藤原和博の名言 一覧

このエントリーをはてなブックマークに追加

藤原和博のプロフィール

藤原和博、ふじはら・かずひろ。日本の教育者、東京都発の民間人校長。東京都出身。東京大学経済学部卒業後、リクルートに入社。東京営業統括部長、新規事業担当部長、ヨーロッパ駐在、フェロー社員として実務を経験したのち、杉並区立和田中学校校長になる。同中学校を活性化させ、ベネッセ賞、博報賞、文部科学大臣賞などを受賞。校長から退いた後は、和田中学校での成果を全国に広げる活動を行っている。

人が想像しない予定不調和な仕事に退路を断って挑戦すると、人から応援してもらえる。


大事なことは、情報を消費するのではなく、生み出す側に回ることでしょう。いくら多くの情報を持っていても、それを単に処理しているだけでは人から尊敬されない。人からアクセスされるのは、情報を編集し、正解のない問題にアプローチできる人です。


日本の教育では「頑張ること」ばかりを教えるでしょう。日本人は、言わば「頑張る教」の宗教教育を施されている。そのため、いったん止まる、降りる、退却する、断るといったことの大切さを学んでいない。


正解のない時代には、失敗しても修正しながら経験を積み上げ、腕を上げていけばいい。


天才でもない限り、成長する奇策はありません。野球選手のイチローだって同じでしょう。彼は10代のころから千本ノックを受けている。それどころか10万本ノックを受けているかもしれない。表には出さないけれど、とにかく常人とは桁違いの数のノックを受けて、それゆえにあれほどの選手になっているんです。何の努力もしないで、ビジネス界のイチローになれるわけがありません。


仕事に関する技術を向上させるには、ともかく最低限、仕事の量をこなすことです。「仕事は量より質」と言う人もいますが、それは量をこなした人間のみが到達した領域にすぎません。


もし上司が悪かったら、5年、3年とはいわず、即刻転職すべきです。あるいは、会社に上司を変えて欲しいと申し出るべきです。サラリーマンは気づいていない人が多いのですが、上司は最大のリスクになりえます。最も伸びる20代後半から30代前半に言葉は悪いけど、ヘボ上司にあたったら、せっかくの成長のチャンスをふいにしてしまう。前例を踏襲するしか能のない人はもちろん、部下のチャレンジや失敗に寛容でない人も、いい上司とは言えません。


仕事の地肩(じかた)がついていない段階で、自分探しなんてことはしない方がいいと思います。それから、適職診断などもあまりあてにしない方がいい。自分の可能性がどこで花開くかは、20代ではわかりません。あれやこれや、業種は職種で悩む暇があったら、目の前の仕事に徹底的に取り組むべきです。


アポ取りでも営業訪問でも企画書作成でも、とにかく量をこなす。飛び込みだったら、50軒ではなく100軒というように。リクルートでは、基本的に「量が質を生み出す」という考え方でした。営業感覚を身につけたいなら、100軒回ればその勘所がわかってくるはずです。


編集であろうと、リクルートの営業であろうと、あるいはゴルフ場のグリーンキーパーであろうと、そんなことは実はさほど重要じゃないんです。ギリギリ必死で取り組んだ仕事によって、その人にしかできない技術が身につくのです。


最近つくづく思うのは、20代後半から30代前半の5年ほどの間にどんな仕事習慣を身につけたかが、非常に重要だということです。「この5年間がその後のビジネス人生を大きく左右する」と言ってもいいくらいです。とくに40代以降に、圧倒的な差となって表れます。私自身、20代は身体を壊すか壊さないかといった、ギリギリのところで必死にやっていました。


リクルートには営業マンは「客先の担当者を偉くすることを目標にせよ」というのもありました。ある大手銀行の採用担当者のところへ営業に行った際、採用広告をいただく糸口がつかめず、結局、受注できたのは、資料請求ハガキの集計発送業務だけでした。しかし、小さな受注とはいえ、先方の担当者にしてみれば、繁雑な業務をアウトソーシングできたわけで、社内では鼻高々です。ひょっとすると、仕事の権限が増したり、昇進するかもしれません。そうした小さな積み重ねが、将来の受注拡大につながるのです。


