田坂広志の名言 一覧

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田坂広志のプロフィール

田坂広志、たさか・ひろし。多摩大学大学院教授。専門は社会起業家論。東京大学工学部原子力工学科卒、東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。三菱金属(のちの三菱マテリアル)に入社。原子力事業部で高レベル放射性廃棄物処理・処分プロジェクトに参加。原子力委員会委員。その後、米国シンクタンク・バテル記念研究所客員研究員、日本総合研究所取締役を経て、多摩大学大学院教授。世界賢人会議日本代表、内閣官房参与、シンクタンク・ソフィアバンク代表なども務めた。

企業にとって利益とは、世の中に貢献したことの証であり、多くの利益が与えられたということは、その利益を使ってさらなる社会貢献をせよとの世の声なのです。


「働く」ということは「傍(はた)を楽(らく)にする」こと。その意味で、企業が活動する目的も、本来、社会貢献です。


人生において、無駄なことは何ひとつありません。すべてが学びの機会であり、それらに真摯に向き合っていくと、自然に、胸が磨かれ、人間が磨かれていきます。


地味な作業に取り組む姿勢こそが、やりたい仕事を呼び込むためのカギです。私の経験では、地味な仕事を「面白い」「やりがいがある」と思って取り組んでいると、逆にやりたい仕事がごく自然に集まってきます。


自分の仕事を、どこまでも前向きに見つめること。その姿勢は良き仕事、良き人間、良き機会を引き寄せ、さらには、良き運気さえも呼び込んでいくのです。


単調で退屈に思える仕事を面白くする3つの心得

  1. 仕事を研究すること。
  2. 仕事の目的だけでなく、意味を考えること。
  3. 仕事の「彼方」を見つめること。仕事の目的は、会社の利益だけではなく、社会への貢献があります。その貢献の意味を深く考えること。

こんな修羅場を体験する機会はめったにない。君たちが、この修羅場で学べることを徹底的に学んでくれたら、それでよい。まだ勝負は終わっていない。最後の最後まで打てる手を打ち尽くそう。


仕事の意味を考えることが大切です。なぜいまこの仕事が自分に与えられたのか、この仕事は何を学べということなのか、その意味を深く考えるのです。その能力を、私は解釈力と呼んでいます。そして人生はこの解釈力によって道が分かれます。起こった出来事を前向きに解釈できるか否かの勝負です。


たとえばホチキスひとつでも、どう打てば資料が読みやすく扱いやすいかを考える。そうした探究心を持っていれば、どんな些細な仕事でも興味が湧いてきます。そして、探求心を持って仕事に取り組んでいると、自然に深く考える力、広く見つめる力、場の空気を感じ取る力が養われ、そうした力は、将来重要な仕事に取り組むとき必ず役に立ちます。


一流のビジネスパーソンは、退屈に思える仕事を「やりがいのある仕事」にする心得を身につけています。まず、「この仕事は面白い」と思ってみてください。


「それは科学的に実証されているのか」などと疑問を持つのは、若さの落とし穴です。人生には、論理を超えた世界があります。無条件に覚悟を決めることも、ビジネスの世界では大切です。


ときおり、仕事の手を休め、その仕事の彼方を見つめ、職場の仲間と語り合うべきでしょう。この仕事はこういう素晴らしい社会貢献の事業の一部なのだ、と。そのとき、働きがいとは与えられるものではなく、仲間とつくりだすものであることに気が付くでしょう。


一流になれば格好の良い仕事ができ、毎日楽しく働ける。若い人はそう考えがちですが、それはまったくの誤解です。どのような一流のプロフェッショナルも、仕事の9割は地味で単調な作業の連続です。「神は細部に宿る」といいますが、その神をつかまえるには、目に見えない単調な作業の積み重ねが必要です。それがあって初めて、目に見える成果が生まれます。


若い方々にしばしば見られる過ちは、自分の浅い経験と知識のレベルでそれが理解できないと、短絡的に「この本は、何が書いてあるかわからない」「これは、役に立たない本だ」といって批判することです。こうした姿勢では、せっかく優れた先人が語ってくれた深みある言葉も心に残らず、将来それが智恵に昇華する機会も得られないのです。


体験を通じて知恵をつかむプロフェッショナルの世界には「下段者は、上段者の力がわからない」という格言があります。ひとつの分野で経験の浅い人は、永い経験を通じて言葉にならない智恵をつかんだ人の、その力量がわからないのです。


