生田正治の名言 一覧

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生田正治のプロフィール

生田正治、いくた・まさはる。日本の経営者。「商船三井」社長・会長。兵庫県出身。慶應義塾大学経済学部卒業後、三井船舶(のちの商船三井)に入社。大阪商船三井船舶取締役北米部長などを経て商船三井社長に就任。そのほか、経済同友会副代表幹事、日本郵政公社総裁、名古屋港埠頭社長などを務めた。

何事も現状維持は衰退に通じる。


大きな改革には反対と抵抗がつきものだ。


私の夢は、生まれ変わることができるのなら、500年後の人類がどういう世界に生きているのか、地球の将来を見てみたい。


与えられたポストや器の中だけで考えても限界があります。ときには上司とぶつかってでも、大きく構え、大事を成すべきだと思います。


新入社員には「失敗しろ」といっています。ただし、同じミスを二度繰り返しているようではプロになれません。「ミスは恐れるな。ただし隠すな、繰り返すな」これがポイントです。


私が上司の立場になってものごとを考え、実質的に意思決定をしてきたのは、立身出世のためだと思われると本意ではありません。与えられている権限だけで与えられた仕事をしていても、うまくいかないからです。


私は「理念、戦略、戦術」という言葉を大事にしています。明治維新で言えば、吉田松陰が理念を形成し、坂本龍馬や西郷隆盛が戦略を考え、伊藤博文や大久保利通が戦術を考えた。そうやって日本は近代国家になった。しかし、いまはスピードの時代です。一人三役をこなさなければやっていけません。自分で理念を構築し、戦略を立て、戦術も立案する。課長だから戦術だけ考えればいいという時代ではありません。


どんなことを肝に銘じて仕事をしてきたのだろうかと振り返ってみれば、自分の職分より上の視点で考えることを心がけてきたと思います。課長代理なら課長の立場に立って、部長なら担当役員になったつもりで、また他の部署まで視野に入れて仕事をするということです。


課長時代に当時の永井社長の政策秘書を2年間勤めた経験があります。そのときに自分の次元を超えた大きな政策判断を目の当たりにし、政財界の付き合いに同行したことで思考回路の幅を広げてもらったと思っています。


深く勉強しようと思ったら嫌になる。だから雑学でいいんです。雑学でいいから好奇心を持って、できるだけいろんな知識を頭の中に詰め込んでおくことが大切です。土に例えれば、肥沃な大地にはどんな種をまいても育ちやすいのと同じように、頭の中の下地を肥やしておけばおのずと人間関係の幅が広がり、考え方も肥沃になって新しいことに取り組みやすい素地ができるんです。


決裁のためには日ごろから頭の中にレーダーを置いておくことです。レーダーを回しておくと、海の中であれば他船や岩礁とか何か障害物を感知してピカッと光るように、いまこういう問題があるなと頭の中にぱっと浮かぶわけです。つまり常に問題意識を持つということです。これは新しいことに取り組むときの心構えにも通じます。


課長時代の上司には、すぐ上に副部長がいて、部長、副本部長、本部長、そしてその上に副社長がいました。社長とその副本部長が何週間も平気で書類をため込む人だったんです。そのたびに仕事が滞るので対抗策を考えて実行したんです。本部長の決裁が必要な書類をコピーして副社長と本部長以下、副本部長、部長、副部長に一斉に配ったんです。そうしたら副本部長が真っ赤な顔をして飛んできて「本部長に上げるかどうかは俺が判断するんだ。貴様の行為は越権行為だ。今すぐやめろ」って怒るんですよ。そもそもの原因は副本部長が書類を貯めるからでしょう。だから宛名はあなただ。あとは同時進行でもコピーであると一歩も譲りませんでした。同僚はビビッていましたけど、一年ぐらいしたら社内中の多くの課長が真似していましたね。


どうして「宵越しの書類は持たず」というような行動を身につけたのかと言うと、決済待ちで仕事が滞ることが不快であるのみならず、業務を不当に停滞させ不利益に通じるからです。


「宵越しの書類は持たず」という信念をいまでも守り続けています。イエス・ノーの判断はその日のうちに出すように心がけています。もちろん、即答できない案件もあります。その場合でも「何日までに」とか、「すこし考えさせてほしい」というようにある種の結論を相手に必ず伝えます。


失敗の解決策を上司に一緒に考えてもらうだけでは、ただの負け犬です。自分のミスは自分の責任で修復させる努力をして、勝ち組に入る努力をすべきです。私の場合120億円の損失でしたから、社長のところに出向いて「責任を取って身を引かせていただきます」といいました。そうしたら「何を言っているんだ。できるだけ早く修復することで責任をとれ」と言われました。失敗の当事者が修復の責任を持てということです。2年かかりましたが失敗したシステムを拡大修復して、現在の定期航路部門のシステムの基本となりました。


何事につけ果敢にチャレンジすべきであり、もし失敗に気付けばすぐに失敗を認め、責任は回避しないでできるだけ多くの人から修復の知恵を借りることが必要です。当然、これは職責によって違います。課員が失敗しても、課長レベルだけで修復できることは山ほどあります。同じように課長レベルで取り返しがつかなくても、部長や取締役など、職責が上がれば比較的容易に修正できることもあります。自ら最善の努力をすると同時に、まず上司に事実を知ってもらって修正法を一緒に考えてもらうのです。


取締役で北米部長のころに120億円の損失を出す大失敗をしたことがあります。北米航路のコンピュータシステムの開発を日本本社のシステム部に任せていたのですが、世界最先端のロジスティックス(物流)が必要とするシステムに対する理解が得られないし、間に合わないと思ったから、定期航路部門の部長である自分自身がやるって言ってしまったんです。アメリカ人のエキスパートを集結してアメリカに会社を作って、アメリカの最先端技術で北米航路のシステムを作ろうと考えたのです。ところがニューヨークで1000人以上の専門家が二年かけて最先端のシステムを完成したつもりだったのに、テストランしてみるとうまく動かない。結局元のシステムに戻す結果になってしまいました。


後悔先の立たずですが、最先端の技術にチャレンジする際の事前の能力の検証に問題があったと反省しました。過度に信頼したのが原因でしょう。失敗だと思った瞬間に素直に失敗を認めました。【覚書き:北米部長時に北米航路のコンピュータシステム開発をした際の言葉。約120億の損失を出すこととなる】


人類の歴史で、単純な過去の繰り返しというのはあり得ない。常に進化しているんです。かつては、ニューヨークの建物は高いけれど、東京は一般に低いとか、世界の様相は国や地域ごとに個性があり大きく違っていた。しかし、いまはどこもみんな同化の傾向にある。地球規模でグローバルに連動しているんです。


過去たった100年で人類は地球上のかなりの化石燃料を使ってしまった。食糧生産も極限に近づきつつある。森林をはじめとする自然環境の破壊も限界の瀬戸際だ。私が予想する将来は、あと40年、50年は想像の範囲内だが、21世紀の後半には相当変わってくると思う。


固辞し続けたのだが、さまざまな経緯があって結局は(日本郵政公社)総裁の責務を負い、以後4年間、やるからには真摯に全力で真っ向から取り組むことになった。


経営企画部にいる以上、社内の各部門から悪評を浴びるのは覚悟しようと自分に言い聞かせ、また一緒に仕事をする仲間たちにもそう言っていた。
【覚え書き|経営企画部副部長時代を振り返っての発言】


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