福井威夫の名言 一覧

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福井威夫のプロフィール

福井威夫、ふくい・たけお。日本の経営者。ホンダの社長。東京都出身。早稲田大学理工学部応用化学学科卒業後、ホンダに入社。四輪車用エンジン開発に携わったのち、二輪ロードレース世界選手権(WGP)参戦用マシン開発チーム開発責任者となる。ホンダ・レーシング社長、本田技術研究所常務、本社取締役、本田技術研究所専務、本社常務、米国生産子会社社長、本田技術研究所社長、本社専務などを経て社長に就任。

非常に大事なものを得るために、優先順位が2番目、3番目のものを捨てることが必要なときがあります。


仕事をこなしているだけでは駄目です。仕事を楽しむことが必要です。そうすれば成果である商品も、他社とは違ったものになります。


コミュニケーションも含めて、信頼関係の大切さを実感しました。いくらいい話をしても、信頼してもらえなければ終わりですから。大切なのは、お互いの信頼関係だと思うんです。だから現場にもなるべくいきました。


ホンダの基本理念に「人間尊重」があります。私が考える人間尊重というのは個性尊重です。人間には、オリジナリティがあって、それぞれ個性が異なります。ですから、人とは違う個性を活かして、目いっぱいやりたい仕事をやってくださいよということです。


安易な間違いはしないように厳しく伝えていますが、必死に考えても、どうしようもない間違いはある。だから思い切ってやってほしい。お客様に迷惑をかけなければ、会社に多少の損害があっても、それは将来のための投資だと思っています。


私は失敗を気にせず、好きなことをどんどんやれと言っています。本来ならば、失敗はあってはならないことです。しかし、新しい技術に挑戦していくうえで、失敗は当たり前なんです。


以前、ホンダミーティングで、私はF1マシンに乗りました。その狙いのひとつは、社内に対する「好きなことをどんどんやれと」いうメッセージです。あんな馬鹿なことをする社長はそういないですよ。F1マシンに乗りたきゃ乗れというわけです。


20歳そこそこで就職して、40年近く会社で1日10時間くらい働くわけでしょう。人生のほとんどが、仕事です。もちろん趣味は持っていいわけですが、まず仕事が楽しくなくちゃいけません。


アメリカでスピーチの構想を立てる際、過去の様子を聞きました。すると、日本人の英語は、何をしゃべっているのか、ほとんど理解できないというのです。ですから、スピーチを聞こうとしないんですね。スピーチはまず聞いてもらうことが重要です。そのためには、ビジネスプランの話は一切やめて、明るい話題とか、社員個人のベネフィットなど、もっと身近で、聞きたくなるような内容の話をしなきゃいかんと思いました。


「大学での勉強など役に立たない」と、ホンダではよく言います。私も先輩にそう言われました吉野さん(吉野浩行社長)などは東大で講演したとき、「ホンダに入るには何を勉強すべきですか」と学生に質問されて、素直に「大学で習うことは役に立たない」と答え、大学の先生に「呼ばなきゃよかった」と落胆されたという笑うに笑えない話もあります。


創業者本田宗一郎の時代から「現場・現物・現実」の三現主義に徹してきたホンダでは、現場で仕事を通して学ぶことが求められます。私も入社したときからその洗礼を受けました。社長職にあった本田さんは毎日のように現場にやってきては問題点を見つけ、我々に宿題を出していきました。「こんなの可能なのか」と思えるような難題です。次の日もやってきて、解決できていないと、「まだやっているのか、バカ野郎」と怒鳴られる。毎日が必死でした。


想像を超える困難な状況の中で、自分で何とかしないとダイレクトに結果に表れてきます。誰も教えてくれない。失敗はしたくないが、失敗を恐れていたら何もできない。必要な情報や知識をどんどん吸収し、あらゆる力を一点に集中して突破する。そして、見事成功したときは達成感に浸る。こうした修羅場体験を経ると、ひと皮も、ふた皮も向けて力をつけることができます。


