設楽洋の名言 一覧

このエントリーをはてなブックマークに追加

設楽洋のプロフィール

設楽洋、したら・よう。日本の経営者。セレクトショップ「ビームス」社長。東京出身。慶應義塾大学経済学部卒業後、大手広告代理店「電通」に入社。プロモーションディレクター、イベントプロデューサーとして活躍し数々の賞を受賞。父・設楽悦三のビームス設立に参画。電通を退社しビームスに入社。専務取締役などを経て社長に就任。同社を大きく成長させた。

努力は夢中に勝てない。


店のスタッフが100人いれば、100のビームスがある。個々のスタッフが持つ感性に共感してファンが集まる。ビームスはそういうブランドです。


スタッフが本気で自分の生活を楽しむ。それがきっと他社とは異なる強烈な個性やパワーになり、結果としてファンも呼び込める。


食事をする所にしても、おいしいことも条件ですが、結局よく足を運ぶのは、なじみの店主がいる店でしょう。やっぱりその人との会話も楽しみたいから足を向ける。これは実店舗にとって非常に大事なことだと思います。


サラリーマンだった頃から「幸せって何だろう」と考えてきました。社員の幸せって極論すると2つしかない。やりがいのある仕事か、ものすごい報酬か。両方を提供できればベストですが、実際にはすべてのスタッフにそうできるわけではない。であれば、幸せがもうひとつあってもいい。それは、仕事以外に自分のやりたいことができる時間があることです。


会社の理念である「Happy Life Solution Company」がスタッフを束ねる横串になっていると思います。これはコミュニティーブランドにもつながるものです。ファッションを生業にはしていますが、それ以前にヒトとコミュニティーを大事にする。働く人や関係する人が幸せになる会社にしようという理念です。それに共感した人たちが集まっています。


うちには普通の会社には順応できない人が大勢いますからね。腹が立つこともしょっちゅうです。「右向け右」と言ったらぱっと変わるような組織なら楽ですが、「やってくれ」と言っても、「ダメです」と平気で返してきますよ(笑)。


いまは、単純に「モノ」を売るだけでは響かない。それよりも「モノ」を使った先の楽しい生活、つまり「コト」の方が重要だと言われています。それが「モノからコトへ」という思想です。でも、その起点になるのは結局、「ヒト」だと私は思います。


新聞やテレビであれば大きな見出しをつけてスペースを割いたり、取り上げる時間をほかのニュースよりも長くしたりする。それによって読者や視聴者もニュースの重要性が分かります。一方、ネット上のニュースは見出しの長さや文字の大きさはほぼ同じ。「これはすごく大変なことなんだ」と誰かが言ってあげないと重要性の度合いが分からない。同様に「これがすごいよ」と整理して伝えることが、今のセレクトショップには求められています。


創業当時は自分も含め誰もがモノと情報がなくて困っていました。ファッションで言うと、どこに行って買えばいいのか分からず、いろいろな場所を駆けずり回ったものです。今はモノと情報が溢れていて何が正しい選択なのか分からないという、かつてとは逆の状況になっています。ビームスを創業した当時は「こんなものがあるよ」と、消費者が見たことのないものを提示するのが我々セレクトショップの役目でした。今は情報の整理屋になることが求められていると考えています。


「ワーク」だけじゃなく、「プレイ(遊び)」も仕事。そして、そうすることが、ビームスがライフスタイルを提案する上で、直接的、間接的にものすごいパワーを生むかもしれない。


ビームスが果たすべき役割として、もともと「ハッピーライフソリューションカンパニー」と言ってきましたが、最近では、「カンパニー」ではなく「コミュニティ」という言い方をしています。「ここに働く人、ここに関係する人が幸せになるようなコミュニティをつくりたい」と。「ここに働く人」とは社員のことを指し、「ここに関係する人」というのは、お取引先であり、ブレーンであり、お客様です。その人たちの幸せを追求するのが「ビームスらしさ」であり、経営者として、今までにないような集団をつくりたいのです。


