宮田孝一の名言 一覧

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宮田孝一のプロフィール

宮田孝一、みやた・こういち。日本の経営者。三井住友フィナンシャルグループ社長。徳島県出身。東京大学法学部卒業後、三井銀行に入行。資金資金部長、市場営業統括部長、三井住友銀行取締役兼専務執行役員などを経て、三井住友フィナンシャルグループ社長に就任。

世の中にはいろいろな情報が飛び交っていますが、実際にビジネスを手がけている方々と生の会話をするのが、一番新鮮な情報を手に入れる手段です。いわば「情報が飛び交っている交差点」の真ん中にどれくらい立てるかが勝負なのです。


現在のようなビジネスモデルの変化や世の中の動きが流動的な時代に求められる要素は、(1)情報への感度、(2)柔軟な発想、(3)決断力、(4)行動力。この4つだと考えています。


私は部下に「悪い情報を持ってきた部下につらく当たるな。よくそんな言いにくいことを言いに来てくれたね、と褒めろ」と常に言っています。悪い情報も含めて、いち早く情報を集約するのがマネジメントの基本です。


お客様のニーズに耳を傾けること、そしてときにはニーズを先取りした提案をお客様に積極的に行うことが求められています。


生煮えでもいいのです。お客様に関する情報が、より早く、そのまま上がってくることが大事であり、誤解を恐れずに言えば、悪い情報が飛び交う職場こそ健全で正しいのです。


銀行は産業の黒子役です。お客様のビジネスが大きくなれば、それに付随して裏付けとなる取引の拡大につながり、銀行自体も成長します。


私はマネジメント力の基本は組織内の情報を集約する力、チームとしての総合力を生かす力、そして全責任を引き受ける決断力だと思っています。


学生時代は皆、必ず正解のある世界で学業の訓練をしてきましたが、ビジネスの世界は正解があるとは限りません。3つの選択肢がある場合、すべて間違いかもしれないし、3つとも正しいかもしれない。そうした状況の中で、最後に腹を括って決断するのがマネジメントの役割です。


私はたまたま社長を務めているが、社員の誰よりも優れているから社長になったわけではありません。どの職場にも上司よりも優れた着想を持つ部下は必ずいるし、より価値のある情報を持つ部下もいます。そうした部下の力をまとめ上げることもマネジメントの要件です。


組織では、往々にして悪い情報をそのまま上に上げると叱責されるので、対策まで組み立てたうえで報告しようとしがちです。しかしそうなると対処のスピードが遅くなり、かえって組織のリスクとなります。


当社では海外で積極的に仕事をする意欲のある学生に対してグローバル採用枠を設けています。入社後、原則2年程度の基礎教育の終了後に随時海外に赴任してもらいます。海外で働く人には、2、3年海外で暮らしたいという人ではなく、場合によってはその地で骨を埋めるぐらいの覚悟で行ってほしいと考えています。そうでないと、その土地のお客様との付き合いを深めることも難しいし、大きなビジネスの成功も難しいからです。


語学力以上に外国人とのコミュニケーションで重要なのが、相手の国の文化や価値観に理解を示すこと、つまり世界の価値観の多様性を受け入れられる能力です。そして、日本の歴史や文化や価値観を自分の言葉で語れる能力です。自国の歴史や文化を語れない人は、海外の人と腹を割って付き合うことはできないし、まして大事なビジネスを成功させることはできません。


価値ある情報への感度を高めるためにはコミュニケーション力は欠かせません。コミュニケーションとは、ひとりよがりの思い込みで人と接することではありません。相手の気持ちや立場を理解したうえで会話ができることです。今後は、そうした能力がますます求められます。


つかんだ情報から生まれた知見やアイデアをビジネス展開していくときには、果断な決断力と最後までやり抜く行動力が必要となります。


お客様との会話など人とのコミュニケーションの中からつかむ情報が一番鮮度が高く、価値も高い。それをキャッチできる人が情報感度の高い人です。世の中には情報が溢れ日々行きかっています。「情報が行きかう交差点の真ん中にいる人」は人材として価値が高いといえるでしょう。


もはや、日本から赴任した社員が上位の役職に就き現地の人を雇うという時代ではありません。日本から来た社員も現地のスタッフと十分なコミュニケーションをはかりながらビジネスに取り組み、その成果を一緒に喜びあえる人材でなければなりません。


海外でのビジネスは日本人が赴任して、そこに根を張ることも大事ですが、その土地で育った人が持つ会社とのネットワークも重要です。当社はすでに外国人の常務執行役員がいますが、その次のステップとして外国人にも経営会議メンバーになってほしいし、海外拠点のスタッフを計画的に育成しマネジメント層を増やしていきたい。


銀行のビジネスは、お客様が必要なときに資金を融資するという受け身の姿勢からソリューションビジネスへ急速に変化しています。いま銀行は顧客企業に、工場の立地の紹介から商品の付加価値を高めるアドバイスまで、多岐にわたる提案を行っています。