本田宗一郎も、技術屋は技術を究めるが、原点は人であり、何のために技術を使うのか哲学を持たなければいけないと繰り返し語りました。現場で修羅場体験を通して働く知恵を学び、同時に教養的な世界を深めて、人間としての生き方の基本をしっかりと持つことが重要です。


迷路の行き止まりに突き当たったら、本当に根本的な失敗なのか、それとも方向性は間違っていなくて、やり方に問題があるのか徹底的に解析するのです。そして、それ以上先へは絶対に進めないという確信が持てるまでは、引き下がってはいけません。ここで突き詰めれば、失敗しても新しい方向性が浮かび上がり、価値ある失敗にできるのです。


「大学の勉強など役に立たない」と私に話した先輩はこう続けました。「会社に入ってからの生活は40年も続く。毎日1時間でいいから勉強しろ。本を読め。活字を通して学ぶことも重要だ」と。


ホンダはものごとの本質を本当にまじめに議論する会社です。それがときに世の中の常識と必ずしも一致しなくても、常識に惑わされず、本質論はどこにあるのかを突き詰めます。ホンダジェットも小型ビジネスジェット機の目指す本質はどこにあるのか、しっかり見据えたからこそ、担当者たちは業界の常識を打ち破り、修羅場を乗り越えたのでしょう。


ホンダジェットの開発チームは、困難な課題、打ち切りを検討する本社、冷ややかな同業者の目線など、まさに修羅場の連続だったでしょう。だから、迷路の行き止まりに見えても、徹底的に解析し突破口を探り当てました。


人間は厳しい状況におかれないと、突き詰めて考えようとはしません。最悪なのは一度こっちへ行って、駄目ならすぐ諦め、今度はあっちへ行こうとすることです。それでは永遠に目的地に到達できないでしょう。


思い描く到達点に至るまでには数多くの経路があり、まるで迷路です。あるとき、行き止まりに直面する。絶対に到達点にたどり着けないなら、それは失敗で別の道を行かなければなりません。一方、本当は到達点へ続いているのにそこで諦めるなら、永遠に到達することはできません。


集中力で貪欲に学んでも成功は容易ではなく、失敗の連続です。問題はそれを「価値ある失敗」にできるかどうかです。


海外の現地法人の少数部隊に若手を送り込み、自分で回さないと何も進まないような状況に追い込むことは、上から教えるより、はるかに効果的な学びの場になるはずです。


いまの量産車に、F1の技術が直接応用される部分は少なくなりました。好成績をあげてもかつてほどには販売に結びつかない。それでも世界の頂点を目指してF1参戦を続けるのは、技術者たちにとって修羅場を経験する最高の道場だからです。修羅場を経験させるために、年間100億円単位の予算を投入する。会社が主人公なのではなく、自分が主人公になって学び、やりたいことを実現していく人材が育成できるなら、惜しくはありません。


組織が大きくなると、自分は何もしなくても業績に影響しないような状況が生まれがちです。大企業病が蔓延する。そうならないよう、社員をいかに追い込んでいくかが重要です。


現場で仕事に取り組むと壁にぶつかり、突破しようと貪欲に勉強します。重要なのはこの貪欲さが生まれる環境でその極致が修羅場体験です。


新型インサイトの開発で徹底したのは、実装燃費でライバル車に引けを取らないことと、ガソリン車との価格差を20万円までに抑えること。これが必須の条件でした。トヨタのプリウスが赤字を覚悟で値下げで対抗しても、インサイトの方がまだ十数万円安い。プリウスに十数万円分の付加価値があるかどうかはお客様に判断してもらえばいいのです。当然インサイトはあの価格で利益を出しています。


一時期、400万台クラブという言い方が自動車業界では流行りましたが、いま苦しんでいるのはまさに年間生産量400万台以上の会社であり、利益を出しているのは比較的小ぶりな会社です。とくに経済が厳しいときは、図体が大きくないほうがいいのです。