リクルートの新人の頃、先輩の仕事を見て印象的だったのが、クレームを言ってくるお客さんを大事にしていたことです。クレームを投げてくるということは、それだけこっちの方を向いているわけで、その気持ちを上手く反転させれば、大きな仕事につながります。ですから、社員は皆、お客さんからクレームがあったと聞くと、新しいプレゼンテーションのチャンス到来とばかりに鞄を持って飛び出していっていました。


人は共通項の多い人からの頼みごとを優先的に聞き入れます。共通項の多い相手は自動的に信頼のおける人になるのです。共通項探しにはテクニックがあります。出身校を聞くなら、大学はコンプレックスがある人もいるので高校を聞きます。そして出身地や趣味などを聞いたら、聞きっぱなしではなく、そこをきっかけに会話を広げるのです。


プレゼンテーションとは、自分の主張を伝えるものと考えがちです。しかし、本当に上手いプレゼンテーションとは相手の頭の中に自然にイメージをつくることです。


人は皆、テレビゲームの主人公のように、自分の世界観の中で、そのルールに従って生きています。強気な人ほど、その傾向は強くなります。大切なのは相手の頭の中にある世界観を見極めることです。部下にとって何が格好いいことで、何が成功なのか。ゲームの構造とルールがわかれば、動機付けが可能になります。


周囲の人の性格を把握することはコミュニケーションの基本です。私が上司なら最初の2週間で部下にあらゆることをインタビューして、一人一人のキャラをつかむことを心がけます。部下も30人いれば、30人30様で性格も考え方も様々です。一人一人を知ることが必要です。


主導権をとるとは無理にこちらの方向性に引き寄せることではありません。相手が自分の得になるから一生懸命動こうと思うように環境を整えることです。結果としてこちらの希望が叶うのですから主導権をとったことと同じです。


他部署を動かすには、まずキーパーソンを見極める必要があります。必ずしも部長がキーパーソンとは限りません。部長が必ず意見を聞く部下がいれば、その部下がキーパーソンです。接待はキーパーソンにしないと意味がないのと同じで、他部署との議論もキーパーソンとしないと意味がありません。


掛け合わせが大事。例えば、お笑い芸人として成功しようとするのは大変なことです。美容師で成功するのも、これまた大変。だけど、美容師の技術があって、そこそこ面白ければ、「お笑い美容師」と打ち出せる。


成熟社会になるということを一言で言うと、「みんな一緒」から「それぞれ一人ひとり」の社会になるということです。


将来のキャリアを考えるときには、希少性を高めるだけでなく、人生の複線化も欠かせない。人生が仕事一本の単線だと、その道が先細って狭くなったときに行き詰まってしまう。そこで会社のほかに、自分が属すコミュニティを複数つくり、人生に保険をかけておくことが重要。


私たちは仕事をしていく中で「あの人なら任せられる」というクレジット(信任)を貯め、それを現金化して自分の収入にしたり、再投資して次の仕事につなげている。


ある分野で100分の1(100人に1人の人材)になったら、次は営業ならマーケティング、経理なら財務というように、隣り合う分野にシフトして100分の1を目指す。2つの分野で100分の1の人材は、100分の一×100分の1=1万分の1の希少性を持つ。このかけ算が重要なのだ。ひとつの分野で1万分の1の人材になろうとすると、9999人に勝たなければいけない。そのための努力は、とても1万時間では足りない。しかしかけ算を利用するなら、隣り合う分野に再度、1万時間を投入すればいい。


30代になっていまの仕事で100人に1人の人材になっていない人は、仕事への取り組み方や普段の生活に何か問題があると言わざるをえない。パチンコやケータイゲームばかりしていたり、月に一冊も本を読まない人は論外。そうした生き方を否定はしないが、自らそれを選んだ人にかけるべき言葉を私は持ちあわせていない。


