岡康道の名言 一覧

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岡康道のプロフィール

岡康道、おか・やすみち。日本のクリエーティブ・ディレクター、CMプランナー。佐賀県出身。早稲田大学法学部卒業後、電通に入社。営業職を経てクリエーティブ局に異動。TCC新人賞、電通賞テレビ部門受賞。電通から独立し、日本初のクリエーティブエージェンシー「タグボート」を設立した。

組織の中で専門性を磨いた場合、それがある程度のレベルに達したら、転職や独立という新たな選択肢を持てるようになる。それがスペシャリストに許されたひとつのアドバンテージだと思います。


クリエーティブ局では、上司のダメ出しを受けながら、1日中コンテを描きまくりました。もちろんそれがCMとして、すぐに採用されることはありません。でも、たとえ1案も通っていなくても、「昨年よりもうまくなったぞ」という手応えは返ってきます。それがうれしかったですね。8年間の下積みの後、手がけたCMが次々とヒットするようになりました。


私が営業からクリエーターに転身した理由は、営業のプロに徹し切れなかったからです。営業とは人間関係のプロのことで、苦手な人とも仲良くなれる技術を持つ人のことを言います。対して私は、苦手な人とは全く仲良くなれないタイプ。接待の席でカラオケを歌ったりしながら、「全然、楽しくないぞ、これ」と、常に苦しい気持ちを抱えていました。そこから脱するには専門性を身につけるしかない。そう考えて、クリエーティブ局へ移ったわけです。


社内に起こるであろう軋轢も予測したうえで、能力のある人に場所と環境を提供する。今流の効率経営の一方で、もう一度、そのような暗黙知を見直してみることが、会社と社員の新しい関係を築くことにつながっていくのではないでしょうか。


クリエーティブは発想の仕事です。人間の発想力を伸ばすには、均質な人事管理よりも、上司が見込んだ人間に、ヒットの可能性のある仕事を集中してやらせるなど「えこひいき」を行わないと駄目なのです。ところが「えこひいき」とは、基準がないものだし、そもそも部下の資質を評価すること自体、客観的な指標が設けられるものではありません。ですから、かなり不平等なものです。ただ、その不平等さの中でしか、技術は身につかないし、人材も育たない。そのような不平等なやり方を信じる文化が、昔の会社にはありました。


私の修業時代は、周囲のクリエーターたちはみな、150時間から200時間ぐらいは普通に残業をしていました。日曜だってなるべく会社にいて、資料映像を見たりしていたんです。それが、労務管理が徹底され、「みんなさっさと帰りましょう」「日曜出勤はダメですよ」となると、修業に没頭する時間は取りにくくなる。管理と教育という2項は、互いに成り立たないところがあるのです。


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