後藤卓也(花王)の名言 一覧

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後藤卓也(花王)のプロフィール

後藤卓也、ごとう・たくや。日本の経営者。花王会長。東京都出身。千葉大学工学部工業化学科卒業後、花王石鹸(のちの花王)に入社。栃木工場長、化学品事業本部長、常務、専務、花王スペイン法人会長などを経て、本社社長に就任。その後、会長に就任。

上ばかり見ても、何もつかむことはできません。自分を成長させる種は、足もとにたくさん転がっているはずですよ。


私はうちの社員に、「実力をつけたければ、目の前の峠に登れ」と、よく言っています。ただ、最近の若い人は、目の前の峠に登る前から、峠の先の世界を夢見る傾向が強いように感じます。その結果、「いまの仕事をしている自分は、本当の自分ではない」とか、「もっと成長できる仕事をしたい」といって、目先の仕事から逃げてしまう。でもそれでは、いつまでたっても本当の力はつきません。


天賦の才を持ち、なおかつ努力を続けられる人ならば、自分の能力を最大限発揮するために、環境を変えたっていいんです。でも残念ながら、私たちの多くは凡人です。凡人は、「凡を極めると非凡になる」という気持ちで、与えられた場所で一所懸命やることから始めた方がいい。それをせずに夢ばかりを見ていても、チャンスが巡ってきたときに、そのチャンスさえ活かす力がなく、夢も夢のままで終わってしまうのではないでしょうか。


ノウハウや理論でヒット商品が生まれるのなら、誰も苦労はしません。


もし「僕は二年間、マーケティングをやったから、早く商品開発を担当させろ」という社員がいたら、まずは目の前のマーケティングの仕事を地道に頑張って、市場調査のデータをきちんと分析できているか、モニター調査で質問の仕方は適正か、そう自問しながら、地道な仕事をコツコツとこなしていくべきでしょう。そうすれば、上司や関係部署からの信頼も構築され、自ずと「あいつにやらせてみよう」という話になります。


私はよく、「現状不満足を貫け」というメッセージを、社員に向けて発信しています。これは、仕事に真剣に取り組んでいれば、100%満足することなどあり得ないという意味です。それなりに上手くいっている仕事でも、突き詰めて考えていければ、「こうしたらもっとよくなるのに」「きっとまだやれることがあるはずだ」などと、不満点が必ず見つかるはずです。


仕事と真正面から向かい合っている社員ほど、前向きな不満の種をたくさん抱えています。


上司が手取り足取り教えてくれるという思い込みは捨てた方がいいですね。部下がトラブルを起こした場合は、上司は指導してくれても、普段の仕事の中では、入社1~2年目の社員がどこでつまずいているのか、どんな壁にぶち当たっているのかというところまで、上司も手が回らないでしょう。いつか手を差し伸べてくれると思って待っていても、放置されることになります。不明な点があれば、こちらから積極的に質問するべきですね。


仕事のコツを学ぶのは普段から上司や先輩とコミュニケーションを密にとっていれば、それほど難しいことではないと思います。


仕事の成否は、むしろマニュアルに書ききれない部分で決まります。例えば商品開発の現場でも、調査データはよくないのに、商品化に踏み切る場合があります。そのときの判断は、まさにマーケティング理論を超えた領域で行われているわけです。仕事をしていくうえで本当に大切なのは、こうした誰でも知っているノウハウや理論を超えた部分です。それをいかに学ぶかによって、成長する社員と伸び悩む社員に差がつくのです。


「教科書にすべて書いてあるから、これさえ修得すればいい」という思考に陥らないように気をつけないといけない。


意識してほしいのは、マニュアル的なノウハウや理論だけを真似して満足するなということです。マニュアルは仕事をするための最低必要条件です。それを学んで「やるべきことはやりました」といっているうちは、最低限のレベルまでしか成長できないでしょう。たとえばマーケティングでいえば、教科書通りに市場調査をしたり、ブランディングの理論を知っているというレベルで満足していたら、おそらくそれ以上の価値を生み出すことはできない。


商品を世に出すまでには、会社の様々な力を終結させる必要があります。たとえ技術的に素晴らしい製品を開発したとしても、それを製造する工場が必要だし、お店に並べてもらうためには営業マンの頑張りも必要。また、店頭の商品を消費者に手にとってもらうためには、商品PRが大切だし、商品の安全性を研究する人も大事。こうした全体のプロセスを知っていれば、いま自分に任された仕事の大切さが理解できるはずです。


会社には会社の目的があり、社員一人一人の目的に合わせていられないことを知るべきです。会社は社員一人一人の夢より、お客様の期待に応えることで精一杯です。にも関わらず、一人一人がわがままを言っていたら、組織は成り立ちません。


