細谷英二の名言 一覧

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細谷英二のプロフィール

細谷英二、ほそや・えいじ。日本の経営者。りそな銀行会長。熊本県出身。東京大学卒業後、国鉄に入職。JR東日本副社長を経てりそなホールディングス社長・会長。異業種の経営ノウハウを銀行に応用し、経営難に陥っていた同行の立て直しに成功した経営者。経済同友会の副幹事なども務めた人物。

自分の欠点を克服する努力をした人は成長していきます。


どんな人でも努力すれば成長しますし、その意味で誰もが成長を約束されているのです。そして、一人一人の成長の結果が企業の成長につながるわけです。


どうしても自分の夢が見つからなかったら、アンドリュー・カーネギーの真似をすればいいと思います。自分の与えられた仕事で世界一になることを目標にするのです。そう考えて努力した結果、カーネギーは世界一の鉄鋼王にまでなったのですから。何も夢がなければとにかく自分の専門分野の中でナンバーワンを目指すことです。


変化を愛することが重要です。現在の経済環境では、以前に起きたことが繰り返されることが減り、逆にこれまで起こらなかったことが日常茶飯事で起こるようになっていくはずです。非循環的な環境に対応できるようになる必要があります。


企業の変革のためには、とにかく軸をぶらさず、本気で語りかけるしかありません。8年間同じことを言い続けてもそう簡単には変わりません。


修羅場を上手く乗り越えられれば自信がつきます。けれども、失敗することもある。そのときは謙虚になって「なぜできなかったか」を反省すればやはりプラスになります。ともかく修羅場にぶつかるということが重要だと思います。


若い人が「目標がない」とか「どうやったら夢を持てるか教えて欲しい」などといっているのはちょっと心配です。夢を持つのは人間に与えられた特権です。若いうちから夢を見る力、目標を立てて考え抜く力を鍛えておかなくてはいけません。


改革で重要なのはブレないことです。女性の活用については4年ほど同じことを言い続け、その間に2回の人事異動で実行しました。すると、「ああ、会長の軸はブレていないんだ」「思い付きで言っているんじゃない、これは本気だぞ」と社員たちも変わってくるわけです。


企業とは簡単に変わるものではなく、逆に昔に戻りたがるものです。そのなかで、いかにトップの方針を現場の第一線にまできちんと浸透させるか。それができてはじめて、足並みがそろい、改革ができるのです。


知識だけ身につけて知恵のない人間になってはいけないと思います。


いま、米国発の金融危機が世界を揺るがしていますが、多くの人が私利私欲に走りすぎたツケが回ってきたのでしょう。誠実に努力してこそ、正当な結果がついてくる。こんな時代だからこそ、人としての原則に立ち返るべきなのではないでしょうか。


経営とはいわば、社会からの預かりものです。誰かがやらなくてはならないことですが、会社はトップの所有物ではないと心して、「無私」の精神を貫くことが大切なのです。私はこの精神を忘れず、りそなの改革にさらに挑戦していくつもりです。


百の権謀術数も、たったひとつの誠実な心には敵いません。


(JR時代)ビューカード導入を決める会議の前に、3年間で撤退したときのコストを部下に計算させました。報告で上がってきた数字は百数十億円でした。それを聞いて「それならやろう」と決断しました。100億円強なら、駅スペースにカード用端末を開放する策で回収できると自分なりに試算していたからです。部下には「百数十億円の損失覚悟でゴーサインを出したのは細谷さんだけ」と言われていたようでしたが。


会議をうまく誘導するためのコツは2つあります。ひとつ目は「キーワード」を使うことです。キーワードは提案内容を練りに練り、考えに考え抜かないと出てきません。考え抜いた提案だからこそ、会議を通すことができるのです。ふたつ目は「たとえ」を使うことです。発信者の枝葉の意見を尊重しつつ、方針をゆがめないことが大切です。


会議では、事前に位置づけを明確にしておくことが重要です。会議といっても、方針決定の会議、情報共有化の会議、ときには不満をガス抜きする会議もあります。議論するのにあたって、幹の部分を決めておかないと、往々にして情緒的な枝葉の話で論理転換してしまいます。


第一線の社員と対話を深め、経営と現場の距離を縮めました。タウンミーティングと称して社員食堂で社員と会い、ビール片手に経営陣の思いを直接伝え、現場の悩みを聞きました。こうした会は会長就任から8年間で400回に及びました。


私自身も銀行と同じように、旧国鉄という官僚文化の中で育ちました。だから、手っ取り早く銀行を改革するには、まず官僚文化の典型である年次主義・序列主義を打破することだと考えていました。就任後しばらくして、私が選んだ役員以外のある一定の年齢以上の方々には全員辞表を出してもらう一方、年次を無視して若手を積極的に登用しました。また、りそなは大きく、旧大和銀行と旧協和銀行、旧埼玉銀行が合併した銀行ですが、社内データからどこの銀行出身かといった情報は消去しました。


