御立尚資の名言 一覧

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御立尚資のプロフィール

御立尚資、みたち・たかし。日本の経営者、コンサルタント。外資系コンサルティング会社ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)日本代表。兵庫県出身。京都大学文学部卒業後、日本航空に入社。その後、ハーバード大学でMBAを取得し、ボストン・コンサルティング・グループに入社。本社副社長を経て、日本代表を務めた。主な著書に『戦略脳を鍛える』『使う力』など。テレビの経済番組のコメンテーターとしても活躍した。

仕事のできる人とは、自分の頭の中だけで完璧なものをつくろうとして、つくってから上司に突き返される人ではなく、先に上司に相談して仮説検証しながら進めて行ける人です。


会社の経営計画や中期計画を見るときには、何年か後の自分を意識して、常に二つ上の上司の立場で判断する。そうすれば、いま自分がすべきことは何かが見えてくるはずです。


よく、社外の勉強会や交流会で人脈をつくろうとする人がいますが、私はあまり評価しません。社外人脈よりも、会社内で仕事を進めて行くうえで必要なのは社内常識です。もっと自分の会社内を大事にして、その中に根を張った方がいいと思います。


ビジネスリーダーを目指すための4つの基本要件

  1. 社内常識と業界常識。
  2. 「マーケティング」「財務」「人事」など、学校で教わる知識のような体系化したビジネススキル。
  3. そうしたビジネススキルを現場で活かしていく力。
  4. 仕事や事業に対する内なる思いやそれを外へ向けて表現する人間力。

ビジネスリーダーに必須の能力として、この4つの要素があります。この中のどれひとつとして疎かにしていいものはありません。不足していると感じる部分があれば、そこを意識的に鍛えていくのです。


競争が激しいビジネスでは、教科書的な解決策から外れたことをやらなければ、競争相手には勝てないことが多くなります。勝つためには基本を押さえながらも、あえて人と違うことをやるクリエイティブな発想が必要です。


「ロジカルシンキング」を勉強すると、論理さえ正しければ誰もが従ってくれると思いがちですが、そんなことはありません。人の行動はあくまで、「論理×感情」の結果です。いくら頭でわかっても、気持ちが伴わなければ人は動きません。


自分の仕事の生産性がどれだけあがったかは、実際にやってみて初めて見えてくることが多いのです。そういう意味では、ルーティンワークと思っている仕事でも、問題意識の持ち方ひとつで、自分のキャリアになり得る要素が含まれています。


世のカリスマと呼ばれる経営者は、仕事や事業に対する思いや人間力が頭抜けています。


知識は2割が手に入れば、すぐに現場で試してみることです。カレーライスのつくり方を思い浮かべてください。カレーの歴史やスパイスの調合から勉強していたら、いつまでたっても鍋を火にかけることすらできないでしょう。肉とジャガイモとニンジンを刻んで鍋に入れ、ルーを混ぜればできるということがわかった途端「よしやってみよう!」とつくった人のカレーは、ひどい味かもしれません。でもその人は、周りから文句を言われることで改良のポイントを知ることができ、それを繰り返しているうちにいずれ美味しいカレーがつくれるようになるものです。仕事も同じです。


入社3年目くらいまでは、現場で先輩の動きを見たり自分で工夫しながら学ぶことも大切です。私も新卒で入った航空会社で、空港での予約・搭乗手続きやアシスタントパーサーの仕事を通じて、キャンセル待ちでイライラしているお客様への接し方や、機内食の配膳の段取りなど、現場の知恵や工夫を多く学習しました。そのとき現場で学んだ「知識を使う力」の基本が、いまの仕事にもずいぶん役立っています。


本を読んで学んだことは必ず、日々のルーティンワークで試してください。ただし、すぐに上手くは生きません。読んでいるときにはできそうな気になっても、実際やってみると、そう簡単ではないことがすぐにわかるでしょう。実は、その経験が大事なのです。失敗したり周囲から反発されたりしても、諦めずに続けていると、やがて自分には課題設定力に問題があるらしいとか、クリエイティブな発想が弱いようだといった具合に、自分の弱みが見えてきます。そうしたらあとは、その部分を克服する具体的な戦略を立てられるし、できなかったことがひとつひとつできるようになっていく達成感も味わえます。


