白石達の名言 一覧

このエントリーをはてなブックマークに追加

白石達のプロフィール

白石達、しらいし・とおる。日本の経営者。建設会社の大林組社長。大阪出身。東京大学工学部建築学科卒業後、大林組に入社。建築部門でオフィスビルや工場などの建設工事を担当し、取締役、東京建築事業部副事業部長、常務取締役、常務執行役員、専務執行役員東京建築事業部長などを経て社長に就任。

原価は生もの。人についてくる。


「技術の開発力と適用力」「営業の企画提案力」「現場における生産性向上力」の3つの力が必要だと私は考えています。


一番困るのは、結論が出るまで動かず、その結果を最後まで変えない頭でっかちな人間です。そんな人は変化に取り残されるでしょう。


ITだけでは生産性は向上しません。もうひとつのカギを握るのが人間のマネジメント能力です。


人間、失敗を経験したほうがより成長します。失敗を恐れずに自分の考えを主張し、途中失敗しても最後に成功したら、「ほら、上手くいったでしょう」と胸を張ればいい。私自身、そうでした。


私は曖昧さが好きです。ものごとをあまり堅く考えません。何か新しいことを始めるときにも、最終的な結論を出してから動くのではなく、新しい可能性が見えたら、原案をもとにまず動き始め、その都度判断しながら、変える必要があれば変えていくやり方です。


いまの時代、最終的な結論が出るまで何もしないでいたら、環境の変化、顧客のニーズの変化、技術の進歩などなど、めまぐるしく変化する不確実性の高い時代には、動きながら考え、一度始めたことでも間違っていると思ったら、いつでも変えていいし、止めるのもひとつの選択肢です。とくに現場は生き物ですから、朝と夕方では状況が変わっていることもあります。こうした状況下では朝令暮改も必要です。


これから何が一番欲しいかといえば情報です。現場のマーケットやプロジェクトの情報をどう吸い上げるかが重要です。米海兵隊のグアム移転に伴う現地のインフラ整備に日本から唯一入ることができました。それは早くからグアムに社員を常駐させ、情報収集させたからで、情報戦の勝利です。今後は情報収集をよりシステム化していきます。


損失を出した分、契約でリスク管理をする重要性を学びました。これからは海外が舞台でも十分に戦えます。
【覚書き|ドバイで受注した都市交通システム建設工事で巨額の損失を計上したことを振り返っての発言】


ゼネコンが海外事業で赤字を出す一因は、ある種のガラパゴス化にあります。日本の公共事業では、契約外で追加の工事が発生した場合、内容が正当であればほとんどが認めてもらえます。しかし、海外では、たとえ発注者からの指示による追加工事であったとしても、契約書の締結がなければ、発注者からは支払われません。自分たちのやり方が世界で通用すると思い込んだその認識が甘かったのです。


ゼネコンは外注率が80%に達し、自動車産業などと同じ、アセンブリー産業です。現場には常時100社くらいの協力企業が出入りしますから、マネジメントはゼネコンにとって一番大きな仕事ともいえます。ハードの技術と並んで、段取りに代表されるソフトの技術が我々の最大の売り物なのです。


問われるのは段取りの能力です。現場責任者の段取りがよければ、協力会社さんも無駄や手戻りがなくなるのでコストがかかりません。逆に段取りが悪いとコストが膨らみます。そこで、協力会社さんも現場責任者の仕事をよく見ていて、能力の高い責任者がいる場合、見積もりが変わったりします。「原価は生き物。人についてくる」、現場の人間にはいつもそういって、ハッパをかけています。


すべての職員が企画提案力を身につける必要があると思っています。管理業務を担っている職員も例外ではありません。管理する業務はできるだけコンピューターに任せて、職員自身は動きながら事業を組み立てていく意識を持つことが大切です。


PDCA(計画、実行、評価、改善)サイクルの中で最も大切なのは、プランを立てる企画力です。人が思いつかないようなプランを考え出せるかどうかです。


リーダーはPDCA(計画、実行、評価、改善)サイクルを回していくことができるかどうかです。動きながら考え、必要に応じて修正していくということ。


我々はアラブ首長国連邦のドバイで都市交通システムを建設しましたが、異文化の国や地域と接するときは、いかに大きな捉え方の中で相手側と合意点を見つけていくかが成否を分けることを学びました。


海外で仕事をする場合、スキルやテクニックよりは、向き不向きといった適性の問題の方が大きいでしょう。あえていえば、海外ではいい加減な人間の方が上手くいくように思います。大きなところが合っていれば、小さなことはこだわらないタイプです。この場合のいい加減には2つの意味があって、大きな視点で良い加減の着地点さえ見逃さなければ、細々としたところは適度な加減でいいと割り切れる。反対に杓子定規に進まないと気が済まない几帳面なタイプは海外には向かないかもしれません。


もちろん、大きな失敗は避けなければなりませんが、そうでなければ部下にあえてやらせます。建築や土木は経験工学といって、理論だけでなく、経験を生かして新しいことに取り組み、技術を進化させていく面があります。ですから、若い部下たちに対しても、なぜ失敗するのか言葉で説明し頭で理解させるより、一度やらせてみるのが一番よくわかります。


私は、自分の考えを主張しない人間より、しっかりと主張する人間の方が成長すると思っています。だから、現場で部下に指示する立場になったときは、大きな方針だけ出して、小さな方針については下から上がってくる案をやらせる形をとるなど、主張させる場を必ず設けました。


現場には常時多くの協力企業が出入りします。現場監督にとって一番大きな仕事はマネジメントであり、必要な資材が必要なときに必要なだけあるようにする段取りの能力が最も重要です。この段取りの力は現場でしか学べません。


いまはこうやると上手くいくという成功事例や、これが原因で失敗したといった失敗事例がコンピューターの中にデータベース化され、誰でもアクセスできますので、多様な疑似体験ができるようになっています。ただ、仕事の勘所はいまでも現場でのOJTを通してでないと身につきません。


工事現場での経験を重ねるうちに、気づいたことがあります。職人は現場の工事責任者の仕事ぶりをよく見ているんですね。工事を進める段取りがよい人のところで働けば、作業のやり直しが少なく、おのずと職人の稼ぎもよくなります。だから能力の高い工事責任者がいる現場には、人が集まる。


この数年、ゼネコンが海外事業で赤字を出すケースが続きました。自分たちのやり方が世界で通用すると思い込み、ガラパゴス化していたのです。海外で仕事を始めたころの原点に帰る必要があるようです。


人名ランダムピックアップ


経営・ビジネス・投資・仕事・お金・経済的な分野で成功を収めた人たちの名言を収録しています。

ページの先頭へ