クルマがどんどん売れるのに生産が間に合わない場合でも、ホンダは思い切って設備投資することを控えてきました。むしろ少しずつ投資をします。「小さく生んで、大きく育てろ」という言葉が社内に残っているくらいです。そのために機会損失、いわゆる儲け損ないはあるかもしれませんが、反対に需要が急減して逆回転を始めたらこんなに怖いことはないのです。


「なぜ、この時期に社長を辞めるのですか」と聞かれることがあります。会社を立て直すのがあなたの役目じゃないかというのです。しかし、新しい執行部は、この厳しい時期を乗り切ることでチームワークを固めるでしょう。私が陣頭指揮をとりつづけても危機突破はできるでしょうが、その後の成長を考えると若いメンバーに託したほうがいいのは明らかです。だから、あえてこの時期に社長交代に踏み切りました。
【覚書き|リーマンショック後に社長を辞任し、相談役に退いたことについて語った言葉】


結果として販売台数が一番になれば、それに越したことはないんですけれど、それを最初に考えちゃいかんのです。まずは中身です。会社の中には販売の現場など、数を追う人がもちろん必要ですが、企業のトップから従業員の一人一人まで全員が数を追っては駄目だということです。


商品の質でいえば、生産のプロセス、開発段階や生産工程までさかのぼって、品質を作りこんでいく。商品を作り終えた完成車検査で、いくら厳重なチェックをしても、しょせん水際作戦です。そんなことをしていては、必ずどこかで落ち度が生じるのです。


ホンダではこれからの方向として「源流強化」をテーマに掲げています。これは現場・現物・現実の三現主義に基づき、開発・生産・購買・営業・品質・管理といったあらゆる領域で、ものごとの本質を追求していこうということです。ホンダを含めて、世の中の全体がビジネスにおいて目先の利益にとらわれすぎていると思うんです。販売台数や利益をがむしゃらに追いすぎる。多少の時間はかかってもいいから、もっと根底にある部分をしっかりやっていこうということです。


どうして世界に先駆けてCVCCのようなエンジンができたかと言うと、物事の本質を考え抜いたからだと思います。考えに考えて、ようやく最後に行きついたのです。とことん考えているから、これと決めたら後戻りしない。これが本質論です。


私が入社した当時、ホンダは後発メーカーだからリソース(経営資源)が少なかった。研究所の体制にしてもそうです。国外にビッグスリー、国内には大手がいる中で、ホンダは本田宗一郎の指揮のもと、本社が一丸となってドーンとパワーを出した。1971年に発表した低公害のCVCCエンジンはまさにそういう結果から生まれた。


ホンダ技術研究所には「研究所は技術を開発する場所ではなく、人の思想の集まる場所である」というフィロソフィー(哲学)があります。まず「こうありたい」という人の思想があって、その次に来るのが技術。つまり技術はあくまでも手段なのです。技術が先行した、思想のない技術は危険です。ですから、志というものをすごく大切にしています。


成功体験だけでは有頂天になり、うぬぼれてしまいますので、同時に失敗も経験させる。満足の頂点から一転、どん底まで落ちることで、さらに努力を重ねて結果を出し、以前の数倍の感動を得る。こうした経験を積むことで、個性の強い人材が育つのです。


レースではシリーズチャンピオンや年間チャンピオンなどの大きな成功のみならず、予選の勝利など小さな成功をいくらでも体験できます。ですから若いエンジニアは、レース活動に参加することでそのような成功をいくつも味わい、感動を得ることによって、普段の数倍の力を発揮するようになるのです。


研究者を鍛え活性化させる「場」が、わが社でいえばレースです。ホンダには「カンボコ」という言葉があります。これは「感動」と「ボコボコ」に叩かれていることを意味します。すなわちレースにおいて成功と失意を繰り返し体験することを意味しています。成功体験だけでは有頂天になり、うぬぼれてしまいますので、同時に失敗も経験させることで個性の強い人材が育つのです。


