津村記久子の名言 一覧

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津村記久子のプロフィール

津村記久子、つむら・きくこ。日本の小説家。大阪出身。大谷大学文学部国際文化学科卒業後、印刷会社勤務を経て、土木関係のコンサルティング会社に入社。26歳で本格的に小説を書きはじめ、『君は永遠にそいつらより若い』で太宰治賞を受賞し小説家デビュー。また、『ミュージック・ブレス・ユー!!』で野間文学新人賞、『ポトスライムの舟』で芥川賞、『給水塔と亀』で川端康成文学賞、『ワーカーズ・ダイジェスト』で織田作之助賞をそれぞれ受賞。

目標を達成するのに近道はない。


どうせ人生、ままならないもんなんですよ。うまいこといかないことがあっても、「今日はあかん日やったな」と思えばいい。全体を諦める必要なんてないです。


とにかく、何でも小分けにすることが大切。小分けにしたら、手をつけられるところが見えてきます。一気に到達しようとは考えない。


せっかちになりすぎない。ズルもしない。その覚悟が持てるんやったら、誰でも、こんな時代であっても何かかなえられることはある。


身の丈に合ったものを選んで、ちゃんと使いこなすことに喜びを感じます。


本格的に小説を書きはじめたのはいまの会社で2年ほど経った26歳の頃でした。大学時代に書いてた時期はあったけど、ずっと中断していたんです。私の26歳の誕生日の前日、きっとあの人は100歳ぐらいまで生きるだろうと周囲に言われて本人もそう思っていたおばあちゃんが84歳で死んでしまいました。それで何か、あ、人は死ぬんだ、それなら好きなことをやろうと。


上の世代から押しつけられたものは、感覚からだけではなく論理の上からも拒否できるものであると気づくことこそ「大人になる」ということではないでしょうか。私が最初の職場で「ここであかんかったらよそでもあかん」とずっと言われていたように、上の世代の「世界はこのようになっているのだから私の言うことに従いなさい」と無理に思いこませようとする言葉には、現実はそうはなっていない作りものの価値観もずいぶん含まれていますよね。


上の世代からいろいろと押しつけられると、その人たちがどれだけのものごとをダメにしてきたのかも知るから失望はするけれど、そこで「自分も一緒になって何かをダメにする仲間に入る必要はないんだ」と意見を表明できる。それはこの30歳前後の時期からだとは思うんです。


私はシモーヌ・ヴェイユの『重力と恩寵』という本がすごく好きなんです。ヴェイユは考え抜いて、報いられることのない真空を生きなさいと言うじゃないですか。真空になって待ちなさい、偶像を自分で作り出して崇め奉ろうとするなとも言っていて、架空の偶像を崇めないところにこそ恩寵があるのではないかとも書いています。その通りだよなぁと思うんですよ。


小説を書くことは、私にとってはまず忍耐です。ほかには何も要らないのではないかと思えるほど、うまく書けないことに耐えなければなりません。


一度に100枚書けと言われても無理ですが、毎日2~3枚コツコツ書く分には書ける。そして2カ月とか3カ月とか続けていると、いつの間にか100枚とか書けてる。書けたら達成感が得られるし、編集者さんに送って「面白かった」と言ってもらえるとうれしい。私の場合、そういう小さな瞬間のために書いてるんやな、と改めて思います。そこまで行きたいから、分割して日々のノルマを管理するんです。そうした積み重ねが成功体験になっていくんですね。


今の時代、大きな夢って持ちにくいじゃないですか。どかーんと大きな夢を立ち上げて、それに向かって邁進するというのはあまり現実的ではない。でも、目標管理ならできます。小さな目標をたくさん設定して、一つひとつそれを実現していけば、人生、そこそこの状態になっていると思うんですよ。


私にとって、書くことは、ある意味ライフワークそのものなんです。使命感とか気負いとかでなく、日常というか。子供が家に帰って宿題するみたいに、当たり前のこととして書いています。小説を本格的に書き始める前は、体は楽やったけど、ふわふわとして地に足が着いていませんでした。小説を書くことで日課ができた。今の方がずっと安定していますね。


1日10枚とか書けたらいいんですけど、私はできないから、毎日少しずつ貯金するしかない。1つ書き上げたら、やっと次の作品に行ける、みたいな。TODOを一つひとつ消していく感じでしょうか。


「働かない自分をどうやって働かすか」というのが大きな課題で、常に自分とネゴシエーションしているんです。「お茶入れたから書きやー」とか、「今、寝ちゃったら、体は楽か知らんけど、明日たくさん書かなあかんからしんどいで」とか。


自分では兼業にそれほどこだわっているつもりはないんです。でも、作家専業になったら外に出なくなるんちゃうかとか、生活のリズムが狂ってちゃんと仕事をしなくなるんちゃうかとか、そんな心配を理由に辞めそびれたまま、今に至ります。


タイマーで時間を区切って執筆するのは、小説を投稿し始めた頃からの習慣で、以前は60分とか80分とかに設定していました。でも、設定時間が長すぎると逆効果。タイマーの残り時間を見て「あと40分もある」と思うと、頑張りが続きません。これが25分だと「いろいろやりたいことがあるのは分かるけど、25分だけ我慢しい」と自分に言い聞かせることができます。


キッチンタイマーをセットし、25分書いては5分休み、また25分書いては5分休むという感じ。25分間に書けるのは原稿用紙1.5枚くらい。毎日3枚とか4枚とかを、チャリンチャリンと小銭を貯金するように書きためています。


朝9時から夕方の5時半までは会社で仕事をして、6時半とか7時には家に帰り、夕食を食べて、テレビを見たり、小説を書く準備をしてから、いったん9時か10時に寝ます。そして夜中の2時頃に起き出し、まずお風呂に入ったりお茶の用意をしてから小説を書き始めます。2時間ほど書いたらまた寝て、8時頃に起床。支度をして出勤です。会社員としての自分と作家としての自分を「寝て区切る」という感覚なんです。


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