田岡信夫の名言 一覧

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田岡信夫のプロフィール

田岡信夫、たおか・のぶお。日本の経営コンサルタント。ランチェスター戦略を研究し経営や販売、マーケティングの現場に持ち込んだ人物。主な著書に『競争市場の販売予測』『ランチェスター販売戦略シリーズ』『弱者逆転の販売戦略』『三点攻略法』などがある。東京都出身。東京都立大学大学院修了後、社会心理研究所主任研究員や、日本広告協会調査室長、社団法人セールスプロモーションビューロー調査部長などを経て、経営統計研究所を設立。

「弱者の戦略」というのは、地域を基礎にして、その目標を商品に向けて戦略を立案していく方法になっている。先にも述べたように、弱者というのはまず地域に拠点をつくる。これが弱者の戦略の基本である。


「強者の戦略」というのは、商品のナンバーワンを基礎にして、目標としての地域管理に向けて戦略を立案する。つまり、強力な商品というものを持っているかどうかということが強者の条件である。また、占有率の高い地域において強者の立場にある場合は、こうした強い商品を次から次へと投入しないことにはその占拠率を維持できない。


1位という地位は、新しいものを常に他社に先駆けて市場に出していくことが基本である。これがマーケティング・ポリシーの1位戦略である。また、常に2位がやりそうな新製品や販売方法というのを事前にマークしてキャッチし、これに対してどう先手を打つかということである。1位にとって、最も必要なマーケティング・フォースは「情報力」である。情報力のない1位というものは、必ずずり落ちる可能性を持っているということだ。このため、他者の新製品情報、技術開発情報、最近では基礎研究に至るまで、間断なくマークしておく必要がある。


2位という地位は、1位に対する差別化が戦略となる。まず絶対に1位の模倣をしない。言い換えれば独創力で勝負をするということになる。これは2位に課せられた最大の条件である。さらに、3位の敵を徹底的にたたくこと。地位間においては利害関係は一致しない。つまり、2位という地位は二正面作戦を余儀なくされる。こうした戦略のシステムを社内的に余程体制化しルール化しておかないと、ガタガタになってくる恐れがある。


3位は2位を抱き込んで、1位と2位の条件を同じにさせるように誘導することが戦略となる。3位という地位は最も「政治力」が要求される。2位を抱き込みながら、2位が弱い者いじめの法則で3位に向かってくるのを逆に上に向かせるように誘導するという戦略だ。もう一つの戦略は、4位以下から注文をもらったりしないしないことである。下位に対しても一線を画せということである。


4位は、2位と3位を一緒にして1位にぶつけるように誘導するということが戦略となる。「我らの共通の敵はあいつだ」というキャンペーンを終始繰り返していくことである。この意味で4位には「宣伝力」というものが要求される。


ランチェスター法則を俗な言葉で表現すれば「市場占有率拡大の法則は弱い者いじめの法則である」ということに他ならない。つまり、常に弱者に集中攻撃をかけること。これがランチェスター法則の結論である。孫子の兵法で言うところの「勝ちやすきに勝つ」ということである。


新製品を開発して市場導入をはかる場合、先発・後発を問わず共通する最大の戦略は、セグメンテーションという言葉に尽きる。要するに細分化である。成熟期には成熟期としての高度の細分化が必要である。また、強者には総点検としてセグメンテーションが必要であり、弱者には隙間荒らしとしてセグメンテーションが必要である。


人間は考えることがあまりにも多くなると、かえって単純労働に逃避するものである。


人間というものは多忙のときが最も危険である。多忙なときにこそ、市場調査をし、ライフサイクルを予測する必要がある。ひとつの製品が伸びっぱなしになってしまうということはありえない。やがてピークが来て落ちる。


新製品の開発は、旧製品とのバランスの上にあるべきだ。新製品にかかりきりになっていると、安定製品の方が難しくなってしまう。旧製品の販売ルートに安易に新製品を流すことは危険である。新製品の開発は新しい販売チャンネルを開発していく方法なしには危険である。


