荻田伍の名言 一覧

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荻田伍のプロフィール

荻田伍、おぎた・ひとし。日本の経営者。アサヒビール社長。福岡県出身。九州大学経済学部卒業後、アサヒビールに入社。関東支店販売課長、福岡支社長、九州地区本部長、取締役、常務などを経て、子会社のアサヒ飲料副社長・社長に就任。アサヒ飲料出向中、朝専用WONDAモーニングショットや三ツ矢サイダーリニューアルなどで債務超過寸前だった同社の立て直しを達成。その実績を買われ本社社長に抜擢された。

お客様からこういう商品が欲しかったと言われるような新しい商品を提供し続けること。それが我々の役目。


不況や経済環境が悪いときは、競争優位性を発揮できれば、逆に企業間格差がつくチャンスでもある。知恵と汗を絞って努力していくとき。


新たな価値を提案し続ける活動をしっかりやっていくことが大切。


こちらから懸け橋を作らないと、部下とのコミュニケーションはとれない。


少しでも立ち止まれば、会社は存続できない。そんな危機感が常にあります。


経営は「これで大丈夫だ」なんて思えるときは一瞬もない。


ヒット商品があろうとなかろうと、いまの世の中、今日売れたものが明日売れる保証はどこにもありません。


営業マンは単に売るだけではダメ。私のような苦労をしないためにも、若い人は早めに経理や財務の勉強をしておいたほうがいい。


どん底のアサヒが存続できたのは、一人ひとりの諦めない気持ちがあったから。そこにスーパードライという武器を与えられ、爆発が起きた。


現代は変化の早い時代です。お客様も変われば、売り場も変わり、商品サイクルも短い。当社もスーパードライを持っているから安心かというと、そうではありません。常に挑戦する気概を持つ必要があります。


私は「現状不満足の集団になろう」といつも言っているのですが、会社がいつつぶれるかわからない。いまのままではいけないと、常に自分にも社員にも言い聞かせています。


成功体験は大きければ大きいほど捨てにくい。社内では「スーパードライの成功体験は捨てろ!」と口酸っぱくいっているのですが、なかなか難しいものがあります。成功体験を活かすことは大切なのですが、マイナスに作用している面があるのも紛れもない事実です。


企業も商品も同じですが、じっとしていると瞬く間に飽きられてしまいます。飽きられることを防止するには、常に付加価値を積み重ねていくしかありません。その努力を一瞬でも怠ると、これだけ情報が飛び交っている世の中ですから、あっという間に陳腐化の波に飲み込まれてしまいます。


問題は危機感を持ってお客様の声を真摯に聞く姿勢です。いくら市場調査をやっても、社員に緊張感や危機感がなければ、お客様の声をきっちりと聞くことはできません。


危機感を持ってお客様と相対したときに、初めてお客様の意識下にあるニーズに触れることができます。危機感がなければ驚きのある商品なんて絶対につくれません。


感謝の気持ちと挑戦の心構え、それが全社員のバックボーンにないと、会社としてもグループとしても伸びていかないと私は考えています。


正直な話、20年前までは当社はいつつぶれるかわからない状態にありました。そのとき、様々な努力をした中からスーパードライが生み出され、アサヒビールが復活しただけでなく、我々はいろいろな成果を得ました。そこで我々が考えないといけないのはスーパードライをここまで支えてきてくださったお客様への感謝です。社員一人一人が、感謝の気持ちを忘れてはいけません。


我々は「食と健康」を主たる事業領域とし、お客様に喜びと感動を与えることで、近い将来、アジアにおける同分野のリーディングカンパニーになりたいと考えています。そのための投資は、今後も積極的に行っていきます。


ブランド価値の向上に力を注ぎ、どんな状況になろうと収益の出る体制を構築します。経営環境は厳しいですが、あくまで成長を目指します。もし成長の努力を怠ったなら、たちまち負のスパイラルに陥ってしまうでしょう。


現在の営業は、より高度な提案力が要求されます。流通構造も様変わりしました。しかし、人間の情を基本とするスタイルは、いまも営業の根底にあると考えています。


営業マン個人がつくった原因で取引が打ち切られそうになったこともあります。お客様との約束をうっかり忘れてしまう、といった一見些細なことからも、人間関係は簡単に崩れていくものです。


営業にとって一番つらいのは、結果が出ないことです。成果の望める方向に転換するのも上司の重要な役目です。もし、取引先から取引を打ち切られた部下がいたら「2倍、3倍にして取り返してこい」と、契約打ち切りの呪縛から解放してあげるのです。


