山中伸弥の名言 一覧

このエントリーをはてなブックマークに追加

山中伸弥のプロフィール

山中伸弥、やまなか・しんや。日本の医学博士。iPS細胞(人工多能性幹細胞)をつくりだした研究者。ノーベル医学生理学賞受賞。大阪出身。神戸大学医学部卒業、大阪市立大学大学院博士課程修了。米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校グラッドストーン研究所博士研究員、日本学術振興会特別研究員、大阪市立大学医学部助手、奈良先端科学技術大学大学院大学遺伝子教育研究センター助教授・教授、京都大学再生医科学研究所教授などを経て、京都大学iPS細胞研究所所長に就任。

研究者が自分の研究が本当に新しいか、誰かの真似になっていないかを常にチェックする必要があります。大阪市立大学大学院に在学中、助教授に言われた言葉が印象に残っています。それは、「阿倍野の犬実験になるな」です。日本の研究の多くは、「米国の犬がワンと鳴いたという論文があるが、日本の犬もワンと鳴いた」というものです。さらに日本の犬がワンと鳴いたという論文を見て、「阿倍野の犬もワンと鳴いた」と書く。研究者は油断すると、他人の方法論を真似て、阿倍野の犬のような論文を書いてしまう。こういう研究からイノベーションは生まれません。
【覚書き|阿倍野とは、大阪市立大学医学部がある大阪市阿倍野区のこと】


企業の研究所では、論文を発表する前に知財を押さえます。私たちもiPS細胞(人工多能性幹細胞)を発見したときは、論文を書きたくありませんでした。論文を書いたら、ライバルの研究者たちがこぞって追いかけてくるのがわかっていたからです。もし、企業の研究所に勤めていたら、iPS細胞の根幹に関わる部分を特許で盤石に固めるまで、何も発表しなかったかもしれません。


私は、本当に誰もやっていないことだったら、どんな研究でも価値があると思っています。だからこそ、若い研究者には、誰かの真似ではないか、繰り返しではないか意識してもらいたいのです。本当のイノベーションは未知の領域でしか見つからないのです。


研究者は役に立つかわからないものを研究すべきだし、科学研究費助成事業(科研費)のように、海のものとも山のものともつかない研究を支援する仕組みが、国全体の技術力を維持するうえで非常に大切です。


大きな課題は、研究者自身の中にある「稼ぐことへのアレルギー」でしょう。工学部のように、実用化できる技術を開発しようという意識が先生方の頭にある学部は良いのですが、理学部は対照的です。「研究の目的は真理の探究であって、実用化などとんでもない」という先生もいらっしゃる。


日本が生きていく大きな道のひとつは、科学技術立国だと考えています。研究者や技術者はみな、科学技術立国たる日本を背負っているのだと自負しています。若くて柔軟な人が次々と研究に従事するようになれば、もっと伸びていくでしょう。


研究は、最初から社会の役に立つようにしようと意識しすぎると、浅いものになりがちです。みんなが実用化間近の研究ばかりやりだすと、将来のイノベーションの芽が摘まれてしまいます。


研究者は知財を意識しておく必要があります。ただ、知財に関する専門知識を研究者が持つのは不可能に近い。知財の専門家を大学に抱えるべきです。良い技術が出てきたときに、実用化まで持っていくには、知財の専門知識があり、厚生労働省などの規制当局と早期から交渉できる人材が必要です。日本の大学の研究者がよい論文を発表しても、事業としての成果は米国企業に取られかねません。


特許が難しいのは、新しい知見を発見した当時は、将来化けるかどうか検討がつかないことです。特許申請には多少なりとも費用がかかるため、大学は厳選して申請するのが普通です。ただ、稼げる技術に育つ知見を選択して申請することは困難です。もしかすると、宝の卵をふるい落としてしまっているかもしれません。ですから、なるべく多くの特許を申請する必要があると考えています。


理系離れは深刻です。日本では研究者の地位があまりに低い。若い人たちに研究者が魅力的な仕事に見えていません。このままでは担い手がいなくなってしまうと懸念しています。米国は日本の逆です。研究者の社会的地位が高い。ハードワークなのは日米同じですが、ちゃんとした家に住んで、ホームパーティーを開いて、楽しく暮らしている人が多いのです。給料そのものも高く、ベンチャー企業とのつながりも強い。米国では研究者が憧れの職業なのです。


日本人の技術者は間違いなく世界一です。器用さ、勤勉さ、創意工夫、チームで取り組む努力など、研究者として重要な素養を備えています。現在は米国にも研究室を構えているのですが、日本人は素晴らしいと痛感しています。


人名ランダムピックアップ


経営・ビジネス・投資・仕事・お金・経済的な分野で成功を収めた人たちの名言を収録しています。

ページの先頭へ