羽鳥成一郎の名言 一覧

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羽鳥成一郎のプロフィール

羽鳥成一郎、はとり・せいいちろう。日本の経営者。エスエス製薬社長。茨城県出身。東京国際大学商学部卒業後、オハイオ大学東南アジア研究修士課程修了。化粧品会社のエイボン・プロダクツ・マーケティング部・製品企画部、日本ロレアル百貨店ブランド事業部長、日本ベーリンガー・インゲルハイム会長付顧問などを経てエスエス製薬に入社。同社で会長付顧問、長付顧問、営業本部長、マーケティング本部長、人事総務本部担当などを経たのち社長に就任。

勝ち組組織をつくるには、「遂行能力」と「戦略思考」という二つの力が必要だと考えています。残念ながらエスエス製薬には戦略思考が欠けていました。社長就任当時は業界全体の縮小に比例して、毎年売上が落ち続けるというジリ貧状態でした。なぜなら去年と同じ仕事は無難にこなせるものの、新しいことに挑戦して課題解決を図る能力が劣っていたからです。


指示待ち社員に戦略的思考を身につけさせるために、私は消費者目線に立つことの大切さを説きました。たとえばドラッグストアの利用客の8割は女性なのに、パッケージは地味なものばかり。「製薬会社は中身を磨けばいい」という考え方が支配的でした。そこで、マーケティング本部を新設し、異業種の女性を何人も送り込みました。


社長就任時から社員とのコミュニケーションの機会も増やしました。たとえば月に1回程度、管理職以外の社員と対話する場を設けています。参加者は10人程度、上司は同席しないのでじっくり話ができます(笑)。独身社員の寮を訪問して深夜まで意見交換をしたこともあります。意識改革の進み具合が生々しくわかりました。


目安としては全体の5%の人間とベクトルを合わせられれば、残りの指示待ち社員も動くようになるのではないでしょうか。


社員への働きかけでは、私にも失敗があります。社長就任直後、身近にいた役員を飛び越して、社員全員に改革をアピールしました。ところが、疎外感を抱いた役員との間で軋轢が生じ、状況はより悪くなってしまいました。改革は一人ではできません。全員とコミュニケーションをはかるのは物理的に不可能ですが、直属の部下を無視してはいけません。


社内の空気を変えようと、私自身が常に笑顔でいるようにしました。「もう社長は怖くない」という印象を持ってもらい、「失敗を恐れなくてもいいんだ」という価値観を育むためです。遂行能力は高いわけですから、指示待ち社員の動き始めるきっかけを作ればよかったのです。


外資系だったこともあり、前の職場では上司だろうと誰もが「WHY?」を連発します。誰に言われても、納得できない限りは動かない。一方、エスエス製薬の場合、上司からの命令であれば、いちいち疑問を挟むことなく、何事もスピーディに仕事が進みます。しかも、遂行能力は高い。そのかわりに多くが指示待ちでした。


化粧品は効能や効果以上にイメージで売上が変わる商品です。自由な発想を尊び、挑戦をいとわない風土があります。一方、医薬品は法律の縛りがあるため、安易なイメージ戦略はとれません。安全性や品質にも化粧品とは段違いの厳格さが求められます。エスエス製薬ではイノベイティブな発想は歓迎されず、リスクを嫌う企業文化がありました。


指示待ち社員が絶対にダメかというと、そんなことはありません。むしろ指示を忠実にこなしてくれる社員はありがたい。


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