平野敦士カールの名言 一覧

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平野敦士カールのプロフィール

平野敦士カール、ひらの・あつし・かーる。ビジネス・ブレークスルー大学教授。東京大学経済学部卒業後、日本興業銀行に入行。NTTドコモに移籍し、おサイフケータイの規格に尽力する。その後独立し、コンサルティング会社ネットストラテジーを設立。ハーバードビジネススクール招待講師、沖縄大学院非常勤講師、BBT大学院講師なども務めている。

最後に勝負を決めるのは、ビジネスにかける当事者の「情熱」です。私は「同志化」と呼んでいますが、参加者全員が情熱や想いを共有し、会社という枠を超えてプロジェクトを推進することが信頼関係構築の鉄則です。


競合がいる場合、自社のサービスが優れていることを強調しても、相手は聞いてくれません。相手の悩みを見つけ出し、それを解決するための提案を行う。これが王道です。


相手の欲しているものを上手く見つけて、自分たちの戦略にフィードバックしていく。こうした考え方をプラットフォーム戦略思考と呼びます。これはwin-winの形でプラットフォームに複数のグループを乗せ、一企業の枠を超えて周囲の人や企業も幸福にしていく事業のエコシステムを構築する思考です。


ベンチャー企業が大企業とアライアンス(提携)を組むことは通常困難です。大企業から見るとベンチャー企業の信頼性がわからないからです。そういう場合は、大企業の経営層と人脈を持っている人を上手く活用するのがいいでしょう。すでにリタイアした方を含め、若い人や会社の役に立ちたい意欲を持つ人はたくさんいます。「信頼のおける○○さんの紹介」で来た人と、飛び込みで来る人では、信頼性が異なります。


社外の人たちと結びついていくには、自分のプラットフォームをつくることです。具体的には異業種交流会や勉強会など、業界を越えて様々な人が集まれる「場」を自分で主催するのです。そうすれば、いままで出会えなかったような人とのネットワークを築くことができ、情報収集や他業種の見方など、さまざまなメリットを得ることができるでしょう。いきなり大きな会を主催するのでなくても、友人が友人を連れてくる数人程度の会を催すだけでも確実に人脈は広がります。


インターネット全盛時代だからこそ、リアルの出会いが重要性を増してくると思います。すでに構築した人脈のメンテナンスも大切です。同窓生や周囲の人、転職した人なら前の同僚とも親しく付き合っておくべきでしょう。


業界の有名人やキーマンと付き合うべきという意見もありますが、自分を押し殺して付き合っても長続きしません。


人脈をつくろうと思うなら、偉い人に取り入ったりメリットのある人脈をつくったりしようとしないことが大切です。人脈は10年、20年という長期にわたってつくっていくものです。これを「人材のベンチャー投資」と私は言っていますが、その際のメルクマール(指標、目印)は「自分と波長の合う人」かどうかです。波長の合った人であれば、何らかの問題が起きても「社内で何とか頑張って説得してきます」と言ってくれます。やがて彼ら彼女らが出世すれば、強力な人脈となります。


大企業だからできないこと、困っていることはたくさんあります。たとえば小売業者が自社店舗と競合するEコマースを手掛けるのは難しいし、大企業がSNSを立ち上げたら「出会い系」として社会的批判を浴びる可能性があります。そうした大企業の悩みに焦点を当て、大企業の戦略に則った形でアライアンス(提携)を提案することは大いに可能性があると思います。


規模に関わらず、ビジョンのない会社や組織は少なくありません。ビジョンに合ったビジネスに特化し、アライアンス(提携)を訴えていくのです。それが成長性のあるビジネスで、かつ大企業が自社では手掛けない領域であれば、大企業に取って魅力的な相手となります。


プロジェクトが成功するかどうかは、こちらの情熱や思いを相手の担当者とシェアできるか否かでしょう。その意味では「どの会社とやるか」より「誰とやるか」が重要です。同じ会社でも「あそこの部署に行ったらダメだ」ということがあります。相手企業の中で、誰がプロジェクトを動かす力を持っているのか。そこを見極める必要があります。


私は以前、NTTドコモiモード企画部アライアンス担当部長としておサイフケータイの普及を担当しました。最も苦労したのが、コンビニなどの小売店に対して、おサイフケータイに対応したシステムを導入してもらうことです。当初、「電子マネーを導入するとお客さんの決済が早くなります」と持ちかけていたのですが、なかなか受け入れてもらえませんでした。小売店の担当者にヒアリングをしたところ、決済の早さより、むしろ売上単価や、顧客数、顧客の来店頻度を上げたいと考えていることがわかりました。


損得勘定は考えず、心の赴くままにどんどん会ってみる。これが基本です。「この人は将来出世する」「いつか自分の力になってくれる」などとソロバンばかりはじいていては、自分が考える範囲の利益しか得られません。本当のビジネスチャンスは、想定外の出来事がきっかけとなって起こるものなのです。


大きなプロジェクトを成功させるためには、「ひとりで一億円を稼ぐより、100人で100億円稼げる仕組み」をつくらなければなりません。その前提となるのが、プロジェクトメンバーの信頼関係です。ランチの習慣は、人との信頼を築き、「自分をプラットフォーム化する」ための方法なのです。


Facebookやtwitterなど、最近とみにソーシャル・ネットワークが浸透しています。人と人がオンラインで頻繁につながる。こうした状況にあるからこそ、フェイス・トゥ・フェイスで会話する価値が高まっています。


