町田勝彦の名言 一覧

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町田勝彦のプロフィール

町田勝彦、まちだ・かつひこ。電機メーカーのシャープの社長・会長。京都大学農学部卒業後、乳業会社を経てシャープの前身である早川電機工業に入社。一貫して営業畑を歩む。他社に先駆けて液晶テレビに集中し、世界シェア一位を獲得。AQUOSは液晶テレビのトップブランドになり同社に大きな利益をもたらした。太陽電池、世界初のカメラ付き携帯電話などで大きなシェアを獲得した。

メーカーの経営者は10年くらい腰を据えて経営にあたるべきだ。


小が大を相手に戦って、勝たなければ生き残れない。しかし、小さな会社が規模という土俵の上で売り上げを武器に勝負を挑んでも、勝ち目はまずない。そこで考えたのがナンバーワンよりオンリーワンを目指すという明確なビジョンを掲げた経営方針である。オンリーワンが確立できれば、他社製品と差別化を図ることができ、同質競争や価格競争に巻き込まれずに済む。


優れた機能を、効果的な方法で伝えれば、モノは確実に売れる。


2000年元旦よりスタートした液晶テレビキャンペーンは、その後も3年ごとにテーマを変えながら継続して8年間続けた。基本コンセプトに変化はない。理知的で落ち着いた雰囲気は一貫して守られている。実売を狙う商品宣伝であれば、機能特長訴求で目先を変えていく方が効果的だろう。そうしなければ、マンネリに陥り、飽きられてしまう。しかし、ブランドというものは、長い時間の中で築かれていくものなので、ブランドの確立にはそれなりの時間が必要なのである。


祖父からは商売について多くのことを教わった。いまにして思えば、それが帝王学だったのかもしれない。「商売は10年やったら3年は損する。5年はトントンで、儲かるのは2年。事業なんてそんなもんや」忘れられない祖父の口癖だ。経営者の心構えを説くいい言葉だ。その言葉はいつも私に、危機感と緊張感を与え続けてくれている。
【覚書き:町田氏の祖父は肥料の製造販売を行っていた商売人で、町田氏が小さいころから商売の現場を連れ歩いた】


いま世界は急激に変化しつつある。厳しい経済状況の中での舵取りはかなりの困難を伴うに違いない。しかし視点を変えれば、この状況は海外に存在感を示す大きなチャンスでもある。


トップには多少上手くいかなくとも強引に引っ張っていくリーダーシップが要求される。しかしもっと重要なのは、この制度しかないという強い信念と、何が何でもやり遂げるという本気の覚悟だ。継続することでしか会社の風土は作られないからだ。


オンリーワンの商品を開発するために大切なのは、二つの考え方である。ひとつは、他社にないオンリーワンのキーデバイス(テレビにとっての液晶パネルなどのような製品の中核となる部品)を開発し、それを自社の商品に組み込むことで、他社にないオンリーワン商品をつくるやり方。もう一つはカメラ付き携帯電話のような通信、映像、液晶、情報、半導体など、それぞれ異分野で開発された技術を一つに融合させ、新たな付加価値を創出するやり方だ。


お客さまからの苦情や意見をデータ化しただけでは、真の意味でのフィードバックはまだ完成ではない。データの裏にある悩みや怒りといった感情が伝わってこない。さっそく、各事業部の技術部長クラスが、交代で電話オペレーターをする制度を作った。技術部長たちは商品についての相談や苦情などをお客さまから直接伺い、部下に伝える。データでは伝わらなかった消費者の声を、次の商品に反映させるのだ。


ルーティンワーク(毎日定期的に行う繰り返しの仕事)は、慣れて来ればいくらでも楽ができる。しかし、それではオンリーワンの商品は生まれない。流れ作業にならないよう、どんな仕事もこれでいいのか、これでいいのかと繰り返しチェックしてほしい。


胸襟を開いて思いのたけをぶつけなければ、真の意味での対話はできない。部下を警戒させる姿勢は禁物だ。裃(かみしも)を着て見下すようでは駄目だ。ざっくばらんに語りかえれば、腹を割った会話ができる。そうすればベクトルは合ってくる。あえて隙を見せ、緊張感を与えない話し方がリーダーには求められる。