りそなは銀行界で生き残るための差別化戦略を徹底します。東京、埼玉、大阪と大都市圏に営業店を集中して持つ強みを生かし、メガバンクにはできない地域密着・顧客密着の姿勢を追求したい。メガバンクは人材配置の面から見ても、海外部門や投資銀行部門に比重を置いています。こちらは中小企業や個人といったリテール分野に特化しているので、リテール(小口金融業務)では対等に戦えるだけの体制になりつつあります。


どんな組織でも、改革の手を緩めると昔に戻ろうとします。りそなでは、男性主導のピラミッド型組織だった、かつての銀行の姿に戻ろうとする人が出て来るでしょう。そうではなく、この会社を変えていく人が評価される仕組みを定着化させたい。そのためには誰もが納得できる公平な人事評価制度が必要です。そして、経営層が率先して厳しい評価にさらされることが必要だと考えています。「魚は頭から腐るが、頭からしか泳げない」のです。


決してメガバンクの背中を追おうとは思いません。大企業はどんどん無借金体質になり、融資しても高い金利は得られません。投資銀行部門などを強化しない限り、大企業向け取引では儲からないのです。うちは、そこまでやる経営資源はありません。


出身行のバランスを考えながら登用するいわゆる「たすきがけ人事」をしているうちは、本当の改革はできません。OB、あるいはグループ会社との関係など、過去に成功体験を持つ組織には、しがらみが至る所にあります。その組織で育ったトップは、このしがらみをなかなか否定できない。(銀行業界出身でないことが)私がりそな再建にあたった最大のメリットだったと言えます。


銀行はこれまで有能な女性が集まっていながら、活躍の場が少なかった。女性のチームで投資信託を組成し、女性だけで売る「りそな『わたしの力』プロジェクト」などを通じて成功体験を重ね、自信をつけてくれました。女性の退職率は私の就任前に比べて4分の1に下がり、支店長クラスの女性も10人に満たなかったのが90人程度までに増えました。女性の活用の点では、メガバンクより進んでいると思います。


(りそな銀行の改革に)花王の元副社長、渡邉正太郎氏らメーカー出身の社外取締役がいたことも大きかった。1円1銭までコストを削るメーカーの発想で、社内の業務プロセスの無駄を見直してもらったのです。


店内での顧客の待ち時間をゼロにして、営業時間も午後5時まで拡大しました。すると顧客に褒められるようになりました。理屈だけで組織は変わりません。顧客から評価されるにつれて、社員の意識も次第に変わっていきました。


顧客との対応の仕方も、「ホテルの従業員が座って対応していますか?普通のサービス業になろう」と言い続けました。社員を大阪のテーマパークであるユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどに研修に出し、サービス業とは何かを根本から学ばせました。


会長就任当初は、素人に銀行業の何がわかるんだという反発もありました。たとえば、銀行の営業店では窓にカーテンをかけて外から内部が見えないようにしていましたが、私は顧客が入りやすいようにカーテンを取り払えと言いました。しかし、安全面を考えると、カーテンを外すなんてとんでもないという具合です。


銀行業界では、経営トップには「頭取」という特殊な呼称があります。また、顧客重視と言いながら午後3時には営業店のシャッターを閉めます。それは、自分たちが特別な産業に従事しているとの意識が強いからだと考えています。私は「銀行の常識は、世間の非常識」と言い続け、とにかく普通の会社にしようとしてきました。


私はサラリーマンを30何年やっておりますが、知らないことがたくさんあります。ぜひ謙虚になってみなさんの知らないことが世の中にたくさんあるということに気付いてほしい。社会人になれば今までと違った方に会うチャンスがあります。だから会った人から一つでも学び取ろうという謙虚さを持ち続ければ、必ず人間の能力は磨かれていくと思います。会う人みな師匠ということです。


企業経営にとって大事なポイントは、新しい変化に対してどれだけ対応できるかです。ある意味では、変化への対応能力そのものが経営の本質だと思います。新しい時代に対応できた企業は生き残る。対応できなかった企業は撤退や倒産をしていく。


進化論で有名なダーウィンは「知恵のあるものが生き残ったわけではない。強いものが生き残ったわけではない。変化に順応したものが生き残った」と言っています。


企業は持続してこそ初めて価値があります。経営改革に終わりはなく、経営者にとって絶えざる革新を続けることが使命でしょう。


変化に鈍感、または成功体験が長い組織は必ず衰退の道を歩みます。事業が順調に行くほど、イノベーションを先行しないといけません。常に顧客や時代に合わせて企業構造を変えるべきなのです。


