木皿泉(妻鹿年季子)の名言 一覧

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木皿泉(妻鹿年季子)のプロフィール

妻鹿年季子、めが・ときこ。脚本家。和泉務とともに木皿泉(きざら・いずみ)の名で活躍。主な脚本作品に『すいか』『野ブタ。をプロデュース』『セクシーボイスアンドロボ』『Q10』ほか。兵庫県出身。短大卒業後、商社勤務を経てシナリオライターとなる。『やっぱり猫が好き』の脚本を機に和泉務とペアを組み、共同ペンネーム木皿泉として活動を開始。主な受賞に『すいか』で向田邦子賞、『野ブタ。をプロデュース』でザテレビジョン誌ドラマアカデミー賞最優秀賞作品等6部門制覇ほか。木皿泉(和泉務)についてはこちらを参照。

脚本の制約については、あったほうがいいと思いますよ。何でもありなんて、ロクなことがないです。ドラマなんてもとは誰かの妄想なんですから。


いまの映画には、映像の力はすごくあって、エピソードはちゃんと作ってあるのに、並べているだけで最後まで解放感が得られないものがけっこうある。世界を組みたてるという作業を忘れている、そんな映画も興行的に成功したりするけど、そういうやり方って、今たまたま受けいれられているだけで、あとの人に何も残さないと思う。私はあとの人につながらないものは書きたくない。


好きなものだけで書いています。いやだと思うものは何ひとつ入れません。本でも映画でも人の話でも、いいなと思ったものはぜんぶ覚えていて、それがうまくつながっていってお話になるんだと思います。ただ、気をつけなければいけないのは、好きなものを並べただけではドラマにならないということ。それらのものが有機的に結びついていかないと、カタログみたいになってしまうんです。


私が書きたいテーマは、たぶんほかのいろいろな作家がすでに書いてきたり、あるいはこれから誰かが書いていったりするようなことだと思うんですよ。私が書かなくても、ほかの人が書いてくれる。私にしか書けないテーマはこの世にはない。でも、私たちにしかできないやり方はあるんだろうなと思うわけです。それは日々改良を重ねてきた工夫だったり、ふたりで作ってきた言語感覚だったり、そういうものは教えたくても教えられないものとして私たちの体に残っていっている。それが個性なのかなと思うんです。


私たちが神戸にいるのは、何者でもない自分でいられるからですよ。東京へ出て、わかりやすいキャラクターを作って、見た目をよくして露出して、顔を覚えてもらったら売上がアップするだろうなとは思います。でも、「それだけ」なんですよ。アップするのはお金だけ。あとは消費されておしまいです。だから、大切なのは、芸能界で仕事をする人がそれについて心を砕くように、いかに遅く消費されるかどうか。


『すいか』をやる前の2002年は価値観が変わった年で、強いと思われていた恋愛ドラマの数字が取れなくなっていて、放送局は何を作っていいのか目標を失っていた時期だったんです。そのドサクサに紛れて『すいか』みたいな地味な企画が通ったんでしょう。ほんとはほかの作家と共同で書くはずだったけど、私たちが書いた1話目があまりにもヘンだったからほかの人は無理だろうと、結局、マイナー作家の私たちがメインで書くことになって。あの時、最初から決めていたのは、せっかく書かせてもらえるんだから、ほかのドラマにはないもの、現実にはあるのにドラマではやらないことを書こうということでしたね。それは制約でできないんじゃなくて、おもしろくないと思いこまれていた。


私は、お客さんにバレなければいいと思っているんです。ドラマを観る人の気持ちが止まってしまうウソは絶対にダメだから、まずいなというところはうまくごまかしながら最後まで書き上げます。女って、そういうところは厚かましいんですね。今も昔も、仕事量は少ないですけど。


私たち、自分の書いたものに執着がないので、平気でそういうこと(ひとつのワープロで共同執筆すること)ができるんです。それに自分の書いたものって飽きるじゃないですか。でも人の手が入ると言葉の使い方とかギャグとかが新鮮で。おもしろいと先が書けるんですね。彼はここがおもしろくなるとか言って、わずか数行にものすごく時間をかけるんですよ。言葉をとても大切に選んでいく。笑いってこういう地道で繊細な作業がないと生まれないんだ、とかなりびっくりしました。


いつも、セリフで説明はしないということについては……「言わなとって、格好良いと思うんですけどね。今の人って、自分のことをどれぐらいわかってくれているかが、親友や恋人の親しさのバロメーターみたいになっていますが、私はそれは違うと思うんです。それなら、わかってくれない人は「敵」になってしまって、ここでもなぜか情報量が重視されてしまうことになるから。でも、わかってくれなくても世間話を楽しめたりもできる。知ってるとか知らないとか、そんなに大したことなのかなぁと思うんです。会って楽しければそれで良いし、その楽しい場みたいなものが一番描きたいので、その時だけ成立していた場みたいなものが描けたら、セリフは、かえって余計なものになってしまうんです。


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