木村宏の名言 一覧

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木村宏のプロフィール

木村宏、きむら・ひろし。日本の経営者。JT(日本たばこ産業)社長。山口県出身。京都大学法学部卒業後、日本専売公社(のちのJT)に入社。経営企画部長、たばこ事業本部事業企画室調査役、JTインターナショナル副社長、JT取締役などを経て社長に就任。多くの大型M&Aを成功させ同社の基礎強化を行った経営者。

緊張感を癒してくれるのは、ジュネーブ時代から飼っている柴犬のタクだ。健康づくりを兼ねて週末は朝夕一時間ずつ散歩をしている。多摩川の河川敷などにも足をのばす。仕事のことは一切考えない。


会議資料を作成するとき、なるべく紙一枚にイシュー(論点)と結論を書くように言っている。何らかの提案・推奨事項はあるのか、それともそれ自体を求めているのか。ディスカッション事項を明確にし、優先順位をつけ、理由も添えておくことが大切だ。ジュネーブにある子会社でも「社内会議にプレゼンは不要。本質的な議論に時間をあてるべきだ」といって、議論のやり方を変えさせた。


情報の価値にも敏感になるべきだ。意思決定に何ら影響を与えないような情報は価値がない。そんな情報をシェアするために、わざわざ時間を使って集まり、重要な意思決定のタイミングを遅らせることは罪だ。情報はある一定の量を超えると、限界効用が逓減し、意思決定の品質があまり向上しなくなる。それ以上、会議をやっても情報を集めても、意思決定の質が上がるわけではないから、時間の無駄なのだ。


私は若いころから、ものごとを決めない会議には出なかった。資料をもらえば済むからだ。情報をシェアするために、わざわざ大人数が集まるのはバカらしい。しかも、最後まで一言も発言しないような人がいると、なんのための会議か疑問に思う。


時間の無駄が出やすい典型は会議だ。たとえば、紙に書いてあることをわざわざ読み上げる必要はない。むしろ、ディスカッションや質疑応答に時間をあてて、本質に追われるような場にすべきだ。


時の利、地の利だけでは勝てない。日々の地道な努力があってこそだ。試験のヤマを張るのが得意な人でも、授業にまったく出ていなければ勘の働かせようがないのと同じだ。時間の無駄を省くということは、単純に仕事をすぐやるかどうかではなく、いまやるべきタイミングかどうか、いまやることで最大の効果が得られるかどうかを見極めることなのである。


自分の手だけを眺めていても時の利は見えてこない。ライバルが何をやっているのか、市場の流れはどうか、マクロ経済はどうなっているのか。いろいろな要素を総合的にとらえたとき、時の利、地の利が我が方にあるかどうかが見えてくる。我が方にありと判断すれば、経営者として無理してでも勝負に出るべきだし、逆風なら我慢の時期だ。


重大な意思決定は、時の利、地の利が我が方にあると判断したときに下す。たとえばギャンブルに弱い人というのは能力が低いわけではなく、時の利を信じていないのだ。だから、いつも同じ調子で頑張ってしまい、裏目に出る。経営でも時の利というものがある。


20代後半から30代初めにかけて、85年の専売公社民営化に向けたプロジェクトに4年弱関わり、丸1年ほど休みなしだった。おかげで長期にわたり力を発揮し続ける術が身についた。


1999年、米たばこ大手RJRナビスコの海外たばこ部門を9400億円で買収する大型案件を決断した。その際も1から2か月ほどテンションが高い状態が続いた。2006年は英国のたばこ大手ガラハーの買収を決めた。総額は2兆2500億円以上と、RJR買収を上回る国内最大級の買収案件である。この案件では、最終交渉を始めるころから2・3か月にわたり、フル回転の状態だった。こうした長丁場の緊張状態に耐えられるのは、20代後半から30代初めにかけて火事場を経験させてもらったのが大きい。


ズボラな面も多分にある私も、大型の投資案件に関して決定するような戦闘モードに入ると、生活がガラリと変わる。睡眠時間は2から3時間に激減する。頭が回転し始めて弾みがつくと止まらない。


私は昔から切羽詰まらないとものごとに取りかからない。せっかちだと言われることもあるが、ズボラな面も多分にあると思う。いつも神経を張りつめていたら、いい仕事はできない。リラックスする時間があればこそだと思う。


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