窪山哲雄の名言 一覧

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窪山哲雄のプロフィール

窪山哲雄、くぼやま・てつお。日本のホテルマン。ザ・ウィンザー・ホテルズ・インターナショナル社長。福岡県出身。コーネル大学ホテル学部を卒業後、日米の名門ホテルでホテルマンとしてのキャリアを積む。その後、NHVホテルズインターナショナル(のちのハウステンボスホテル事業部)の社長に就任。ハウステンボス内のホテル・ヨーロッパを成功させた。その後、エイペックスリゾート洞爺の経営再建を託され、ザ・ウィンザー・ホテル洞爺として開業し、同ホテルの再建を果たした。

ホテル業界では、遊びや趣味も仕事に活きてきます。たとえば、ゴルフをしたりワインを飲んだりすることは、仕事にも十分役に立つ。でも考えてみれば、存分に遊び、存分に勉強することは、多くの業種や職種で、仕事にも反映できるように思います。


製造業にもホスピタリティーの精神はますます求められるようになるでしょう。技術者もホスピタリティーがなくては、利用者を満足させる製品をつくれなくなるかもしれない。現にトヨタやホンダなどは、ホテルで研修を行うなど、すでにホスピタリティーの重要性に気づいています。21世紀の企業にとって、ホスピタリティーの精神は必須といえるでしょう。


「お客様が第一、自分たちは二の次」といった姿勢は、21世紀にそぐわない。お客様がいま求めているのは、スタッフの心からの笑顔です。心からの笑顔は、滅私奉公の考え方では生まれません。スタッフ自信が精神的に充実していることが求められます。会社はそのために、全面的にバックアップすべきです。


ホスピタリティーを「心のこもったサービス」と定義することもありますが、その神髄は「相手に合わせる」ことにあります。たとえば、ディズニーランドでは小さな子供の目線に合わせるように話しかけたり、対応したりします。決してサービスする側の都合や思惑で対応しない。どんな相手であろうと、相手が心地よく思うところまで自分を変形させていく姿勢こそが、ホスピタリティーの本質です。


仕事の戦略の部分は一段高い立場になって考えるべきです。係長なら部長の立場に立って考えてみる。逆に先述の部分は一段下の立場になって行動する。この使い分けを自在にできるようになると、仕事の成果はいっそう挙がり、人脈も広がり深まることでしょう。


社長である私が部長のように働いたことが大きかったでしょう。通常はほかの役員や部長クラスが出向くところを、社長である私が動いたということです。仮に課長であるなら、顧客や取引先に相対するときには、係長や主任の働きをする。そうすることで、相手との距離は一気に縮まり、信頼関係も深まります。
【覚書き|フランスの有名レストラン「ミシェル・ブラス」に出店してもらうことに成功した時を振り返っての発言】


いまのような乾いたIT社会では、人はむしろ潤いを求めています。世の中のIT化が進めば進むほど、情緒的でアナログな人間関係が求められるようになっていくはずです。


すべてをお客さんの身になって考えることが重要です。モノを買ってもらうことなど考えずに、相手が望んでいること、困っていることを親身になってとことん考え、それに向き合うのです。


ビジネス上の人間関係で大切なことは、一人一人に対して個別の愛情を注ぐことです。


ホテルのようなサービスが商品の世界では、多様化したお客様の個性を重んじ、それに対して個性で尽くすことが求められてきました。このように、個性を尊重しお客さまに深い愛情を注ぐことのできる企業ほど、お客様から愛されるという図式はサービス業だけでなく他業種でも成り立ちます。


ザ・ウィンザーホテル洞爺の前身のエイペックス洞爺時代のことです。あるときスタッフが客室から煙が出ているのに気づきました。「火事か!」と慌ててノックすると、部屋で携帯コンロを囲み、焼き肉をしているではありませんか。お客様が正面玄関に小型トラックを横付けし、ビールやジュースを運び込むことも日常茶飯事でした。それをとがめて殴られ、ケガをするドアマンが続出しました。悩んだ末、私はホテルに高級感を持たせることを思いつきました。工夫のひとつが、長身のドアマンに燕尾服を着せ、山高帽をかぶらせることでした。それが心理的バリアとなり、トラブルはなくなりました。


リピーターのお客様への案内状をお送りするとき、高級ホテルだからといって、重みのある文章にはしません。できるだけ親しみやすく、平易な文章で表現するようにします。それにより、一層ホテルに親しみを感じてもらえるようになるのです。


ザ・ウィンザーホテル洞爺を世界で通用する本格リゾートホテルに育てたい。そう奮い立って重視したのは、私どもが提案するライフスタイルに共感するお客様に来ていただくための、それも何度も来ていただくためのマーケティングです。食文化や北海道の大自然を体感できる上質なリゾートでの過ごし方を提案してきました。