ブランドというものを浸透させるためには、なんらかの形でそれをシンボル化していかなければならず、シンボル化するためには地位の心理的な条件をセグメントしていかなければならない。


成熟期における旧製品のモデルチェンジというのは、中身を変えることではない。容量を変え、サイズを変え、あるいは二つのものをくっつける。こういうところにあると思う。成熟期には、製品ラインを増やすということは余計危険であり、むしろ製品ラインを縮めていかなければならないという構造に入ってくる。また、縮めるときには、どちらかを選ぶというよりも、両方取り替えるのだという構造に移していかなければならない。


成長期というのは、製品内容を広げていくことが戦略である。最初は狭く入って、それから広げるのが成長期である。複数の製品ラインに価格差をつけて、製品ラインを広げていく。わかりやすく言えば、デラックス、スタンダードといったように製品ラインを広げるのが成長期の特徴である。それに対し、切るものは切る、取り替えるものは取り替えるというのが成熟期の戦略なのだ。


マーケティングというものは、常に絶対的にこうだということは、必ずしも言えない。常に相対的なものでしかないのである。


後発が参入できないような壁をいくつも作っていれば、参入ができなくなるのは当然である。その場合の決定てきな条件は、いうまでもなく占拠率である。先発は、圧倒的な占拠率を握っていなければならない。いわゆる、価格のリーダーシップというものを握っていれば、なかなか参入されないし、また、地域の拠点を全部つかんでしまえば、なかなか参入されない。メインとなるチャンネルを握られていたのでは、製品だけできても、後発としてはなかなかチャンネルに食い込めないという問題が出て来る。


いままで成功してきた新製品開発のケースは、いわゆる差別化の練りに練られた戦略があったから成功したのである。思いつき的差別化で成功したケースはまずない。やはり、実に練りに練った成功といってよい。


戦略というのは、一言でいうと、差別化のことである。差別化が成功するかどうかということは、すべてにわたっての戦略であると考えてもいい。差別化の条件を作らないような障壁を作っていくことが、いわば先発の戦略であり、先発に対してどういう差別化を作り得るかということが、後発のひとつの条件である。


販売あるいは企業間における競争の問題は、言うまでもなく占拠率の競争である。したがって、ランチェスター法則の企業間競争における適用というのは、主として占拠率というものをどのように考えていくかということ。またこの占拠率を上げていくためには、どのような戦略ないし考え方がその前提になってくるか、ということに向けられてくる。その意味でランチェスター法則とは、すなわち占拠率の科学であるというように解釈していただいてもよい。


秀吉という人は、いろいろな文献を調べてみると、戦いを行う前に敵の兵力数を調べるのが常であった。だが、秀吉の優れているのは、味方の兵力数と比較して敵が一兵でも多い場合には絶対に戦いをしないという鉄則を守った点にある。連戦連勝は当然であった。たとえば、小田原の北条氏を叩いたときに、秀吉は30万の兵力を投入した。これに対し北条氏は、わずかに4万であった。したがって、数日で戦闘は終わってしまったようである。


ナンバーワンとはどういうことか。具体的な戦略としては、ナンバーワンの「地域」をいかにつくるか。ナンバーワンの「得意先」をいかに持つか。ナンバーワンの「商品」をいかにつくるか。私は企業の体質というものは、この3つの条件を満たしているかどうかにかかっていると思う。


自社と占拠率が伯仲している、あるいは自社よりも若干上であるといったような競争相手は、すなわち競争目標である。それに対して自社よりも低いシェアを持つ敵は、完全に攻撃目標だということである。攻撃目標は「下を向いて歩こう」であり、競争目標は逆に「上を向いて歩こう」ということになる。おそらく我が国の企業で最も多い戦略ミスは、競争目標と攻撃目標を混同してしまうというミスであろう。つまり、競争目標と攻撃目標が同じになってしまうのである。


ナンバーワン商品を持っている強者ほど、後発で参入する場合には、弱者の戦略が取れないというケースが多い。つまりプライドとジェラシーがそれを許さないのである。そのため、強引に強者の戦略で参入しようとする。