安易な間違いはしないよう厳しく伝えてはいますが、必死に考えてもどうしようもない間違いはある。だから、思い切ってやってほしい。お客様に迷惑をかけなければ、会社に多少の損害があっても、それは将来のための投資だと思っています。


私は失敗を気にせず好きなことをどんどんやれと言っています。本来ならば失敗はあってはいけないことです。しかし、新しい技術に挑戦していくうえで、失敗は当たり前なんです。


生きることは言ってみれば「仕事をすること」なんです。20歳そこそこで就職して、40年近く会社で一日十時間くらい働くわけでしょう?人生のほとんどが仕事です。もちろん趣味は持ってもいいですが、まず仕事が楽しくなくちゃいけない。「ホンダの三つの喜び」のなかに、つくる喜びが入っているのは、ホンダは滅私奉公じゃないんですよということなんです。仕事から喜びを感じよう。また、喜びを感じるためにいろいろなことをやりましょう。そうすれば、成果である商品も他社とは違ったものになる。


ホンダの基本理念には「人間尊重」と、「つくって喜び、売って喜び、買って喜ぶ」という三つの喜びがあります。私が考える人間尊重というのは、個性尊重です。人間にはオリジナリティがあって、それぞれ個性が異なります。ですから、人とは違う個性を活かして、目いっぱいやりたい仕事をやってくださいということです。三つの喜びはそのことを言っているのです。仕事をこなしているだけでは駄目で、仕事を楽しもうということです。


米国でのスピーチの構想を立てる際、過去の様子を聞きました。すると、日本人の英語は聞きづらいというのです。ですから、スピーチを聞こうとしないんですね。スピーチはまず聞いてもらうことが重要です。そのためには、ビジネスプランの話はいっさいやめて、明るい話題とか、社員個人のベネフィット(利益)など、もっと身近で聞きたくなるような話をしなきゃいかんと思いました。


HAM(ホンダ・オブ・アメリカ・マニュファクチュアリング。ホンダの米国生産子会社)では毎年1・2回、アソシエート(従業員)の代表1・2名がプレジデント(社長)と会話する機会があるんです。大勢の中から選ばれるのでしょう。嬉々としてやってくるんです。なにより話すことが大切なんです。彼らは私の思いが聞きたいのです。コミュニケーションも含め、信頼関係の大切さを実感しました。いくらいい話をしても、信頼してもらえなきゃ終わりですから。大切なのは、お互いの信頼関係だと思うんです。だから現場にもなるべく行きました。


人間はそうとう高等動物です。だから本当のところ、成果主義では一生懸命働かないわけです。もう少し上位概念の意義が必要です。組織の中で自分は認められているんだという存在意義がないと、一生懸命に働くことはできません。給料、つまり数値で差は付くんですよ。しかし、これがすべてじゃない。もっと重要なことがあるということです。


新入社員が「志」を持っていると思うのは間違いで、そういう方向に会社が引っ張っていかないといけないのだと思います。そういうホンダの企業風土に馴染みながら、また新しい風土を作っていってほしいですね。


「志」というのは、社会貢献や地球環境など、自分の利害を超えた、もっと高い次元の目標だと思います。自分の利害は当然追い求めていいわけだけれど、それにとどまらずもうちょっと高い目標を持ってやろうというのが「志」なんですね。企業にも同じことが言えますが、そうすれば必ず社会やお客様に認められるし、選別してもらえると思います。


私が提唱する「志・技・質」とは、従業員一人一人が思い描いている志、持っている技術力、そして仕事の質ですね。この「志・技・質」を高めることを会社全体の目標にしています。「志・技・質」を軸として、ホンダブランドの中身を一層強化していきたい。そこに焦点を合わせて、会社の力をため込みたいと思っています。


ホンダは2輪車では世界一だが、4輪車ではまだまだほかに大きな会社がある。ライバルがなかなか動けない時こそ、ホンダは俊敏に動く必要があった。


つらい決断をして大切なものを捨てたけれど、得られたものは非常に大きかった。


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