熊谷眞一の名言 一覧

このエントリーをはてなブックマークに追加

熊谷眞一のプロフィール

熊谷眞一、くまがい・しんいち。日本の経営者。洋菓子店やラスク通販のシベール創業者。山形県出身。和菓子屋に生まれる。山形市立商業高等学校卒業後、仙台・東京などで修業をしたのち、シベールを創業。同社を山形県内随一の洋菓子店に躍進させたのち、ラスクの通販事業に乗り出しJASDAQ市場に上場させた。そのほか、山形県経済同友会代表幹事、公益財団法人弦地域文化支援財団代表理事などを務めた経営者。

自分で自分の限界を決めないでほしい。相対的積極というのが一番よくない。「これぐらいの給料だから、これぐらいの仕事で十分だ」というのでは、自分の能力を伸ばせないし、会社もその人材を活かしきることができません。


ゴールを明確に決め、周囲に堂々と宣言すること。それが経営にとっては大切です。ゴールが明確であれば、たとえ困難に遭遇しても、むしろそれをチャンスに変えることができる。困りごとはビジネスの宝庫なのです。


若い人材には大いに期待しています。シベール本社の玄関には、「ここに来れば日本の未来が信じられる。今時の若者は大したもんだ」という標語を掲げています。ITに関する知識や新しい発想など、本当に今の若者の能力は素晴らしい。


「野心に満ちた無欲な人間」。そんな人間が必死に頑張っていると、誰かが必ず応援してくれます。野心と欲は違います。欲はあくまでも自分のため。野心はもっと大きなものです。ホラといってもいい。


私も先日、71歳になりましたが、新会社を設立し「もう一度、ベンチャー」です。まだまだ負けないぞというのが、若い人たちに対する私からのメッセージです。


シベールに事業拡大をもたらしたラスクの通販も、目の前の困難な状況を打破しようと考え抜いた末に行き着いたものです。当時、シベールは洋菓子店として山形県でトップクラスになっていました。そうなると、お客様から「そろそろ手仕舞いにしたらどうか」という声が聞かれるようになりました。これ以上店舗を増やしたら、味が落ちるというのです。私は企業家として行けるところまで行きたいという野心が募っていました。事業は拡大したいが、山形県では店舗を増やせない。ジレンマを克服するために思いついたのが通販でした。


ゴールを設定し、その実現を妨げている困難をどう克服するかと考えていたからこそ、日常の情景からもヒントを得ることができます。経営者がゴールを思い描くこと。それは詩人が詩を書くことと同じだと、私は思っています。


これまでの経営を振り返ってみると、社内の人間に十分に議論をさせ、その意見をもとに自分が最終的な決定を下すというプロセスを、もう少し取り入れるべきだったと反省しています。シベール会長を辞めてつくった会社では、山形県出身の著名な工業デザイナーである奥山清行さんや、東北芸術工科大学の先生方に取締役として入ってもらいました。彼らとの議論は楽しいし、事業計画をつくるうえで役に立ちます。経営者は独断が過ぎては駄目ですね。


私は昔から読書好きで、書物から多くの知恵を得ました。対立する意見を持つ著者の本を読み比べて、双方の理論を突き合わせて、自分なりの補助線を引くという作業をよくやりました。


私が最初の店を出したときに考えたのは「山形にあるパリの味」です。何よりも「東京にある店には絶対負けない」というプライドで頑張ってきました。それが周囲の人たちの父性本能をくすぐったのかなと思っています。


ラスクの通販事業をやろうと決めたとき、宣伝費をかける余裕がありませんでした。どうやって売ろうかと悩みました。そうしたある日、店のかたわらにあった桜を何気なく見ていると、全体は揺れていないのに、一部の葉だけがそよ風で揺れているのに気が付きました。しかも、そこだけ枝の奥深くまで葉がゆれているのです。「そうか。そよ風マーケティングだ」とピンときました。急いで事務所に帰り、異業種交流会で名刺交換した相手100人に、「先日のお話を参考にこんな商品をつくりました」とあいさつを添えてサンプルを送りました。何となく自分も商品開発に関わったような気になったのか、何人かはすぐに注文してくれ、周りにも紹介してくれました。そうして少しずつ顧客が増えていったのです。


野心があったら、それを堂々と周囲に宣言する。ゴールを明確にすること。それが私の経営哲学です。


新しい会社をつくることになったのは「3・11」がきっかけです。東日本大震災は、大変不幸な出来事でした。でも、経営者は不幸をバネにして自分自身を変えないといけない。震災前よりもっと良い会社にしなければ、亡くなった方々に申し訳がない。そう思ったとき、持ち前のベンチャー精神が頭をもたげてきたのです。


現在の心境をひと言でいえば「もう一度、ベンチャー」です。昨年8月、創業者として経営してきたシベールの会長を辞めましたが、そのあと会社をつくりました。新しいコンセプトの洋菓子店を首都圏で展開する計画を練っています。「シベールより大きくするぞ」とひそかに思っているんですよ。


昔、こういう夢を何回も見ました。大きなヘリコプターがシベールの店に飛んできて、店舗を丸ごと運び去ってしまう。ところが、お客様は平然と、何も気づかずに店のあった場所を通り過ぎていく。夢から覚めて愕然とした覚えがあります。「なくてはならない会社になる」というのも、私が思い描いたひとつの目標でした。


現在の日本は二極化が進んでいます。ごく少数の上流と圧倒的な多数の下流。これではいけない。「知的上流・経済中流」という層を増やし、その生活の質を向上させることが必要です。


人名ランダムピックアップ


経営・ビジネス・投資・仕事・お金・経済的な分野で成功を収めた人たちの名言を収録しています。

ページの先頭へ