藤本篤志の名言 一覧

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藤本篤志のプロフィール

藤本篤志、ふじもと・あつし。日本のコンサルタント。大阪出身。大阪市立大学法学部卒。USEN取締役、スタッフサービスHD取締役などを経て、グランド・デザインズを設立。自身の営業と営業マネジャー体験から営業についてコンサルティング、研修を行っている。主な著書に『御社の営業がダメな理由』『部下は取り替えても、変わらない』『営業は売ってはいけません』など。

営業の3つの方程式

  1. 営業結果=営業量×営業能力
  2. 営業量=営業時間-(意識的怠慢時間+結果的怠慢時間)
  3. 営業能力=営業知識量+営業センス力+グランドデザイン力

【覚書き|結果的怠慢時間は非効率なアポイントのとり方など意識してさぼっているわけではないが結果的に大きな時間の無駄となっている行為によって引き起こされている時間。グランドデザイン力は交渉のグランドデザインを構築する力】


営業日報を廃止し、毎日一人30分ずつヒアリングを行う効果

  1. 営業マンの怠慢時間が減る。営業の経験者ならわかると思うが、営業日報の場合、さぼっていた時間をごまかして記載することはたやすい。ところが毎日面談があれば嘘はすぐにばれてしまう。
  2. 報告を書きこむフリをして時間を潰すという手も使えなくなる。その分営業量が増える。
  3. マネジャーがリアルタイムに現場の重要な情報をキャッチできる。
  4. 日々顔を突き合わせて話しているうちに、お互いに信頼関係が深まる。

世の中にあふれる営業本や営業セミナーは、スーパー営業マンのノウハウ伝授が大半を占めている。凡人がそれを勉強したところで、刺激こそ受けるが、残念ながら得るものはなく、時間と費用の無駄になるだけ。スーパー営業マンは、誰にでも真似できないからこそ、スーパーなのだ。


営業結果は営業量と営業能力の掛け算だ。つまり、営業能力が変わらなくても、営業量を50%増やすことで、営業結果を1.5倍にすることができる。営業量を増やすといっても、何も長時間残業せよ、といっているわけではない。意外に感じる方も多いと思うが、調査すると標準的な営業マンの営業量は一日の2割程度だ。ちなみにトップ営業マンの平均的な営業量は一日の約6割だ。


私の経験からすると「凡人を優秀社員に育てる」ことは、残念ながら不可能だ。しかし、凡人社員を強化することはできる。営業職の場合なら、知識を積み上げることによって、営業能力を伸ばし、平均以上の営業結果を出すレベルまでは持っていける。大半を占める凡人社員を凡人のまま戦力にして、その平均レベルを上げていけばよい。凡人だけで最強の営業チームをつくることも、決して夢ではない。


部下が「報連相(報告・連絡・相談)」をしないというのは、管理職の大きな悩みではないだろうか。「契約がまとまりそうだ」といった「いい話」は自然と入ってくるが、「悪い話」はなかなか入ってこないものだ。そこで、毎日のヒアリングの時間を活用して、報連相をさせる。つまり、上司から報連相の機会をつくってやるのである。


営業マネジャーがやるべきことは、ふたつしかない。「ヒアリング」と「同行営業」である。ヒアリングと同行営業をまめに行うことで、営業の取りこぼしが減り、契約に至る件数が増える。


マネジャーの成果は、部下の成果の足し算だと考え、管理職は部下の管理に専念することが、長い目で見れば得策といえるだろう。部下を管理し、チーム全体の営業成績を上げるのがマネジャーの役目だ。


プレイング・マネジャーでは、管理職としての役割を十分に果たすことができない。個人の目標達成を優先するあまり、本来役割である部下の管理をおろそかにしてしまうからだ。つまり、事実上マネジメントのない営業組織の誕生となる。


部下への定期ヒアリングの際に、「こぼれかけている話」や「他社にとられそうな案件」の相談を受ければ、上司は自身の経験や知識に基づき、適切なアドバイスができる。また、次回の訪問に同行する必要を感じたら、その場でスケジュールを決めることも簡単だ。


面と向かって、「なんだっ、それだけしか回っていないのかっ」と上司から責められれば、訪問数をもっと増やさねばという意識も芽生える。ある程度制御されなければ、人間は動かないものだ。


営業マンは営業日報を埋めるのに、日々かなりの時間と労力を費やしている。だがその割に、部下の日報にマメに目を通すマネジャーが少ないのが実情だ。そこで、営業日報を廃止して、代わりに毎日一人30分ずつヒアリングを行うのである。これを続けるだけで、大きな効果が出る。


プレイング・マネジャーでは、部下と事実上のライバル関係になるため、成績争いをする羽目にもなる。悪くすると、大きな案件の契約日を選んで同行し、さも自分の手柄のように言い立てたり、インセンティブをかすめ取る輩まで出てくる。現にこうした上司の被害に遭った営業マンも少なくないに違いない。私も営業マン時代、何度も似たような光景を目にしてきた。