同一企業の中でも、Aという商品は1位であるけれど、Bという商品は3位であるとか、Dという商品は4位であるといったようなことはしばしばある。これはそれぞれの商品は常に同一の戦略ではないということを銘記する必要がある。どういう地位のどのような条件を持った商品では宣伝力がどう問題になるかという判断がいる。


今日、オールマイティといったイメージのものがまず売れなくなってきた。また、兼用ものというイメージのものも、同じようにダメになってきた。つまり、大は小を兼ねるといった考え方が駄目になってきたのである。これは、すべて用途化に対して反対になってくるからである。


以前、ダイキン工業のセールスマンの表彰式に出席したことがあったが、成績の良いセールスマンには大きな免状をくれるわけである。立派な免状を渡さないと、部屋には飾らないということだろう。今日では、そうした小さなことが参加の満足を与えるひとつの方法でもある。


新製品の場合には、価格政策というものを十分に検討しておかなくてはならない。たとえば、サッポロビールのファイブスターというビールは、完全に価格政策の失敗であった。高級品のイメージを持った商品を市場に入れるのなら、もっと高い価格をつけなければいけない。高級な料理店やクラブでは「こんな安いビールを飲まれたら儲からない」ということで、一回だけの仕入れで断られたということだ。


標準化やマニュアル化という作業には、スタッフ自身がまず第一に「なぜ標準化が必要か」「なぜマニュアル化が必要か」ということについて確たる理論的根拠を持たなければならない。そうでないと、スタッフの抵抗に潰されることになる。


アメリカのマッキンゼーが、日本の企業をいろいろなアプローチで分析して、日本の企業の体質的弱点というものを指摘したことがある。要するに意思決定の領域の基準にエモーショナル・フィーリングが多いという批判。つまり、企業間競争のルールであるべき領域の中に、こうしたエモーショナルなフィーリングが入っているという批判である。


ナンバーワンづくりというものには、地域、得意先、商品の3つがあり、そして、地域戦略から始めようとするのが弱者の戦略、強い商品という立場から戦略を立案していくプロセスが強者の戦略であるということである。


強者の戦略というのは、「守り」の戦略ということに他ならない。したがって、「守り」のつらさというのがこれに伴う。常に新商品を出していかなければならないことである。強者はいつも商品力というものを変えていかなければならない。強い商品力を持ち続けていかなければ、その地位は維持できない。


販売におけるいわゆる「ツキ」という現象は何か?一言で言えば「一位を持っている」ということがツキの原則なのである。たとえば、東北地方が大変な日照りで、ビールの総需要が急増したと仮定すれば、増えた分の企業ごとの配分は、占拠率の二乗比の配分に従うということになる。仮に秋田県でサッポロビールがナンバーワンであるとすれば、その地域の総需要の伸びた分の配分は力関係の二乗比に従うから、サッポロビールにツキが回ったということになる。


ナンバーワンといっても、これはセグメントした(部門ごとに細分化した)領域でひとつひとつのナンバーワンというものを考えることが必要なのであって、全体としての、あるいはジャパンズ・ベストセリングともいうべき、わが国全体のシェアだけがナンバーワンではないということである。つまり、ナンバーワンといっても、ひとつの地域のナンバーワンをつくることが戦略の第一歩ということになる。それは、細分化された、細かく地域を分けた場合における占拠率の問題ということである。


占拠率の科学としての結論は、その力関係における絶対有利の条件が、すなわちナンバーワンだけであるということに帰着する。およそ差別化のない純粋競争における力関係の下では、ナンバーワンだけが安定し、有利となる。それ以外には絶対に安定の条件はない。


倒産する企業は、業種別産業別特性によるよりは、むしろ企業の戦略の取り舵のいかんによって決まってくる。一言で言えば、「倒産の最大の原因は、販売不振である」ということだ。要するに、金の問題よりは販売不振、売上不振というものが、決定的な倒産の条件になってくる。


成熟期の大きな特徴は、相対的に広告およびブランド力の効果が弱まってくる点にある。広告についてみると、広告の効果が相対的に制度化してきて、その結果として広告効果がそのまま販売促進に密着してこなくなる。


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