蔵田理の名言 一覧

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蔵田理のプロフィール

蔵田理、くらた・おさむ。日本のサービスコンサルタント。東京都出身。東京YMCA国際ホテル専門学校を卒業後、ホテルオークラに入社。18年間ベルマンとして玄関ロビー担当し経験を積む。社内インストラクター第一号として教育活動を行い、ホテルマン生活30年で指導したサービスマンは3000人を超す。外務省の依頼でサミットの接遇指導支援なども行った。その後、独立しサービスコンサルタントとして活躍した。主な著書に『接客のプロが教える 上客がつくサービスつかないサービス』。

私は後輩や新人たちに「サービス業は年間365日、24時間営業だから欠勤はない」と常々伝えてきた。欠勤という文字が自分の体の中にあると、体の具合が悪くなったり、休むようになる。だから欠勤という言葉を頭から消してしまい、「あなたの代わりはいないんですよ」と口酸っぱくして言うようにしている。そのようなプロ意識を持てるか否かが重要である。どんな仕事でも楽な仕事はなく、自分の控え選手がいる仕事は少ない。


要領がいいという言葉がある。一般には、「無駄がなく手際が良い」という意味と「表面だけはいいように見せかけて、実際には手を抜く」といったどちらかというと少し悪い意味に使われることもある。しかし、このようにも解釈ができる。要領がよいとは、要と領がよい、と。これは人間の体で要は腰、領は首筋を意味し、腰から首筋までがキッチリと伸びている。すなわち姿勢の良さを意味するのである。心と体は表裏一体。失敗して落ち込んでいるときは、人間は姿勢が崩れ、自然とうつむいてしまう。良い姿勢を保つことは相手に信頼感と良い印象を与える。


どんな仕事でも、全員が一軍のレギュラー選手である。その選手がひとりでも欠ければ戦力ダウンしてしまい、仕事の質は低下する。一人一人が誰にも負けないマインドを持つことが非常に大切なのである。


観察眼や感性を磨くのに特別な訓練をする必要はなく、日ごろのちょっとした心がけでできる。たとえば、一駅手前の駅で降りて普段とは違う街並みを散策してみたり、一本違う通りを歩いたりするだけでもいい。他人のちょっとしたしぐさや何気ない動作を見て、「この人はいまどんなことを感じているのかな」と想像してみよう。日常生活をマンネリ化させずにちょっとしたことでも敏感になれる訓練をすれば、ぐっと感性が磨かれ頭が柔軟になるはずだ。


接客業では「お客様を言い負かしてはならない」という鉄則がある。この場合、言い負かすというのはお客様を全面的に否定することだけではなく、指示をするような口調でもお客様は気分を害することがある。たとえお客様が間違っていたとしても、こちらは一歩も二歩も引きさがって寛大な気持ちで接することが必要であり、言葉は時として相手の自尊心を傷つけてしまうことになる。


「目は口ほどにモノをいう」ということわざもある通り、サービスではアイコンタクトも重要である。欧米人にとってアイコンタクトは幼いころから身についている自然なものだが、島国で育ったシャイな日本人にはどうも苦手なものだ。しかし、アイコンタクトを取れるかどうかで、その人のサービスレベルは違ってくる。


本当のサービスというのは、マニュアルに書かれたありきたりの言葉を超えたところにあり、そこから先の「紙一重」で勝負するものである。お客様が求めているニーズに応えるのは当たり前であって、本当のサービスは心の奥にある「ウォンツ」を上手く引き出してそれに見合うものを必要なときに提供することである。これはサービス業のみならず、あらゆる仕事に応用できることと思う。


私が30年間務めたホテルオークラでは、紙一重上のサービスを提供するべく取り組んでいる。それはちょっとした言葉遣いであったり、お客様に提供する情報であったりする。それぞれにお客様をよく観察して「いまこの人が求めているものはこういうことかな」と情報を探りながら接客することで、お客様の気持ちや状態を知り、満足していただける。


お客様に満足してもらうために最も大切なことは、お客様を観察する「トンボの眼」と、お客様の声を聞き取る「ダンボの耳」を養い、サービスマインドを磨くことである。


どんなサービス業でも「No」で始まるサービスはありません。まず、どんなことであってもお客様の要望は「Yes」で受けるのが基本です。ひとまず「Yes」で受けたあと、お客様の相談内容を聞きながら対応策を考えるようにする。難しいようであれば、「Yes,but…(かしこまりました。しかし…)」と続け、代替プランを提案してはどうだろうか。