厳しい経営環境の中、多くの企業では営業マンを管理する立場のマネジャーにも、売上の個人ノルマを課しているのではないだろうか。ご承知の通り、このようなやり方をプレイング・マネジャー制度と呼ぶ。管理職に対し、マネジャーであると同時に、第一線の営業マンであることを求めるわけだ。本当に強い営業組織をつくりたいなら、こうした制度はいますぐに廃止すべきだろう。


ビジネスの世界には「2-6-2の法則」と呼ばれるものがある。この法則によれば、人材は2割の優秀な人材、6割の凡人、2割のやる気に乏しい人材に分類できる。日本全体に当てはめて考えれば、上位2割の優秀な人材は一握りの大手一流企業にほぼ独占されていると考えて間違いない。多くの企業にとっては優秀な営業マンを集めることは幻想に近い。


強い営業組織をつくるために必要なのは、優秀なトップ営業マンを引き抜くことでも、高額なセミナーに社員を参加させることでもない。いまいる社員の無駄な時間と無駄な作業を排除し、各人の営業量と知識量を増やすこと。平凡な社員の能力をフルに活用することで、営業成績を安定的にあげることだ。


営業力を強化するために何より重要なのは、営業にまつわる幻想を捨て、現実を直視すること。凡人営業マンのパフォーマンス向上のため、具体的な対策を実行することです。とりわけ、スーパー営業マン待望論、スーパー営業マン育成論という幻想に取りつかれているマネジャーはいますぐ目覚めて欲しい。やり方次第で凡人でも十分な営業結果は出せる。営業センスがゼロでも営業はできる。


営業で面談にこぎつけるまでの「門前払いの回数」を計ってみるのも有益です。なんの目安もなしに門前払いを受け続けるのはつらいですが、「平均13回で会ってくれる」というような数字が頭にあれば、その回数までは頑張ろうという気が湧いてくるものです。数字が自分を励ましてくれることもあるのです。


商品の魅力を強調するポイントが年月の場合は、あらかじめ頭に入れておくようにしましょう。たとえば、「この商品はロングセラーです」と説明するのと、「この商品は○○年に発売され、その後○○年にリニューアルしていまも売れ続けています」と説明をするのでは、信頼性も説得力もまったく違います。


営業マンはスケジュールについて日付をはっきりと提示できるようになることはとても大切です。つい「次の打合せはまたご連絡させていただきます」「納期はまるべく急ぎます」といったあいまいな表現を使い、双方で認識のズレが生じがちです。営業の仕事は他部署と密接に関係しますから、自分だけで判断できないケースがあるのもわかりますが、それをキッチリ詰めておくことこそ営業の仕事です。日付をハッキリいえるようになることを目標にするだけで、商談の準備も含めて、仕事の進め方自体がかなり変わってくるはずです。


ほとんどの営業マンは自分で思っているほどには営業にとって有効な活動に時間を割いていません。取引先に出かけるといってパチンコ屋に行ったりする営業マンは論外ですが、そういう意識的怠慢時間ではなくとも、本人や周囲がサボっていると認識していない、けれども無駄になっている結果的怠慢時間がとても多いのです。


私のコンサルティングで営業マンの1日の活動とその時間を計測すると、多くの人の営業量(有効な営業活動の時間量)は全営業時間の20~25%程度でした。それ以外の時間は移動や営業日報の作成など、営業の成果には直接かかわらない活動に費やされているのです。上位営業マンになると営業量は上がりますが、それでも35~40%です。


世阿弥が「守破離」という言葉で成長ステップの要を表しています。師に教えられたとおりの基本をひたすら真似する「守」、身につけた基本知識を駆使して応用を加える「破」、これまでの形にとらわれず自由に想像する「離」。この順番を間違ったら成長できないという意味です。サラリーマンも同じです。


私は入社12年目で役員に昇格できたのですが、結果的に仕事の基本を身につけた成果だと思っています。もちろん、上司の指示に対し「なぜそんなことをしなくてはいけないのか」と思うこともありました。しかし、「自分が経験不足だから、その意味がわからないのだろう。つべこべ言わずに、とにかくやってみるか」と取り組んできました。


「守破離」の「守」の期間は、会社環境によるので一概にはいえませんが、サラリーマン生活の3分の1、約12年間は「守」である覚悟が必要だと思っています。


会議で意見を求められたときは積極的に意見を述べるべきです。しかし、いざ決定したら、たとえそれが自分の意見と正反対のことだったとしても、先頭を走るべきです。


経験を積んだ人ならともかく、20代の若い社員が、早々と「自己の確立」をすることはあまり感心できません。それは、成長を阻害する最大の原因になるからです。というのも、自己の確立を目指すと、我流で仕事をするようになります。上司がアドバイスをしても、「この指示はナンセンス」などと取捨選択を始める。たとえば、営業なら「飛び込み営業なんて時代遅れ」「1日テレアポ20件の意味が分からない」といって避けたりします。しかし、知識も実績もない若手が、正しく取捨選択できるはずがありません。