事前に必要な要件をすべて満たしてから行動するバケツリレー型の発想は、もう卒業したほうがいいでしょう。いまは先に試作品をつくって世に出し、それを使ったユーザーからのフィードバックを見ながら微調整を繰り返すプロトタイプ型の発想でなければいけません。知識は2割が手に入れば、すぐに現場で試してみることです。


論理が通っていなければ、人の理解を得るのは難しい。そういう意味ではロジカルシンキングは、こちらの意図を正確に伝えるための基本となる技術です。しかし、ロジックだけでは人は説得できません。この認識を持っていないと、仕事は上手くいかないでしょう。


クリエイティブな発想が必要なとき、ビジネスリーダーは自分の頭を使うことに加えて、ほかのメンバーの知恵や発想も上手く引き出す必要があります。他人の頭を動かすために心を使って解決策を練るのです。また、よい解決策をつくったとして、それを実現するには、関係者にどうやってきちんと理解してもらうか、さらに頭での理解にとどまらず、どうやってそれが彼らの腹に落ち、自ら行動し、継続するように持っていくかが重要です。


ある営業チームが「チームの営業成績を上げる」という課題を設定するのは、一見、正解に見えますが、課題として適当ではありません。なぜなら「チームの営業成績を上げる」という課題では、具体的に営業マンが何に取り組めばよいのかが見えてこないからです。では、これを「個々の営業マンの成績のばらつきをなくす」と掘り下げた課題にしたらどうでしょう。それなら、「営業マンの担当地域を見直す」「経験年数の短い営業マンへのフォローアップを行う」というように、今日から取り組める戦略が立てられます。


仕事というのは「知識」と「使う力」の掛け算なんです。いくら勉強してMBAを取ろうが、最新の戦略論を学ぼうが、それを使いこなす力がゼロなら、掛け算の解もゼロ。仕事ができるようにはなりません。水泳をやるのに、部屋にこもって技術論の勉強ばかりしていても、ちっとも楽しくないはずです。実際、自分で泳いでみて初めて、「このフォームを試したら少し速くなった」「昨日より長く泳げるようになった」という実感が沸き、そうした自己フィードバックがあるからこそ、長続きするし、上達できるのです。


ビジネス書で勉強すること自体、悪いことではありませんが、勉強して知識を詰め込みさえすれば、仕事の不安はなくなるかといえば、そんなことはありません。それは、スポーツと同じです。たとえば、水泳が上達するよう、朝から晩まで泳法の技術書を読んだり、熱心にトップアスリートのビデオを見たとしても、効果はあがりません。


これは私の持論なんですが、人を説得するときロジカルシンキング(論理的思考)は役に立ちません。若いサラリーマンが自分より経験のある上司をロジックで言い負かしたところで、現実問題としてその上司が、素直にいうことを聞くと思いますか?私は「行動=論理×感情」だと思っています。論理が100でも感情が0なら、その人は絶対に行動を起こさないんです。


自分の意見を簡潔にまとめるのに一番いいのは書くことです。私は、会議で部下から報告を受けても、話がまとまっていない場合、途中で遮って、5~6個のキーポイントに整理し直してから、もう一度出直せと叱ります。これを何度かやると、かなりできるようになるんです。書いてみると、キーワードと無駄な言葉の区別がはっきりしますから、考えをそれだけ結晶化させやすいんです。


少なくとも弊社の場合、普通の日本企業にありがちな、全員一致で責任の所在を曖昧にするアリバイづくりの会議や、役員が決定事項を読み上げて終わりという連絡会議はありません。私たちの会議では、必ず付加価値を生み出すことが求められます。付加価値を生むのは、会議の参加者全員に課せられた義務なのです。


欧米のエリート・ビジネスマンはエレベーター・トークといって、エレベーターに乗っている数分の時間で、言いたいことを的確に伝えられるよう、日頃からトレーニングをしています。ところが日本人は、この言葉の結晶化の訓練がまるでできていません。だからまず、いつも自分の意見を簡潔にまとめるトレーニングから始めるといいでしょう。


