岩崎夏海の名言 一覧

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岩崎夏海のプロフィール

岩崎夏海、いわさき・なつみ。日本の男性放送作家、小説家。東京出身。東京芸術大学美術学部建築学科卒。学生時代に秋元康に葉書を送ったことをきっかけとして、大学卒業後にソールドアウト(のちの秋元康事務所)に所属し秋元康に師事。テレビ番組の放送作家として『とんねるずのみなさんのおかげです』『ダウンタウンのごっつええ感じ』『クイズ赤恥青恥』などの製作に携わる。その後、著書『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』が150万部を超える大ヒットとなり、アニメ化、映画化された。

『もしドラ』を出版する前から、私は修業のために大量の文章をブログに書いていました。習慣化が大事というのが私の持論で、呼吸をするように書く間合いをつかもうとしていました。平均して原稿用紙で1回10枚くらい、仕事が終わってから書きました。一番大変だったのは仕事でもブログでも文章を書き、なおかつ『もしドラ』も書いていた時期です。最も量を書いた人間が、少なくとも下手なはずがありません。


10年前に小説の出版を断られたとき、私はいつか必ずぎゃふんと言わせてやろうと思いました。そもそも「この恨み晴らさでおくべきか」が私のひとつのキーワードです。ダイヤモンド社から本を出さないか、それも小説を出さないかと言われたとき、真っ先に浮かんだ言葉が「ここで会ったが百年目」。ここが私の恨みを晴らすところだと、これまでに蓄積してきたあらゆる知識やテクニックを総動員して書きました。


昔、秋元康さんが「俺は壁を乗り越えたことはない。壁に突き当たったら横にずれていく」と言っていて、なるほどと思ったことがあります。ずれていけばどこかで壁がなくなるから、そこを突破していけばいいと。断られた相手を深追いするのは時間の無駄で、それより別の道を探したほうがいいでしょう。私にとっては、それがブログだったといえます。


自分が持っていった提案が断られたら、他社に持っていき、他社で実績をあげる。これしかありません。『もしドラ』が150万部売れたいま、私は「行列のできる出版相談所」状態になっています。「売れないから」という理由で断られた小説も出版が決まりました。かつて出版を断った編集者たちも、「うちで本を出してくれないか」とお願いに来ています。このように他社で実績をあげ、自分の正しさを証明するのです。


会食が終わったあとは、こちら側が接待した場合、基本的に相手から連絡が来るのを待ちましょう。「接待をしたからビジネスの話をさせてください」と言っても、上手くいきません。逆に、接待が「貸し」になっていることもわからない相手とは、ビジネスをする意味がないでしょう。


会食中は常に相手の先の行動を読み、至れり尽くせり感を与えましょう。飲み物がなくなりそうになったら「何を注文しましょうか」と声をかけるのは当たり前。お酒が進んでいれば、頼まれなくても「お水を一杯いただけますか」とウェイターに言うと「こいつ、気が利くな」と思われます。これはチェイサーテクニックと言い、女の子はワーッと喜びます。


芸能界では演出ができる奴は人を動かすことができるという判断をされます。会食で無粋な仕事の話なんかしてもしょうがありません。そこで会食相手に見られるのは「いかに自分を楽しませてくれるか」という演出の部分だけなのです。たとえば、うんちくを語って会話が盛り上がるような料理を選んだり、あるいはシェフの人柄がいいお店を選んで会話を楽しんでもらうといったことに気を配っています。


接待のお店のリサーチには地道な努力が必要です。私の場合、師事していた作詞家の秋元康さんが最高の教科書でした。秋元さんは常に新しい店を開拓しています。その知識を盗んでいました。


会食の席で、もっとこの人と仕事をしたいと思わせるポイントは2つあります。ひとつめは、お店の選択です。誰でも「この人はいい店を知っている」と思われたいもの。接待する立場であれば、取引先の人が自分でデートや接待に使ったとき、「この店いいでしょう」と自慢できる店を選択するのです。ふたつめは、演出です。会食を最高のもてなしの場と位置付けて、自分はリッツ・カールトンのホテルマンのように最高のもてなしができる人間であると演出するのです。


もし自分の企画に絶対の自信があり、どうしてもそれを通したいのであれば、万全の準備を整えたうえで向こうから依頼されるのを待ちましょう。私は30歳のとき、自分の小説を本にできないかと出版社をさんざん回ったあげく、すべて断られた経験があります。そのときわかったのは、「向こうから依頼されないとダメだ」ということです。だから『もしドラ』の企画は、自分のブログに書いて、出版社から声がかかるのを待ちました。


取引先と特別な関係を築くためには、相手に「自分がイニシアチブを握っている」と思わせることが重要です。たとえばテレビ番組の企画を提案するとき、あえて企画にウィークポイントをつくっておくと、相手のプロデューサーやディレクターは「もっとこうしたほうがいいんじゃない?」と意見を言ってきます。そうしたら「それいいですね。ちょっと書き直します」と言って修正するのです。すると、相手にとって提案されたはずの企画書が、いつの間にか自分の企画書になっているわけです。他人からの企画提案に対し、「なんでお前の企画を通さなきゃいけないの?」と思うプロデューサーも多いですが、自分の企画になると「俺も頑張るよ」とやる気を出してくれるようになるのです。


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