横川竟の名言 一覧

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横川竟のプロフィール

横川竟、よこかわ・きわむ。日本の経営者。すかいらーくの創業者の一人。ジョナサン会長。諏訪中学校(現:諏訪清陵高等学校)卒業後、兄弟とともにことぶき食品有限会社を設立。子会社の株式会社ジョナス(現:ジョナサン)の社長・会長を経て、すかいらーく会長CEOとなる。

お客さんは常に新しい価値を求めています。


商売の基本は、10年前も、30年前も、50年前も同じです。


人が生きる上での思想は、若い時につくられるものです。私は、築地で4年の間に教わったことを60年間愚直にやってきました。


「安全でおいしいものが食べ物である」というのが、築地で学んだ一番大事なことでした。


きれいごとに聞こえるかもしれませんが、商売は儲けるためだけにやるなと言い続けてきました。売上高の規模や収益力で日本一になることは永遠にないでしょう。でも、そんなものにこだわる必要はまったくありません。


企業の価値は拡大だけにあるのではありません。体に良い商品を提供する。という志を失ったなら、自分が育ててきた子供のようなジョナサンでも、病死したと思ってあきらめるようにしています。もちろん、そんなことはあり得ないと信じているからこそ、潔く後進に後を譲ったのです。


品質で一番になれるなら、ほかは捨てても構わない。せめて質だけはファミリーレストランで日本一になる。こう願い続けて努力を重ねた結果、まだやるべきことはたくさん残っているものの、いまではジョナサンが食の安全という品質でリーダーシップをとっていると自負しています。


本当に安全な野菜を使うとなると、並大抵の努力では良い商品を安定して提供することはできません。ある瞬間だけ、一部だけ有機の野菜を使うなら誰でもできるんです。ところが、年間を通じて安全な野菜を提供するとなると、それこそ沖縄から北海道まで、安心してお願いできる農家と契約を結ばなければなりません。


なぜここまで食の安全にこだわったのか、忘れもしません、いまから十数年前の話です。ジョナサンに野菜を出荷している農家を訪れたら、防護メガネをかけて手ぬぐい巻いて、皮膚をまったく露出していない完全防備姿で農薬を撒いている。ところが、自分の家で口にする野菜は畑を別に決めていて、そちらには農薬を撒いていないんですね。「これはどこに行く野菜?」と尋ねると、「それはお宅に回る商品」という答えが返ってくる。「じゃ、なぜあちらの畑には農薬を撒かないの?」と聞くと「危ないから」って言うんです。「やめてよ、農薬撒かない方をうちに回してよ」とお願いするのは当たり前の話でしょう。


正直言って、値段を上げるなら別ですが、それ以外に我々ができる範囲のことは、この10年間でほとんどやり尽くしました。だとすると、私の後を引き継いだ経営者はもうやることがないかといえば、課題はいくらでも残っているんです。これでいいと安心した瞬間に、質は崩壊していくものです。10年かけて築き上げた信頼も、崩れるときはあっという間です。


不思議なものでライバルがみんなジョナサンの真似をして「有機」を売り物にし始めた途端、お客様が目移りしてジョナサンの来店が減るという苦労も味わいました。食の安全は大変な割に実入りが少なくて、いまの品質を守り続ける限り、これ以上の利益は絶対に出せないと思います。


ジョナサンはハンバーグの牛肉や、豚肉にも抗生物質やホルモン剤を使っていないんです。当然、食材の仕入れ値は高くならざるを得ない。野菜なら他より10%は値が張る材料を使っています。株主から見れば、短期的にはあまりいい会社ではなかったんでしょう。


勘違いしてはいけません。物があふれていることが豊かだというのは間違っているんです。健康を害する食品のような悪い物は、むしろ存在していないことが豊かさなんです。


平成に入ってからの外食のデフレの原因を、デフレ経済の影響だとする言い方を何度も耳にしましたが、それは違うと思います。デフレ経済の下で、外食産業は商売の基本をおろそかにしたから「外食デフレ」になったのでしょう。経済のデフレとは違うところで起こったデフレです。経済のデフレに便乗して、消費者の期待に応える努力を怠ったことが原因です。新しい価値を創ることができないから、価格でしか勝負できなかったのです。


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