20代はとにかく上司の指示やアドバイスを問答無用で実践することで、だんだんと基本が身についてきます。そうしてすべての基本を身につけることで初めて、応用の段階に進めます。


従来はチームの営業目標が未達でも、営業リーダーがノルマを達成していれば言い訳になりました。上司に対しても、「いやぁ、ウチのチームの部下は出来損ないばかりで、もっと優秀な奴を入れてもらえませんかねえ」といえたのです。しかし、自らが同行営業をすることでクロージングに関わり、ヒアリングによって逐一部下に指示を与えているとなると、チームの営業成績は直接、自分の責任となります。でも本来、マネジメントとはそういうものです。自己のノルマ達成に追われたり、会議ばかりで現場に出ようとせず、部下の状況を把握していない営業リーダーのほうがおかしいのです。そういう意味で多くの企業の営業組織は、マネジメント不在のシステムになっているといっていいでしょう。


リーダーの役割は、自分がプレーヤーでなくても継続していける組織をつくることなのです。誤解してほしくないのは、「マネジメントに徹する=現場を離れる」ではないということです。日中はずっと部下と同行営業をしますから、現場にいる時間は、これまでとまったく変わりありません。しかもリーダーは、「営業のノウハウを伝承する」という立場にあるため、部下に対して圧倒的なパフォーマンスをつねに見せ続けなければいけないのです。もし部下の営業能力が自分を上回ってしまった場合は、リーダーの座を明け渡さなくてはいけないかもしれない。そういう緊張感と闘いながら仕事に取り組めるという点では、自分を磨き続けていきたいという人にとっては、願ってもないポジションだと思います。


私は、「営業日報を読め」とはいいません。営業日報は、営業マンの主観によって書かれており、また嘘の情報が書かれていても見破ることが困難なのです。情報としての精度も低いのです。情報価値が低い営業日報を営業マンに書かせたり、リーダーが読み込むのは、時間のロスでしかありません。そこで私は、営業日報は廃止、毎日、一人三十分ずつのヒアリングに切り替えることを提唱しています。ヒアリングによってその日の現場の状況を逐一部下から聞き出し、適切な指示を与えていくのです。また部下は、毎日ヒアリングされることによって自分の仕事ぶりをリーダーに見透かされてしまうため、暇つぶしができなくなり、怠慢時間を減らせるという効果もあります。


営業のプロの技術を部下に教え込むことは、親から子へと数十年かけて技を伝えていく歌舞伎の世界のやり方に似ています。営業では、通常は入社して4カ月もすると、いきなり一人で営業活動をさせるようになりますが、こんな短期間で技が身につくはずがありません。歌舞伎の世界さながら、部下がマネージャー・クラスの能力を身につけるまで、何年も繰り返し同行営業を続けることが大切なのです。


営業リーダーが部下の同行営業に注力する必要がある理由はふたつです。

  1. 取りこぼしを防ぐ。
    当たり前のことですが、凡人の営業マンが営業活動を行なうよりも、できる営業マンが動いたほうが、契約率は確実に上がります。できる営業マンであるリーダーが営業に同行することで、凡人営業マンであれば取りこぼしていたであろう商談を契約に結びつけることが可能になるわけです。すべての営業に同行することは不可能ですから、とくにクロージングに近づいている案件について、重点的に同行営業を行なっていく必要があります。これによって、チーム総体としての営業成績は明らかに向上します。
  2. ノウハウの伝承。
    リーダーが提案から契約にもっていくプロセスをすぐ隣で繰り返しみせることで、プロの技術を部下に教え込んでいくわけです。

通常、営業リーダーに抜擢されるのは、これまで実績を残してきた「できる営業マン」です。そのため、彼らの多くはリーダーになってからも、マネジメントと個人ノルマの達成の両立を会社から求められています。しかし、リーダーの最大の役割はマネジメントです。私はリーダーは個人ノルマをもたず、マネジメントに徹するべきであると考えています。リーダーがマネージャーとともにプレーヤーを兼務していると、部下とライバル関係になります。成績を上げるために大事な顧客を独り占めするなど、部下の成長を阻害するような行動を取りがちです。また、自分の営業活動に費やす時間が多くなり、マネジメントに割く時間が圧倒的に不足します。これでは、マネージャーとしてもっとも大切な「部下の能力を高め、チームの目標達成に責任を負う」という役割を果たすことはとうてい不可能です。


リーダーがチームの営業目標に責任を負うと、えこひいきが減ります。好きな部下だろうが嫌いな部下だろうが、成績を上げてもらわないことには、自分の評価に響くからです。派閥や人間関係に左右されず、メンバー全体の平均レベルを上げていくうえでも、「営業日報をやめ、直接ヒアリングする」「同行営業をする」ことは最適だといえるでしょう。


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