小林栄三の名言 一覧

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小林栄三のプロフィール

小林栄三、こばやし・えいぞう。日本の経営者。伊藤忠会長。福井出身。大阪大学基礎工学部卒業後、伊藤忠商事に入社。海外勤務経験後、情報産業部門長、情報産業ビジネス部長、常務、経営企画・財務・経理・審査担当役員補佐、チーフ・インフォメーション・オフィサー、SI・リーテイル室長、ネットの森番人、経営企画・事業・総務・法務担当役員、専務などを経て社長・会長。情報産業部門でIT事業立上げに尽力。

ビジネスの成功確率をいかに高めるか。これに腐心してきました。たどり着いたのは、やはり人材の重要性です。だから部下の教育には執念を持って当たりました。


若い人には速く成長することを求めてきました。速く成長することは部下本人にとっても良いことだし、会社への貢献にもつながる。果ては、人間社会の発展にもプラスになります。


伊藤忠商事には社員が4000人いますが、社員には、それぞれが自分の力を高め「4000分の1の責任」を果たすことを求めます。その代わり、会社の外に対しては、私が「4000分の4000」の責任を引き受ける。


部下を教育するためには、私自身がきちんとしている必要があります。150人の部下がいた時には150人が、社長になってからは、伊藤忠商事の社員4000人が自分の背中を見ていると意識していました。


「鉄は熱いうちに打て」の言葉通り、新入社員の時代からきちっと教育することが必要です。


人を好きになるということは、個人の強い点を認めるということです。欠陥や弱点ばかりを指摘するのではなく、いい点を見つけるのです。相手の強い点を見出すためには、一にも二にもコミュニケーションを密にし、能力を磨くことです。


愛情は大切です。僕はいつも愛情の反対語は無関心だといっています。無視こそがコミュニケーションの最大の敵です。いかなるときも関心をもって人に接していくことが大事です。


私は社長就任以来、一貫して「チャレンジ・イズ・パッション」を一番好きなフレーズにしています。安政の大獄のころ、初代伊藤忠兵衛が創業して以来、150年以上の月日が流れました。伊藤忠は、環境の変化、多くの困難を、チャレンジ精神と情熱で乗り越えてきました。新入社員の皆さんにはぜひ伊藤忠に流れるDNAを受け継いでいってほしいのです。


今日ここに集まった100人のコミュニティこそが、この会社で働いている限り、あなたのベースになります。100人がお互いに切磋琢磨するライバルであることはもちろん必要ですが、弱点はみんなで補っていく、強みはみんなで伸ばしてあげる。それから、ひとつのことを手掛けるとき、熱く激しく執念を持ってほしい。
【覚書き|伊藤忠商事の新入社員に向けてのスピーチでの発言】


コミュニケーションの出来ない人は、商社には必要ありません。反対に、コミュニケーション能力があれば、どんな人でも戦力になるのです。さらに商社マンには、ものごと最後まで成し遂げるという執念が必要です。


上司の一人にコミュニケーションをまったくとらない人がいました。朝来ても挨拶も会釈もしない。こちらが「おはようございます」と言っても、うつむいて知らん顔をしている。一週間たっても全然変わらない。ひと月たっても変わらない。その後、その課は混乱しました。不祥事や思わぬ損害が出る部署というのは、大概コミュニケーションの不足に起因しているものです。


新入社員時代、私は鬼軍曹とも呼ぶべき上司にボコボコにされました。受話器で殴られ、定規で叩かれることなど日常茶飯事でした。現在の感覚からするとビックリされる方もいるでしょう。私も会社が嫌で嫌でしょうがなかった。しかし、いま当時を振り返ると、それは鬼軍曹の愛だったことに気づきます。やはり愛情なくしてあそこまで真剣に怒ることはできないでしょう。


商社である伊藤忠商事にとって、人材、人脈は最大の財産です。商社で働くならば、モノにもお金にも企業にも、そして人間にも興味を持たなくてはなりません。人に興味を持つということは、イコール、人を好きになることです。メーカーのような技術がベースになっている企業と商社は根本的に発想が違うのです。


雑誌などの記事で、合コンしたい会社のランキングで、伊藤忠商事がトップになったと聞きました。ライバル商社を押しのけての一番は嬉しい限りです。同じ商社でも、財閥系はやっぱり洗練されすぎているかもしれませんね。うちは、いい意味で荒っぽいところが残っているのでしょう。相対的な比較では、やはりエネルギーがあるのだと思います。


日本の組織はともすれば、不得手な仕事を無理にやらせたり、逆に突出した部分は叩いて均一な人材をつくろうとしがちですが、これでは力を十分発揮させられません。それぞれが得意なことをしっかりやってもらい、それ以外は組織の中で助け合えばよいのです。だからこそ、それぞれの部下との出会いも大切にし、それぞれを理解しようと努めなくてはなりません。


誰もが、自分自身より何かしら優れたところを持っているものです。かかわったすべての人の良いところを見極め、そこから何かを学ぶという姿勢で接していれば、誰かを嫌いになるということはありません。


