岸田一郎の名言 一覧

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岸田一郎のプロフィール

岸田一郎、きしだ・いちろう。日本のメディアプロデューサー、雑誌編集長。大阪出身。日本大学経済学部卒業後、フリーのライター兼編集者として活動したのち、世界文化社に入社。雑誌『BIGMAN』の編集に携わったのち、『Begin』『Men’s EX』の編集長を歴任。その後、主婦の友社に移籍し、雑誌『LEON』『NIKITA』の編集長を務めた。「ちょいワルおやじ」の仕掛け人。

雑誌に限らず、どんな商売でも、消費者の視点に立って、費用対効果に目を向ける姿勢は必要だと思います。


私が考える仕事ができる人とは、「常に利益追求を意識して成長できる人」です。したがって、ときにビジネスにつながらないものであれば、自分のフィールドや世界観を仕事場に持ち込まない姿勢も必要でしょう。


出版界には、つくり手の世界観や感性が雑誌や商品に反映されるべきだと考える人が、いまだに少なくありません。でも、どんなに自分のセンスを雑誌に表現できたとしても、つくり手が満足するだけで、読者や広告主に理解されないケースが多いのです。


人脈はとくに意識したことはありません。自分の価値を高めていない人が、いくら人脈をつくろうとしても、それは無理だと思います。


価値のある媒体に、読者やクライアントは集まります。同じように、価値のある仕事をしていれば、自然と多くの人が集まるのではないでしょうか。


雑誌は広告を出向してくれるクライアントにとって価値ある媒体であり続けなければなりません。もちろん一方で、読者にとっても読むに値する記事づくりが前提条件です。雑誌は、読者とクライアントから認められて、初めて存在価値を持つのです。


雑誌で取り上げるようなテーマは、できるだけ自分自身で実践することを心がけています。雑誌でよくありがちなのは、その分野の専門家に記事をお願いすることです。専門家は原稿料さえもらえれば、どこの雑誌でも同じ話を書きます。でもこれではその雑誌ならではの価値はつくれないでしょう。『LEON』でゴルフの企画をやるのなら、まず僕を含めてスタッフ自身が率先してコースを回る。そこでゴルフの面白さのキモを自分でつかむ。次はそのキモをどのように表現するかを考える。これでようやく『LEON』ならではの企画になるわけです。


自分が会いたいと思う人ほど、自分に価値がないとまず会ってもらえません。いまはそんなに余裕のある時代ではありません。昼の仕事でたまたま出会った人と、「もっと親しくなりたい」と夜にいくらお酒を飲ませても、それで人脈ができるわけではありません。みんな忙しいし、シビアな数字が要求されている世の中ですから。だから、人脈を築こうと思うなら、相手にとって自分の価値が何なのか考え抜くことです。


37歳で、雑誌『Begin』の創刊編集長になったんですが、当時、世界文化社は女性誌が主力の出版社でした。したがって、男性誌に商品の情報を提供してくれるクライアントとのネットワークもなかったんです。こうした後発の雑誌が地位を確立するためには、やはり自分たちの価値を高めるしかないわけです。『Begin』が商品を紹介すれば、記事を読んだ読者の少なからぬ人が、実際にその商品を購入する。さらにヒット商品になるところまで結びつける。雑誌の質を高めて、こうした結果にコンスタントに結び付けていけば、クライアントも「あの雑誌ならば」ということで、情報をいち早く提供してくれるようになるのです。


僕は大学を卒業してから5年ぐらい就職せず、フリーのライター兼編集者として仕事をしていました。当時は地位も名誉もない、ただの小僧ですよ。小僧が人脈を広げようとしたって、誰も相手にしてくれません。ライターだったら面白い記事を書いて、編集者から認めてもらうしかないわけです。裏ワザなんてない。しごく真っ当な世界です。


雑誌で取り上げる商品を選ぶ基準は、「費用対効果」です。何かモノを買うとき、値段に見合った価値があるかを、読者も見極めようとするでしょう。『LEON』で紹介する商品も、そうした費用対効果に見合ったものを紹介しようと、値段と価値の視点は常に頭に入れています。


市場に影響力を持ったカリスマ性のある雑誌をつくるには、すでにある流行をレポートしたり、次の流行を予想するだけでなく、流行をこちらから積極的につくりだしていかなければなりません。そこでつくり手に求められるのが、読者に見立てを提案する能力です。『LEON』では、提案を説得力のあるロジックで記事に落とし込みます。


読者があらかじめ持っている興味、つまり既存のトレンドを読むだけでは、フォロワー(追随者)・タイプの読者しか獲得できず、自分たちが新しく開拓する読者のフィールドは限定されてしまいます。それよりも、雑誌自体がトレンドの先導者となって、先鋭的な読者を引き込むことで、広告のレスポンスにもつながり、利益もあがるわけです。


リサーチや意識調査のレポートに頼らず、我々から「いまこういうモノ、こういうライフスタイルが素敵ですよ」と提案する。そうして『LEON』がブーム浮上のきっかけづくりを担える雑誌だと認識してもらえれば、トレンド・リーダーとしての地位も確立でき、広告収入などの雑誌の利益につながるわけです。


私が常に意識するのは、読者の絶対数よりも「質」です。ここでいう「質」とは、購買力と購買意欲を持った読者のことです。つまり、そうした読者を束ねることで、広告主からも雑誌の媒体力を評価され、市場に影響力を持ったカリスマ性のある雑誌になれるのです。


仕事の中で意識しているのはやはり利益追求ですね。いままでの出版業界では、部数をあげることばかりに目が向き、利益追求はあまり重視されていませんでした。部数ばかり追い求めてターゲットを広げても、結局誰にも支持されず、利益もあげられない雑誌になりかねません。


雑誌づくりには、たんに誌面をどうつくるかのアイデアだけでなく、販売収入と広告収入をいかに伸ばして利益を出すかの全体的な戦略が不可欠です。『LEON』では、「年収1500万円~2000万円のミドルエイジ」とターゲットを絞って、読者の行動を喚起する記事を載せることで、広告主と読者と出版社、すべてにメリットがある雑誌づくりを目指しています。


編集者は、個人的な自己表現でなく、きちんとしたビジネスの戦略に沿って雑誌をつくっていく。そのためにも、まず利益をあげることを念頭に置き、雑誌のポジショニングはこれ、ターゲットはここと定めて、その戦略に沿ったテーマ、企画を選んで雑誌に載せていくべきです。そういった意味では、『LEON』編集部が求める人材は、クリエイターより、編集長である私の出版設計図を理解してくれるビジネスマンの方が適材だといえます。


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