岡素之の名言 一覧

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岡素之のプロフィール

岡素之、おか・もとゆき。日本の経営者。住友商事社長。慶應義塾大学卒業後、住友商事入社。米国住友商事会社でニューヨーク駐在員、同ヒューストン支社長、本社鉄鋼第三本部長、常務、専務などを経て社長

企業が社会から信用を勝ち得て長期に存続するには、企業活動自体が社会に貢献する状態になることが重要でしょう。


「戦略の現場化」と称してトップが直接社員と対話するダイレクトコミュニケーションをしています。会社の目標と社員の目標を一致させ、モチベーションを高めるのです。


我々はOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)による人材育成を重視しています。要は50年続いている指導員制度で、ライフタイムメンターのような存在です。新入社員を、5から10年くらい先輩の社員がマンツーマンで指導します。


私どもの経営理念の第一項目に「健全なる事業を通じて豊かさと夢を実現する」とありますが、これはすべてのステークホルダーの豊かさと夢の実現であると定義づけています。社会に貢献する、人のためになるという考え方があります。


環境が変わったら、先取りして経営を変えるのです。総合商社の中でいち早く小売り分野に進出し、ケーブルテレビ事業を進めたのもそうです。IT(情報技術)革命が進むと総合商社はいらなくなると言われましたが、我々はITを活用してビジネス拡大につなげました。変化への対応は大変重要と考えています。


約400年間の間にいろいろな変化がありましたが、住友が今日まで存在してきた一番の理由は「住友の事業精神」にあると確信しています。第一は信用です。第二は確実。第三は浮利を追わない。第四に進取の精神です。


私たちは幅広い分野でビジネスをしていますが、どの分野であれ住友商事で働いている社員ひとりひとりがイキイキと働ける状態を一番に目指すべきだと思っています。それができなければ、いくら業績がよくても十分ではありません。


ランチのみならず、朝8時半から30分、本部別に組織長に集まってもらって、テーマを設けて話し合っています。とにかく機会があれば、できるだけ多くの社員との対話を心がけています。


世の中は常に変化しています。5年前にコアだった事業が今日ではコアでなくなる可能性もあるし、逆の場合も考えられます。そこで2年ごとの中期経営計画の中で、毎期毎期、選択と集中の視点でビジネスラインの見直しを実施しています。


総合商社の強みは総合力です。それを発揮するためにはチームワークが不可欠です。また、そのチームワークを発揮するために欠かせないのがコミュニケーションです。お互いがわかりあえないとチームワークは発揮できません。


原則的にコア事業とかけ離れたM&Aはやりません。コア事業を拡大するときに、その事業を拡大することに加え、川上や川下、地域展開、横展開も含めて伸ばしていきます。


魚は頭から腐ります。企業も同じでシッポからは腐りません。社長がダメだからその会社は駄目になるんです。当社のコーポレートガバナンス原則を議論していく中で、それは詰まるところトップの強い意志と高潔な倫理観という結論に至りました。


みなさん高潔な倫理観は持っていると思うのですが、一般論を申しますと、社長のようなポストにいると、だんだん倫理観が鈍りがちです。歴史を振り返ってもそういうことは少なくありません。そうならないために社長在任期間を決めておくことが効果的ではないかと考えます。頭から腐らないうちに次にタスキを渡すことが大切です。社長、会長の任期を6年と決め、その間全力疾走して頑張ればいいのです。


会社ではいかなる役職役割でも、それは駅伝だと言っています。駅伝は前の人からタスキを受け取り、次の人にタスキを渡します。何番でタスキを受け取るかはわからないけれど、受け取ったからには上り坂が続こうが、雨が降ろうが、自分の責任区間は区間新記録を目指して懸命に走り、少しでも良い状態で次の人にタスキを渡そうとします。それは社長も部長も若い社員も同じです。


社長業は大変と言えば大変ですが、社員の皆さんも、持ち場、持ち場で同じ気持ちだと思います。社長と部長と若い社員では役割が違うだけで、会社を良くしようと思っているところは同じです。


