金児昭の名言 一覧

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金児昭のプロフィール

金児昭、かねこ・あきら。日本の実業家。信越化学工業の最高財務責任者(CFO)。東京都出身。東京大学農学部農業経済学を卒業し、信越化学工業に入社。経理・財務畑でキャリアを重ね、常務取締役(経理・財務・法務・資材担当)を務めた。そのほか、早稲田大学商学研究科客員教授、日本CFO(最高経理・財務責任者)協会最高顧問、公認会計士試験(筆記・口述)試験委員、金融監督庁(現・金融庁)顧問などを務め、実体験をベースにしたビジネスマン向けのわかりやすい会計本を多数執筆している。

成果を出しても周りが認めてくれなかった場合、これも一つの試練、結果として自分を育ててくれていると考えてはどうでしょうか。


仕事の不安や悩みを話せる人が、一人か二人はいた方がいいでしょう。無理やりに自分に鞭を入れ続けることは危険です。


どんなに周到にやったつもりでも、仕事に失敗はつきものです。プレッシャーを受けてまで仕事をやろうとすると、ろくなことはありません。とにかく目の前の仕事に全精力を傾けることです。


優柔不断もときには大事です。あれこれ考えているうちに、いい結果が出ることもあります。大切なのは、悩んでいることに対して、罪悪感を感じたりしないこと。行き詰ってしまったら、仕事から離れて、酒でも飲んで寝ればいい。仕切り直せばいいんです。


上司は気に入らないものだと考えればいいのです。なぜなら、自分が一番かわいいんですから。私はずっとそう思ってきました。そうやって開き直っていれば、なぜ上司はこんな仕事、無理難題を押し付けるのかなどと悩むこともありません。そして、思い切り仕事にぶつかれるようになります。要するに、仕事は出たとこ勝負。それでいいんです。


給料あるいは働いて得たものを銀行などに預けるという行動は、安全性だとか、利息がどうのだとか、我慢の褒美などと考えることに加え、それを定期的にやるように癖をつけることが一番大切なのです。定期的に大きな金額でなくていいですから、預ける癖をつけるのです。とくに社会人一年生はそれをするべきです。それを実行する習慣を若いときから、いや加齢人も、つけるだけで人生が必ず変わります。とくに、子供のときからこの習慣をつけることが大切であると考えています。


普通、会社は外にいるお客様からお金をいただいて事業経営をします。ただ、ビジネスパーソンの立場を考えると、会社でいうお客様は誰かというと、自分の勤めている会社なのです。会社がお金をくださるのですから、そのお金をもらうために頑張るというのは至極当然の行動なのです。風邪をひいて家で寝ていても給料は支払われることがあるのですから、そうした収入の道を確かなものにする努力は欠かせないのです。


ビジネスパーソンは、新入社員で入って最初の4・5年くらいは給料に差が付きません。しかし10年、15年先を考えると、頑張りによってポストも上がるでしょうし、賞与の額も違ってきます。そう考えると、頑張って認めてもらうということが収入を上げるひとつの手立てになります。


そこ(自分が目指す給料の額や役職)に行き着くまではペコペコしておいた方がいい。少なくとも横柄な態度はよくありません。ペコペコといっても、卑屈にならない範囲で丁寧に接しましょうということです。何といっても、人事権と受け取り給料の査定は上司が握っているということを忘れてはなりません。家計を考えた場合、ビジネスパーソンにとってのお客様、それはお金をくれる上司と会社であると考えることが大切です。


会社を経営し、その収入・支出の流れをつかんで計算することが「企業会計」ですが、これと同じように家庭を経営し、その収入と費用をつかんで計算することが「家庭会計」で、これを縮めたのが「家計」です。


お金を預けるのには3つの理由があります。

  1. 安全のため。万一のことを考えると、やはりタンス預金は怖いでしょう。
  2. 増やすため。あまり多くは望めないのですが、お金を預けておくことによって、利息という子供を生んでくれるという側面もあるのです。
  3. 無駄遣いを防ぐため。預貯金にはお金の無駄遣いを防ぐという効果があります。現金を手元に持っていると、なんとなくすぐ使ってしまいがちです。銀行や郵便局に預けることで、使いたい気持ちを我慢することになります。利息はその我慢のご褒美と考えるのです。

有価証券とは簡単に言えば、お金が別の紙切れになっただけのものです。株券は、買った株式を発行する会社の株主としての権利、つまり「株主であるぞよ」ということを示すものです。現金は物価の上下に伴ってその実質的な価値が上下します。これに対して有価証券は市場の人気によって価値が上下します。


ケチに徹して費用を減らす方法だけでなく、いまある収入を、あるいは収入の道を増やす方法も同時に考えるということです。


どんなところに自己投資をすればよいかというと、いま、自分が専門としているところ、得意としているところをさらに深く掘り下げることが、成功に一番近い道ということでしょう。新しい知見や情報を集めれば、自ずと周りに人が集まってきます。そして、集まった人たちとの接触のなかでまた新たな知見と情報を得ることができるという好循環が生まれるのです。


家計を預かる身としては、いま現金や預金がどれくらいあるのかといった、その過程の資産状況をしっかり把握していなければとても家庭の経営などできません。その意味でも、まず費用の全貌をつかむために、費用を毎月、項目ごとにまとめて書き出してみることが大切です。また、毎月記録することによって、定常的な出費なのか、特別の出費なのかを比較判断することもできるのです。