私たちはいろいろなものを提案していますが、なぜそうするかというと、使ったときや贈ったときにわくわくドキドキしてほしいからです。つまり、ハッピーを売っているのです。では、最終的なハッピーや夢は何かと考えると、それは、人と人とのつながりの中にあるのでないかと思うんです。


私が採用の最終選考でする質問はただひとつ、「今までの人生をふり返って、自分は強運だったと思う人は手を挙げてください」だけです。同じ点数の人が二人いたら、手を挙げたほうを採ります。本当に強運だったら一緒に働きたいし、その運をもらいたい。強運ではないのにそう思っているとしたら、かなりのプラス思考なので、絶対にそっちのほうがいいですから。


個性の強い社員が、いい意味でも悪い意味でも暴れまわることに対しては、当然、まともな社員から文句が出ることはありますし、束ねるのは大変であるものの、個性の強い人間は、いい商品を仕入れてくるのです。


当社は社長プレゼンはかなりしやすい会社だと思いますし、私も社長室のドアはいつも開けっ放しにしています。社員との距離という意味では、私は中小企業の親父っぽいのかもしれません。


自分が提案したものが形になって店に並べば張り合いが出るし、やる気も違います。効率で考えるとかなり悪い部分もありますが、現場の人間がものづくりに関われることで、「この指とまれ」ができるのです。


ひとつのシーズンが終わると、店舗では「反省と展望」という作業をします。その際、スタッフ全員が、それぞれ自分が担当するアイテムについて、次のシーズンに何が来るのかを、商品提案書として出せるようになっています。提案は、絵でも写真でもサンプルでもよく、いいものであれば商品にして戻します。


POSのデータに頼って次の仕入れをしたり、商品の評価をしたりしていると、売上は上がっていても、「(流行に敏感な)早い人」はいつのまにか去り、感度の低い人しか来ない店になってしまいます。これが店の陳腐化です。


「種まき」と同じようにむずかしいのが、商品の「引き際」です。これは大失敗の中で学んできたことですが、POSのデータが跳ね上がる商品というのは、もう店頭から引き揚げないといけない商品なんです。実際にはそこから売れるのですが、やめておかないといけません。


当社のお客様は世間一般よりものごとに早く反応する人たちですから、そのデータの価値は、会員数の何十倍にも匹敵するだろうと思います。


社員が仕入れに失敗すれば、その年の査定に影響することはありますが、だからといって一度の失敗で終わりではありません。失敗しても、3回まではやらせます。そうした挑戦させる風土がビームスにはあると自負しています。


世の中のほとんどの仕事は、経験と年齢が増すほど重要なポストに就いて、握るお金も大きくなるものですが、この業界はそうじゃないんです。年を取るごとに感性が衰えるからです。私は40代になったときに、それを感じました。それ以来、仕入れはすべて社員に任せています。若い社員ほどすごい額の資金を扱っていて、一番多い社員は年間30億ぐらいでしょうか。だから、一度不安になると、眠れなくなってしまいます(笑)。でも、自分がやったのでは遅れてしまうので、若い社員にやらせる。これは、私自身にとっては大きなジレンマです。


ビームスは全国に百数十店舗ありますが、それぞれ顔が違います。同じジャケットを飾っても、渋谷、原宿、銀座、それぞれの店で違うものに見えます。それは、そこで働く人間がそれぞれ「この指とまれ」をやっているからです。そのためマニュアル化や効率化は非常に苦手で、リスクやロスはかなり多いのですが、浮き沈みの激しいファッションの世界で38年間、なんとか生き残ってこられたのは、もしかしたらそれがポイントではないかな、とも思います。一番大切なのは「人」なんです。


人名ランダムピックアップ


経営・ビジネス・投資・仕事・お金・経済的な分野で成功を収めた人たちの名言を収録しています。

ページの先頭へ