レアな人材になって付加価値を高めるには、まずいまの仕事で100人に1人の人材にならなくてはいけない。100分の1と聞いて腰が引けるかもしれないが、実はそれほど難しくない。マルコム・グラッドウェルは『天才! 成功する人々の法則』で、さまざま実例をあげながら、どんな人もある分野について1万時間練習すれば、その道のマスターになれることを示した。1万時間は、1日8時間、年間200日働いたとして約6年。営業でも、経理でもいい。多少の個人差があるかもしれないが、その仕事を少なくても10年真面目にやれば、誰でも自ずと100人に1人のレベルに達するのである。


時給の差は、一時間の労働が生み出す付加価値の差と言っていい。では、付加価値は何によって決まるのか。それは希少性だ。ファストフード店のバイトはほかにできる人がたくさんいるため、時給800円。一方、大前研一さんや堀紘一さんといったトップコンサルタントは、ほかの人と取り換えがきかない。だから人々は彼らに時給8万円を払う。そのことを前提にすると、「転職すればキャリアアップになる」というよくある考えは甘いとわかる。


本を読まない人の発想は感情に基づく「思いつき」にすぎませんが、本を読む人には社会に対する独自の「考え」があります。この違いは大きい。


学校教育で子供たちに太宰治の小説『走れメロス』を読ませて、「帰り道でのメロスの気持ちに近いものを以下の4つから選びなさい」というような問題を解かせるでしょう。そういう勉強ばかりやらされているから、選択肢は会社が与えてくれるのではないかと勘違いしてしまうわけです。問題自体を設定する力、情報を編集して人と人をつなげる力があれば、コミュニティーを使ってイノベーションを起こすこともできます。


30歳で心身症の一種であるメニエール病にかかってしまい、それまでのペースで働くことができなくなった。そこで出世コースから降りて、専門職へと方向を転換したんです。以後、40歳でリクルートを辞めるまで収入は固定されたままでしたが、新規事業の立ち上げや欧州駐在など、やりたいことをやらせてもらいました。思うに、僕の場合は、自分が本当にやりたいことを病気が教えてくれたんですね。そのおかげでキャリアを複線化させる準備ができたから、ラッキーだったとも言えます。


僕は、先生と生徒のようなタテの関係ではなく、友人同士のようなヨコの関係でもない、「ナナメの関係」を作ることを勧めてきました。


評論家の西部邁さんは、男が正気に戻れるのは、大病を患うか、独房に入れられるか、戦争に行かされる時だけだと述べています。確かに病気にかかると、自分自身を振り返る機会が得られます。


ゴルフに例えれば、時間をかけてもいいから少ないアプローチでゴールするのが成長社会での戦い方のルールでした。しかし成熟社会では何回打ってもいいから、とにかく早くゴールにたどり着くというルールに変わったのです。


できれば40代の人には、50歳になるまでに自分の本を出すことを目標にしてほしいと思います。自費出版でも構いません。その本が、組織を離れた場合でも、会社の名刺以上の効果をもたらしてくれます。私自身、42歳で出した『処世術』という本がベストセラーになったことが、その後の活動で強い威力を発揮してくれました。思いついてすぐに本を出版できるものではありませんから、メモでもブログでもいいので、日ごろからコツコツと準備しておくといいでしょう。


会社の資産を利用してスキルを磨き、いつでも自営業者になれる力を身につけるつもりで仕事をすることは、人生における大きなリスクヘッジにもなります。万が一、会社が危機に瀕しても、自分の能力を見極めて次のステップを踏み出せるからです。


いきなり独立するのはハードルが高いですが、組織内自営業者という考え方で働くことは可能です。つまり、会社の資産を利用してスキルを磨き、いつでも自営業者になれるくらいの力を身につけるつもりで仕事をするのです。


最も危険なのは、会社の成すがままにされることです。会社にすべてを委ねた結果、ある日突然リストラされたり会社が倒産したりすれば、後半の人生は一気に下り坂を転げ落ちていってしまいます。そこで、会社員であっても自衛のために自営業を意識してほしいのです。


右肩上がりの成長時代が終わったいま、みんなで幸せになれる成功モデルはなくなりました。成熟社会では、個人がそれぞれの価値観で独自の幸せを追求しなくてはなりません。いわば正解のない時代なのです。