人間という生き物が好きです。いま、世界に65億人いるとして、残りの人生の中でどれだけ新しい人に会うことができるのだろう。そんなことを考え、ひとつひとつの出会いを大切に日々、過ごしたいと思っています。


私は人と話すとき、いつも目をじっと見つめるようにしています。気恥ずかしく思われる方もいるようですが、「ここでいま、出会うことのできたかけがえのないあなたと真摯に向き合い、あなたにしかない何かを学び、理解したい。たとえ言葉が上手く通じなくても、まずその気持ちを伝えたい」と思うからです。


義理人情を持っているのは、何も日本人だけではありません。多少の文化の違いこそあれ、人間の本質は皆同じです。海外でも現地で出会った人々に何度も助けられました。


海外赴任先の香港や米国で学んだことも大きかったです。日本人だけの組織と違い、ただ上司だから、仕事だからと一方的に命じるだけでは多様な価値観を持つ人々を動かすことはできませんでした。けれど、愛情を持って、ひとりひとりと向き合う姿勢を見せれば、多くの人はついてきてくれるものだとわかりました。


社員にはいつも夢を持てと言っています。まず、それがなければダメです。そして、次に夢をビジョンに落とせ、そのビジョンを戦略に落とせ、戦略を戦術に落として実践しろと言っています。


たとえば繊維や食品の案件では、担当のプロジェクトマネジャーより僕の方が詳しくない。だから、担当部門が巧みに仕上げてきたプレゼン用の書類を見ることより、その人間の熱意、本気度を見ることの方が大切なのです。


企画書はあまり見ません。プレゼン用の書類なら、いまは新入社員でも立派なものをいくらでもつくりますから。新規の投資案件に対してGOを出すかどうかは、書類を見て判断することはほとんどしません。見るのはパッションです。熱い思いです。とくに担当者の目を見ます。


日本企業の多くは部分最適にとどまっていて、全体最適になかなか到達できないでいます。組織の垣根にとらわれて、全社的なプロセスの流れが見えてこない。これはグループ会社に対しても同じです。連結経営の世の中にもかかわらず、企業単体の業績ばかりに目がいってしまいがちなのです。


ITに任せられる部分はITに任せ、人間はもう少しプロダクティブ(創造的、建設的)なところを担当する。これが今後の持続可能な発展につながると考えています。


業務を20%効率化すれば、いまの仕事は8割の力で遂行できます。そして余った2割は、次の成長のために使えます。そのためには個人のレベルアップに加え、ITによるインフラ整備が大切です。ただ、その前提となるのは、業務プロセスの「可視化」です。


多くの日本企業は、業務をマニュアルに落とすことが不得意で、社員の勘任せの属人的な要素が多くあります。業務プロセスの中にこうしたブラックボックスがあっては、不正や誤りが絶対にないと保証できません。


いま、企業が置かれている環境を一言でいえば、「築城150年、落城1日」です。長い時間をかけて獲得した信頼も、ほんの一瞬で失います。


コンプライアンスに関しては、上を見ればきりがないですが、追求し続けなければいけません。創業者である伊藤忠兵衛が「三方よし」と言っています。売り手よし、買い手よし、世間よしということです。まさにいま問われているコンプライアンスの精神です。


社内コミュニケーションが非常に大切です。実際、新聞をにぎわすような不祥事を見ていると、社内のコミュニケーションさえよければ、避けられたのではないかと思える事件があります。周囲の人に積極的に関心、愛情を持つことです。関心を持ってコミュニケーションを取っていればだいたいわかるし、問題も未然に防げます。会社人である前に、よき社会人であるべきです。


いまは何でもデジタルに落とし込もうという傾向がありますが、人と人のコミュニケーションは白か黒、0か1では割り切れない。もっとアナログなものです。性格ひとつとっても、陽気という見方もあれば、ちゃらんぽらんという見方もできる。だからフェイス・トゥ・フェイスが重要なのです。そこを忘れなければ、コミュニケーションの質と深さが違ってくる気がします。


コミュニケーション能力というのは出身大学や学校の成績からはわからない。ですから、我々は人材を処遇するときに出身大学などは見ません。見るのは職場での評価です。上司についても部下とのコミュニケーションが取れているかどうかを最初に見る。そういう意味では、日々努力をして、いいコミュニケーターになることが一番大事な能力といえます。


国際的な大競争時代を一人で勝ち抜くことはできません。5人、10人、そして100人のチームになって初めて勝つ可能性が生まれる。その意味では、本当に周囲を愛情を持ち、関心を払って、いい人材をピックアップし、多彩なチームを編成しなければならない。そのための手段はコミュニケーションしかありません。


新卒だけでなく「キャリア採用」の制度も積極的に導入し、性別や、国籍も問わない「人材多様化推進計画」を進めています。しかし、上司と言われる世代は、まだそうした時代の流れに完全にアジャスト(調節)しているとは言い難い。この意識を変えたいと考えています。


社会人としての基本や土台があるからこそ、自分の軸をしっかり持つことができるのだと思います。


どうしても許せないのは、挨拶ができない人です。守衛さんに挨拶しない人間がいる旨の匿名の社内メールが届きました。自分の目で確かめに行くと、守衛さんが「おはようございます」と声をかけてくれているのに、ろくに返事もしない社員がいる。そういうときは怒ります。「ふざけるな。伊藤忠パーソンだ何だと偉そうに言う前に、社会人としてやるべきことをやれ」とハッキリ言います。