昔は、誰もがあまり資産を持っていなかったので、入るお金が少なく貧乏でした。支出を超える収入を得ることがなかなかできなかったので、家計簿は赤字だったのです。ところがいまは、世の中の生活全体のレベルが上がったため、家計が黒字か赤字かを見るには、収入だけでなく、持っている資産も考えに入れなければならないのです。


株は、一度は自分で買って、値下がりを経験して懲りておいた方がいいです。買えば、毎日値動きをチェックして市場の勉強にもなります。私は、いまは自分の子供に損をする経験をさせるのが私の仕事だと思っています。ただし、損をして懲りた方がいいとはいっても、生活を破たんさせては何もなりません。株取引の経験は、生活に支障をきたさない範囲で損をして、寒気を感じることが大切なのだと思います。


常に付加価値を付けようとする意欲を持つことや、健康を維持することなどに関する投資は、何十年も続くことを考えても、「短期ではなく長期に結果を求めること」が、ビジネスパーソンにとって大切です。


家計で収入・費用・剰余のうちでどれが一番大事でしょうか。節約、節約と念仏を唱えても、節約する前に入るものが入ってこなけっれば、節約のしようがありません。だから収入が一番大切です。


家計ではバランスシートが非常に重要です。極端に言えば、私はバランスシートだけでもいいと考えています。そうはいっても、損益計算書の考え方をまったく外せないのですが、基本的にはバランスシートにすべての結果が現れることは理解していただきたいのです。


家計簿とは、単なる現金出納帳であり、生活費という家計の一部の記録に過ぎません。つまり、月に一度の収入項目を合わせた費用という「出」の記録でしかないのです。企業に例えれば、キャッシュフロー計算書の一部です。これでは、現在、我が家にはどれほどの資産があり、収入の総額、定常的な費用や何年かにいっぺん出ていく費用、特別に出ていく費用などが、どれほどあるのかという家計の全体像をとらえられません。


私は金融監督庁の顧問をしていたのですが、大変な時代だったんです。山一證券や長銀がつぶれたりした頃です。当時様々な会議に出ましたが、理屈ばかり微に入り細をうがち、実行となると途端に甘えが出てしまうという事態に陥っていました。理屈はさておき、ザックリした実行こそが大切です。


家計をバランスシートの発想で見るということは、江戸時代の日本にすでにあったんです。茨城大学教授の磯田道史さんが刊行された『武士の家計簿 加賀藩御用算用者の幕末維新』を読んで感激しました。これは磯田さんが神田の古書店で手に入れた加賀藩士猪山家の「入払帳」などをもとに研究した大変な労作です。御用算用者はいまの企業でいえば経理・財務パーソンですから、記録は実に精巧で、そのなかには見事にバランスシートの考え方が入れられています。


バランスシートの「バランス」とは、よく言われる平衡・つり合いではなく「残高」のことです。ところが、アメリカの専門学校の簿記教科書を福沢諭吉さんが日本語訳した『帳合之法(ちょうあいのほう)』が、バランスシートや簿記を難しくしてしまったのです。資産や負債を表現するのに、debtorとcreditorを直訳して、借方、貸方という言葉を当てはめてしまいました。debtorとcreditorはもともとまったく意味のない言葉、つまり記号なんです。それなのに借り・貸しと表現したので、ほとんどの人が拒否反応を起こしてしまって、それがいまでも続いてきてしまっているのです。


私の勤めていた信越化学工業での経理・財務一筋の38年間の体験からして、企業では「収益-費用=利益」の計算式通りに、一円でも多くの利益を稼ぎ出すために精いっぱい努力しています。


私は「日経式 おとこの家計簿」で、バランスシートの大切さを徹底的に述べました。いや、バランスシートがあれば他はいらないとまで言い切りました。資産、負債、純資産の3つだけにスポットライトを当て、同書を完成させました。


いまの時代の社長は、経理財務担当役員の視点や力量を持たないといけなくなっているし、逆に経理財務担当役員も経営者の視点が必要になっていると思います。他のレベルでも同じです。専門分野を分担して経営にあたる時代は過ぎたのではないでしょうか。


企業の買収案件の検討の際には、私は事業部のメンバーと一緒に買収候補企業を訪問しましたし、それだけではなく、買収候補企業の営業担当者と一緒にその会社の顧客のところに営業に行くことまでしました。海外企業の買収案件の際には長期間外国に出張するのですが、それこそ夜、メンバーと飲んでいても「アフターM&A(買収の後)を考えましょう」と言っていたほどです。


信越化学工業でやってきたのは、様々な事業案件の責任者に経理財務の視点を持ってもらうように促し続けることでした。たとえば、私は経理部長から経理財務担当常務のころまでに約30件のM&Aに関わりましたが、交渉の際、事業部長に「アフターM&A(買収の後)を考えましょう」と言い続けました。海外企業などの買収案件が持ち上がると、買収価格の算定や事業内容の点検などを行いますが、その最中に「買収後も、買収先企業の大口の取引先は継続するのか」「原材料の購買先を複数にするなど、何かあったときに対応できる仕組みになっているか」といったことを言い続けるのです。


言いたいことは単純です。「とにかく売上を増やせる会社かどうかを精査してほしい」ということなのです。会社というものはリストラや効率化ももちろん大事ですが、やはり売上高を伸ばせるかどうかです。売上を伸ばして、利益も増やせる会社を選ぶべきなのです。最近はどうもその基本を忘れて、投資効率や投資の回収に何年必要か、といった考え方が幅を利かせていないでしょうか。


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