管理職になるということが、誰にとってもベストな選択とは限りません。もし私が営業職であれば、管理職にはならず、現場の営業として働き続ける代わりに、報酬は現状を維持して、数字が上がったらその分を上乗せしてもらうよう会社と交渉します。そうすれば、会社はやる気のある若手を抜擢できますし、私自身はマネジメントから解放され、頑張り次第では大きな報酬も期待できます。アメリカでは当たり前ですが、日本でもこれからは、積極的に会社に条件交渉を持ちかけていくべきだと思います。


会社員が30代後半から40代に差しかかると、会社はその社員に対して棚卸しを行います。その人が持つ知識や経験、技術をチェックし、「使えるかどうか」を判断するのです。そして、「いまの部署では力を活かせないから、こっちに飛ばしておこうか」などと考え出します。会社に自分の人生を振り回されないためには、会社に棚卸しされる前に自分で棚卸しをし、会社の棚卸しに自分の考えを加えてもらうように動くべきです。


40代はこれまでの自分の価値観や、自分が属してきた会社というコミュニティをもう一度冷静に見つめて、見直すべきところは見直していかなくてはなりません。自分の棚卸しをしてみることをお勧めします。


平均寿命で考えても、40代の人にはまだ30年、40年の時間が残されています。発想を変えてこれからも新しく何かを始めれば、もうひと山もふた山もつくれるかもしれません。坂を下るだけが人生の終わりではありません。


僕は「1万時間の法則」を唱えていて、何であれ、1万時間かけて訓練すればマスターできると言ってきました。1日6時間のトレーニングを365日続ければ、1年で約2000時間、5年で1万時間に達します。それだけやれば、何でもほぼこなせるようになる。さらにもう5年続けたら、しっかりとした技術やスキルとなって身につきます。


20代のうちは夢中になって働いていればいいと思います。でもそこから先は、何か技術やスキルを身につけないといけない。


ビジネスパーソンは会社に棚卸しされる前に、自分の価値をはっきりさせ、会社と取引できるようになっておいた方がいい。営業でも経理でも総務でも、何でもいいから自分の得意分野を見定めて、組織の中にいながらにして自分の店を出すつもりで働くんです。別に独立しなくても、組織内で自営業者のように振る舞うことはできます。例えば管理職にならないで、一介の営業マンのままでいるというキャリア選択もあり得る。報酬はとりあえずキープしてもらい、業績に応じて多くもらうという契約で働けばいいんです。ただし、そのためにはコアな技術やスキルが欠かせません。それがないままキャリアを複線化するといってもどこか虚しい。


多様なコミュニティを渡り歩く際には、自分の軸をしっかりと持つことも大事ですね。何が軸なのかがわからないまま、単に渡り歩いても意味がない。


キャリアの複線化は、ビジネスパーソンにとっての憧れや夢なんかではなく、安全保障だと僕は思っています。


転職しようが、ほかの業界に移ろうが、あるいはNPO(非営利組織)や行政機関で働こうが、キャリアを複線化しようとするときに試されるのは、自分がどのような「武器」を持っているかでしょう。


会社を辞めなくても、企業人という本線とは別のキャリアを複線化させることはできます。たとえば地域コミュニティに参加するとか、学生時代にやっていた研究を蒸し返すとか、そういうことでもいいんです。


20代の後半になったら、本線とは別にキャリアの線を1本持ち、30代で3本、40代で4本、50代で5本に増やしていった方がいい。人生の後半になって、いきなり線を増やそうとしても間に合いません。人生の後半に登るべき山をつくっていくためには、早いうちにキャリアを複線化し、裾野を広げておいたほうがいいんです。


あえて極論を言うと、僕は、企業そのものが人を育てられない装置になってきているのではないかと疑っているんです。日本企業は、この10~15年の間にリストラをやって、組織をシンプルにしました。それによってムダもなくなりましたが、失敗が許されない組織になってしまった。僕たちの時代は、社員がムダや失敗を積み重ねながら成長できたけど、今の企業でそれは許されません。しかし、その結果、人を育てる機能が弱まっている。


人名ランダムピックアップ


経営・ビジネス・投資・仕事・お金・経済的な分野で成功を収めた人たちの名言を収録しています。

ページの先頭へ