藤本やすしの名言 一覧

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藤本やすしのプロフィール

藤本やすし、ふじもと・やすし。日本のアート・ディレクター、雑誌デザイナー。愛知県出身。武蔵野美術大学卒業後、平凡社に入社。雑誌『太陽』の編集部などを経たのち独立し、デザインオフィス「CAP」を設立。100誌以上の雑誌のデザインやディレクションを手掛けた。著書に『雑誌をデザインする集団キャップ』『雑誌をデザインする人と現場とセンスの秘密』など。

僕の考える仕事ができる人は、集中できるものを持っている人です。自分の場合は、雑誌のスタイルづくりというものを徹底して研究してきました。そこに集中できたから、いまがあるのだと思います。


一流でない人とそうでない人の差は、「有名になりたい」とか「お金持ちになりたい」とか、はっきりした野心を持っているかどうかだと思います。


自分の周囲からの見え方を意識しているかどうかは、言い換えれば、自分のブランディングを考えているかどうかなのです。それを持っている人は強いですね。


与えられた条件の中で、まだ誰もやっていない新しいことをやろうと、いろいろ考えるんです。その結果出てきたアイデアでスタイルをつくっていく。いってみれば「小さな発明を蓄積していった集合体」が、雑誌のスタイルであり、デザインだと考えています。


情報を削ぐという感覚も大事だと思っています。情報過多な時代の中で、僕は「情報を整理して余分なものは省く」という考えで雑誌をデザインしてきました。たとえば、ひとつの見開きの中で、いくつもの書体を使うことはしない。そういう情報を削ぐ引き算的発想のデザインは、いまという時代の気分を表していると思います。


若いスタッフと会話していて、そこから学ぶことも多いですね。


本屋には、1日2~3回行くこともあるくらいしょっちゅう通っています。雑誌に限らず、写真集やアート本、国内外のデザイン誌はほとんど買ってきて、オフィスに資料として置いておくんです。こういったものが、実際、雑誌をつくるときに結構活躍するのです。よいものは積極的に真似をする。パクるのではなく影響を受ける。これもまた大事なことだと思います。


自己プロデュースということには、徹底してこだわってやってきました。たとえば「必ずキャップをかぶって丸メガネをかけ、ヒゲを生やす」というのも、それが単に好きだから始めたわけではなく、自己プロデュースを意識して始めたことなのです。


とくに意識してやっていることではないんですが、長い間、雑誌に関わってきたこともあって、広く浅くいろいろなものを見て回る習慣は身体に染みついています。そういった好奇心は、雑誌をつくるうえでは不可欠なものです。雑誌はまさに時代を反映している媒体なので、そのデザインをやるからには、時代の最先端にいるという感覚を持たないと難しいと思うのです。


好きな言葉は「炎天下蟻一匹」です。炎天下の中で孤独に頑張っている蟻のイメージが、なんとなく自分自身と重なるところがある。


周囲からの自分の見え方にこだわる人は、自分の仕事の仕方にも、将来のキャリアにも確固としたものを持っている。そういう人は確実に伸びていくと思います。


もともと僕は、ビジネスとして成功したかったんですね。そのツールとして雑誌のデザインがあったという思いが強いんです。デザイナーというより、ビジネスマンの志向が強いので、雑誌のデザイン以外にも、いろいろなビジネスを手掛けてきました。ギャラリーをやったり、自分のブランドを立ち上げたりと、様々な活動に手を出してきたのです。今度の新しいビルでも、いろいろなことに仕えるスペースを設けて、新たなことに挑戦していきたいと考えています。


自分自身のことはもちろん「キャップ(藤本氏のデザイン事務所)」のブランディングにも、相当気をつかってきました。オフィスにしても、どの場所にしてどんな外観・内装にするのか。そういったことは、すべて相手からどう見えるかを意識して決めてきたのです。細かいことですが、「靴を脱がないで入れるオフィス」ということも、僕がこだわってきたことのひとつです。ファッション誌の編集者は、靴も含めて全身のコーディネートに気配りしているのに、靴を脱がせるということは、それを崩壊させることを意味するわけです。だから「キャップ」では、靴のままで入れるオフィスにしています。


昔は、雑誌のデザインを手掛ける人はレイアウターと呼ばれていたのです。そんななかで、僕はあえて雑誌デザイナーと言いきっていました。最初は、雑誌デザイナーという肩書きをつけた名刺を出すと、編集者は「何、それっ?」という感じで笑われたこともありました。だから、雑誌デザイナーという名前に恥じないような仕事をしようと思ってやってきました。


雑誌の表紙の一か所に光る素材を使ったり、バッジをつけたりしたこともありました。ポップアップと呼ばれる立体加工を用いて、開いた瞬間に飛び出てくる、そんな驚きを誘う仕掛けをしたこともあります。誰もやっていない仕掛けは、人々を惹きつける要素のひとつです。もちろん、視覚面だけでなく、触ったときの手触りなどにもこだわっています。


雑誌の表紙は、書店に並んだときに顔になる、そんな役割を果たしています。だからこそ、第一印象で消費者の五感に訴えかける価値を、何らかの形で提供しようと知恵を絞るのです。僕の場合は、とくに「グッズ感覚」ということにこだわっています。パッと見たときに商品が楽しく見えて、思わず買ってしまうことを目指しているのです。衝動買いしたくなる雑誌かどうかは、表紙の大事な要素だと思います。


アート・ディレクターの中には、スタッフに1ミリ単位で細かく指示を出す人もいますが、僕はそういうタイプではないので、あくまで大きなところでの軌道修正を指示するだけです。


新しい雑誌の仕事を引き受けると、最初に「こんなビジュアルをこんな風にレイアウトする」という見本誌を一冊まるごとつくってしまいます。そうやって形にすることで、自分の中でもスタイルがはっきり固まるし、依頼してきた編集者とそれを共有して、方向性を確認する材料にもなります。いったんスタイルが決まってしまえば、あとは担当者に任せて、僕はズレていないかどうかをチェックするだけです。


僕自身が細かい部分までレイアウトを指示しているわけではないので、そうでもないですね。それぞれの雑誌で担当者を決めていて、基本的に任せるという形をとっています。だから、僕がやるメインの仕事は、それぞれの雑誌のスタイルをつくることだけなのです。
【覚書き|「5つの雑誌のエディトリアル・デザインを同時並行で手掛けていて、ものすごい仕事量なのではないですか」と聞かれたときの発言】


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