森澤篤の名言 一覧

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森澤篤のプロフィール

森澤篤、もりさわ・あつし。日本人コンサルタント。世界的コンサルティング会社ボストン・コンサルティング・グループのヴァイス・プレジデント、ディレクター。京都大学工学部卒業後、南カリフォルニア大学に留学しMBAを取得。リクルート社を経てボストン・コンサルティング・グループに入社。幅広い業界のコンサルティング活動にかかわっている

発想力とは、知識の広さと深さの掛け算から生まれてくる。広さだけの人は単なる「物知り」であり、深さだけの人は単なる「専門バカ」になってしまう。双方がそろってはじめて思考を遠くまで飛ばすことが可能になる。


継続的に結果を出すためのマネジメント手法として、よく「PDCAサイクル」が用いられるが、創造力を引き出すには「PDLAサイクル」を回した方がいい。これはあるクライアントから学んだことだが、「チェック」を「ラーン(学習)」に置き換えるのである。
【覚書き|PDCA=PLAN(計画)、DO(実行)、CHECK(チェック)、ACTCYCLE(改善)】


知識の幅を広げるには、まず自社の製品やサービスを使ってくれる末端のユーザーになりきってみるとよい。そのイメージを限りなく明確化していくことが、知識を咀嚼する力に結び付く。たとえば、食品ビジネスに携わる人なら、「高齢化時代の消費パラダイム」といった抽象的なテーマを考える前に、「自分が70歳になったら欲しいと思う食品」を常にイメージしておく。そうすれば、豆腐を見ても、ジャムを見ても、それを高齢者の目でとらえなおし、「こういうふうにすれば新しい商品ができるかもしれない」と具体化したイメージを蓄積することができる。


突拍子もないアイデアを誰かが突然ひらめいて、会社が丸ごと変わってしまうこともあるだろう。だが、ビジネスパーソンが目指すべき創造性のレベルは、必ずしも大それたものである必要はない。むしろ、大それたことを狙わない方がいい。ポテンヒットでいいからつなぎ、次のヒットで点が入る、それを繰り返していくぐらいの感覚で構わないのだ。そして、繰り返していくうちに、気がついたら長打力が身についていくという形だ。


ふと思いついたことをまずはやってみて、「これと一緒にやると、もっと効率的にできるんじゃないか」「ここをこう変えたら使い勝手がよくなるかも」といった小ネタレベルの創造力が積み重なっていき、気付いたら巨大な山が動き出していたというのがビジネスのブレークスルーの実態である。たとえば、トヨタの有名な生産システムにしても、出発点はそんなところにあったのではないだろうか。


人間の頭脳は元もと綿密な論理ではなく、経験に基づく直感で動くようにできている。何か問題に直面すると、過去の経験をもとに勝手にパターン化して判断するので、そのままでは偏った判断に陥ってしまう場合が多い。


ビジネスの世界では巨大な「WOW!」を追い求める必要はない。「たまたま今まで考えたことがなかった」「そういえばやってみたことがなかった」程度の、小さな「WOW!」こそが大事なのだ。


アートの場合は、創造力に富む作品により誰かに大きな感動を与えることが世の中へのインパクトになる。一方、ビジネスで求められる創造性は、売り上げが伸びる、新しい顧客がつく、ブランドイメージが高まるなど、具体的な結果につながらなければ意味がない。たとえ斬新なアイデアでも、1円も生まないアイデアには投資しようという人はいないだろう。


一見ちょっとしたことでも、結果としてビジネスを大きく変えるようなアイデアを思いつく力、それこそがビジネスで本当に意味のある創造力であり、ビジネスパーソンに必要な創造性だ。


普通の人は、必要に迫られない限り、変化を求めないものだ。したがって、「こんなものがあったらどうだろう」というイメージをちょっと膨らませてみるだけで、消費者の一歩先を行くことになる。さらにそのイメージを一部でも実現できたら、それを使う人が現れて、彼らが新しい使い方を見つけてくれることもある。


スティーブ・ジョブズはは芸術家でもなければデザイナーでもない。彼の凄いところは、多くの普通のビジネスパーソンがなんとも思わずに見過ごしてきたことに着目したことである。