文面の親しみやすさと、内容の格調高さは決して相反するものではありません。アメリカのベストセラー作家、シドニィ・シェルダンの本は、わかりやすい言葉で書かれていますが、子供だけでなく、大統領も読んでいます。


日本のホテルは外資にやられっぱなしです。日本人が運営するホテルが次なる目標です。


一時は、バブル崩壊の象徴として、そのまま風化させようかという声もありました。ホテルマンとしてはこれは何とかしなきゃという気持ちでした。
【覚書き|バブルの末期に北海道拓殖銀行の資金で建設された高級会員制リゾート、エイペックスリゾート洞爺が経営破たん。そのホテルの運営を引き受けたものの、拓銀の破たんで営業停止に。その後、セコムグループの支援を受け、ザ・ウィンザーホテル洞爺として経営再建を果たした。上記発言は拓銀破たん時を振り返っての発言】


ほとんどのお客様は、サービスを提供する側と同格の立場になりたいとは思っていません。親しみをもって接するのと、馴れ馴れしくするのはまったく別です。矩(のり)をこえない、つまり節度を保つことが大切です。お客様が距離を縮めて接してきたら、その半分ほどの加減で戻すのが、ちょうど良いかもしれません。


我々は従業員にマニュアルを渡して、これを読んでこの通りにするように、といった指導はしていません。たとえば、年配の男性がホテルにいらして、「トイレはどこですか」と聞いたとしましょう。このシチュエーションで新入社員を指導するとき、私はマニュアルを示しません。でも、ひとつだけヒントを与えます。「どうしたら、その方を喜ばせてあげられると思うか」と。そして、思ったことをやらせます。すると、ある社員は「あちらです」と手で指し示すし、別の社員は一緒に歩いて案内したりする。前者よりは後者の方が望ましいのですが、それでも不十分です。より望ましいのは、お客様がトイレから出てくるまで、トイレの前で待っていることです。もちろんこれは、たとえば年配の方でお顔の色がすぐれないなど、お体の調子がよくないと観察した場合の話です。若いお客様にそうした対応をしたら、うっとうしいと思われてしまいかねません。その意味でも、一人一人のお客様に合わせたサービスが必要になってきます。こうしたケースをいくつか実践で行わせ、マニュアルを示すのはそのあとです。


「は」と「ほ」がとても大切です。「は」とは、お客様がハッとする非日常のワクワク感やドキドキ感のことです。「ほ」とは、お客様がホッとする日常の安らぎのことです。こうした場を提供できるのはITではなく、ヒューマンウェアであり、愛情であると思っています。


情報が溢れて、過多になっている分、逆にどこのホテルが自分にとって良いのか、分からなくなっている人も少なくありません。こうした状況だからなおさら、サービスする側がお客様に合わせてサービスを提供していく。この基本をしっかり踏まえている限り、お客様は支持してくださるはずです。


ホスピタリティーは相手に合わせることが基本です。これはつまり、お客様一人一人に合わせたオーダーメイドのサービスです。かつてはクリスマスが最大のイベントでした。でもいまはそれ以上に、誕生日や結婚記念日といった個人の催事がより重要になっています。ホテルのイベントにお客様を引き込むのではなく、お客様のイベントや個々の嗜好、カルチャーにホテルが合わせるのです。


私はCS(顧客の満足度)とES(従業員の満足度)はイコールにできると考えています。従業員はお客様をもてなすことに充足感を得るわけですから、お客様が満足すると、従業員は当然嬉しくなります。


リピーターのお客様ほど、ヒューマンウェア→ソフトウェア→ハードウェアの順でホテルを評価します。ホテルの真価が問われるのは、人の部分であるといってよいでしょう。


顧客がホテルに求めているものは、最終的には、人との触れ合いであり、感動だと思います。ホテルには「ハードウェア」「ソフトウェア」「ヒューマンウェア」の3つの付加価値があります。初めていらしたお客様はハード→ソフト→ヒューマンの順番に心を動かされます。たとえば、豪華な内装にハッとして、素晴らしいと感嘆してくださる。そして次に、ワインの注ぎ方ひとつにも驚き、ときめいてくれる。でも、そうした付加価値は3度、4度……と続くうちに慣れてきて、お客様はあまり感動してくれなくなります。それでも、いつまでも色あせることなく、お客様の心をとらえるものがあります。それがヒューマン、すなわち人によるおもてなしの心と行為なのです。


ホスピタリティーの根本的精神は、お客様を愛する気持ち、すなわち愛情です。ここでいう愛情には二種類あって、ひとつは「母性愛」。母親が子を思うように、見返りを求めず、奉仕する心です。そして何でも許す心です。もうひとつは「父性愛」です。これは技術ということもできます。プロとして高い技術を持っていないと、お客様に奉仕することはできません。このふたつの愛情が両輪になり、バランスよく回って、ホスピタリティーは初めて可能になります。


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