多様な文化、価値観についていける能力は何も外国人とのコミュニケーションに限りません。人口減少と高齢化に向かっている日本では、今後、組織のマネジメントを取り巻く環境も大きく変わるでしょう。女性の活躍や年功序列の崩壊。マネジメントには、いろいろな人の意見に耳を傾け、組織をまとめ上げる能力がますます問われてくるでしょう。


必要とする人材の条件を掲げる以上、その力を発揮してもらえる環境づくりはトップの重要な役目と心得ています。


部下とのコミュニケーションを深めるうえで、上司として気を配っておきたいのは、部下の置かれている環境です。職種によっては陽の当たりにくい仕事もあるからです。営業はわりと花形になりやすいのですが、例えば事務やATM保守担当はミスがないのが当たり前。何もない「普通の状態」がベストとされる持ち場です。私はそういう人から真っ先に声をかけます。従業員は見てもらっていることがモチベーションにつながります。私がなるべく現場に顔を出すのは、このような理由もあるのです。


グローバル化が進む中で、自分の国の歴史や文化、価値観を理解できていなければ、異文化の人々の立場を的確に認識できないと思います。


私は社長室でじっとせず、現場に頻繁に足を運び、直接声を聞くようにしています。上司が待っていたらダメ。実際、自分が若いときは役員のところに行きたいとは思わなかったですから。


組織での報告のラインは短いほどいい。ハンコが7つも8つも押してある紙はいりません。


自分自身を知ることも、充実したコミュニケーションには不可欠です。自分を理解できない人間が、相手を理解できるでしょうか。平たく言えば、「語れるような自分」があるかどうかが重要なのです。


私は部下に「頑張ってね」とか「ご苦労さん」とは言わず、「一緒に頑張ろう」と声をかけます。私も同じ船に乗っているという気持ちを伝えたいからです。


ディーリングルーム時代は、管理職用の個室もありましたが、あえて全体を見渡せる中央にデスクを置きました。ざわざわとした空気の中にいると、相場が動いたなとか、何か困っているなと感じ取れます。顔が見えることはそれほどに重要なのです。


コミュニケーション力は、上司と部下の双方に求められます。問題が発生して部下が報告に来たとき「何でそうなったんだ」と怒鳴っても無意味です。「よく言いにくいことを報告に来てくれたね」と受け止めればいいのです。組織では、どこかで問題が起こるものです。その報告にいちいち怒っていては、やがて部下は報告を遅らせたり、隠したりするようになります。それより、不完全でもいいから早く情報を共有し、チームワークで知恵を出し合って解決する。それが組織なのです。


どんな立場になっても、自分より優秀な部下が必ずいます。ですから優秀な部下に業務を的確に任せるしかないのですが、それが現場の活性化につながりました。もちろん、権限を与えて自由にのびのびと実力を発揮してもらう一方で、暴走回避や問題発生時の早期対応が重要です。


アイデア、行動力とともにスピードも重要です。アイデアを競合他社より早く実現しなければ勝負には勝てません。


せっかくいいアイデアを思いついても、そこで止まっていてはビジネスになりません。実際の行動に移し、行動力を発揮してビジネスに結びつけなければなりません。


「この件については、A、B、Cの3つの問題があります。まずAは……」などと問題点を挙げていくような議論は何となく高尚に見えるかもしれません。一方、「細かいことはよくわからないけれど、こういうふうにやってみたら」とか、「とにかくやろうよ」といった働きかけは低級に思われているようです。しかし、ビジネスはむしろ後者のほうが大事で、とにかく決断して行動に移すという前向きな姿勢が大事です。


情報が飛び交っている「情報の交差点」に立って聞こえてきたお客様のニーズに対して、豊かな発想で解決策を提案できるか、さらに先をいく提案をできるかが問われます。その基盤となるのは専門性です。専門的な研鑽を積み、確固たる知識やノウハウを基に、柔軟な発想でお客様の悩みを解決することが重要です。


本は、いろいろな意見や考えに触れるいい機会になります。そうやってさまざまな人、さまざまな分野の話を見ていると、個々の知識が有機的につながり、新たなアイデアが生まれることもあります。


人と会うだけでなく、読書も発想を磨く力になります。私はその時々の問題意識に合わせて本を読んでいます。映画やテレビは進行するペースが決まっていて、見ている側が立ち止まって考える余裕がありません。その点、本は自分のペースで進み、立ち止まっては自分の考えを検証できます。


私自身、例えば石油業界のお客様に会うときは、受験参考書を買い込み、せめて有機化学の「カメの甲(化学構造式)」くらいはわかるように勉強していました。


求められる人材の4つの条件

  1. 「情報への感度」、つまり情報への好奇心があること。多種多様なお客様のビジネスに好奇心を持てるか、お客様を好きになれるかということ。
  2. 「柔軟な発想」ができること。
  3. 「決断力」があること。ビジネスをやっている以上、どこかで判断を下さなければなりません。
  4. 「行動力」があること。せっかくいいアイデアを思いついても、そこで止まっていてはビジネスになりません。

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