日本人が議論や説得を苦手とする一番の理由は、トレーニング量の違いでしょう。アメリカの幼稚園では、やっと言葉をしゃべりはじめた2歳児に対して、家からお気に入りのものを持ってきて、それについてみんなの前で3分間スピーチしなさいという課題が出ます。文化の違いと言ってしまえばそれまでですが、これからグローバル化が進めば、日本人もそういう人たちと、同じテーブルで議論をしていかなければならなくなります。そのとき議論が苦手なんて言ってられません。


相手のロジック(論理)で考えるというのも、説得を成功させるポイントになります。たとえば、私がXという前提条件から、「X→Y→Z」というロジックで、Zという仮説を導き出したとします。ところが、どんなに論理的に説得しても、相手がBが答えだといって譲らない。自分の論理で出した答えが正しいと思っても、違う論理で考えている人にとっては、それは正解ではないのです。相手の論理パターンをあらかじめ押さえておけば、あとは土俵を揃えて差を埋める準備をしておけばいいのです。


私たちコンサルタントは、クライアントに実行していただかなければ、お金をいただけません。ですから、プランを提案するのは全体の8割にとどめ、残りの2割は、相手とのやり取りでつくりあげるのが理想です。そうすると相手も納得し実行につながりやすいのです。「あいつもいいことを言ったけど、最後は俺の、もうひとつ先を見越した意見に落ち着いたんだ」となるのです。それが人間の心理というものです。


若手はとにかく全力で目の前の議論に勝とうとしがちです。でも、勝ったところで相手が納得して動いてくれなければ、議論した意味がありません。どんなに熱い議論をしていても、周りの人はいまどんな気持ちで自分の意見を聞いているのかを、ちょっと引いて客観的に見ながら発言する癖をつけることが肝要です。要するに気働きということですね。


会議でとにかく大事なのは、議論の範囲はどこまでか、その範囲の中で足りない議論は何かという絵が、すぐに描けるかということです。これがミクロの議論だけでなく、同時に会議全体の流れをマクロで見る頭の使い方です。会議室の天井から会議全体を眺めるようなものですから、私は幽体離脱と呼んでいます。


社内の人脈をつくるには、信頼関係を築くことです。相手に有利な情報を教えてあげるなど、自分がその人の役に立つのが一番です。いい会社には利益が相反する部門同士であっても、多くの人とつながっている非公式ハブのような人がいるものです。会社には必ず「彼女(彼)がいうなら」という存在の人がいますよね。つまり、そういう人になってしまえばいいのです。


自分一人でやるのではなく、自分の立てた仮説をもとに上司に相談できる人が強いのです。仕事に取りかかる前に上司に相談して、「それは違うよ。こう考えるんだよ」とアドバイスを受けることで、様々な視点を身につけることができるし、企画の精度を上げることができます。ただし、上司と議論できるだけの仮説を自分で考えることが大前提です。


ホワイトカラーの仕事には、複数の部門にまたがったり、部門間の調整が必要になる仕事も少なくありません。電話一本で非公式な社内情報を教えてくれる社内ネットワークを持ってこそ、仕事の勘所をおさえながら仕事を進めることができます。


たんに目先の仕事量を調整することが、仕事のスピードを上げるための静的なアプローチだとすれば、大事な仕事を任せられるような立場に自分を高めることは動的なアプローチです。この動的な自己変革が、仕事の質とスピードを高めるには重要なのです。


仕事のやり方として良く言及されるのは、「なぜ」を繰り返した現状分析をもとに課題を抽出し、仕事を組み立てることです。しかし、この「なぜ」を多用すると、ものごとが細分化されすぎて、かえってものごとの本質を見失ってしまうことがあります。そこで重要なのは、「so what?(だから何なの?)」という、「なぜ」の次に来るべきソリューションを考えられるかどうかです。


売上が低迷している支店に対し、営業成績を伸ばすための施策を提案するとします。低迷の理由をやみくもに探してみても、それに対する具体的な施策がない限り、いくら分析しても正解にはたどり着きません。それよりも、「新しい商品を市場に届ける」という会社の方針があり、それに対する課題を「適切な人材配置がなされていない」ことだと仮定するなら、その部分を重点的に分析すればいいのです。