人間が一度に覚えられることはせいぜい3つ程度です。登場人物が多く、時間や場所が複雑な話ならなおさらです。ポイントを簡潔に3つに絞り、第三者にわかりやすく説明できるように普段から練習しておくべきです。


私が研修を担当している若い新入社員たちを見ていても、きちんと挨拶ができるのは全体の10%程度。つまり、現代社会では挨拶がきちんとできるというだけで他人と差がつくのです。


私は常々、仕事に欠かせないのは2つの「C」であると考えてきました。「コミュニケーション」と「コンファメーション」です。コミュニケーションの基本は挨拶です。コンファメーションには「確認」という意味がある以外に、コミュニケーション(挨拶)の対として、「返事」という意味があります。会話のキャッチボールこそが、仕事上の些細なミスを防止することにつながります。


お客様に満足感を与えるには、美しい言葉遣いも必要です。コミュニケーションが不足している現在、日本人でありながら、美しい日本語をきちんと話せない人が非常に多い。テレビでも乱れた日本語が飛び交っています。これは対面販売だったお菓子屋さんがコンビニに変わり、電話よりもメールを使い、人と人とが直接会話する機会が減少していることにも影響しているのでしょう。


支払いの際、クレジットカードを出せば必ず名前が入っています。その名前を読み取り「○○様、ありがとうございます」と言った時点で、その人だけへのサービスに変わります。ほんの少しのことでも、お客様が好感を持ってくれたら、そこから会話が生まれるかもしれません。コミュニケーションの少ない時代だからこそ、小さな心配りが大きなサービスの差となって表れると感じています。


情報提供や確認を的確にしておくことも大切です。お客様にいろいろなことを尋ねられる。いまはインターネットで何でも調べられますが、自分自身がサービスであるという自負があるなら、自身で確認した情報をお伝えできるようにすべきです。


営業マンが商品を説明するとき、相手の表情などをよく見て「ここに興味を持っていそうだな」という部分があれば、そこに的を当ててポイントを3点に絞って伝えること。相手の顔色を見ながら、「このあたりはわかっていないかな」と思うところがあれば、そこをわかりやすく重点的に説明するのです。


豊富なアイデアを常に持っておくためには、頭を柔らかく、感性を鍛えていなければならない。通勤の際も、毎日同じ道を歩くのではなく、違う道を歩いて新たな発見をする。それだけでも感性が磨かれる。


まず「Yes」で引き受けてとにかくベストを尽くす。それでもできなかった場合でも「No」ではなく二次提案、三次提案をする。二次提案をすれば、そのあとはお客様の返答次第でまた新たな提案が考えられる。ホテルマンに限らず、どんな提案ができるかは、サービスをする者の力量にかかっている。たとえ100%でなくても、最大限お客様の要望に応えていく方法を考えられるようにしたいものです。


営業マンが商品を説明するとき、自社商品をわかっているのは当然で、商品の良さをダラダラ言っても相手には伝わりません。お客様はその商品について何の予備知識もないので、相手の関心度、理解度を見ながら臨機応変に説明の仕方を変えていくことも必要です。


何かを「相手に伝える」ということは、自分が理解していることをそのまま伝えることとは全然違います。「四の五の言うな」という言葉には、「ああだこうだと理屈を言うな」という意味のほかに「一度に多くを言っても覚えられない」というニュアンスもあります。人間が一度に覚えられることはせいぜい3つ程度です。


良いサービスを提供するためにまず「自分自身が商品だ」と言い聞かせて、ホテルマンとしての身だしなみ、話し方、行動の仕方にもプロとしての仕事のやり方を考えるようになりました。とくにコミュニケーションのとり方は大切で、これが仕事の基本だと確信しています。


新人ベルマンだったある日、VIPである一流企業の会長の荷物を持ってエレベーターで客室までご案内しようとしたときのこと。「なんだその荷物の積み方は!」といきなり怒鳴られました。会長は台車の上に積まれた3つの荷物のうち2番目が曲がっていることを指摘して怒り出したのです。曲がったといってもほんの数センチだったのですが、会長は私が新人ベルマンだとわかって「君はこのサービスで飯を食うんだろ?そんな中途半端な仕事をしてはいけないよ」とあえて厳しく叱り、プロとしての心構えを教えてくれたのでした。


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