苅谷道郎の名言 一覧

このエントリーをはてなブックマークに追加

苅谷道郎のプロフィール

苅谷道郎、かりや・みちお。日本の経営者。光学機器メーカーのニコン社長。神奈川県出身。横浜国立大学工学部応用化学科卒業、横浜国立大学大学院工学研究科修了、日本工学工業(のちのニコン)に入社。相模原製作所長、取締役、常務、専務、副社長などを経て社長に就任。

時間の管理術で大切なのは、かける時間とかけない時間の組み立てです。仕事は何でも短時間でこなせば合理的になるわけではありません。時間をかけるべきところはしっかりかけることで必要なときに迅速で的確な判断が発揮されます。


ニコンは5年前に2年連続赤字に陥って以来、全社を挙げて改革に取り組み、昨期に続いて今期も売上高、利益とも過去最高が予想されています。このV字回復の原動力のひとつには経営のスピード化があるのは間違いありません。ただ、私自身は考えるのは速い方ではないし、とくにひらめく方でもありません。それでもタイミングを逃がさず指示を出せるのは考える時間を取って考え貯めをし、毎週300通の週報を読んで準備を怠らないからでしょう。


即断即決というと決断の速さばかりに目が行きがちですが、いかに早く最適な判断ができるかは事前にどれだけ時間をかけて、情報の収集や分析などの準備ができているかにかかっています。


一番避けなければならないのは、「忙しい」といって、深く考えず、メリハリのない時間の使い方をしてしまうことです。結果的に判断がズレ、さらに仕事が増える悪循環になります。「忙しい」「時間がない」と感じたら、もう一度、組み立て方を見直してはいかがだろうか。


常に最新の情報を収集するのは、情報なくしては即断即決ができないからです。各組織ユニットには一定の権限を持たせ、権限内では自分たちで判断してスピーディに動く「ゲリラ組織化」を進めますが、レポートは必ず週報であげさせます。当然、トップが判断しなければならない案件も出てきます。そのときになって情報を検討したのでは動きが滞ってしまいます。


私が仕事の中で最も大事にしているのは、「考える時間」です。それは一週間のスケジュールを見ればわかります。定例会議の類はすべて月曜日と金曜日に集中させ、水曜日は強制的に何も予定は入れない。とことん考えることに集中するためです。


考えることに時間をかける一方で、徹底して時間をかけずにスピード化を図るのが情報伝達です。ニコンでは部長クラス以上は毎週、週報を上司、カンパニー長、役員、そしてトップあてに日曜夜までに階層や部門を超えてメールで送らなければならない。月曜日に開かれる経営会議などの定例会議では出席者全員が週報に目を通していることが前提となります。私が読む週報は毎週300通に達します。


私は過去に3回左遷され、一度は窓の外まで飛ばされました。自分で考えて正しいと思ったことを率直に言って、上司と衝突したのが原因でした。ただ、その結果としていまの自分があります。


会議や決裁だけしていても経営はできません。考える時間を強制的にでもとらないと、マンネリ化し、やがて競争から置いていかれるでしょう。


私の場合、考えたアイデアをノートに必ず書き留めます。かなり細密に書き込むので1から2カ月で大学ノート1冊分ぐらいのペースで埋まっていきます。アイデアノートに「考え貯め」をしておくと、いざ課題が持ち上がったときに思考の出発点がまったく違ってきます。人材育成が課題になれば、ノートをひっくり返し、前から考えていたアイデアをベースに、より良い案を練り上げます。いまニコンの業績をけん引しているデジタルカメラとステッパー(半導体製造用露光装置)も、このアイデアノートが意外な役割を果たしました。


人名ランダムピックアップ


経営・ビジネス・投資・仕事・お金・経済的な分野で成功を収めた人たちの名言を収録しています。

ページの先頭へ