「軸足を持て」と新入社員に必ず言うようにしています。何でもよいから自分の軸(得意分野)があると、その人は人生に自信が持てる。そうすると何か困ったときに、自分に返れるのです。


人は皆それぞれにいいところと悪いところを持っています。悪いところは組織で補えるわけですから、いいところを伸ばせばいい。しかし逆に言うと4000人いれば4000人のいいところがあるということは、一人一人が勉強して、それなりのプロにならなくてはならないということです。


上司のコミュニケーションスキルの定番である「褒める」「叱る」にしても、愛情=関心があればこそです。私は全身で関心を表すタイプなので、あまり露骨に褒めたりしません。しかし叱るときは、注意を払い、内容に応じて具体的に叱ります。叱るのは、同じミスを2度繰り返したとき、勉強や分析をしていないときです。


社内では常々、「愛情を持て。愛情の反対は無関心だ」と言っています。愛情とは、相手に関心を持つこと。これがコミュニケーションの基本です。社員一人一人が愛情=関心を持っていれば、企業のコンプライアンス(法令順守)などというものは絶対に心配ない。いまの時代は会社組織でも、家庭においても、社会全体でも、他社への関心が薄い。つまり、愛情が足りていないように感じます。


気楽な懇談会形式とはいえ、社長相手ですから、「言いたいことを言ってみろ」と言っても、なかなか言い出しにくいものです。そんなときは顔を上げている人、こちらをじっと見つめて何か言いたげな人から声をかけてみる。誰か一人が切り出せば、2人目、3人目と出てきます。


社長就任時に、私は若い社員に会って直接話をする機会をつくろうと思い、まずは400人の社員に会うことを宣言しました。伊藤忠商事には約4000人の社員がいます。私が400人に会って、その一人一人が私と話したことを10人に発信すれば4000人になる。その人がまた10人に発信すれば、グループの4万人になる。そういうロジックで、各地の社員と懇談の場を重ねてきました。フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションで600から700人くらいの若手社員と話してきた計算になります。


社長になると一対一で若い社員と話す機会というのはそう多くありません。社長に就任したときに私が一番危惧したのは社員から遠い存在になることです。社員の目の表情が見えないような遠い存在になったら、現場の臨場感は失われます。現場の臨場感なくして、的確な経営判断はできません。


私の場合、まずは「言いたいことを言ってみろ」と言うように心がけてきました。立場が上になると10のうち8、9を自分でしゃべっている人もいますが、会社組織において上司がやるといえば、部下は最終的にはついてこなければなりません。プロセスの最初の段階では、部下からいろいろな意見を言ってもらうのが正解でしょう。自分が言いたいことや思っていることを言う前に、極力、相手の話を聞く努力をする。


上司と部下のコミュニケーションにおいては、上下関係という力学が作用していることも考慮しなければ、相手の本意はなかなか理解できません。会社の中でケンカをすれば、必ず上司が勝つわけですから、まず上司の側に話を聞く姿勢がなければ、部下の思いというものは絶対に表に出てこない。


昔からの習性で、話をするとき、私は必ず相手の顔、とくに目の表情を見ます。シリアスな話をするときほど目は口ほどにモノを言う。どれだけ本気なのか、口先だけなのか、どの程度勉強しているのか、あるいはどういう計算があるのか、結構わかるものです。


いかなる相手とのコミュニケーションであれ、私が一番大事に考えているのは、相手が何を言いたいのかを正確に把握することです。


トップが暗いと社員も暗くなります。明るくあることは、経営者にとって鉄則だと思っています。しんどい時こそ明るく振る舞う必要があります。社長になって1年ほど経った頃、難題を抱え考え事をしながら歩いていたことがありました。難しい顔をしていたのでしょう。それを見た社員が「社長は体の具合が悪いのではないか」と心配していた、という話を秘書から聞きました。あの時はとても反省しました。


社員の目に見えるところでは「あたふたしない」「ニコニコする」ことに注意を払ってきました。トップが動揺すると、部下たちはそれを敏感に察します。この大切さは、郷里の富山で地元に影響力を持ち、組織をまとめるのがうまかった母を見て学びました。


部下の適所がどこにあるかを知るためには、やはりコミュニケーションが大切です。150人ほどの部の部長をしていた時、こんな方法を実践しました。新入社員を対象に、彼らが興味を持ったこと、それはなぜか、その意味するところは、というテーマで毎週メモを提出させました。「イチローのように何かで秀でた人物になりたい」と希望を語る者もいれば、「アジア通貨危機に際して我が社はこうすべきだ」と論じる者もいました。このやり取りはとても有効でした。彼らの欠点を見つけることにも役立ちました。


人材を生かすためには適材適所で配置することが大事です。部下を思い浮かべ、彼をどこか別のところで生かせないかと考えることがしばしばありました。そればかり考えていたと言っても過言ではありません。


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