カールトンというブランドを意識しながら演じることに従業員は責任をもつ、それに対して給料が払われるわけです。


仕事において「自分ブランド」を演出できるということは、プロであることの必須条件だと思いますね。


本当に自分に合った職業にこだわることは悪いことではありませんが、まったくの自然体で生きるということは、この社会においては不可能なのではないでしょうか。人間は野生に生きているわけではありませんから、自分の感情をそのまま前面に出していては、仕事も社会も、家庭すらも成り立たないでしょう。人は、社会とのつながりのなかで、人としての節度を保ちながら、自分という役割を演じて一生を終えていくものです。自分を演じるということはすなわち、自分を律するということにつながっていくと私は思います。


どの仕事もそうだと思いますが、仕事の奥深さはそれほどすぐにわかるものではありません。ホテルマンは人をもてなすのが仕事ですが、30年ホテルマンを続けてきた私でさえ、人を見ることの面白さを日々発見しています。まだまだ知らないことだらけですよ。


2年間の留学から帰ってきた若者に、リッツ・カールトン大阪で「ドアマンの仕事をやってごらん」と勧めたところ、「冗談じゃない、2年もアメリカで勉強してきて、ドアマンはないでしょう」と不満をいわれたことがあります。しかし、ドアマンやベルマンの仕事は、ホテルの全セクションとのコンタクトポイントにもなる重要な仕事です。意識を集中して仕事に取り組めば、お客様をみたときに、その人が何を欲していらっしゃるのか、どういう気分でいらっしゃるのかが瞬間でわかるようになってくる。どんな仕事にも自分の感性を磨く瞬間があるということをもっと意識すれば、先を急がずとも仕事の質を高めることができるのではないでしょうか。


私の場合、ここまでくるのに30年かかりました。業種にもよると思いますが、仕事をコツコツやっていく忍耐力さえあれば、新入社員が急に成長しなくても、それほど心配しなくてもよいのではないでしょうか。


過去に先輩や周りの人が失敗した記憶や経験があるなら、それは勉強しておくべきです。まったく同じミスを繰り返しながら自分も学んでいくのは、かなり非効率ですから。やはり、自分で疑似体験するつもりでいろんな人の話を聞き、引き出しを増やしておくことは大事だと思いますよ。お客様相手のことですから、最後は経験がモノをいいますが、知識としてもっているのとそうでないのとでは、スタート地点が違います。


クレーム対応で気をつけたいのは、スピード感をもって対応することで、お客様がまたこのホテルに戻ってきたいと思ってくださるかどうか。ただし、サービスの現場には一定のリズムがありますから、スピード感を出すことで、お客様にとっての心地よさを壊してしまっては問題です。お客様にとって心地よいリズムと、求められるスピードのバランスを感じながら対応することが大事でしょうね。


生きがいと働きがいを、リッツ・カールトンでは、「絆」という言葉に置きかえています。絆やつながりは、社員がその会社にいる理由になり、成長しようと思う理由になるのです。


アメリカのホテル勤務から私が学んだのは、「それぞれのホテルには、それぞれの哲学がある」ということでした。社員の働き方、考え方、使う言葉というのは、その会社の哲学が決めるといっても過言ではないと思います。そして哲学に沿った働き方、考え方、話し方をする社員が集まることで、企業の文化や風土はつくられていくのです。


普段からコミュニケーションを楽しもうとする姿勢が大事ではないでしょうか。米国にいた頃は、同僚へのカードに1ペニー硬貨を貼り、「これで好きなものを買ってくれ」と書いて渡したこともあります。当然、「1ペニーじゃ何も買えないよ!」というリアクションが返ってきます。そういうやり取りが楽しいんですよね。日本で1円玉を使ってやったときは、反応がいまいちでしたが(笑)。そうやって、自分の中の感性を鈍らせないようにしています。


相手に伝えたい想いがなければ、コミュニケーションは成立しません。想いを文章化したものが手紙ですから、人に感謝の気持ちを抱けなければ、お礼状も書けないはずです。


言葉を簡略化して、端的に伝えるとしても、相手への礼を忘れてはいけません。それがないと、たんなる失礼な手紙になってしまいます。


文章に「遊び」を入れると、相手との距離がぐっと縮まります。「この人以外と茶目っ気があるんだな」とわかると、それまで近寄り難いと思っていた人に、急に親しみを持つようになる。


私は短い文章が好きなんです。短いほうがストレートに想いが伝わるからです。そのことを、米国で働いていたときの上司から教えられました。その人は出張先から、よくポストカードを送ってくれました。書いてあるのは「What’s up?」「Hey, you!」といったひと言だけ。上司が私に伝えたいのは、「離れていても、いつも君のことを気にかけているよ」というメッセージなので、それ以上の文章は必要ないのです。


文章を書くのであれば、やはり相手に自分の想いをきちんと伝えたい。会話や表情、ボディランゲージなど、コミュニケーションのツールはいろいろありますが、かたちに残るのは文章だけです。だからこそ、書くと決めたら、想いを伝えるためにいろいろと工夫を凝らします。


私もお礼の手紙やメールをいただくことがありますが、その中には、「あらかじめ用意しておいたテンプレートをそのまま使い、名前の部分だけを差し替えたのだろうな」とわかってしまうものが少なくありません。もちろん、雛形を使ったとしても、私のために労力を費やしてくださったのは間違いありませんから、そのことに感謝します。しかし、相手が私に伝えたかったはずの想いが半減してしまっているように感じる、というのが率直なところです。だから、私自身は、そういう文章は書かないことに決めています。


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