中途半端は駄目です。やるなら徹底的にやらせてください。ブラウン管よ、さようならです。
【覚書き:社長就任後間もないころの重役会議での発言。ブラウン管を全廃し、当時まだ普及していなかった液晶テレビに全資源を投入すると宣言した時の言葉。】


企業は組織の力で動く。つまり利益を上げるには、組織を構成する社員をいかに育てるかに尽きる。社長一人では何もできない。それが、リストラをせずに終身雇用を守る企業理念にもつながっている。


リーダーに要求される大切な資質は、予見力、構想力、実行力の三つだ。なかでも予見力は最も重要な資質である。先を読む力がなければ、事業化する構想は生まれないし、実行に移すこともできない。


サラリーマンには移動や転勤がつきものだ。働きなれた職場を変わることに、心理的抵抗は必ずあるだろう。しかし、そこに好奇心があれば、進んで新しい環境で挑戦してゆくことができる。なんでも楽しんでチャレンジする。それは人間の幅を広げてくれる。


ライバル会社も、隣の部門も、同期で入社した同僚も、誰もが同じように努力を重ね、同じように頑張っている。その中で現状に満足しない気持ち、すなわち「もうちょっとの心」を持って事にあたれば成果が差となって現れてくる。会社は社員一人一人の「もうちょっとの心」で進化してゆくものだ。


終身雇用の弊害は忘れてはならない。終身雇用には、油断すると社員がぬるま湯に浸かってしまうという危険が潜んでいる。そのため成果主義、実力主義を導入して、給料やボーナスに大きな差がつく制度を確立した。生活は確保するが厳しさは必要である。


経営資源にはヒト、モノ、カネがある。とくに独創性のある最先端技術の開発にはヒトが重要な役割を果たすものだ。社員の個性を組織の中で十分に発揮させることができれば、会社は他社との競争に勝つことができる。だから、雇用の安定こそオンリーワン経営を支える大切な柱なのだ。


シャープとはどんな会社なのかと自問した時、ハッと気が付いた。他社に真似される独創的な商品を作るのが創業以来のシャープの遺伝子であり、企業風土ではなかったか。シャープには時間をかけて培った風土があるからこそ、独創性のある技術を育てることができるのだ。経験豊富な人間がリストラによって会社を去れば、積み重ねてきたものはゼロだ。人が風土を作り、風土によってふたたび人間が醸成され、独創性のある商品が生み出される。
【覚書き:98年の大不況時の経営危機に対し、人員整理を行わない決断をした時を振り返っての発言】


企業のブランド育成のためのコミュニケーション活動7つのポイント

  1. コンプライアンス(法令順守)の徹底をする
  2. 企業ブランドを高めるテーマに集中する
  3. 専門用語を使わず、子供からお年寄りまで誰からも受け入れられるわかりやすい表現をする
  4. 表現のトーンや雰囲気を統一させる
  5. コミュニケーション活動もオンリーワンでなければならない
  6. お客様の心に届くまで継続する
  7. 投資対効果を常に考え、一円足りとて無駄にしてはいけない

生産過程では採算性を高めるために1円、2円という厳しいコストダウンが強いられている。ところが、ブランド力の差によって失われる収益は、桁違いなものだった。このブランド力の差は、経営面でも大きく深刻なものだった。ブランド力を高めることがとにかく大事だ。一流ブランドといわれるものの値段が、どうして高いのか考えてほしい。


海外事業本部長時代に海外を出張で回った際に、ソニーブランドの凄さを見せつけられていた。そしてソニーブランドが教えてくれたのは、いったん強いブランドを確立すればなかなか崩れないということだった。極論すれば商品はブランドを高めるための道具であって、道具はやがて世代交代するが、ブランドはいつまでも財産として残り続ける。


生産技術は現場で長年培った経験やコツ、ノウハウがものをいう世界。生産技術はいわば老舗うなぎ屋の秘伝のタレみたいなものだ。自前でコツコツ積み上げていくものである。しかし、モノをつくらなければ生産技術は進化しない。せっかくつくりあげた秘伝のタレは本来、門外不出だからこそ商売になるはずだ。安易な海外移転は秘伝のタレをやすやすと分け与えているようなものである。


私はこれまで自分の意志や思ったこと、やりたいことや夢は、相手がたとえ誰であろうと、率直に伝えることを心掛けてきた。トップがビジョンを明確に示し、社員が納得するまで根気よく、そして、筋道を立ててわかりやすく説明していけば、やがて会社が一丸となり大きなパワーが生まれ、スピード感を持って目標に向かうことができる。


