高橋淳(経営者)の名言 一覧

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高橋淳(経営者)のプロフィール

高橋淳、たかはし・じゅん。日本の経営者。焼き肉レストラン「ワンカルビ・プラス」、しゃぶしゃぶレストラン「きんのぶた」などを展開するワン・ダイニング社長。成蹊大学経済学部卒業後、三井物産に入社。三井物産繊維部門で11年働いたのち、岳父が経営する食肉小売のダイリキに移り、同社から分離した外食部門のワン・ダイニング社長に就任。関西を中心に会社を急成長させた経営者。

企業が成長するにはイノベーションも必要ですが、それ以上に重要なのは基本の徹底です。当たり前のことを当たり前として実行する。この凡事徹底が飲食店にとって最も大切です。そのためにもチームのような一体経営をしていきます。


他店より肉は多少美味しいし、サービスも多少は良い。でも圧倒的な差別化はできていませんでした。そこで、本当においしくて、サービスがいい、お客様に心から満足してもらえる店をつくろう。そうしないと存続できないと悟りました。
【覚書き|米国のBSE問題などによって全店舗中3分の2が赤字店になってしまった当時を振り返っての発言】


肉がおいしいだけではまだ足りません。お客様の満足につながる要素のひとつにすぎません。店内の居心地にもこだわり、内装にもコストをかけました。お客様にゆっくりくつろいでいただけるよう、テーブルごとに壁や仕切りを設けて個室感覚を演出するようにしました。


ファミリー向けの焼き肉レストランは名古屋が先進地でした。名古屋近郊に出かけては、1日に5件も6件も回りました。そうやって研究したうえで郊外店を出しました。


店のスタッフに理由を説明しないで、ただ「やれ」と言うだけでは、モチベーションはあがりません。当店ではひざまずいて、お客様と同じ目線でオーダーをとる、ダウンスタイルをとっていますが、なぜそうする必要があるのか、この会社のスピリットを理解してもらいます。


お客様を飽きさせないためには、常にブラッシュアップするしかありません。メニューは年2回、大幅に変えています。基本の肉メニューは一緒ですが、そのほかは旬の野菜や季節メニューをとり入れたりと、かなり手を入れています。


ひとつの目標に向かって一丸となって働く体験はやりがいにつながるんです。ですからアルバイトから社員になってくれる人が多い。今年春の新入社員19人のうち、10人がアルバイト出身なんですよ。


社員については、階層別に「あるべき姿」を決め、徹底的に研修します。たとえば全社員を対象に年二回、肉の加工についての技術検定を課しています。一番高い等級は「マイスタークラス」と称しています。


最も重要な安全・安心に関わる部分はマニュアルにしていますが、そうでない部分はスタッフが工夫しながら運営していく余地を残しています。


やる気をあげるために「気づきメモ」を続けています。これは、気づいたことをメモに書いてもらうものです。「お客様にこんな声かけをしているAさんは素晴らしい」「お皿をこうして並べておけば作業がはかどる」とか。人は誰でも褒められたいという欲求を持っています。メモは毎月7000枚ほど上がってきます。それをもとに接客の改善案が出たり、店の方針が変わることもあります。


店がひとつのチームとして機能するように、毎月、店ごとにミッションを課しており、アルバイトもミーティングに参加させています。


焼き肉やしゃぶしゃぶは低価格であったとしても、家族4人でお越しいただくと1万円を超えます。片やファミリーレストランなら4人で4000円ちょっとで食べられる。そう考えると、1万円に対してお客様から求められる基準は高いと思うんです。逆に、その高い基準をクリアできれば、お客様は信頼してまた来店してくださる。その期待を裏切ることはできません。


接客にこだわっていますから、アルバイトの時給も同業他社より高くしています。ファミリーレストランだとスタッフとお客様との接点は注文時と料理を運んできたときくらいですが、うちでは何度もお客様の席に伺います。その分、スタッフの役割も重要です。


郊外店を始めて数年間は客層を絞り込めず、広間も設けていました。ところがグループ客はお酒を飲むと大騒ぎして、家族で食事を楽しもうという雰囲気にそぐわない。ですから宴会用の広間をなくし、すべてをきちんと仕切られた個室感のあるテーブルにしました。家族や仲間でゆっくり楽しんでいただくというのが当店のコンセプトです。


スタッフが包丁を手にして店内で調理することには重要な意味があります。精神論からいうと、肉に対する熱い思いが生まれます。この思いはとても大事です。肉は工業製品ではないので、ひとつひとつ全部違います。ですから、おいしく提供しようとすれば、部位によって切り方を変える必要があります。肉の知識を持ったうえで、細心の注意が求められるのです。しかし加工センターでは作業量や歩留まりなど効率が優先されます。そこで肉へのこだわりもなくなってしまいます。


食べ放題というのは、集客力や効率をあげる、外食産業のいわば最終手段だといわれています。ただし、食べ放題であっても、テーブルオーダーバイキング方式にし、お客様が料理を取りに行く形にはしませんでした。取りに行く方式だと食材が並ぶカウンターが乱雑になり汚れます。しかも、せっかく家族で来ても、たびたび席を離れるから会話どころではありません。お客様の満足度を高めるにはテーブルオーダーでないといけないと考えました。この方式に変えたところ、どの店もすぐに黒字転換ができました。


いまは店の厨房で、肉を切ったり味付けしたりといった加工をしていますが、以前はセントラルキッチン方式をとり、外部の加工センターに任せていました。当初2~3店舗のときは店内でカットしていましたが、出店が加速したため、肉のカットすべてをアウトソーシングしていたのです。その結果、肉の知識を持ちカットできるプロの人材がいなくなってしまいました。母体が肉屋という強みを生かした店ではなくなっていたんです。


03年には米国でBSEが発生し客足が急減。外食店舗の3分の2が赤字店になるという想定外の出来事が起きました。当時、外食事業は別会社で行っていましたが、債務超過になってしまい、翌年親会社のダイリキに吸収合併される形で何とか存続できました。そこで社長だった岳父を中心に、あらためて外食事業の在り方を議論したんです。うちの焼き肉店は本当に差別化できているのかと。あるいは母体が肉屋であることの強みを生かしているのかと。何よりお客様に本当に信頼されているのかと。その答えはすべてノーでした。


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