苦境に陥ったメーカーを立てなおすのは何をおいても商品です。これは20数年前のアサヒビールが経験したことです。アサヒビールは通称コクキレビールと、それに続くスーパードライの大ヒットで息を吹き返しましたが、アサヒ飲料では利益率が高い主力商品の缶コーヒーを立てなおすことで、一挙に劣勢を挽回できるのではないかと考えました。
【覚書き|アサヒ飲料は、ワンダモーニングショットの成功から負債超過寸前の状況からV字回復を果たした】


ヒット商品という「売れる環境」を用意したことで、営業現場にも活気が戻ってきました。個々の営業マンが自信を持ちはじめ、売り方にも次々とアイデアが出てくるようになりました。こうしてアサヒ飲料は正のサイクルに入ることができました。


景気が悪い、天候が不順だ。ビールが売れない理由はいくらでも探せます。しかし、できないと考えたら、それに引っ張られて行動もできない方へ流されます。売れない理由を考えるからなお売れなくなる。そんな負のサイクルに陥らないように、まず「できる理由」を考えるのが私のやり方です。


コクキレビールの発売前で、アサヒビールのシェアがどん底だったころ、私は関東支店の販売課長として支店のメンバーとともに悪戦苦闘していました。当時、私が心がけたのは、部下たちに小さな成功体験をさせるということでした。小さくても具体的な目標をクリアできると、営業マンには大きな達成感が生まれ、組織全体に「よし、俺もやれるぞ」という前向きの空気が満ちてきます。


赤字会社が新製品のために割ける予算は限られています。その中では、中途半端な投資をするのではなく、資源を一点に集中する必要があります。また、中身を変えるだけでは他社のブランドに敵わないので、ネーミングやパッケージでも「朝飲まれる」ことを強調しようと決めました。
【覚書き|モーニングショットを企画した当時を振り返っての発言】


缶コーヒーブランドの「ワンダ」を再生するための調査は、私の着任以前から行われていました。それで明らかになったのは「缶コーヒーの4割以上は朝飲まれている」ということです。皆で知恵を出し合った結果、「だったら、朝飲まれる缶コーヒーをつくろう!」という結論に達しました。4割の市場をつかむために、6割の市場を捨てるということです。なぜそのような決断ができたのかというと、私たちには後がなかったからです。
【覚書き|債務超過寸前のアサヒ飲料経営再建時代を振り返っての発言】


忘れてはならないのは、会社を動かしているのは現場の人たちだということです。小さな成功体験を積み重ねることで、彼ら一人一人が自分自身の役割を自覚し、その役割を果たすために何をしなければいけないかを理解してくれます。


会社の最大の目標は存続だといわれます。アサヒビールは来年、創業120周年を迎えます。先輩方がしっかりとつないでくださった会社を、いい形で次世代に引き継いでいく。これが私たち現役世代の役割だと考えれば、商品開発も営業も収益構造の改善もおろそかにはできません。


アサヒ飲料に出向した当初、社内には経営危機に対して「どうせビールの人間が主導していることだ」という他人事のような空気が流れていました。私は社員に「自分たちの会社なのだから、自分たちで頑張ろうよ」とメッセージをぶつけました。


専務時代、赤字続きだった子会社のアサヒ飲料へ行くように命じられました。そのとき心に決めたのは、アサヒ飲料が陥っていた苦しい状況を打破するため、仲間とともに考え抜こうということでした。私は歴代経営者と比べ、優れているとは思えませんでしたが、みんなで「できる理由」を考えれば道は開けると思ったのです。


毎日のように酒屋さんに顔を出し、「しょうがないなぁ、ちっとは売ってやるか」と言ってもらえるような深い信頼関係を築いておくことが不可欠です。


各部門や個々人の役割は何かと考え、一人一人が役割を果たしていく。これこそが会社を正のサイクルに導く王道であると私は考えています。


社員とのコミュニケーションはものすごく大切だと思っています。現在の経済環境、社会環境、そしてアサヒビールが置かれた環境を私がどう認識しているかを、いろいろなかたちで情報発信しています。その環境の中で我々はどこへ行こうとしているのか、何をやろうとしているのか。それを社員としっかり共有していく必要があります。こうしたコミュニケーションを繰り返し繰り返しやっていく以外にないと思っています。


最大の競争相手が統合して巨大化するわけですから、非常に厳しい経営環境になるでしょう。しかし私はそれを願ってもないチャンスだと思っているのです。いままで手をつけられなかった改革を断行するチャンスという意味です。競合他社の統合は、いわば降って湧いた外圧のようなものですが、これを逆手にとっていろいろなことを変革していこうと思っています。


