山梨広一の名言 一覧

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山梨広一のプロフィール

山梨広一、やまなし・ひろかず。日本のコンサルタント。東京出身。東京大学経済学部卒業、スタンフォード大学経営大学院でMBAを取得。その後、富士フィルムを経て、大手コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。消費財・小売業グループのリーダー、ディレクター、シニアパートナーなどを務めた。主な著書に『ニューグロース戦略(共著)』『面白がる思考』など。

マッキンゼーに入社して3年目くらいのとき、ある先輩から「山梨さんは議論するときに条件とか否定から入るよね」と言われてハッとしたことがあります。それまで日本の事業会社で社内の企画部門の仕事をしており、内部調整のためにこの条件が整っていないとできないとか、余計なリスクはとらない癖がついていたのでしょう。しかし、そんな堅実な提案ばかりを心がけていては、社外に向けての提案で長期的にビジネスを成功に導くことは難しいのです。


何より大切なのは、クライアントにこの案なら必ず実現できると思わせるだけの熱意です。扱うのはクライアント先の商品であっても、「うちの商品が」といった言葉が自然に出てくるくらいの熱意をもってやれば、必ず相手の心に突き刺さるはずです。


とくに新規のクライアントの場合は、相手が本心で何を望んでいるか、業界や会社の本質はどんなものなのかを聴き取り、本質的な部分を感じ取る力が最重要になってきます。それによって、最初に仮説を見せた方がいいのか、データから入るのがよいのか、結論は同じでも提案プロセスが大きく変わってくるのです。


結論についてクライアントと意見が食い違う場合もあるでしょう。仮にAとBというふたつの結論が考えられるケースで、自分はAという結論を提出したが、顧客はBを選んだとする。ビジネスにおける正解はひとつではないのだから、納得できるまで議論したあと、B案を採用することになっても構わない。ここで重要なのは、議論することによって、最初に提案したAに至るまでの思考プロセスが論理的なものであればあるほど、なぜBをとったかが顧客にも自分自身にもはっきりわかり、説得力や実行力が高まるという点です。


現実的な問題解決の糸口が示されていてこそ提案書は見た人の心に刺さり、様々な角度からの議論が巻き起こるのです。


提案書にはプロセスや分析よりもまず結論をわかりやすい言葉で書くことが必要です。現状やデータに基づいて論理的にシミュレーションされた複数の可能性の中で、実現可能性と思うものを3つくらいに絞り、結論としてクライアントに明示するのです。相手の心に突き刺さる短いメッセージが書けないのであれば、提案のどこかに現実味が欠けていたり、論理が破綻している可能性が高い。


ありがちだが駄目な提案書の典型とは、それを見たクライアントとの議論が紛糾しないタイプのものです。概念度が高い言葉できれいにまとめてあるだけだったり、「とりあえず、この手順で事業を展開すべきです」といった形で、取り組みのプロセスだけを説明して結論について言及しない提案書というのはあまり議論になりません。具体的なリスクや問題点が見えてこないから、クライアントもつっこんでこないのです。


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