入社10年目まではいっさい昇進の判断材料となる評価に差をつけないことにしました。つまり「10年間はのびのびと一生懸命勉強して自らを成長させてください」という思いからです。その代わり、11年目からは年齢という概念はなくなり、本当に実力で勝負だよと。だからみなさん10年間じっくり勉強し、成長してくれたらいい。もともと素材はいいのですから。


商社の営業マンのDNAには拡大志向が組み込まれていて、押さえても抑えても突っ走るところがあります。当社の営業マンには、「営業は攻めだけでは駄目だよ。攻めと守りが同時にできて初めて一人前の営業マンになれるんだ」と言っています。守りの基本はコンプライアンス(法令順守)の徹底やリスク管理の実施です。


住友商事グループの経営理念は3項目を掲げています。その一番最初の項目が「健全な事業活動を通じて豊かさと夢を実現する」です。この「豊かさと夢」は、すべてのステークホルダーの「豊かさと夢」なんです。


私が求める社員像は、住友商事、あるいは住友商事グループの経営理念をしっかり理解し、それを実現していくために努力する人です。また、チームワークを発揮できる人です。


社員との対話は年間を通じてやり続けています。海外でも同じです。先日も、中近東に出張したとき、現地のマネジャークラスに集まってもらい、2時間ほど話をしました。私からは「会社は何を目指しているのか、どういう考えを持っているのか」を説明し、彼らからは「いまどんなことをやっていて、何を提案したいのか」を聞きました。


私もキリウ(買収したブレーキ部品メーカー)の足利市の工場に見学に行きましたが、素晴らしい経営の考え方、現場のオペレーションに感心しました。当社の役員に「ぜひ行って勉強させてもらいなさい」と言ったほどです。それくらい経営を任すことができるパートナーがしっかりしていれば、商社もバリューチェーンのライン上で必要に応じて製造の分野に入っていけばいいと思います。


私は製造会社の経営と商社の経営はかなり異なると考えています。製造分野に進出する場合はキリウ(買収したブレーキ部品メーカー)の経営陣のようにしっかりと製造の経験ができるパートナーの存在が重要な要素になると思います。


M&Aは、当社の9つの事業部門が自分たちのやっているコア事業をどう大きくするのかという戦略をいろいろ描いて、その実現に必要なときに実施するのが基本です。


最も前で専門性をもって仕事をしているのは現場ですから、現場の判断を一番に尊重し、基本的には任せる方針です。ただし、現場に任せっぱなしではなく、全社共通のモノサシで測定し、一定の基準をクリアすることが条件です。その基準がクリアできていなければ、なぜできていないのか、クリアするための具体的な戦略はあるのかなど、3か月に1回、各事業部の部門長と私が戦略会議の中でレビューします。


当社の9つの事業部門はすべてコア部門ですが、各部門内のビジネスラインについては、何がコアで何がノンコアであるかを選別する作業をやってきました。いきなりコア、ノンコアに分けるのは難しいので、まず事業を4象限に分けました。これは「引き続き拡大」「育てたら拡大」「見極めが必要」「撤退」と4つに区分してからコアとノンコアに選別する選択と集中を進めてきました。


私が社長になる3年前から、それまでの拡大重視からリスク・リターンの概念を入れて改革を始めたのですが、そのときに当面の目標として掲げたのが株主資本コストを満たすリスク・リターン7.5%のクリアです。この目標を達成できなければ一人前の会社と認めてもらえない。絶対クリアするんだという強い気持ちで挑みました。


「信用」。残したい言葉として、迷わずに選んだ一言です。企業にとって大切なことは、長期に渡り存続することです。これなしには使命を果たすことができません。ゆえに、信用を重んじる経営が不可欠なのです。我が社の事業精神を一言で表すなら、この言葉に尽きるでしょう。


会社の信用とは、結局、社員一人一人が支えていくものです。毎日の仕事の中で、それぞれの社員が取引先やパートナーに信頼されることがすなわち、我が社の信用そのものなのです。


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