シャープには創業者である早川徳次氏が提唱した「他社に真似される商品を作れ」という伝統と遺伝子が息づいている。駄目ならいっそのこと他社にないものをつくろうじゃないかという逆転の発想だ。


薄膜太陽電池の生産開始にあたって、私は液晶の技術者を投入した。液晶部隊は長い年月をかけて蓄積した生産技術を持っているので、彼らの技術は太陽電池の生産に応用できると考えたからだ。液晶と太陽電池はまったくの異分野といってよい。しかし、共通する部分はあるはずだ。液晶出身の技術者は「基盤に蒸着する技術は似たようなものですから。逆に液晶の技術にとってもいい勉強になります。新しい発想が生まれるかもしれません」と涼しい顔をしてさらりと言ってのけた。


ユーザーのニーズはめまぐるしく変わってゆく。その変化に取り残されないようにするためには、技術開発のスピードアップは絶対条件だ。もたついていては、お客様の意識変化に追いつくことはできない。他社が商品を出してくるときには、こちらはすでに半歩先の商品を出していかなければならない。


スムーズに事が運ばないのが現実だ。とくに、組織の壁という目に見えない障害に阻まれる。組織の壁を低くすることが、独創的な製品開発をするためには必要不可欠となる。


シャープは創業以来、世界初、日本初の商品を生み出し続けてきたが、それはすべてシャープの風土があればこそであった。四代目社長となった私が「ナンバーワンよりオンリーワンを目指す」と、ためらうことなく宣言できたのも、代々受け継がれてきた市場の変化を先取りした需要創造型商品を創出する「創意の遺伝子」のおかげだと思っている。


いくら丁寧な言葉を使っても、マニュアル通りの対応では慇懃無礼の印象を与えるだけだろう。お客様に不愉快な思いをさせれば、企業のイメージも傷つく。心のこもった温かみのある対応が不可欠である。


車のハンドルは、車が止まった状態では重くて切れない。しかし、いったん動きはじめればハンドルは軽くなるから、方向転換は簡単にできるようになる。私はこれを車のハンドル理論と呼んでいるが、販売も同じだ。低迷している現状を最初に動かす原動力は、やはり販売台数だ。


系列販売店に日参した。すると、あることがわかってきた。販売店には積極的にモノを売ろうという発想が、あまりないのである。高度成長期は並べているだけで商品が売れたから、販売促進という考えは、メーカーにも販売店にもなかったのだ。いままではそれでよかったかもしれないが、モノが売れない時代は確実にやってくる。そこで私は、商品情報を販売店に提供しようと考えた。
【覚書き:係長として近畿営業部に配属された当時を振り返っての発言】


ざっくばらんに語りかけ、あえて隙を見せ、緊張感を与えない対話の方法は抵抗勢力相手にも有効だ。行動を起こせば抵抗にあう。これは組織では当たり前だが、そのような抵抗勢力も味方につけるためには、コミュニケーションをとる以外に方法はない。本音をぶつけ合う以外に方法はない。


人の育成はコミュニケーションから始まる。経営陣も含めて社員同士、コミュニケーションがうまくとれなければ社内のベクトルは一致しない。会社が方向性を一つにして進むには、全員が一体感を持つことが重要なのだ。そのためにはリーダーは、具体的な目標を示さなければならない。ごまかしたり、人を介して伝えたりせず、わかりやすい言葉で自分の思っていること、考えていること、夢などを率直に語ることが大切だ。


利益を上げるための方法は二つしかない。ひとつはオンリーワンの独創的な技術を生み出すこと。もうひとつは、トータルコストをどう最小化するかだ。


様々な分野の技術を融合させなければ、独創的な製品はできない。社員にはどんな場面にでも対応できる能力が要求される。専門分野を極めるのはもちろんだが、それに加えて、幅広い知識やスキルが身についた人間になるためにも好奇心が必要なのである。好奇心がなければ大成しない。


自分自身、好奇心はもともと強い方だと思っている。しかし、この好奇心こそが、仕事をやっていく上で本物のエネルギーになってくれるのだ。好奇心があれば、柔軟な頭であらゆることに興味が持て、限りない探究心と情熱を持ちつつ仕事に取り組むことができる。