社員には「(社長就任)最初の100日間でバランスシートの改善を実行する」と宣言し、再生の基本方針として「厳格に」「嘘をつかない」「先送りしない」という方針を掲げました。私は最初の100日間が、組織の1000日後を決めると強く思っていました。


世の中の期待に応えるという座標軸を見失うと、経営はおかしくなります。


いろいろな事業会社のトップとの付き合いで感じるのは、リーダーの器量以上の組織は絶対にできないという事実です。経営トップにとって後継者育成は最重要テーマと言えます。


りそな再生が軌道に乗り始めた社長就任3年目ころから経営人材の育成に力を入れ始めました。1人の経営トップではなく、経営トップのグループにきちんとした人材を選び、チームワークで改革を進める組織づくりが狙いです。


いまは次世代のりそなグループを引っ張るリーダーをつくりだしたいとの思いで、若い人たちにチャンスを与えていろいろな挑戦をしてもらっています。


機能する組織は「2:6:2」とよくいわれます。いわゆる優秀な社員が2割、普通の社員が6割、そのほか2割でも組織がちゃんと回りますよ、と。私は変革リーダーはそうたくさんいなくても組織が変わるとみています。いわゆる優秀な社員2割の中から2割のリーダーを選び出すのです。要は社員全体の4%に変革を志向する「鬼」がいれば、組織は絶対に変わると信じています。


なぜ経営が行き詰るのか。それはその企業がマネジメントの原則を実行できていないからです。たとえば、市場のパイを増やして利益をあげる努力。それには顧客や時代のニーズの変化にすぐ対応しないと収益の機会を失います。縦割りの官僚的な組織では機能しないため、トップが目標をきっちりと示し、組織全体の総合力で成果をあげなければいけません。これが大原則だといえます。


社員から「非常識の改善は進んだでしょうか?」とたまに聞かれますが、「じゃあ、百貨店やホテルが土日に休んでいますか」とアドバイスしています。銀行はお役所と同様に、週末休むのが当然という企業風土で、まだまだ顧客の期待に応えていません。新たな挑戦として、大手行で初めて年中無休店舗を出しました。


りそなでは「顧客を待たせない、伝票に書かせない、ハンコを押させない」という「3ない運動」を開始した結果、銀行で取り扱う伝票枚数は店舗改革を開始した6年前より8割近くも削減できました。伝票処理が電子化できるようになり、営業時間の延長を支えています。ほかの銀行が店舗を早く閉めるのは、顧客に書いてもらった伝票と預かったお金を突き合わせる膨大な事務作業を、午後3時から進めることが常態化して見直す風土がないからでしょう。りそなでは伝票とお金の管理を徹底的に効率化したため、社員の事務作業を大幅に削減することができました。この結果、店舗を午後5時まで開けられています。


りそな銀行の営業時間を午後5時まで延長すると決めたとき、社内から強い抵抗がありました。実現に9カ月もかかりました。しかし、私は世の中にサービス企業へ変身するメッセージになるとして断行しました。正直言うと、他の銀行が1年以内にすべて追随すると思っていましたが、どこもやらなかった(笑)。業界全体のお役所のような意識が抜けないのでしょう。


普通の銀行は午後3時に窓口を閉めますが、りそなだけは2004年から午後5時まで営業しています。銀行が午後3時という速い時間にシャッターを閉めるのは、昔からおかしいと考えていたからです。旧国鉄時代の駅ビルにも、銀行がテナントとして入ってくれていましたが、すぐ閉まるので夕方には人の流れがとまってしまう。世間のサービス業の視点からみれば、完全にズレているなと当時から感じていました。


企業のよきブランドは、自分たちの経営の独自性が世の中に評価され、それが社員の自信にもつながって初めて形づくられます。


経営人材を育成しはじめたとき、最初に社外取締役も交え、求める役員像を明確にしました。簡単に言うと、変革志向や勝ちにこだわる姿勢があり、そのうえで新しいりそなをつくる戦略やアイデアに富み、組織を進むべき方向にしっかりと導く人材です。りそなは旧あさひ銀行と旧大和銀行の合併行でもあるので、そのしがらみを残さないことも重要でした。


後継者育成は企業風土を変える経営戦略作成よりも大事だと考えています。後継者の指名を間違えて衰退した企業もたくさんあるわけで、どう選抜するかが大きな焦点なのです。


旧国鉄やりそな再生の過程でいえることは、この種の規制産業も隠し事をせず、経営透明度を高めないと国民の信頼を得られないということです。インフラ産業を含めた規制業種は許認可により、ビジネスモデルや収益が左右される面がありますが、まずは顧客の信用なしに持続的発展はあり得ません。