読書においては、「縁あって、この本に巡り合ったのだから、何かひとつ学ばせていただこう」という謙虚な気持ちを大切にするべきでしょう。読書とは、読む力さえあれば、ときに著者の知恵を超えたものをつかみ取ることもできる、素晴らしい営みだからです。


智恵とは書物から学ぶものではなく、自身の体験からつかむものです。そして、誰でもひとつの体験をしたならば、必ず無意識に、何かの智恵はつかんでいるのです。しかし、それが自覚されていないため、上手く活用できないのです。本を読むことの意味は、本に書かれている言葉が触媒となって、自分が過去の体験を通じてつかんだ無意識の智恵が、表層に浮かび上がってくることなのです。


成功者の体験談から智恵をつかもうとするならば、そこでつかんだと思ったものが、単なる知識なのか、自身の過去の体験と共鳴する智恵としてつかんだものかを判断しながら本を読まなければなりません。


体験を通じてしかつかめない智恵を、単なる知識として理解して、智恵をつかんだような気になってしまう。これが本を読むとき、我々がしばしば陥る過ちです。その過ちに気が付くと、世の中に「成功の方法」「成功の秘訣」などの本があふれているにもかかわらず、実際に成功する人が少ない理由がわかります。そこで語られていることはまったく正しいのですが、知識としてつかんだだけでは役に立ちません。自分の体験を通じて、智恵としてつかまない限り、実際の役に立たないからです。


現代はドッグ・イヤーと呼ばれる極めて変化の速い時代であり、一冊の本、一人の識者が語った未来のビジョンも、すぐに古くなる時代だからです。従って、識者の未来予測を鵜呑みにするのではなく、常に「その先に何がやってくるのか」「自分の業界や分野で何が起こっているのか」を考えながら読むことです。


本を読んでいると、なぜか気になる言葉が目に飛び込んできます。そのとき、その理由がわからなくとも、その感覚を信じて線を引き、メモを取り、心に残しておくと、必ずあとに、それらの気になる言葉同士が結びつき、心の中に新たなアイデアやコンセプト、物語が生まれてきます。


私自身は、書店で時間を過ごすとき、様々なジャンルの本のコーナーを見て回ります。時代の最先端のテーマは何か、いま多くの人が興味を持っているテーマは何か、古いテーマの新たな切り口は何かなど、考えながら回ります。すると、書店を出るころには、いろいろな物語が心の中に生まれてきます。


様々な分野の異なった知識が、ひとつのテーマに有機的に結びついたとき、そこに創造や洞察が生まれます。では、異なった知識をひとつのテーマに有機的に結び付けるにはどうすればよいのか。それは、「深い問い」を抱きながら読むことです。深い問いを抱くならば、問いが問いを呼び、思考が広がり、深まり、知恵が有機的に集まり、自然に知識の生態系が育っていくでしょう。


断片的な知識をどれほど身につけても、それは雑学にすぎません。そして、いまの時代は、必要な知識はネットですぐ手に入るため、ただ知識を学んだだけでは価値がないのです。


速読や多読によって多くの知恵を得ても、実はそこに大きな落とし穴があります。たとえば、「ドラッカーはこう言っている」「いま、アメリカの最先端はこうなっている」など、その博識に感心させられる人が、重要な企画会議でよいアイデアを出すかというと、必ずしもそうではありません。速読や多読の能力が、必ずしも創造性や洞察力につながらないからです。


読書には、「知恵を学ぶ」「智恵をつかむ」「心の糧を得る」という、3つの目的があります。したがって、本を読むとき、その目的を明確にし、それぞれの目的に合った読み方をする必要があります。


日本型経営においても、経営者は利益にこだわります。しかしそれは社会に貢献するために一生懸命に働く社員の生活を支えるためであり、企業の将来を信じて投資してくれる株主に報いるためであり、世の中を幸せにする優れた商品やサービスを開発するためです。そして、その素晴らしい社会貢献企業を存続し発展させるためにこそ、経営者は利益にこだわる。これが日本型経営と日本型資本主義の企業観であり、利益観なのです。


利益にはこだわるべきです。利益がなければ企業は存続できない。社員や家族の生活も支えられない。しかし、社会貢献の事業を成し遂げようとの強い想いがあれば、かならずお客様が支えてくれるし、利益を追求することで社員の心が蝕まれることはない。


「社会貢献すれば、利益が上がる」という議論がありますが、「社会貢献」は「利益」を上げるための手段ではありません。「利益」が「社会貢献」をするための手段なのです。企業活動の目的は、最初から最後まで「世のため、人のため」の事業を行うことなのです。


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