荒川詔四の名言 一覧

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荒川詔四のプロフィール

荒川詔四、あらかわ・しょうし。日本の経営者。大手タイヤメーカーのブリヂストン社長。山形県出身。東京外国語大学外国語学部インドシナ語学科卒業後、ブリヂストンタイヤ(のちのブリヂストン)に入社。タイ現地法人社長、本社取締役、常務、専務、副社長、ヨーロッパ現地法人会長などを経て、本社社長に就任。主に海外事業を手がけ、同社の海外展開に貢献した人物。

反感を買うこともありましたが「いったん決めたら腹を据えて実行する」という姿勢は経営に必要。


基本と原則を大切にすること、これさえ押さえておけば、まず間違いはありません。


人を動かしたければ、相手を徹底的に知ることです。結局、これに尽きます。


経営者や管理職が部下を動かすときは、現場・現物・現実を理解してから、目指す姿を明確に語り、具体的に指示する必要があります。


シェアは目標ではありません。量よりも経営の質、商品の質、従業員の質の向上を追求します。質の高さを世界のお客様に認めていただければ、結果としてシェアがついてきます。


全世界で総力を結集すべきときだからこそ、従業員一人一人に基本と原則の意識を徹底させたい。それが基盤にないのなら、経営サイドがどんな施策を講じても効果はありません。


技術力や開発力、生産・販売体制といったハコの部分は整いましたが、問題は中身です。国籍、文化、民族など様々なバックグラウンドを持つ従業員が気持ちをひとつにして、名実ともに世界一になることが目標です。


具体的な施策をつくる権限を現場に任せると、確かにものすごいエネルギーが必要です。でもそこがミソなのです。施策づくりで本社に言いたいことはすべて言い、他部門とも散々やり取りする。だからあとは自分が責任をもってやらざるを得ないわけです。
【覚書き|本社が基本的な方針を立て、あとの具体策は事業単位、現場単位で決めさせている理由について語った言葉】


実際の商品をつくっているのは我々。外の専業メーカーから見れば、ブリヂストンの内部はブラックボックスだから推測で原材料を開発するしかない。一方、我々グループ全体はブラックボックスの中だからすべてが見える。真の垂直統合の強みはそこにあるんです。
【覚書き|原材料から完成品までを自社で賄う仕組みについて語った言葉】


新興国の地場メーカーがつくっている低価格品ではなく、いま、我々が手掛けている高機能商品が現地でも受けている。これは土俵を変えるカギになる。低燃費タイヤは主に先進国向けと考えていたが、中国で開催した商品説明会では計画を大幅に上回る注文を頂いた。


タイヤは国際規格商品なので規格さえ満たせば誰でも参入できる。新興国メーカーは非常にアグレッシブで、我々は危機感を持っている。新興国メーカーはものすごい安値でやっている。そういう土俵で戦って勝てるとハナから思っていない。


規模が大きくなって売上が増えるだけでいいのか。このままでは組織が機能しなくなるのではないか。
【覚書き|タイの子会社社長時代、海外から本社を見て抱いた危機感について語った言葉】


大きな提案なら何人かで説明に行くのが普通ですが、私は難しい提案ほど一人で行くことにしています。責任もリスクも一人で負うことになりますが、単身で乗り込む心意気や情熱を買ってもらえます。そこまで腹を括れば、提案書の文字にも情熱や思いがこもります。逆に、集団陳情では一貫した説明ができないし、思いや本気度が伝わらないのです。


入社2年目、タイの工場に日本人幹部として赴任しました。意気込んであれこれ指示しましたが、現地スタッフは動いてくれませんでした。私が自分の考えばかり押し付けていたからです。現地スタッフにしてみれば、自分の声を尊重してくれない上司には従えないということでしょう。その苦い経験を機に、「人を動かしたいなら、まず相手の話を聞くことから」と考えるようになりました。


思いだけでは人は動きません。私は「○○をすれば、会社や事業はこういう姿や結果になる」と語ることにしています。この方法が奏功したのか、何度も跳ね返されながらも提案はついに実現しました。


現場の従業員が上司や会社を動かそうとするなら、会社の経営戦略を熟知したうえで、アクションと結果を具体的に描き、それが戦略にどう絡んでいるかを語ればよいのです。会社の戦略に沿った提案なら、なかば通ったも同然です。却下するには相当な理由がいります。


報告書や提案書を書く際、状況説明や分析に力を入れすぎて、とるべきアクションとそれによる結果が見えてこなければ相手の心をつかめません。枝や葉をいくら集めても、根や幹が見えなければ意味がないのです。


結局のところ、仕事は常に現場にあるのです。その結果を報告の形で聞いていては時間がかかります。しかも報告は二次、三次情報であって、一次情報ではありません。現場の状況を聞きかじりで済ますわけにはいきません。


スピード経営にはトップだけでなく、組織の迅速化も欠かせませんが、トップ自らが徹底してスピード感を持って動き、常に努力していなければ、組織はついてきません。ですから、私自身が仕事のスピードを上げることに執着するのです。


どれほど素晴らしいことをやっていても、激変する環境下では、スピードが遅いだけで重要な機を逸してしまいます。自分自身のスケジュールの流れを把握し、最短導線で予定をこなすだけでは十分ではありません。トップが率先して現場に足を運ぶことで、一次情報に基づく正確な判断が可能になり、結果的にスピードアップにつながるのです。


自分の足で現場に行き、「現物・現場・現実」を自分の目で確認します。そうやって初めて、経営方針通りに進んでいるのかどうか、各施策が適切に実施されて、想定した結果が出ているかどうかを把握できます。


月に一度は工場や事務所に出向き、気づいたことがあれば、必ずその場で指摘します。また基本的な方針に関わることは何回でも直接現場の社員に話をします。それが一番正確に伝わるのです。同時に懇談会や意見交換の場を設けて、社員の声も吸い上げるように心がけています。


