山口貞一郎の名言 一覧

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山口貞一郎のプロフィール

山口貞一郎、やまぐち・さだいちろう。日本の経営者。長崎カステラの老舗である松翁軒(しょうおうけん)の第10代当主。

ぼろぼろになった会社を父親から受け継いで、これを立て直すのは大変でした。1年365日、文字通り休みなく社員と一緒に働き、何年もかかって企業を再建させました。急な拡大はリスクの方が大きいというのが、このとき私が得た教訓です。


自動化して大量に焼こうとすると、どうしても生地をコンベヤーに乗せて焼くことになりますが、そのコンベヤーの微妙な振動さえ焼き加減に大きく影響するので、私たちは自動機械を決して使いません。また、いくら職人の腕が良くても、職人に任せっきりにすると、次第に味が変わってきてしまいます。私は毎日、カステラを食べ、少しでも味に変化があると思ったら、すぐに工場へ飛んで行って、どうして味が変わったのか徹底的に究明させてきました。お得意様から少し味が落ちたんじゃないかと言われたら、もう手遅れと考えなければいけません。


もし、長崎以外に販売店をたくさん作って量販に乗り出したら、味の管理は難しくなると思います。同業の文明堂さんや福砂屋さんは、日本全国に長崎カステラを広められ、しかも品質管理もきちんとしているのは素晴らしいと思います。私たちは量産と品質を両立できる力がないので、品質に全力を傾け、そこでは絶対に負けないつもりで頑張ってきました。


企業というのは、少しでもいいから成長しているときは、社内に活気があるものですが、下降線をたどり始めた途端、社員の意欲は極端に低下していきます。


急な成長は本当にその企業のためになるのでしょうか。実は、松翁軒は祖父の時代に勢いに乗って商売を急拡大させた結果、手痛いしっぺ返しを食らった経験があります。ほぼ倒産状態に追い込まれました。


カステラの原料は卵と小麦粉と砂糖だけです。単純なお菓子なので作るのも簡単に見えるかもしれません。たしかに、ある程度の品質のものなら比較的容易に焼けるでしょう。しかし、高級なカステラは砂糖がこれ以上溶けないというところまで溶かした生地を焼きます。ここまで砂糖の濃度を高めると、歯触りの良いカステラを焼くには高い技術と職人の腕が必要になります。


(東京や大阪の大百貨店からの出店要請を断り続けていることについて)かたくなな私たちの態度を傲慢だと言われたこともあります。売上高を伸ばし世間に広く知られるチャンスをなぜ棒に振るのだとも何人もの方から言われました。でも、私にとって松翁軒のカステラの味を守るためには、長崎から出てはいけないのです。


中小企業にとって最も大切なことは、私は品質へのこだわりだと確信しています。私どものように食品を扱う企業にとっては、製品の味が全てだと思います。


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