小林豊(小林製薬)の名言 一覧

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小林豊(小林製薬)のプロフィール

小林豊、こばやし・ゆたか。日本の経営者。小林製薬社長。兵庫県出身。甲南大学文学部卒業後、小林製薬に入社。取締役、海外事業部長、商事事業本部副本部長、商事事業本部長、常務、専務、副社長などを経て社長に就任。小林製薬創業家出身。

面白いアイデアも、技術的に可能か、マーケッタビリティ(市場性)はあるか、安全性に問題はないかなど、検討を重ねるうちに製品化に適さない条件が出てきてしまうことも多いものです。だから最初はジャストアイデア(単なる思い付き)で構わないから、とにかくたくさん出すことを社員に課しています。


何から考えたらいいかわからないという社員には、当社のキャッチフレーズの「あったらいいなをカタチにする」を念頭に置いて、親類でも飲み会に行った店で出会った人にでも、どんな製品が欲しいか聞けばいいと指導します。そして、わかったことや気づいたことは忘れないようにメモに残せと。


とにかく強制的に、社員にアイデアを出させることです。強制されるから仕方なく人に聞く、周りを見て探す、嫌々でも頭を絞ります。


異業種で好調な企業を見比べて、売り方の違いが業績にどう反映されるかを見るのが非常に参考になります。たとえば、ファッションセンターしまむらと、ユニクロを見比べるのです。


社員からの提案をすぐにフィードバックすることも大切な仕組みです。当社では提案を受け付ける専門部署を設置し、そこが提案に目を通して関連部署に振り分け、すぐに評価を促すという方法を採っています。「面白い」などと反応があれば、また提案しようという気になります。


当社には業務改善などを含めて、全社員が自由に会社にアイデアを出す制度もあります。もう27年続いていて、ナンバーワンになる社員は、1年間で250から280の提案をしてきます。勤務日数で割ると1日1件以上です。多ければ良いとは限りませんが、ある程度は量を出さなければ、質もついてきません。


開発だけでなく、利益管理も各事業部の裁量で行うように改めました。利益管理まで任されるということは、自分のグループの個別最適を優先していたのを、全体最適に切り替えて発想しなくてはならないということです。事業部という大きな組織の中で、マーケティングや技術開発など、異なる職域の担当者がそれぞれコスト意識を持ち、折り合いをつけることで組織全体が利益体質へと変わっていくはずです。


当社の開発部門は、「医薬品」「芳香・消臭剤」など6つのカテゴリーを設けています。各カテゴリーから毎月2つずつアイデアを出してもらい、経営陣の出席するアイデア会議でプレゼンを行います。年間少なくとも144のアイデアが出る計算になります。うち3分の1は会議で振り落とされ、最終的にはそこから3から5つ製品化されます。


当社の得意分野は芳香・消臭剤ですが、芳香・消臭剤だけで新製品が出て、他カテゴリーからはなかなか出てこないようでは、企業としての価値が損なわれかねません。カテゴリーごとに人材を均等に配置し、それぞれの部門を競わせれば、オーラルケアや衛生雑貨からもヒット商品が生まれる可能性が高まります。カテゴリー制は、開発体制を整えるための組織なのです。


社員に「自分で考えろ」というだけでは足りません。考えるための仕組みや環境を用意することが絶対に必要です。


誰もが同じように考えるはずという前提によって、クリエイティブな発想や、合理的な仕組みを思いつく力が失われているのではないかと思います。


100出したアイデアもそのままでは生かせません。そこで会社がブラッシュアップの仕組みをつくる必要があります。出てきたアイデアを選り分けるのは会議の席上ですが、そこで残ったアイデアをブラッシュアップしていく旗振り役は、各開発カテゴリーごとに指名して2から4名ほどにあたらせています。指名するのは経営陣ではなく現場の長です。現場で力を発揮しそうな人物を選んでもらい、選ばれた本人は何としてもアイデアを製品にしなくてはと責任を自覚します。そこで考える力が付き、思考力が高まるのです。


私はよく社員に、「脳みそに汗をかくくらい考えてくれ」と言っています。これを当社では、お客様のためにもがき苦しんで考える「ドロドロ開発」と呼んでいます。当社では月に2つのアイデア出しを習慣化して4年経ちますが、年々アイデアのレベルが上がり、トレーニングの成果が出ていると感じます。


内ポケットにいつも手帳を入れておき、気づいたことはすぐにメモをします。夜中に地震があっても、メモだけは持って逃げられるように、カバンに入れてベッドの側に置いてから床に就いています。社員にもメモ帳を持ち歩くよう奨励しています。


開発部門にカテゴリー制を敷いた理由は、ひとつには技術開発、研究、マーケティングそれぞれの部門が分断することなく三位一体となった開発を推進するためです。そして、採算性のいい製品カテゴリーだけに開発が集中するのを避ける狙いもありました。7


人はいきなり「考えろ」「アイデアを出せ」と言われてできるものではありません。日ごろから周囲を観察して、情報を蓄積しておく準備がいります。私自身、出かけたときに小売店を覗くのが習慣になっていて、ドラッグストアやホームセンターはもちろん。靴屋、花屋、化粧品店のような異業種にも見に行きます。


ヒット商品も元をたどれば、誰かの小さな発見や、ちょっとした思い付きから始まります。しかし、そのアイデアの種を育てて製品に仕立てるには、プロ集団のノウハウがいります。


家を出て、電車に乗って会社に来るだけでも、周辺の景色、駅の看板、車内広告、乗客の行動など数えきれないほどの情報が目に入ってきます。しかし、その中から有効な情報をキャッチするには、漫然と眺めるだけでなく問題意識を持っていないと難しいでしょう。


不具合が生じた際、黙って当社製品を買わなくなるお客様がいる一方、電話をくれるお客様にはほんの少しファン心理が残っています。ブルーレットへの苦情の場合、最初は自宅のトイレに入るのを嫌がられましたが、そのうち「そこまで熱心な会社はない」と言われるようになりました。こうしたひとつひとつが社員の自信につながっていきました。


当社のお客様相談室では、苦情客の電話を受けるだけでなく、実際にお客様のところを訪れて話を聞き、商品開発に役立てています。「現場に行け。見て、学べ。そして考えを示せ」と言い続けた結果できたのがこの仕組みです。


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