気になったことがあれば、出先でも移動中でも秘書や担当者に直接電話して確認します。メールなどでは細かい情報がそぎ落とされがちですが、直接話していると、言葉の端々からいろんなことがわかります。「あれはどう?」と質問して、相手がつっかえつっかえすれば、「何かあるな」と気づくこともできるからです。


中期計画は環境の変化を織り込んで、毎年見直しています。といってもコロコロ変えるわけではなく、いったん決めた目標を達成するために、環境変化を織り込みながら施策を変更し、追加していくのです。


組織が自信を持ってスピードをあげられるように、中期計画という枠組みを最重視しています。基本方針や基本戦略を定めた中期目標を社員全員がしっかり理解し、自らの役割を認識すれば、無駄がなくなり、迅速化します。


いまはとくに変化の激しい時代です。瞬間の意思決定が求められる立場になって、情報は頭の中に直接叩きこまなければいけないと考えるようになりました。経営の采配を振るう立場なら、情報は記録に残すのではなく、記憶にとどめて、必要に応じて新鮮なうちに使うことが大切なのです。


スピード経営の反動からか、平日総長は夫婦でゆっくり散歩しています。オフの日はのんびり庭いじりなどをして何も考えず、閑の時間を過ごすのです。オンとオフで緩急の落差をつけることも、オンの時間にスピード感を失わない秘訣かもしれません。


本部長のころまでは、スケジュールは手帳に、メモはシステム手帳に、と使い分けていました。しかし、あちこちを飛び回り、いろいろな情報を駆使する立場になると、システム手帳を開いてメモを確認しているようでは、いざというときに間に合わなくなりました。また、人間は一度書くと安心してしまうところがあって、書いたことそのものを忘れていることもありました。そこで常務になったころからは、メモはできるだけ取らないようにしています。


秘書がいるのに、手帳でスケジュールを管理するのは一見、非効率なようですが、秘書をつかまえて「今日、何があったっけ」「これが終わったら次は何」と聞いている方が効率が悪いと思います。とくに来客が連続するときなどは、先の予定でも最低でも1分か2分前に終わらせなければ、次のお客様を待たせることになります。一日のスケジュールを頭の中に入れておけば「次が詰まっているから1分前に終わろう」「次の場所へは5分で移動しなければ」と時間の流れをイメージできます。


自分の手で手帳に書き、目で確認して頭に入れるのが、私のスケジュール管理の基本です。手と目を目いっぱい活用して体感しながら記憶するのです。また、少しでも時間が空いたときには、必ず手帳に目を通し、今後一週間の動きや、その月の流れを確認します。


朝、秘書とその日の予定や変更事項などを確認しながら手帳に記入します。秘書から予定を聞いて書込み、逆に私が直接決めた予定があれば、秘書に伝えて情報の共有するのが常です。打ち合わせ風景だけ見ると、どちらが秘書かわからないかもしれません。


タイの工場ではバーツ下落に備えて過剰なほどの為替による損失に備えた対策をうちました。金利が高かった当時、そこまでのリスク回避をする会社もなかったため「さすがブリヂストンさんは石橋をたたいても渡りませんね」と日系の他社から笑われたほどです。しかしその後のアジア通貨危機でもほとんど損失を被らなかったのです。


社長方針に物申すようなハードな交渉になるときは常に1人で行くことを心がけました。部下を連れて行って巻き込むリスクを負わせたくなかったのです。


秘書の仕事は「待ち」ではダメ。社長の2、3歩先を見ようと意識しました。


日本企業の海外進出は、かつては欧米が中心でしたが、最近は東南アジアやインドなど新興国が成長の牽引役です。欧米流に合わせるのではなく、多様な国の習慣や文化、価値観を前提に、経営することが今の時代には欠かせません。


リーマンショックで世界経済が急減速し、ブリヂストンの業績も悪化した時のことです。世界中で何が起きているのかという情報を短期間で吸い上げ、意思決定する必要がありました。世界各国の社員が意見を出しやすい風土は、正確な情報を集める力になりました。一部の工場を閉鎖するなど難しい判断も迫られましたが、効率化を進める一方で攻めの投資を実行して、短期間で業績はV字回復しました。


最初は下手でも、諦めずに話し続けると語学は必ず上達します。次第に語彙の数が多くなって、使い方も上手になる。発音も良くなってくる。土俵に上がることを恐れず、自分の意見を一生懸命言うとみんなが認めてくれるようになります。


ブリヂストンの社長に就任してから、「ナショナルイングリッシュ」を共通語にする方針を打ち出しました。米国や英国の英語ではなく、世界各国の社員がそれぞれの国で学んだ英語を指す造語です。最初は「社長は何を言っているんだろう」とみんなぽかんとしていましたが、だんだん私の意図を理解してもらえるようになりました。「発音が悪くても、語彙が少なくてもいい。自分が育った国で学んだ英語を使って、単語を並べてでも堂々と話そう」「ジャパニーズイングリッシュでもシンガポールなまりのシングリッシュでもいい」。こう説明すると、非英語圏の人は歓迎してくれましたね。ブロークン英語でも、バカにされないなら話そうと思う人が増えました。


英語を共通語にすると、経営においてある問題が生じがちです。米国や英国など英語が母国語の人が会議で発言しやすい一方、そうでない人は意見を言いにくくなる。能力が高くても英語が下手なので発言をためらう人も目立ちます「この程度の英語しか話せないのか」と思われるのが恥ずかしくて、「ギブアップして会議では黙っていよう」となりがちです。これではいけない。私はブリヂストンで海外営業や海外駐在を長年経験する中で、常々そう思っていました。


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