谷厚志の名言 一覧

このエントリーをはてなブックマークに追加

谷厚志のプロフィール

谷厚志、たに・あつし。日本のクレーム・コンサルタント。学生時代からタレントとして活動。芸能界引退後、リクルートCS推進室にてクレーム対応の責任者を務める。2000本以上のクレームに対応し、クレーム客をお得意様に変える話術を確立。その後独立し、クレーム対応法をレクチャーした。日本クレーム対応協会代表理事。著書に『心をつかむ!誰からも好かれる話し方』『「怒るお客様」こそ、神様です! クレーム客をお得意様に変える30の方法』ほか。

ある企業のCS推進室でロイヤルカスタマーの顧客データを調査したところ、その大半がかつてクレームを上げたことのあるお客様でした。その理由はクレームの際にしっかり対応しフォローできたことで、お客様から信頼を寄せられるようになったからです。つまり、クレーム客は経営を支えてくれる金の卵なのです。


私はメモをとらなかったために失敗した苦い経験があります。「いま、私は3つの点について言った。繰り返してみなさい」と言われ、ひとつしか答えられず怒られました。それからは必ずメモを取り、話を聞き終わった後に確認しています。話した内容が伝わっているとわかれば時間も短くなるし、言った・言わないの争いを防ぎ、よい関係を築くことにもつながります。


弱いモノいじめタイプの上司から叱責を受けたときは、相づちでジャブを打つと良いでしょう。上司の話の合間に「申し訳ありません」「反省しています」とジャブを打つように相づちを入れていく。そうすると「お前、何に対して謝っているのか言ってみろ」と反応してくるので、そこで謝罪の理由を明確に述べていくのです。すると「わかっているならいいよ」という流れになり、その場が早く終わります。


もしお客様からカウンター越しに一方的に怒鳴りつけられたら「す、すみません。お客様の言葉で怖くなってしまい、なんと申し上げていいのか……」と言う。すると暴言を吐いた側は「いや、怖がらせようと思って言ったわけではなくて」と慌ててしまうことがほとんどです。


先日あったケースでは、相手から「訴えられてもおかしくないんですよ!」と言われ、「いや、訴えられたら困ります」と返してしまったために、論点がクレームの内容から訴える・訴えないになってしまいました。ヒステリックな相手の言葉にそのまま乗っかってしまうと、本来解決すべき問題からズレていってしまうことが多いのです。


「おっしゃるとおりです」「ごもっともです」という言葉は、謝罪の場面に適切な表現のように思えますが、これらは相手の主張へ完全に同調する言葉です。こうした言葉を使うとお説教タイプの人は「そうだ、おまえが完全に間違っているんだ」とさらに怒りに火がついてしまい、長時間お叱りを受けるきっかけになることがあります。


何らかのトラブルで怒っている方は「自分がどんな嫌な目に遭って嫌な気持ちになったか」や「お前のミスによって私の立場がなくなった」ことをわかって欲しいと思っているので、まず何か起きたのかを理解する。そのうえでお詫びをするのです。「交換します」「代金はお返しします」と、早くその場を収めようとする人も多いのですが、かえって怒りに油を注ぎかねません。


ある旅行予約サイトの運営会社に60歳代の夫婦から「朝食を自室で食べられなかったから代金を全額返して欲しい」という電話が入りました。担当者は「それくらいで全額返金を要求するのはクレーマーに違いない」と考えましたが、話を詳しく聴いてみると、ご夫婦ともに足が悪いので、旅館の予約をする際に重視したのが部屋での食事でした。しかしサイト情報の間違いで朝食はレストランでのバイキング形式だったのです。「右手に杖を持ち、左手にトレーを持ってどう料理を取るんですか」と。実はこのお客様は当初それほどお怒りではなかったのですが、クレーマー扱いされたので激高されてしまいました。


実はクレームを言うお客の65%はリピーター層です。また利用したいからこそ、クレームを言うわけです。ですから怒りがおさまったあとのお客様は、ちょっとバツの悪さを感じています。「いやな客だと思われただろうな、もう利用できないな」と思っているところへ思いがけず感謝されれば、「自分はいいことをしたんだ」と笑顔になれるというわけ。ぜひお客様を笑顔で帰してあげてください。


お客様は問題を解決してほしいのはもちろんですが、それよりも「こんなにイヤな思いをした」という気持ちをわかってほしくて、わざわざクレームを言ってきているのです。それなのにこのプロセスをいい加減にはしょって、事務的に「わかりました、じゃあ返金します」などと言ってしまうと、「私、お金を返せなんて言いましたか?」とさらに怒らせてしまう。ですからここはじっくり話を聞いて洗いざらい吐き出してもらい、そのうえで、しっかり共感を示すことが大切です。


最近は「事実を確認する前にうかつに謝ると言質をとられるので、簡単に謝罪してはいけない」という理由から、お詫びが遅れることが多いようです。だから事態が余計に悪化してしまう。でも言質をとられるのはまずい。それなら、限定的な謝罪をすればいいのです。たとえばホテルの宿泊客から「部屋が汚れていた」というクレームがきたら、「せっかくご利用いただきましたのに、お部屋にご満足いただけなかったようで申し訳ございません」と謝る。本当に部屋が汚かったかどうかはさておき、お客様が部屋に満足しなかったのは事実なのですから。


まずクレームを受けたら、何はともあれ「お詫び」をする必要があります。実はクレーム全体のうち20%は、お客様の思い込みや勘違いが原因です。でも仮にそうだったとしても、なるべく早い段階でお詫びをしないと、事態はどんどんこじれていく。それを「お客様、ここにちゃんと書いてありますよ」などとピシャッとはねつけてしまうと、「こんな小さい字が読めるか!それより客に向かってその態度は何だ」ということになる。


実はクレームをこじらせているのは、クレームをまるで生ゴミか何かのように「処理」しようとする企業側のほうです。よく企業や官公庁にお邪魔すると、過去の記録を集めたフアイルの表紙に「クレーム処理票」などと大きく書いてありますが、クレームは「対応」するものです。きちんと対応すれば業務改善のための貴重なヒントが得られるだけでなく、お客様をリピーターにすることもできます。


人名ランダムピックアップ


経営・ビジネス・投資・仕事・お金・経済的な分野で成功を収めた人たちの名言を収録しています。

ページの先頭へ