岸本正壽の名言 一覧

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岸本正壽のプロフィール

岸本正壽、きしもと・まさとし。日本の経営者。オリンパスの社長・会長。鳥取県出身。早稲田大学法学部卒業後、オリンパスに入社。第一営業部長、取締役、経理部長、常務、広報室長、専務などを経て社長・会長を務めた。オーストリア共和国有功大栄誉金章星付勲章、ドイツ連邦共和国功労勲章大功労十字章、旭日中綬章を受章。

構造改革はもちろん必要ですが、それだけでは日本の企業が力強さを取り戻すのは難しいでしょう。新製品、新事業で活力を高めるという企業本来の姿を見失ってはいけません。


投資のカネをつける、人を振り向けるだけでは足りません。ことあるごとにスピーチで話したり、デバイスメーカーとの交渉にトップ自ら乗り込んだり、あらゆる手を尽くしてやる気を示し、会社の協力体制を作る必要があります。


私は伊那工場に勤務していた入社2年目に、自ら提案して顕微鏡の原価計算の方法を変更した経験があります。ドイツでは内視鏡など医療分野の市場導入をし、販売事業を一から立ち上げました。新しいことに挑戦することは、企業活動の原点です。


デジカメの成功は世の流れに適合したという幸運もありました。ただ、新事業を起こすための手順、手法を決め、闇雲に新しい事業に金を突っ込んでしまう愚を避ける手も打っているんです。具体的には、事業のチャンスはあるのか、技術や販売網など保有資産を有効活用できるか、3年目には収支がトントンになり5年目で累積損失を一掃できる目途があるのか、という3つを新規参入の条件として明確に打ち出しました。


新製品の第一弾となったのが、デジタルカメラでした。デジカメには、半導体デバイス、電子回路、光学系の三つの技術が必要ですが、当社が得意とするのはレンズなどの光学技術しかありません。この光学技術を生かせるよう、高画質を追求した戦略がうまく当たりました。デジカメの成功で社内が活性化され、赤字だった既存のカメラ事業さえ黒字転換する効果も出ました。


当社は顕微鏡に始まり、カメラ、内視鏡とざっと17から18年単位で事業を創生してきましたが、光磁気ディスク(MO)などの情報機器を最後にしばらく目ぼしい事業がありませんでした。社長になったとき、さっそく新事業の創生を経営方針の柱に掲げました。技術のネタを培養し、新事業として立ち上げるかどうかを検討する専任部署を設け、事業家までに6回の常務会が必要だったのを半分の3回で済むようにしました。


有力な新規事業が出れば、市場が成熟化している既存事業の人材や技術資産といった経営資源を有効活用する道が開けます。単に収益水準を押し上げる以上の効果が出て来るのです。経営トップは何よりも新規事業の育成にリーダーシップを発揮すべきだと思います。


人事を堤に例える考え方があります。山の湧水をためておき、田植えのときに開け放って水を流す。あの堤です。かけがえのない水も、あまり長くとどめておくと藻が生え腐ってしまう。だから人事は停滞させることなく、流していかないといけない。メーカーの場合、それには何よりも新製品、新事業を立ち上げることが重要です。


経営トップは何よりも、新事業の育成にリーダーシップを発揮すべきだ。
【覚書き:デジタルカメラ事業の成功後、未知のデジタルカメラ分野に挑んだことについて語った言葉】


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