田中愼一(田中慎一)の名言 一覧

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田中愼一(田中慎一)のプロフィール

田中愼一、田中慎一、たなか・しんいち。日本の経営者、企業PRの専門家。大学を卒業後、本田技研工業に入社。ホンダの鈴鹿製作所勤務などを経て、ワシントンDCにて同社の米国政府・マスコミ対策を担当した。その後、セガ・エンタープライズに移籍し、海外事業展開を担当した。97年に米国の大手PR会社フライシュマン・ヒラードの日本法人立ち上げに参加し同社の社長を務めた経営者。

広告の世界では、「説得型コミュニケーション」から「共感型コミュニケーション」へ、パラダイムシフトが起きています。従来は売り手が「この商品はいいですよ」と主張する「説得型」が基本でしたが、「共感型」では消費者に直接訴える直接話法ではなく、第三者を通じてメッセージを発信してもらう間接話法を用いるのです。たとえば、殺菌作用のある洗剤を売りたいのであれば、洗濯時の殺菌が重要だというテーマを掲げ、医師や一般のブロガーなど第三者を通じてそのテーマの認知度を高めます。そして、そうした認識を持った消費者に、店先でその洗剤の存在に気づいてもらうのです。


世界同時不況で真っ先に削減されたのは宣伝費です。企業によっては前年比3から5割削減も珍しくありません。しかし、共感型コミュニケーションを上手く機能させれば、小さな費用でも大きな効果を上げることができます。


現代の共感型コミュニケーションでは、ブログやSNSなど双方向のネットメディアを多用せざるを得ません。しかし、ネットに書き込みをしているのは全体の3から4%にすぎません。残る大多数の声を目に見えるようにすること、つまり潜在的な味方を顕在化する仕組みが必要だという課題があります。これをどう解決するかが重要です。


説得型コミュニケーションは、大量宣伝によって自分の価値観に相手を従わせようとするものです。ところが、人々の価値観が多様化してくると、それでは同じ価値観の人しか説得することができません。対して共感型コミュニケーションは、相手の価値観を取り入れ、味方づくりをすることにより、成り立ちます。


私がホンダ社員時代、本田宗一郎さんが日本人初の米国自動車殿堂入りを果たした際、現地責任者としてデトロイトのホテルに案内すると、部屋のテーブルには寿司そっくりにつくられた菓子が用意されていました。ホテルの気遣いに感動した本田さんは、ホテルの対応ぶりを褒め称えました。しばらくして私たちに叱声が飛びました。「それに比べておまえたち、最近は米国に対して敬意が足りないんじゃないのか。ホンダは米国に育ててもらったことを忘れるな!」と。米国でホンダ車を買ってくれるのは米国人で、彼らの反感を買えばホンダは生きていけない。だからもっと感謝を示せというのです。


言語と非言語のメッセージが一致していないと相手は不信感を抱きます。そうなると、人は非言語の方を信じます。「彼はあんなことを言っているが、目つきがおかしい。本心は違うぞ」となるわけです。


海外営業部に入りたくてホンダに入社したのに、鈴鹿製作所の工務課で三年間、肉体労働をやりました。200人くらいの職場ですが、知る限り大卒者は誰もいない。周囲からは「大学出にできるのか?」というネガティブな空気に包まれていました。僕はその中で生きていかなければならない。だから求められる仕事は他の連中に負けないくらいきちんとやりました。役に立つ男だと思われない限り、周りは絶対に認めてくれない。職場に貢献し、市民権を得たうえで、僕しか考えないようないくつかの仕組みを開発しました。それによって、徐々に一目置かれるようになったのです。


いま企業はブランドよりもレピュテーションに注目しています。まだ知られていない企業や商品に対しての認知度を引き上げてる来るのがブランドです。それに対して、ブランドの成長とともに膨らんでいくのがレピュテーション、つまり評判です。ブランドに対する期待値といってもいい。


評判が良すぎるのは危険です。実際に提供できる価値よりも期待値が低いなら問題はありません。困るのは、実力より期待が高まってしまったときです。期待に応えられなくなった瞬間、期待は失望に変わります。つまりブランドイメージが急降下するのです。企業でも個人でも同じです。期待をマネージすることが大事です。


自己主張を忘れること。思い込みや我執をゼロにすること。まわりがどういうことを期待しているか、耳を澄ませて聞き取るのです。そのとき一番邪魔をするのは自分です。「自分はできる」「自分はやるべき仕事はこれじゃない」という思いを抱いていれば、言わなくても必ず表に出ます。そこに気をつけなければいけません。


最初に必要なのは、自分に対するまわりの期待を読むことです。理想は実力よりも期待の方が少し高めにあることです。期待に応えようと頑張るので実力がつくのです。


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