仕事のスピードを高めるうえで大事なのは、時間軸をどうとらえるかということです。今日は早く帰りたいから仕事を効率的に終わらせたいのか、5年後や10年後に何かを成し遂げられるポジションにいたいのか。この「時間軸」を長く持つ人ほど、仕事の筋が良くなり、本質的な仕事のスピードは高まると思います。


仕事の効率を上げるには目先の仕事量を減らすのではなく、仕事の本質的な部分を任せられるような人になればいいのです。言い換えれば、本質からズレた仕事を「とりあえずやっておいて」と頼まれる人ではなく、「あの人にはこの大事な仕事をやってもらおう」と頼まれる人になるということです。そうすることで、短期的に仕事が増えることがあっても、中長期的には仕事の質は高まり、仕事の効率が上がります。


何が本質的な仕事かを見極める感覚を磨くには、自分よりも「二つ上の立場で判断する」ことが効果的です。平社員のときに課長の立場で考えるのは当たり前。上司が何を考えているかを知るには、さらにその上の上司にとってのプライオリティがわからないと、本質的な理解はできないので、部長の視点からものを見るようにするのです。


一見、矛盾した話に聞こえるかもしれませんが、よりよい説得のためには、話す技術よりも聞く技術のほうが重要です。私たちコンサルタントにとっても、ロジカル・シンキングやディベートのノウハウなどより、アクティブ・リスニング(積極的傾聴)のほうがよほど大切です。


頭で理解できても、感情がそれを許さなければ、人はそう簡単に説得などされないのです。人が行動を起こすかどうかは、論理だけでなく、論理と感情の掛け算、「行動=論理×感情」によって決まるからです。


ロジカルシンキングは説得の万能薬ではありません。むしろ、人を説得するのに論理的思考に頼りすぎるのは、かなり危険だというのが私の持論です。なぜなら、人間はロジックだけでは決して行動を起こさないからです。


何か相談したり議論したりする前に、自分の言いたいことを、5つもしくは7つぐらいに絞り込んで、それをA4用紙一枚に、一行ずつ書かせます。これは「ブレット・ポイント」と呼ばれるテクニックで、欧米人はミーティングやスピーチの前には、たいていそれをつくってきます。打ち合わせに入る前に、「今日のブレット・ポイントは何か」を尋ねてくるのです。このとき、すっきり簡潔に意見が表現されていなければ、即アウト。打ち合わせに入らず、もう一度やり面して、出直してもらいます。「ブレット・ポイント」にまとめる訓練を続けると、議論する前に、自分の意見を簡潔な表現に落とし込むことで、本当に言いたいことを選択する能力が高まり、また、実際に書く作業を通じて、より効果的な言葉を選択する能力が身についてきます。


日本人のコミュニケーション能力がお世辞にも高いとは言い難いのは、まず、日本語という言語がもつ論理的厳密性の弱さや、ムラ社会のなかで阿吽の呼吸を重視してきた文化風土といった原因があります。ただ、なんといっても意見の結晶化の訓練が足りないのが最大の原因です。実際、日本では、言いたいことを簡潔にまとめて、他人に正確に伝達する訓練がほとんど行なわれていません。


心理学の分野でも、コミュニケーションの受け取り手は、最大7つまでしか重要なポイントを理解できない、いや、せいぜい5つが限界だ、という研究報告があるくらいです。人が人に何かを伝える際、効果を止げようと思ったら、あれもこれも、という発想を捨て、絞り込むことが大事なのです。


多くの効果的なコミュニケーションに共通しているのは、伝えなければならない内容をぎりぎりまでシンプルにし、結晶化していることです。深い意味を込めた一文が紡ぎ出せなかったとしても、少なくとも、言いたいことをシンプルに整理し、その数をできるだけ絞ることが大切です。


ビジネスリーダーとなって大勢の人を動かしていく際、最も大切なのがコミュニケーション能力です。コミュニケーションというと、プレゼンテーションの技術や説得のためのロジカルシンキングといった要素が注目されがちですが、その前に基本中の基本を見落としてはなりません。それは、自分の伝えたいことをできるだけシンプルにまとめる「意見の結晶化」です。


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