社長就任の最初の100日で「りそなは変わったな」と評価されないと、銀行の傷ついたブランドが永遠に回復しない恐れがありました。そこで「負の遺産(不良債権、企業との持ち合い株、赤字の関連会社)」を徹底して整理したのです。


旧国鉄、りそなで働いてきましたが、鉄道と銀行に共通していたのは官僚的な組織文化です。顧客がいないと成り立たないはずですが、規制産業である鉄道や銀行は、どうしても永田町や霞が関を意識した経営になります。お客様は二の次になってしまいがちでした。旧国鉄は官僚の圧力を受け、運賃値上げを断行するなどで顧客離れが深刻化しました。


経営の内向き化を防ぐには社員が社会と共生するような活動も重要になります。ハーバード大学のマイケル・ポーター教授はCSV(クリエーティング・シェアード・バリュー)を提唱しています。本業を通じて社会の発展に役立とうという考え方です。私もその考え方に大賛成ですし、りそなでも社会貢献活動に全社員で取り組んでいます。


私が常に頭の片隅に置いている言葉に「障子を開けて見よ、外は広い」があります。トヨタ創業者、豊田佐吉氏の言葉です。外の世界を知るのは大事です。内部の論理と外部から見たものの間に物差しのズレがあったとき、企業を含め、あらゆる組織の運営が悪くなります。その意味で障子を常に開けて外の風を入れるか、または外を見る必要があります。


課題が浮かぶたびに経営の在り方にメスが入ります。新しい経営改革についても、客観的な視点を持った社外取締役に、外から見た場合にどう見えるかを率直に言ってもらいました。世の中の常識からみて、「ちゃんと合っている」「いや、おかしい」と単刀直入に指摘してもらうことが重要です。


私は就任当初から「銀行は特別な産業ではない。普通の会社になろう」と呼びかけ、「サービス業としての自覚を持とう」と強調しました。公的資金は国民から頂いているため、日本の皆様すべてが株主と考えて経営を実践しようと常に考えています。


社外取締役に当該企業と利害関係がない方を複数入れ、いろいろな助言や苦言をもらうことはとても大切です。りそなの場合、取締役会の議論が3~4時間に及ぶことも珍しくありませんでした。大事なのは様々な切り口から意見が出され、りそなはどういうマネジメントスタイルが最適か皆で真剣に考えたことでした。


「自分たちの産業を知らない社外取締役に何ができるのか」との反論も耳にしますが、それは人選と活用の工夫が不足しているからでしょう。


りそなは社外取締役のメンバーが取締役会の過半数を占めています。もともとは公的資金投入を引き金とする措置でしたが、いまは大企業病の予防策に社外取締役の存在が欠かせないと身にしみています。


社外取締役には経済同友会を通じて知り合いだった花王元副社長の渡辺正太郎氏、トヨタ自動車の常勤監査役を務めた井上輝一氏らが入りました。花王もトヨタも国内を代表するモノづくりメーカーです。銀行の現場を自ら徹底して分析し、サービス改革、ローコストオペレーション、「カイゼン」の概念をりそなに持ち込みました。


私の解釈では、企業は業績が上がれば上がるほど組織に安堵感が広がり、大企業病という形で劣化する特性を持っています。それを防ぐための遺伝子や仕組みを常に組織へ植えつけなくてはいけません。


お金が単なる数字に化けて、モラルハザード(倫理の欠如)に陥りやすいのが金融業界です。銀行は公益性が高いビジネスなのに、「濡れ手に粟」の高額報酬集団と見られてはいけません。


昨年末に発覚したオリンパスの損失隠し事件は、経営陣の一部である種の不正処理の情報を共有化し、頬かぶりを決め込もうとしました。経営陣の談合は最も反省すべき例です。オリンパスは結局、会社全体、社員、顧客、株主、すべての人を不幸にしました。その意味で経営が悪くなる芽をどう摘んでいくかが重要なポイントです。


特定の本をお勧めするというよりは、とにかく活字を多く読んで、そして自分で文章を書いてもらいたい。情報の検索や映像化がとても進歩している現代ですが、そういう頭の使い方ばかりでは、やはり思考力が衰えるのではないかと思うからです。


上手くいっている営業店は、リーダーと第一線との風通しがいい。そして、支店内での縦割りの壁が低く、横方向の風通しも良好です。さらに、リーダーが逃げずに部下からのどんな相談にも応じています。


企業経営は、未知の要因に対して何らかの判断や行動をするものです。決まったことに決まった反応を返すフィードバック能力が問われているわけではありません。この点を改めて認識するべきでしょう。


これからの日本はグローバル経済の一員として生きるしかありません。それを前提に考えると、多様性をどれだけ受け入れられるかが重要だと思います。異質なものを嫌わないことです。


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