福原正大の名言 一覧

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福原正大のプロフィール

福原正大、ふくはら・まさひろ。日本の教育者。グローバルリーダー育成の「IGS(Institution for a Global Society)」設立者。東京出身。慶應義塾大学経済学部卒業後、東京銀行勤務、仏INSEADでMBA取得を経て、世界最大の資産運用会社バークレイズ・グローバル・インベスターズに入社。同社最年少マネージングダイレクター、日本法人取締役などを務める。世界レベルのリーダーの中に日本人がいないことに危機感を覚え、金融から教育の世界に転身。小中高生向けグローバルリーダー育成の「IGS」を設立した。

日本の入試は中学から大学まで、答えはひとつであるという前提でつくられています。それに合わせて学校でも、答えがある問題を出して、その解き方を教えています。そういった教育を通して「答えはひとつ」と植えつけられているから、答えが出ない現実の問題に対応できない面があるのではないかと思います。


私が海外留学したとき、日本を出てはじめて気づいた日本のいいところがたくさんありました。たとえば安全であることや、個人よりも集団を思いやる気持ちは本当に居心地がいいですし、四季にもとづいたきめこまやかな美意識もすばらしい。海外に行った人たちは、海外で暮らすことでそれに気づき、また戻ってきてくれると思います。


IGSで行っていることのひとつはリーダー教育です。月に2回ぐらい、世界で活躍をされていらっしゃる日本の方にきていただいて話をしてもらいます。子どもたちにロールモデルを見せるのは、とても大事なことなので。それと私が先生になって哲学的な教育といいますか、子どもたちに自分の頭で考えて議論させる授業をしています。


日本企業は、上の意見に服従してくれる人のほうが都合がいい。だから「答えはいくつもある」なんて難しいことを言う人より、自分たちのカルチャーに染められるように、「とにかく頑張ります」と言う人を積極的に採ってきました。外資は逆に新卒を敬遠します。というのも、経験のある人なら自分の考えがあって、会社をいい方向に動かしてくれるだろうという発想で採用するから。日本とはまったく違います。


欧米なら、上に嫌われてクビになっても他の会社でやり直せます。でも日本は終身雇用が前提の企業が多く、転職も難しい。定年まで同じ会社に勤める前提だと、上の意見に逆らうことはできないでしょうね。


残念ながら日本の場合は、先生が一番偉くて、生徒は知識を一方的に与えられる人になっています。先進国に追いつく過程においてはそうした教育も効果的でしたが、日本は1990年代前半にアメリカに追いついてしまった。知識を与えられるだけの教育では、その瞬間に、誰も絵を描けなくなってしまう。それが「失われた20年間」につながったのかなと私は考えています。


アメリカのリベラルアーツカレッジを訪問したときに、ある学長さんが「コミュニティをつくれる人間を育てることが、大学のあるべき姿だ」と話していて、非常に印象に残りました。コミュニティは上から与えられるものではなく、一人一人が教育を通して考え、つくっていくものだと思います。


先日、日本のある学校の授業を見学に行って驚きました。せっかく自由と平等について授業をやっているのに、先生が「こういう理由で、こっちの考え方がいい」と答えを押しつけていました。これじゃ生徒は自分の頭で考える力が身につかないでしょう。


フランスと日本の教育は入試問題からまったく違います。フランスの高校卒業試験であるバカロレアでは去年、「あなたは自由と平等、どちらが大切だと思いますか」という問題が出ました。これはどちらを選んでもよくて、なぜ自分はそう考えたかを論理的に説明することが求められるわけです。一方、日本のセンター試験の「倫理社会」では、「○○主義を提唱したのは誰ですか」という答えがひとつしかない問題が出ます。しかも四択や五択です。


日本人とフランス人のハーフの友人がフランスに転校になり、日本で解いたことのある問題がテストで出たそうです。彼女は日本で習った通りの答えを書いたのですが、結果は0点。彼女の母親が「うちの娘は正しいことを書いている」と抗議にいくと、先生は「この解答には彼女の考え方がまったく入っていない。これでは世界に対する彼女の付加価値がゼロだ」と説明しました。つまりフランスでは、正しい知識を得て終わりではなく、自分が知識を使って世界にどのように貢献するのかということを常に問われるのです。


私が教育に興味を持ったきっかけは、外資系の金融機関にいたとき、世界レベルのリーダーの中に日本人がまったくいないこと気づいたことです。金融業界のトップは多様です。欧米の人だけでなく、私のいたバークレイズではインド人がナンバー2を務めていたし、中国人や韓国人もたくさん活躍していました。それに対して日本人はまったく見ない。金融業界だけではありません。産業界で世界標準を決める場面でも日本人が話すことはないし、国際機関においても、日本は出しているお金に比べて人の数が圧倒的に少ない。それはなぜかと考えたときに突き当たったのが、教育でした。


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