優秀な君たちには、いまは同じレベルにあるが、5年目ぐらいから差がつきはじめて、10年後には決定的な差が出ます。この差はなんでしょうか?先頭に立つ人間というのは、必ず他人よりもほんのわずかずつでも継続して頑張ったからなのです。
【覚書き:シャープの入社式で新人を前にしてのスピーチ】


株価を上げるために人員整理を行うのは会社経営ではない。メーカーの価値は生み出される商品で判断されるべきだ。私には、リストラを実行した会社の株価が上がるようなら、日本の製造業に未来はないという確信があった。株主を大切にすることに異論はない。企業にとって人材は最も重要な財産である。従業員もまた、株主と同等に大切にされるべきなのだ。


企業ブランドイメージが高まったことによって面白い現象が起き始めた。久しく宣伝していなかった「白モノ家電」の新商品が売れ始めたのである。2000年以降、液晶以外の宣伝活動はほとんど行っていない。ところが、2004年には、冷蔵庫を購入するならどのメーカーの商品を購入しますかというマインドシェアが一位になった。


個々の商品の違いがわかりにくくなり、お客様は商品をブランドで選ぶ、あるいは価格で選ぶといった傾向が強まってきたように思います。この変化の中で、当社としてはより明快な特長を持つ商品を創出すること、そしてその良さを正しく評価して買っていただけるようにブランド価値を高めることが不可欠となってきました。さもなければ、韓国や中国などの強靭なコスト力を持つメーカー相手に「価格のみで勝負」をせざるを得なくなります。


それまでシャープの製品はブランド力が低いがゆえに、たとえ性能が優れていても、トップブランド品よりも安く売られていた。一年間通してその売価差を積み上げてみると、衝撃的な結果が出た。私はこの金額の大きさに愕然とした。一段下の価格で販売されるということは、ひとつの商品につき10%程度の売り上げ減にあたる。これが全商品に及ぶわけだから、全社で取り損ねた収益は莫大な金額になって当然だ。


ブランドは無形の財産だ。開発技術や生産技術、デザイン、知的財産、特許などと同様、バランスシートには載ってこない。だが、この無形の財産の価値を高めなければ企業価値を高められない。強いブランド力を持たない企業は、生き残っていくことが難しい。


亀山工場では、生産技術のブラックボックス化を行った。かねてより生産技術が海外流出していることに懸念を抱いていた私は、亀山工場を建設するにあたり、生産技術の要となる部分を、外からでは見えないようにした。


加速し続ける海外生産にストップをかけなければ、いずれ日本の生産技術は消滅してしまうという危機感が、私の中でだんだん大きくなっていった。日本で育てた最先端の生産技術が海外に流出する懸念だ。中国をはじめアジア各国のハイテク技術がどんどん向上していく中、安易な海外移転を繰り返せば、日本が長年かかってつくりあげてきた生産技術は、彼らに習得されてしまう。そうなれば、製造立国・工業立国日本そのものが危うくなってしまう。


私はその形(AQUOS一号機のテレビらしくないデザイン)にこだわった。液晶モニターと区別するためには、中途半端なデザインでは、売り場で明確なメッセージを発信することができない。注目されなければ、名前とデザインを変えた意味がない。物議を醸すということは、それだけインパクトがある証拠なのだ。


半導体で重要なのは研究開発と設計だ。生産は優秀な製造企業に委託すればいい。君たちには、世界一流のファブレス(生産部門を持たない半導体メーカー)になって最先端の半導体を開発してほしい。
【覚書き:半導体事業を縮小し、液晶テレビに経営資源を集中させた際の発言。半導体事業は廃止するのではなく、生産部門は廃止しつつも開発のみに特化させることによって経営合理化と同時に技術の蓄積を可能にさせた】


オンリーワン経営の要諦は「選択と集中」である。二兎を追う者は一兎をも得ずと言います。今後は選択と集中を徹底しなければ会社はやっていけません。小が大に勝つためには効果的な選択と集中をする必要があります。


当社の経営理念は「いたずらに規模のみを追わず、誠意と独自の技術を持って」という一文から始まっています。これからのシャープの目指すべき姿は、ナンバーワン企業ではなく、オンリーワン企業であると考えます。つまり、世界の中で、独自の特長がきらりと光る企業です。