あらゆる創造には出発点がある。その出発点は、たとえば子供が夏休みの自由研究で求められる創意工夫のレベルでいい。発明コンクールに出品するとなると、すごいアイデアを出そうと構えてしまうが、母親が困っていることを素直に聞くと、意外と良いアイデアが出ることは多い。大事なのは、そういうプロセスを継続していくことである。大きなブレイクスルーは、ほとんどの場合、小さな創意工夫の積み重ねの先にある。


賞をとるような発明、ブームを作るような商品、業界地図を塗り替えるようなビジネスモデルなどの「特大のホームラン」を狙って三振ばかりしていては意味がない。ビジネスにおける競争では、相手よりも半歩先にいれば「勝ち」なのだから、10年にひとつの大発明をするような創造力より、ちょっと面白いことを思いつく力の方がむしろ大事なのだ。


ビジネスにおけるクリエイティビティ(創造力)の開発と育成を研究しているリュック・ド・ブラバンデールは著書『BCG流 非連続思考法』の中で、「創造的であろうとする人は、常に変化に注意深く気を配り、何の変化も生じなければ、そのこと自体を意外に感じなければならない」と述べている。つまり、何かに「驚き続ける」ことが重要なのだ。
【覚書き|BCG=ボストン・コンサルティング・グループの略】


失敗したときはむしろ「なぜ失敗したのか」を反省し、そこから学ぶべきだ。ある大型商談が失敗に終わったとしよう。金額が大きいほど心理的ショックも大きいから、放っておけば担当者も周囲もそれを封印しようとする。しかし、封印・忘却から生まれるのは何もない。そうではなく、「購買の意思決定ができる人に本当に食い込んでいたのか」「相手のニーズを理解して提案したのか」「競合製品の方が魅力的だったのではないか」「リピーターになるようなフォローアップをしていたのか」と失敗の理由を探し、そこからさらに、「なぜそこができなかったのか」「どうすれば次にもっとうまくできるのか」と考えていけば、次のプランを修正することができる。


あなたがマネジャーであれば、部下の失敗を叱責したり慰めたりするだけで終わってはいけない。また、部下の提案に対して「それは前にもやったが、失敗した」「以前検討はしたが、やめた」とは禁句だと思わなければいけない。


小さなアイデアをバカにせず、上手くいかなかった理由を「なぜ、なぜ――」と検証する。失敗から学ぶことが大切なのは、次に失敗しないためというより、むしろ失敗を恐れず、自由な発想に基づく次の挑戦を前向きに取り組むことができるようになるからである。


最初に立てたプランが成功するとは限らない。新しいことに挑戦するほど失敗も増える。その失敗をPDCAサイクルのチェックの過程で不成功の烙印を押して、封印してしまうと、企業の成長力の源泉であるアイデアの井戸を枯渇させることになる。


優れた発想力は、頭の良し悪しとは関係ない。発想が豊かな人の共通点は、「次の問い」を思い付く好奇心の強さだ。答えを導き出したとき、「なぜだろう」「だとしたら」と次の問いにどんどんつなげられる力。それは知識の幅と深さなしにはあり得ない。


あなたは「この分野では自分は誰にも負けない」という専門性をいくつ持っているだろうか。本当に狭い分野でもいいから、少なくともひとつ、できればふたつはあることが望ましい。たとえば、「コンビニのおにぎりの売れ筋や並べ方なら任せろ」「若者がどんなときに、なぜクレジットカードを使う、もしくは使わないかについてなら半日でも語れる」といったものでも十分だ。


エルニーニョ現象にせよイラク戦争にせよ、世の中のどこかで起っていることは必ず、風が吹けば桶屋が儲かるというぐらいには自分や自分の仕事と関わりがある。それくらいに思って、興味のアンテナをあちこちに立てておく。そして、察知した情報は単に記憶するだけでなく、咀嚼して自分のものにする。それを続けていけば、知識の幅はおのづと広がっていく。


営業マンで、自分の担当分野以外の知識も持っているが、なぜか仕事とまったく関係のないフランスの歴史やオーディオ技術にもやたらと詳しいような「変な人」がよくいる。こういう、まったく違う複数の分野に造詣の深い人は、普通なら思い付かないもの同士を結びつけることが比較的容易にできる。


驚くだけでは不十分だ。「おや」と思ったことをそのままにせず、何かに結び付けて考えてみよう。例えば「インターネットはすごい」と思ったら、これが何に使えるかを考える。近くの店がいつの間にかに閉店していたことに気付いたら「自分がいまこのスペースを手に入れたら何をするか」を考えてみる。実はこの「新しい結び付け方」こそビジネスで最も必要な能力かもしれない。