初対面であっても、食事の席では不思議と人は饒舌になるものです。会議室では決して出てこない話が飛び出ることもあります。「ここだけの話、あの件、じつはね……」と、こっそり教えてくれる。もちろん、会っていきなり仕事モード全開では失礼ですが、食事という行為が有益な情報の入手に一役買ってくれるのです。


アライアンス・ランチ(率先して人と昼食を共にし話すこと)を成功に導くためには、お店選びも大切です。もし、相手との会話が盛り上がらなかったとしても、その店からの眺めが良かったら、相手はランチの時間を損したとは思わないでしょう。「料理がおいしかった」「話題の店にいち早くいくことができた」と、何かしらの感動を提供できれば、二回目、三回目の誘いにも乗ってくれる可能性が高くなります。お店の力を借りて、ピンチをチャンスにするのです。


思えば、最初の本『アライアンス仕事術』を出版したのも、取引先の社長とのランチがきっかけです。「昨日出版社の社長さんとゴルフしたんだけど、おサイフケータイの話を本にしてみたら?」と言われ、ゴマブックスの社長を紹介されたことからはじまりました。ランチは、消費ではなく自分への投資なのです。


お勘定は誘った方がするのが筋です。よって、私のようにほぼ毎日誰かとランチを実行していると出費はかさみます。しかし考えてみれば、ディナーなら1万5000円かかる店が、ランチなら5000円で済みます。先日、アメリカの有名投資家ウォーレン・バフェットさんとのランチを共にする権利がオークションにかけられ、落札価格は263万ドルでしたから、それに比べればリーズナブルなものです。


ビジネス仲人(仕事仲間同士を引き合わせる人)をしても必ず仕事につながるわけではありません。しかし、プロフェッショナルたちの会話を目の前で聞くのはなかなかできない経験です。3人以上で会えば、一対一で会うときは異なる顔を垣間見ることができるのも、ちょっとしたお土産です。


もともと人見知りの性格で初対面の人とはうまく話をできない人もいます。私も以前は大変な人見知りでした。そこで、自ら考案したのが「ビジネス仲人」という役割を演じることです。ランチを主催し、自分が知る二人の出会いの場を提供する。いわば幹事です。ビジネス仲人の最大の役得は、自分に特に取り柄がなくても、その人に有益なアドバイスができなくても人を紹介するだけでありがたがれ、自分の価値を高められることです。


昼食はいつも決まったメンバーで、という人も多いでしょう。しかし、まずは半径3メートル以内にいる、あまり親しくないけれど一度ゆっくり話してみたいと思っていた部下や上司を誘ってみることからはじめてはいかがでしょう。その後、他部署の人、取引先と、誘う範囲を徐々に広げていけばいいのです。


アライアンス・ランチ(率先して人と昼食を共にし話すこと)は、一緒に仕事をしてみたい人と自分との波長を確かめられる場でもあります。波長とは「この人となら何か一緒にできそうだな」というワクワクした感覚のことです。会議の場ならまだしも、メールや電話ではなかなかわかりづらいものです。ランチは波長を確認する最適な場なのです。


興銀を退社し、NTTドコモでおサイフケータイを普及させる仕事に携わるようになって、ランチ相手の幅も広がりました。小売業の経営者や大学教授、マスコミ関係者……。こうした人とのつながりがビジネスのヒントになったのです。


ランチの場で得た情報をビジネスに活かそうと明確に意識したのは30代前半のころです。インドネシアに発電所をつくる。カタールでLNG(液化天然ガス)の採掘をはじめる。コロンビアにパイプラインを引く。当時、数千億円の巨大プロジェクトを実現させるため、世界中からお金をかき集めるプロジェクトファイナンスという仕事をしていました。しかし、金融や会計の仕組みには詳しくても、発電所建設については門外漢。いくら書籍を読んでもよく理解できませんでした。そこで、プロジェクトに携わる商社マンや他のバンカー(銀行家、銀行の専門職)とランチでの情報交換をはじめました。


私がランチの習慣をはじめたのは、日本興業銀行に勤務していた20代のことでした。社食もありましたが、食いしん坊の私は同じ部署の同僚やOLさんたちと街へ。そのうち、違う部署の人、会社近くに勤める大学時代の友人、他社の友人、取引先と食事をともにする人の幅が急速に広がっていきました。


一緒に食事をすると、自然と互いに親近感が湧いてきます。ならば、ディナーの方がゆっくり話をできるからいい、という人もいるでしょう。しかし、私はあまり好みません。お酒が飲めないこともありますが、食事後に2次会、3次会と続き、結果的に相手を長く拘束してしまうことが少なくないからです。私は就寝前の読書を日課にしていますが、それもできなくなってしまいます。


大規模な異業種交流会で名刺交換をしただけでは、関係を深めることは難しい。相手の考えを深く聞いてみたいと感じたら、躊躇なく会う。「ランチをご一緒しませんか?」とダメもとで誘ってみる。私はそう心がけています。


のべ5000人以上。これは私が昼食を共にしてきた人数です。たとえば午後1時から渋谷で予定があれば、その周辺に勤める知人をランチに誘う。こんな調子でほぼ毎日誰かとランチをする習慣がはじまって、20数年がたちます。私はこの習慣を「アライアンス(同盟)・ランチ」と呼んでいます。


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