環境がビジネスとして成功するためには「省エネ」と、エネルギーを生み出す「創エネ」ががっちりと手を組まなければならない。つまり、消費されるエネルギーを抑制しながら、一方で積極的にエネルギーを作るのだ。最先端技術で社会に貢献することは、シャープに課せられた使命である。それと同時に、シャープを未来へと導く理念でもあるのだ。


他にはない独自のオンリーワン技術を磨いて、オンリーワン・デバイスをつくり、オンリーワン商品を作らなければいけない。そして、オンリーワンを積み重ねることで、ナンバーワンになれと言っています。技術や商品に限らない。コーポレートガバナンス(企業統治)も、販売の仕方でもオンリーワンを目指したい。あらゆるところで独自性を出していきたい。


ナンバーワンになろうとして規模だけを追うのは簡単です。しかし、それでは利益が取れるだろうか。薄利は目に見えていますし、商品の特徴も生まれない。もちろん、企業の顔も見えない。しかも、利益を上げようとして開発投資を減らしながら、2番手製品を作っているのでは、いつかは中国などに飲み込まれてしまいます。


2005年までに国内で売るすべてのテレビを液晶に置き換えるという発言は勇気がいりましたが、十年後のシャープを考えるとそうするしかないと思いました。世界に顔が見えて、ブランドイメージの高い会社にするためには、それくらい思い切った決断が必要でした。実際、液晶という四半世紀も続いた技術があり、そこに優れた人材がいるのはわかっていましたから、これを使わない手はない、液晶にかけてみようと思ったのです。


98年、私は社長に就任しました。当時はパソコンの市況に左右されて、なかなか利益が安定しない液晶事業を何とかしなければいけない状況にあり、そのためには液晶テレビに使って、社内需要のウェイトを高くする必要がありました。韓国、台湾、中国の各社も勢いを増していましたし、半導体や液晶は本格的なグローバル競争に突入し、強い危機感を持ったのです。そんな中、例の宣言をしたのです。それは「2005年までに国内で売るすべてのテレビを液晶に置き換える」というものです。


私は商品がものすごく好きだから、四六時中、あの技術を使ったらこんな商品ができるのでは、などと考えています。大切なのは日々考えるということではないでしょうか。


細かい技術まで知る必要はないけれど、技術の筋の良さを見分ける能力が必要です。それは技術の匂いをかぎ分ける能力と言っていいかもしれない。幸い、社長には社内の情報だけでなく国際情報や社会の動きなど多くの情報が上がってきますから、その中で社会的ニーズによる選別を行うことができる。


彼らは自由な職場環境の下で積極的に開発に専念するとともに、他部門のメンバーとの交流で幅広い知識を身に着けることができ、新しい商品をどんどん作れる。それは緊プロ(部門を越えた緊急プロジェクト)の存在があるからです。


社内には常時10チームくらいの「緊プロ(緊急プロジェクトチーム)」が動いています。技術者はしばしばI型人間と言われて、一つの技術には精通しているけれども専門技術以外のことを何も知らないと言われますが、緊プロの経験者は自然と専門分野を深めたうえで、さらに幅広い知識やスキルを身に着けたT型人間になります。


はじめて「緊プロ(緊急プロジェクトチーム制度)」が組織されたのは1977年です。緊プロは社長直轄下で一年から二年をめどに活動させ、集中して独自商品技術の開発を行い、終了後は解散してメンバーは元の部署に戻ります。緊プロのメンバーに任命されると役員と同じ金色の社内章を胸につけることが許されます。役員と同じ権限を与えるという意味が込められています。


経営とはリストラだとよく言われますが、私の場合、日々リストラをしているようなものです。どこに無駄があるか、あれがおかしいじゃないかと毎日言っている。毎日、リストラしているようなものだから、改めてリストラする必要もない。工場閉鎖や人員カットといったことをまとめてやらなくてすみます。


だめだと思ってあきらめてはいけない。人件費が高いというのなら、工程を短くするとか、生産技術を進化させて、人件費がかからないようにすればいい。たとえば十工程を五工程にすれば人件費は半分になる。そうした努力の余地はまだまだある。


人を辞めさせない、何としても雇用を守ってみせるという強い意志を、経営の歯止めとして明確にしておくことです。安易な人員削減に流れてしまったら、経営に対しても甘くなってしまう。経営は安易に流れたら終わりです。


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