国内消費が伸びている時代ならともかく、市場が成熟してしまっているわけですから、単純に資産を足して大きくなったら安心かといえば、それは逆です。


経営者はこの会社を駅伝ランナーのように次世代に確実に手渡さなくてはなりません。下から来る世代に、どうやってこの会社を引き継いでいくのか。それをきっちりと考えながら経営しなければならないわけです。


新商品開発でも同じですが、大切なのはお客様の声です。たとえば、スーパードライの開発のときも5000人の方に調査を行っていますが、当時のお客様がビールに望んでおられたのはコクとキレでした。スーパードライは徹底してお客様の声を聞くことで誕生したのです。


『ワンダ』は当初、タイガーウッズをCMに起用したことが話題になったこともあり、急速に占有率が伸びたのですが、その後落ちました。そのときお客様の声を調査したところ、あるマーケッターが「お客様の45%は朝、缶コーヒーを飲んでいる」ということに気づきました。だったら、朝飲むための缶コーヒーをつくってはどうかということになった。そこで、味は気つけのように濃い目にし、甘さは控えめにして、朝専用の『ワンダ・モーニングショット』を売り出したわけです。


お客様の声を聞く側が、「俺たちは世界一のビールをつくっているんだ。味がわからないお客の方が悪い」なんて思っていたら、いくら市場調査の結果が出ても、きちんと受け取れるわけがありません。お客様の声に耳を傾ける姿勢が間違っていたら、市場調査などいくらやっても無駄なのです。


メーカーとしては、お客様に支持や共感を得られる商品を提案し続けていく努力を怠るわけにはいかない。魅力ある商品を出せているのかを考えなくてはいけない。


関東支店長だった藤沢博恭さん(のちのアサヒビール副社長)には粘り強さをたたき込まれました。「今月はここまでしかできません」。予算を組むときにそう言うと「なんでおまえが決めるんだ!」と怒鳴られました。「あきらめず、しつこく、できるまでやる」。藤沢さんに教わった大事なことです。


ある時、営業マン向けの研修で心理学の先生に「この商品では売れないとか、この店は初めからダメだとか、マイナスの思いを持っていると、行動も必ずマイナスになる」と教わりました。確かにそういう部分はありますね。「この人を何とか口説き落とそう」「この店にウチの商品を置いてもらおう」。そう思って集中していると、攻略のための知恵が自然と沸いた覚えがあります。


スーパードライは発売から四半世紀が経ちました。どんな商品でもずっと売れ続けるとは思えません。今年は黒ビール「ドライブラック」で新しい価値を提案しているところです。


アサヒ飲料は2003年に売り上げが伸びて、無事に黒字化を達成することができました。口だけでは、プロパー社員(生え抜きの社員)から「またダメだね」と烙印を押されてしまう。結果が出て黒字になれば「何とかなるね」と。それがそのうち、「じゃあもう少し頑張ってみよう」となるんです。


アサヒ飲料の社長に就任してからは、翌年120周年を迎える「三ツ矢サイダー」に手をつけました。炭酸飲料全般が地盤沈下していた時代です。果実や植物由来のフレーバー(香料)を使用したり、水の硬度を一定にしたりとブランド刷新を図った結果、ロングセラーが蘇った。先輩が育てたブランドを死なせるわけにはいかない、という思いでやっていましたね。


私がアサヒ飲料の副社長になったのは2002年です。同社はそれまで3年続けて当期利益が赤字で、給料も下がり、先が見えない状況でした。ビール本体からの出向ですから、プロパー(その分野の専門知識)を全く知らない。地方に行っては人を集めて一緒に飲みながら、とにかく情報開示とコミュニケーションに努めました。「このままでは会社は消滅し、上場廃止になってアサヒビールの傘下に入る。飲料事業は縮小になるから社員は辞めざるを得ない。そうなる前に自立していこう」と危機感を植えつけました。


スーパードライ発売当時は樋口廣太郎社長がメーカーとしての供給責任を全うするために、生産設備などでものすごい投資をしました。この投資がなければ他社が挽回するチャンスはいくらでもあった。この判断があったからこそ、市場の期待に応えられて、トップブランドになれたのでしょう。


アサヒビールが「スーパードライ」を発売したのは1987年。当時、私は九州支店の営業第一課長でした。ここで学んだのは、「売れる」という実感が現場のすべてのエネルギーになるということです。売れれば元気が出てモチベーションが上がる、モチベーションが上がれば知恵が出てきて成功体験が積み重なり、それがさらなる飛躍になる。経営者の仕事は、「現場の士気のために売れる商品を作る」これがすべてだと思います。


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