粟津恭一郎の名言 一覧

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粟津恭一郎のプロフィール

粟津恭一郎、あわづ・きょういちろう。日本のエグゼクティブコーチ。早稲田大学大学院アジア太平洋研究科国際経営学専攻修了。ソニーに入社。欧州を中心に駐在。その後、コーチ・エイに移りエグゼクティブコーチとして経営者にコーチングを行った。そのほか、中央大学大学院戦略経営研究科客員教授などを務めた。

コーチングは常に一対一で行われますが、これも重要なポイントです。人間関係をつくるのは一対一の積み重ねです。集団での会議をいくら重ねても、部下との距離が縮まることはありません。


部下に質問するときのポイントは「なぜ」や「べき」を避けること。「なぜできないのか」「どうすべきなんだ」という問いでは、萎縮を招くばかりです。


質問をたくさん持っている人、いろんな視点から質問ができる人は、仕事ができる人。質問の質が人生や仕事の質を決めていると言ってもいい。行動がいつも同じ人は、自分のなかで同じ質問だけを続けている人です。


1週間に10分間でも上司と一対一の時間がとれている職場は、組織活性度が高くなることが我々の調査でわかっています。この調査結果によると、単にまとまった時間を設けるだけではなく、部下が「自分のために時間をとってくれている」と感じているかどうかが、組織を活性化させるうえで重要になるということでした。


私はよく人の成長をマラソンにたとえます。「走れ!」と怒鳴られた人は、100メートルや200メートルなら走れるでしょう。でも、マラソンは無理です。マラソンを完走するためには、「走りたい」という自発的なマインドが必要です。部下の成長は一週間や二週間で達成できるものではありません。叱責に頼るばかりでは、部下を育て、組織のパフォーマンスを高めることはできないでしょう。


ときには部下を厳しく叱ることも必要でしょう。すべての叱責が悪いことだとは思いません。ポイントは何を目的にするか。部下を自分の思い通りに動かしたいのであれば、叱責も有効でしょう。でも、部下を成長させたいのであれば、それは効果的ではありません。


ありがちな失敗は、部下の「現在」だけで判断すること。部下の過去や未来に目を向けてみましょう。過去にどういう意識を向けて仕事をしてきたのか。どんな成果をどういう努力によって成し遂げたのか。将来、何を成し遂げたいと考えているか。たとえ情報がなくても、そう考えてみれば、質問のレパートリーは一気に増えます。


私は経営者や役員にコーチングを行っていますが、そのときには対象企業のニュースや経営状態、理念、ほかの役員からのフィードバックなど、さまざまな情報に目を通します。コンサルタントではありませんから、アドバイスをするわけではありません。ただし、いい質問を考えるには、相手のことを知っておく必要があるのです。


最適な質問は、相手によって違います。「個別対応」が必要です。たとえば時間にルーズな部下に対して、いくら「時間を守るように」と注意しても効果は薄いでしょう。「遅刻をする人間が信用されると思うか」という問いでも不十分です。私であれば「仕事をしていくためにはどんな要素が重要だと思う」と質問します。回答のなかに「信頼関係ですかね」というフレーズがあれば、「信頼関係を維持するためにはどういう行動か必要かな」と問いかけます。おそらく「報告をきちんとする」「時間を守る」などと答える。そこで「“時間を守る”とは、具体的にどういうことかな」と投げかけます。ここではじめて、「自分は時間を守れているか」という問いが生まれる。行動を変えるのは自発的な問いです。


イエス・ノーで答えられるクローズド・クエスチョンは、事実確認や情報収集には便利ですが、相手の思考や視野は広がりません。自由に答えられるオープン・クエスチョンは、部下目身に答えを考えさせることになり、成長を促します。


人から尋ねられたことが頭のなかに残って、その答えを探し続けたり、いろいろと発想を展開したりすることで、やがてその質問は内在化されます。上司から「今月の売り上げはいくらか」と質問され続けた部下は、売り上げばかりを考える部下になる。だから、部下とのコミュニケーションは、部下に「どんな質問を投げかけるか」という一点に集約できると思います。


質問と行動は「対の関係」にある。人は何か行動を起こすときに、必ず自分自身に質問しています。その意味で、「できる部下」と「そうでない部下」の違いは、質問の差です。同じ書類を見たときに「ここはおかしい」と気付けるかどうか。それは自分のなかに問いを持てているかどうかの違いです。


コーチングとは、問いかけによって相手の能力を引き出し、その目標達成を促すこと。私たちコーチは、コンサルタントのようなアドバイスは一切しません。また何かを教えるわけでもありません。その代わりに質問をします。


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