新川義弘の名言 一覧

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新川義弘のプロフィール

新川義弘、しんかわ・よしひろ。日本のレストラン経営者。複数のレストランを運営するHUGEの社長。高校卒業後、新宿東京会館(のちのダイナック)を経て、長谷川実業(のちのグローバルダイニング)に入社。取締役に就任し、ナンバー2として同社東証二部上場に貢献する。2002年、日米首脳会談でブッシュ大統領と小泉首相の接客を担当した。その後、リンク・ワンに移り常務に就任。子会社のHuge社長を務めた。主な著書に『愛されるサービス』『愛される接客 サービスの質を向上させる52のセオリー』など。

私がスタッフによくいうのは、「よく遊ぶことが大切」ということです。よく遊んで、お客様の立場をたくさん経験すると、してほしいこと、してほしくないことがよくわかるようになるんです。


お客様が再来店されるかどうかはほとんど「人」にかかっています。ほかのお客様をお待たせしない範囲で、積極的に会話をするべきでしょう。


自分のことを覚えてくれているのは、誰でも嬉しいものです。お客様との距離はぐっと縮まり、それがほかの会話にもつながっていきます。


店の側がお客様を個人として大切にしないのなら、お客様がその店を大切にしようと思うわけがありません。


私はスタッフに、「仕事と思わず、目の前のお客様と会話を楽しむつもりで会話しよう」と伝えています。もちろん失礼があってはいけませんが、表面的な会話のテクニックより、相手に興味を持つことの方がよほど重要です。逆にいうなら、当たり前のことを当たり前にしていれば、こちらが無理に話しかけずとも、お客様の方から話しかけたいと思ってくださるはずなのです。誰だって、自分に興味を持ってくれる人となら言葉を交わしたいでしょう?


日常生活で相手のことを察する力を鍛えるとするなら、「自分と一番遠い人」と話してみるのがいいと思います。年齢や職業が自分と近い人は、趣味や思考も似通っているので予想しやすいのですが、自分とほとんど共通点のない人だと難しい。しかし、そういう人と積極的に会話を交わすことで、予知できる人の幅がどんどん広がるのです。そうして自分のアンテナの感度を上げていくことが、会話上手になるポイントだと思います。


お客様と会話するときは、当然のことなのですが、お客様を個人としてきちんと見るということです。その姿勢があれば、来店された際のご注文の内容や、交わした雑談などが自然と頭に入るはずです。そしてそのお客様がまた来店されたとき、「前回、ステーキの焼き加減はウェルダンだったかと思いますが、今回はいかがなされますか?」「最近、巨人は調子がいいですね」といった感じで話しかけることができるのです。


私は、究極のサービスは、「お客様がしてほしいことを事前に察知すること」だと考えています。このお客様は何を求めているのかを、五感を研ぎ澄ませて見極める。そしてお客様から頼まれる前に、それをして差し上げるのです。


お客様に「私はあなたをその他大勢ではなく、大事なお客様の一人として見ていますよ」ということを、何気なくお伝えすることが重要です。自分の存在を認めてくれる人には、誰だって好感を持ちますよね。


些細なことの積み重ねが信頼感を生むのです。


心を開いてそれを態度で表せば、スタッフも心を開いてくれます。そして、笑顔の挨拶も率先してやるようになります。お客様との関係もスタッフとの関係も、小さなコミュニケーションの積み重ねによって培われます。


お客様に期待感を持たせすぎると、それが叶えられなかったときに失望を招きます。そのために二度と店に足を運んでもらえなくなることも考えられます。


いくらお客様の前で取り繕っても、素の自分は無意識に出てしまうものです。私はお客様と話すとき、スタッフと話すとき、そしてプライベートで話すときでも、言葉をなるべく変えないように心がけていますし、その意味をスタッフに伝えるようにしています。


私が偉そうにふんぞり返っていたら、スタッフも耳を傾けてはくれないでしょう。私が店に行って一番初めにするのは、スタッフ一人一人に笑顔で声をかけることです。厨房の奥まで入っていって、「おはよう、タケシ。新メニューはどうだ?」「おはよう、マチコ。今日も元気がいいなー」という具合です。


私はスタッフになるべく頭ごなしに注意せず、自分で考えさせるようにしています。「あなたがお客様で、自分と敬語で話していたウェイターが、裏で上品とはいえない言葉で盛り上がっているのを聞いたらどう思う?」と聞くわけです。


スタッフには、「普段の生活でも若者言葉を使うな」とよく言っています。休憩室で「今日の賄い(まかない)、チョー旨くね?」なんて話をしているスタッフがいたら、すぐに注意します。習慣とは恐ろしいもので、そうした言葉遣いをしていると、お客様の前でも「これ、チョーおいしいですよ」と言ってしまうものです。年配のお客様には礼儀がなっていないと思われてしまいます。