自分の夢や目標を持っていたっていいんです。ただ、それを免罪符にして、目の前の仕事をないがしろにしていては駄目です。


次から次に問題が発生するので、とにかく目の前の峠をひとつひとつ登るつもりで、ガムシャラに働いていました。
【覚書き|入社2年目で合弁会社に出向した当時を振り返っての発言】


入社して2年目で、自動車部品メーカーとの合弁会社に出向しました。合弁会社に花王から出向したのは5名でした。上司もいましたが、上司はほかの重要な仕事に精力を費やさなければならず、いつの間にか私が若手の代表のような形になっていました。そういう意味では、誰かが仕事を教えてくれるような環境ではありませんでした。結局は仕事を自分で覚えるしかありませんでした。


経営者として、次のリーダーが生まれる環境をつくることも大きな責任のひとつです。


実際は、天才ほど努力するものです。どこにあるのかわからない自分探しや夢に踊らされず、自分の夢や望みを目の前の仕事に活かす努力をしてください。


私も含め、失礼だけど皆普通の人です。普通の人にできることは日々の努力しかありません。日々の仕事に一生懸命取り組むことしかありません。


私は凡々たる人間で、リーダーをカッコよく見せ、仕事がやりやすいようにしてあげるのが本当は合っているタイプです。好きな言葉に「凡を極めて、非凡に至る」というものがありますが、それが私の理想です。


リーダーは自分の頭で考えて理解し、相手を納得させる力がなければいけません。


目の前に峠があるのなら、汗水たらして登りましょう。頂上に達したら次に目指す峠が見えてくるかもしれません。断崖絶壁で先に行けなかったら、麓(ふもと)に戻ってまた別の峠を目指せばいいのです。


経営を語るとき、最近の激しい競争社会の中で、と常に枕詞がつきます。でも、リーダーの資質は時代で変わるものではないでしょう。


最終的にリーダーに必要な資質は、何と言っても健全な精神でしょう。責任感と使命感を持って仕事を全うでき、誰が見ていなくとも頑張れる陰日なたのない姿勢です。それから考える力です。


判断に必要な情報の密度は、経験を積むごとに高くなります。日々の仕事で経験する失敗や成功の積み重ねは非常に大きいわけです。


大勢の人と議論したり仕事をしたりする中から、リーダーの資質がある人を見つけるのがトップの最大の任務です。


私が社長に就任したころの花王は、本音の議論をどんどん戦わせるような雰囲気ではありませんでした。その改善にずいぶん努力しました。前の席が空いているので前に座れとか、そうした細かいことも含めてです。


会社の中で、顔を突き合わせてのコミュニケーションが減ってしまっています。電子メールの便利さは重々承知していますが、多用されすぎて弊害が目立ちます。会話がなくなるし、いたずらに関係者を増やしてしまいます。それに、権限を委譲しなくなります。会議の合間や休み時間にメールをチェックしてばかりいる管理職も多くいます。


リーダーとなる資質がある人を最初から仕込むケースもあります。そういう人がいるのが一番いいですが、日々の仕事を通じて自分の考えをする合わせながら、複数の人に育ってもらうのが普通でしょう。


社長の一言ですべてが決まるような組織は誰も判断せず、お伺いを立てるようになってしまいます。いまはトップダウンで先頭の機関車が車両を引っ張っていく時代ではなく、新幹線みたいに個々の車両にモーターがついて、みんなで動かしていかなければなりません。


企画の内容ももちろんありますが、やはり人です。チームのやる気と熱意です。


これは出すべきでない、納得できない場合、企画を中止させます。NGは辛くても、それがトップの役割です。


プレゼンのときは、直感と論理の両方を働かせますが、おそらく主観の方が多いでしょう。調査データはいいことしか言わないので、顧客と同じ主観を持つことで、データの矛盾を見抜いたりします。


資料のレイアウトだけで、どれだけ時間を使ったんだ?資料はあり合わせで構わない。
【覚書き|プレゼンの場に見栄えの良い資料をつくってきた社員に対して言った言葉】


同じ調査データでも、回答者のフリーコメントを見ると、エッと思うようなネガティブな意見があったりします。本来はそこを追求すべきなのに、担当者は製品を出したい思いでいっぱいで、見えなくなってしまうのでしょう。


もし、調査データだけを信じたら、どの商品もヒットするはずです。現実には失敗もいっぱいしています。他者の対抗品と比較テストをし、自分たちの商品がいかに優れているかプレゼンしますが、調査データは開発担当者の意向や質問の仕方によって、いくらでも結果が変わります。


若い社員の中には、質問すらマニュアル的になっている人もいますね。会長職になってから、全国の支社を回って若手社員とコミュニケーションをとる機会を積極的につくっていますが、「M&Aをどう思いますか?」とか、「読んでいる本は何ですか?」とか、どこかで聞いたような質問を受けることも少なくありません。もちろん、きちんと答えますよ。でも、せっかくの機会ですから、ホントに自分の糧になるような質問が、もう少しあってもいいかなと感じます。


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