私たちコンサルタントはよく、「インターネットで伝送速度が無限大になったらどうなるか」といった極端な前提のもとで議論をする。すると、「いま絶好調のあの会社が一番打撃を受けるんじゃないか」といった、意外と面白い話につながっていく。


思い付きの力は本来誰にでも備わっているはずなのだが、人間の脳はパターン化が大好きなので、意識しなければ同じような思考回路しか使わなくなってしまう。眠れる思い付き力を目覚めさせるにはちょっとしたコツがある。「もし――だったら」の「――」の部分をできるだけ有りえない状況にしてみると、思考がいつもより遠くまで飛ばせるのだ。思い付き力の基本は、物事を何であれ「これがあたりまえだ」「これしかない」と思わないことである。


人はなぜか「創造力」という言葉にある種のコンプレックスを持ち、限られた人、特殊な業界の人だけが持つ特別な才能で、自分とは無関係だと思いがちだ。人間は本当にクリエイティブなものに触れると「WOW!」と驚き、感動する。とくに五感からくる芸術的な感動はインパクトが大きく、とても自分にはできないと思ってしまうため、創造性を一部の天才芸術家だけに許された天賦の才と思い込んでしまいがちだ。ビジネスで必要な創造性とアートにおける創造性には大きな違いがある。創造性にも天才レベルから身近なアイデアに至るまで様々な段階がある。


論理思考(ロジカルシンキング)の本来の目的は、与えられた状況の中で誰もが正しいと納得できる答えを見つけることにある。しかし、競争環境や競争ルールが次々と変わっていく時代には、与えられた状況そのものが変化していくので、論理思考だけでなく、継続的に創造力を発揮して「非連続的に」考えていくことが不可欠になっている。


論理思考(ロジカルシンキング)のベースは「事実」と「ロジック」である。しかし、「事実がないと答えが出ない」と思い込み、調査を繰り返してばかりいては、物事が進まない。ビジネスとして意味のあるスピードで仕事を進めるためには、大局的観点での見極めやメリハリが重要になる。厳密に論理的に考えようとこだわりすぎると、商機を逃してしまう危険性が高まることも忘れてはいけない。


論理思考(ロジカルシンキング)が得意な人ほど、「論理的に正しいのだから相手も納得して当たり前」と思いがちだ。何が論理的に正しいかに拘泥しすぎると、プランを実行するうえで必要な「人を巻き込み動かす」という側面を見落としかねない。評価や審査、交渉においては論理思考が必要とされるが、論理的であることを最終目的にしてしまうと、実行段階で行き詰ることがある。


前提条件やルールが変わらない環境で、ある問いを論理思考(ロジカルシンキング)で突き詰めていくと、当然のことながら、どの企業も最終的には同じような答えにたどり着いてしまう。論理思考で違いを出すには、問いの設定自体を変えなければいけないが、そのためにはクリエイティビティ、つまり創造力が必要になる。


論理で考えるうえで基礎となるルールや前提条件は、過去の出来事に依存して設定される。その結果、ルールや前提条件そのものが変わると、答えがずれてしまう。昨今のビジネスの世界では、ゲームのルールがガラリと変わるような変化が頻繁に起こるようになった。そのような環境では、前提条件やルールが変わる可能性を常に論理の中に組み込んでいかないと、まったく間違った答えを出してしまう危険性がある。


論理思考(ロジカルシンキング)は正しく使わないと「こういう問題はこう考えるべき」「この枠組みが一番正しい」というように型にはまってしまい、思考停止に陥りかねない。また、論理思考がそれなりに正しく使えるようになっても、そこには限界や盲点があることも認識すべきだ。


論理思考の4つの限界

  1. 前提条件が変わると使えない。まったく間違った答えを出してしまう危険性がある。
  2. 前提条件・ルールが変わらない環境では最終的に同じような答えにたどり着いてしまう。
  3. 「正しい」だけでは人は動かない。論理的であることを最終目的にしてしまうと実行段階で行き詰ることになる。
  4. 調査依存症になる危険性がある。調査を繰り返してばかりいると、物事が進まない。商機を逃してしまう危険性が高まる。


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