スタッフには、「誰に対しても腹から声を出して話せ」と言っています。腹から声を出すと、いい加減なことが言えなくなるんです。飲んだこともないのに、「このワインがお勧めです!」と、大きな声では言えないですよね。腹から声を出すには、それだけの裏打ちを必要とするのです。


お客様の心をつかむためには、まず挨拶です。お客様が入店されたら、とにかく笑顔で、大きな声を出して挨拶をします。基本中の基本ですが、その際のポイントは、2秒以上お客様とアイコンタクトをとることです。こうすると、お客様に安心していただきやすいのです。


お客様がしてほしいと思っていることを事前に察知し、お客様が口にする前にそれをして差し上げること。それがサービスの基本であり、サービスのすべてだと私は考えています。お客様がにぎやかに盛り上げてほしいと考えているなら、そのお手伝いをする。真剣な話をしたいから静かにしてくれと思っているなら、邪魔にならないよう気を配る。水をもっと飲みたそうな表情をしていたら、言われなくても水を継ぎ足す。言われたことを単にやる「給仕」ではなく、お客様に愛される「サービス」を目指すなら、この事前予知力が不可欠です。


サービスするからには、100人中100人を満足させることを目指すべきですが、現実的にそれは無理です。それぞれのお客様で好き嫌いがありますし、サービスマンにも強み弱みがありますから。嫌われないことを意識しすぎては、愛されるサービスは実現できないと思います。


失敗しても攻めることが大事です。愛されるほどのサービスをするためには、お客様の期待を超えることが必要です。お客様に言われたことに応えるだけの「守りのサービス」では期待を超えられません。スタッフには常日頃から、「ディフェンスになるな。攻めのサービスをしなさい」と言っています。


私自身、外食にはかなりのお金と時間を費やしてきました。東高円寺の家賃4万円、共同風呂のアパートに住んでいたころから、高級料理店に通っていましたから。もちろん、サービスの質が悪くて嫌な思いもしたこともありますが、それも「自分ならこうするのに」と勉強になりました。毎月、給料のほとんどが外食に消えていきましたが、そうやって様々なサービスを実際に体験したことで、お客様に対する事前予知能力は確実に高まったと思います。


アイコンタクトも非常に有効です。お客様がご来店されたときに、必ず2秒以上相手の目を見ながら、優しい微笑みで挨拶をする。食堂を経営していた親のマネなんですが、これをするとお客様と打ち解けやすいんです。


注文を取りに行くスピード、料理を出すタイミング……こうした基本を疎かにして、パフォーマンスに走っては本末転倒です。基本をおさえてこそ、お客様への事前予知力が生きてくるのです。そこはくれぐれも勘違いしないでください。


ブッシュ大統領と小泉首相の会食のウェイターを担当したとき、他の外国人のお客様を接客するときと同じセリフを、大統領にも申し上げました。首相や大統領は肩ひじを張らないプライベートな食事を楽しみたいから、私どもの店を選んだのだろう、と思ったのです。それなら普段通りのサービスを提供することが一番喜ばれるのではないか、と。お二人ともノーネクタイでご来店されましたし。


お客様への事前予知力のほかに顧客認知力が必要です。お客様を覚えることです。よく知っているお客様ほど、予知しやすいですからね。ポイントはお客様の「名前」だけでなく、「行動」も覚えること。「10回に9回はサバ煮定食を頼む」「ブラックオリーブを抜く」「いつも違う女性を連れてくる」……。これらを覚えておけば、「いつものサバ煮でいいですか?」「オリーブは抜きますか?」と先読みして言えるわけです。大勢のお客様の特徴を頭の中だけで覚えるのが難しければ、メモを取るのもひとつの手です。私はお客様から名刺をいただき、そこに特徴を書き込んでいました。


私も飲食業の経営者として、お客様の満足を優先したいという気持ちを持っています。タバコを吸う方であれ吸わない方であれ、私たちの店で料理やお酒を楽しんでいってほしいと心から願っています。ただ、僕はそれだけではないと思うんです。こういう問題では、お客様の満足以上に、従業員がどう感じるかということのほうが大事です。私たちのスタッフは、お客様と空間を共有して働いています。店内でタバコを許せば、受動喫煙の害を受けるのは彼らです。だから、ある店で喫煙を認めるかどうかを決めるときには、最初に店長以下スタッフの声を十分に聞くようにしています。いくらお客様のためでも、スタッフが嫌がるならその店はもちろん禁煙にします。


全面禁煙にするのも分煙にするのも、背景にあるのはそれぞれの企業の考え方やフィロソフィーです。たとえば私たちはこう考えます。レストランという業態で、私たちはいったい何を売っているのか。それは、街の人たちがレストランで快適な時間を過ごすということですし、お酒を飲むことや、ランチやディナーの時間に食事をするということです。そういったことを通じて、私たちはレストランを「街の資産」にしたいと考えています。だとしたら、タバコを吸う方を一律に排除するだけでいいのかという疑問も出てきます。


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